流れ犬のさすらい日記

2009年、笑顔溢れる1年にしたいですね^^

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久しぶりに小説を読み切りました。
出張が続いてたから、移動時間にね。

で、今回の小説は、

川の深さは

講談社文庫、著者:福井 晴敏

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劇場で、「ローレライ」、「亡国のイージス」と観て、福井氏の原作が読みたいと思って、手にした1冊でした。
ただ、終戦のローレライ、亡国のイージス共に、長いんです。
だから、手を出しにくかった・・・。
で、ふと見ると、「川の深さは」が目に入ったので、これをまずは読んでみようと。

あらすじは、
命をかけて守るべき人が君にはいるだろうか。

「彼女を守る。それがおれの任務だ」傷だらけで、追手から逃げ延びてきた少年。彼の中に忘れていた熱いたぎりを見た元警官は、少年を匿(かくま)い、底なしの川に引き込まれてゆく。やがて浮かび上がる敵の正体。風化しかけた地下鉄テロ事件の真相が教える、この国の暗部とは。 
といった感じ。

まず、福井氏の小説が、複数の冊数になる意味が分かりました。
描写が細かく、表現が物凄く、文字数が多い!
読み始めは、その表現の多さで、話が中々進まず、結構疲れたかも^^
でも、中盤に差し掛かった辺りから、その表現の細かさから来る、各人物の背景が見えてききます。そうする事で、登場人物の想いが伝わってくるんですね。
その甲斐あって、ストーリーの展開にグイグイと引き込まれていきました。

この話には、3組の男女の想いが出てきます。
話の核になる、保と葵
その話に大きく関ってくる、桃山と涼子
そして、金谷と美希
話の主たる部分は、オウム真理教を一連のモチーフとし、北朝鮮、アメリカとの国際的な問題と、日本の暗部を直視するような、かなり重たい話。
でも、そんな暗部を照らすのは、やっぱり人と人との人間味あふれる出会いなんだと感じました。(なんか偉そうですが^^)
桃山は、人生を途中で投げ出して、全てに活力を見出せないでいる40歳を過ぎた元警察官。そんな彼が、「彼女は俺が守る!」そう言い切る保の一途な力に、どんどんと感化され、桃山自身が再生する様は、やっぱり熱いものを感じてしまいます。

題名の『川の深さは』は、女性誌の心理テストで、
「あなたの目の前に川が流れています。深さはどれくらいあるでしょう?」
 1.足首まで。
 2.膝まで。
 3.腰まで。
 4.首まで
というもので、情熱度を表しているといいます。
でも、この川というテーマは、物語の最後を締めくくる舞台が、川の流れがたどり着く、海であると言う流れにも繋がっています。
また、川は流れが止まれば澱み、水も腐る。しかし、流れていればいつか清らかに、そして広大な海へと続くというような、流れる事をあきらめちゃいけない!な〜んて人生をたとえるものも含んでいます。

いや、長い文章になっちゃいました。
でも、もうちょっと。

このお話を読んでいると、「亡国のイージス」の先任伍長を思い出します。
どちらも、超人的な人物ではないですが、人情が感じられます。
福井氏の作品の共通しているテーマのようなものが感じられました。
中年だって、まだまだ捨てたもんじゃないぞ!ってね。

最後に、どなたかの「ローレライ」の映画のレビューで、
「原作の伝えたいものが伝わりきっていない」
と、書かれていたのを思い出しました。
福井氏の作品の描写の細かな文章の量は、映像をメインにすると中々難しいなと、
妙に納得しましたね^^
それだけ、福井氏の小説は、自分ではおもしろいと感じてしまう1冊でした。
ファンになりましたね^^

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