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長崎在住の政策クリエーター・橋本剛による長崎関係モノローグ。

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長崎市議会の教育厚生委員会の審議が終わりました。

今回の委員会でこだわって発言したのは以下の4点。

① 原爆資料館への指定管理者制度導入(特に、図書館について)

② 恐竜博物館基本構想

③ あぐりの丘のコンセプト変更

④ 生活保護のケースワーカーの配置

ひとつひとつが長いので、順番に「連載」します。

まずは、

「原爆資料館への指定管理者制度導入」です。

私は、もともと、

● 原爆資料館自体、市営ではなく、公益財団法人などが運営するほうがよい

と思っています。

広島市の原爆資料館は、市営ですが公益財団法人に一括して管理してもらうかたちですので、私のイメージしている姿に少し似ています。

しかし、今度の指定管理者制度導入は、

運営者としてイメージしているのが

「ビル管理事業者」

だというように、

基本、「建物の管理」を念頭に置いていました。

このとき、原爆資料館に附属している図書館についても、

指定管理の対象とするという仕切りになっていたので、

「それは違うのではないか」

と述べたものです。

長くなりますので、詳しいのは後に書きますが、

「世界でただ二つしかない原爆資料館」

にある、専門図書館の運営は、

それなりに専門知識のある司書さんがいないと、

十分に機能しなくなってしまうからです。

結果的には、最後まで反対しましたが、

6−2で可決されました。

【以下詳しい話】

「指定管理者」は、

市役所が直営で管理するのではなく、

民間事業者に管理をしてもらうものです。

(※ 「直営」にも、公務員が全部行うものと、個別に業務を民間に発注するものがあります。)

原爆資料館の運営でいえば、

・ 平和推進関係の仕事
・ 建物の管理、清掃
・ 受付、インフォメーション
・ 図書館の運営

など様々な業務があります。

現在は「直営」なので、個別の細々した業務を役所がひとつひとつ発注して管理しています。

今回の事案は、市役所から、上記でいえば

・ 平和推進関係の仕事

に専念して被爆体験の継承、啓発活動に力を入れたいので、

建物の管理などはまとめて指定管理者に管理してもらいたい

というものでした。

なお、原爆資料館だけではなく、

隣のホール「平和会館」と、

その地下の「長崎市歴史民俗資料館」も

含めて3つの建物の管理を

指定管理の対象として位置づけ、

ひとつの事業者に管理させる方針です。

(指定管理は公募になります。)

さて、建物管理全体としては

指定管理にしても問題ないにしても、

ここに「受付、インフォメーション」や

「図書館の管理」が含まれるのが問題です。

現在は、その業務の特殊性からか、

公益財団法人長崎平和推進協会に

随意契約(公募しない形)で発注しています。

市役所の説明では、

・ 受付やインフォメーションは外国語での対応を可能とするようにするなど、これまでよりサービス向上が図られ得る。

というようなものであり、

委員会の委員からは不安視する声もありましたが、

まあよくなるかもしれないなと思う部分もありました。

また、そもそも随意契約は、

極力限定したほうが公正さが保たれると思っています。

ただ、「図書館の管理」はそうはいきません。

とりわけ原爆資料館の図書館は、

全国各地から来る修学旅行生や研究者、

世界の方々からの求めに応じる必要がある

「プロフェッショナル」仕様の図書館

であるべきです。

司書さんがいても、

指定管理者(ビル管理事業者)が

公募で変わるたびに

司書さんもゴロゴロと変わるようであれば、

けっしてプロは育ちません。

「世界にふたつ」の図書館が、

そんな「効率化、コスト重視」でいいのか。

それが問題意識でした。

市役所側の説明は、

(どうやらここは内部でも議論があったようですが)

・ 原爆資料館の図書館は、オンラインで市立図書館とつながっており、実際の取り扱いの8割は「原爆資料館図書館の本の扱い」ではなく、ベストセラーなど一般図書となっていることを踏まえて、一般の管理と同じくくりにした

(=オンラインで予約した本を近隣の方々が受け取りに来たり返却したりすることへの対応であること)

というものでした。

実際は「8割がベストセラー」だからといって、

専門図書館の役割が変わるわけではありません。

知りたいことを探すのを手伝う「司書」さんは、専門図書館の司書さんとしてプロフェッショナルであってほしいのです。

市役所側の説明では、

・ 指定管理者の変更で司書さんが変わっても、司書さんは本を探すプロだから、すぐ慣れてくれるし、必要なら原爆資料館に常駐する(平和推進関係業務を行っている)市役所職員がバックアップするから、不便をおかけしないようにする

という答弁でした。

違うと思うのですが、

他の委員は(共産党を除き)納得したようで、

本件は可決となりました。

後日、よくよく考えれば、

市役所側のプレゼンが最初から以下のようなものだったら、

違和感を持たなかったのかも?

と思い至りました。

・ 建物の管理に指定管理者制度を導入する。

・ 図書館については、近隣利用者が8割となっているので、その「基本管理業務」は指定管理者による一般的なもので対応することとする。

・ 結果として不足することとなる、専門的知見からのレファレンスサービスなどの「高度管理業務」は、隣接して常駐する原爆資料館担当の市職員が新たに行うこととする。

結果的には今回のものと同じなのかもしれませんが、

「最初にそう仕切っておくこと」

と、

「なんとなくそういう話をしていて、でたとこ勝負」

というのは、運営上大きな差が出ます。

指定管理者制度導入後、

長崎原爆資料館の図書館に来た研究者が、

図書館の司書さんに聞いても要領を得ず、

どうやら詳しそうな市役所の常駐職員が出てきたと思ったら、

あからさまに「自分の仕事じゃないのに」と

いうような感じで、

「やらなくてもいいことを善意でやっているんだ」

みたいな対応をすることとならないか、

ちょっと心配です。

最初に仕切っていなかったら、

役所組織はすぐそうなるからです。

【補正予算との対応の差について】

なお、この件に関する「指定管理者選定委員会」の予算

4万2千円の補正予算案については、

私は賛成しました。

(共産党はこれも反対)

理由は、指定管理者制度の導入自体には

賛成しており、

ただ図書館の扱いについて承服できないため

条例案には反対したものであること。

また、図書館の扱いがどうであれ、

この指定管理者選定委員会の予算は

必要となること。

の2つです。

条例案が6−2で、引き続いての予算案が7−1なのはなぜ?と後世の方が思ったときのため、こちらに記しておきます。

長い文章でしたが、おつきあいくださり感謝いたします。

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