ここから本文です

書庫全体表示

記事検索
検索

全114ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

音楽に合わせて身体を動かすことによって、認知症予防の効果が挙がります。このことで、右の脳が活性化し、左右の脳の連携が強くなり、神経細胞も太くなるためです。そして、もし左脳に認知症の原因となる異常が生じても、右脳を活性化させておくと、ある程度左脳を補完することができ、将来の認知症の発症リスクは小さくなると思われます。

体操、ダンス、カラオケなど、日常生活の場で、音楽に身体運動を合わせていると、隠れた音楽の効用があるようです。ただ、厄介なことは、上達して身体がかってに音楽に反応するようになると、もはや脳はさぼり始めて、関与しなくなります。常に脳への新しい刺激を求めて、what’s newの新曲などに、挑戦し続ける必要があります。

それではまた。

山内一三 記

(弁護士山内良治 兄からのサンデイ毎日「科学的に解明された、心身に与える音楽の効用」終わり)
その結果、音楽がない状態で体操したグループ、音楽に合わせて体操したグループは、認知能力が改善しました。しかし、音楽があるなしで、認知テストの改善幅に、明らかな差が出ました。音楽があるグループは、一年前に比較して立体図形を用いた認知テストは、8・2%得点を増やして、向上しました。有酸素運動効果だけで、音楽効果がなかったグループは、3・6%の向上幅にとどまりました。

また、音楽に合わせて体操したグループは、認知能力の向上に伴い、左右の脳の体積も、活性化していた脳の部分が、局部的に数か所で、少し増えていました。高齢者の脳も、細部数が増えたのではなく、使用頻度が高まり、脳は活性化し、神経回路が太くなるなど、脳の体積が増えるという変化があるようです。

身心の機能は、使用頻度が落ちると、年齢とともに退化し、廃用化します。それを、いかにして防ぎ、使い延すかが、ピンピンコロリの秘訣ですが、音楽にはその効用があるようです。ただし、音楽をひたすら聴くだけでは、脳の認知機能はあまり向上しません。リズム、メロディー、和音、その3つを感じながら、「音楽に合わせて、体を動かすこと」が大切なようです。

(つづく)
わが国でも、この右脳による左脳の代替機能を利用して、脳梗塞で言語機能が不自由になった患者に対して、言語能力の回復訓練をして、成果を挙げています。患者の左手を訓練士が右手で握って 上下に振ってリズムを取り、ハミングをさせて、右脳を活性化させます。それから初めは単語に節をつけて、次に短い文に節をつけて、何回も復唱させます。そうすると、右脳が徐々に言語機能を習得していきます。

確かに、障害者の場合も、日常の会話はできないのに、カラオケは上手に歌える人が多くいます。ただ、障害者の場合は、言語中枢以外にも、脳に障害があるためか、日常会話の言語機能は、カラオケだけでは、容易には改善しません。

また、音楽による、高齢者の認知能力改善効果も紹介されていました。65歳以上の人を対象に、週に一度の体操教室において、3グループに分けて、音楽を聴きながらリズミカルな体操をするチーム、音楽なしで同じリズミカルな体操だけをするチーム、まったく何も運動をしないチームに分けて、丸一年間、実験をしました。

(つづく)
その方法は、音楽のメロディとリズムに、言葉を乗せることによって、右脳に言語機能を代替させるやり方でした。通常人間の言語脳は、論理的思考機能を担当する左脳です。ギフォード元議員も、左脳を銃弾が貫通し、言語機能を失いました。他方、右脳は、イメージ脳と呼ばれ、空間認識や音楽などは、情感機能を担当します。

言語機能を回復させるための音楽訓練法は、右脳に言語機能を持たせるためのものです。交差神経によって、運動神経が右脳につながる左手を動かして、右脳を刺激しながら行います。日常会話に、メロディとリズムをつけて、歌うように話す訓練をします。まずは、単語から始めて、徐々に文にしていきます。

話し言葉に、リズムとメロディがついたことで、右脳が話し言葉を音楽と認識して、右脳で記憶します。この右脳への言語機能の移し替えによって、ギフォード元議員の言語能力が奇跡的に回復しました。ギフォード議員の演説では、不自然なリズムもメロディもなく、全く正常に話し方をしていました。

(つづく)
私も、読書や週刊メール作成中には、決まって静かなジャズやソロのピアノ曲を音量を絞って流しています。また、夜中に目覚めたときも、癒し系の音楽をタイマーでセットしてして、再度眠りにつきます。心地よい癒しの音で脳が満たされると、雑念が封じられる効果が大きく、読書にも作業にも集中でき、また、寝つきもよくなります。

サイエンスZEROでは、音楽がもたらす生理現象を科学的に解明して、失語症の回復訓練法を開発したり、高齢者の認知能力の改善効果などを、紹介していました。我々の日常生活にも応用できそうです。

2011年 にアメリカアリゾナ州で銃乱射事件が発生し、ガブリエル・ギフォーズ元下院議員が、スーパーで演説中、後頭部銃で撃たれました。左脳の言語機能をつかさどる部分を銃弾が貫通し、言葉が全く発せなくなる失語症になりました。しかし、1970年にアメリカで開発された音楽を用いた訓練法により、言語機能を回復させ、2年後には、国会に呼ばれて、銃廃絶を訴える演説ができるまでに、驚異的な回復をしました。

(つづく)

全114ページ

[1] [2] [3] [4] [5] [6] [7] [8] [9] [10] [11]

[ 次のページ ]

本文はここまでですこのページの先頭へ
みんなの更新記事