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安倍晋三氏のこと

 安倍晋三氏が『文藝春秋』に手記を寄せ自らの退陣理由について説明したことは、すでに周知のことであろう。

 率直に言えば相当に疑問を覚える内容だった。
 所信表明演説で原稿を読み飛ばしたことで首相辞職を決意した、とのことだがどうも解せない。外遊で相当体調が悪くなったという情報は多いし安倍氏本人も外遊後に辞任する考えが浮かんだというから、国会開会前の外遊後に自らの体調悪化を鑑みて首相を辞任するという行動を取った方が自然ではないか。厳しく言えば、所信表明演説で読み間違えをするまで、自らの体調が首相の職責に耐えられないことを認識できなかったということだろうか。
 いずれにしろ現時点で安倍氏辞職の「真相」が明らかになったなどと考えるのは明らかに誤りだろう。今回の手記は前二回の本人による記者会見の内容がいかに当てにならないかの実証であり、今後今回の手記とは異なった内容が本人から表明される可能性は十二分に考えられる(こういうことを考えてしまうので、私はあまり安倍氏の「誠実」ぶりを認識していない)。

 若い頃から今回発病された「かいよう性大腸炎」を患っていられる事には同情するが、今回訴えておられる程の持病を持っていることを、安倍氏が首相就任前に真剣に考慮されたのか否か。

 またそれ程の重病を患っておられるのなら、どうぞ永田町を離れて御療養頂きたい、と思うのは私だけであろうか。安倍氏を擁護する「保守主義者」諸君は持病があるにもかかわらず安倍氏に今後も活動するよう求めているようだが、本当に安倍氏や同氏の体調のことを考えた上での意見だろうか。
 
 ともかく、私は安倍晋三氏の主張にはあまり興味が無いので、氏が持病を押して保守勢力の結集だのに尽力されると言明されようと何とも思わない。ただもし氏が自ら提唱された「再チャレンジ」の理念に基づいて再び責任ある地位に復帰されるおつもりならば、持病を良く考えてご自重下さいと申し上げたい。

今年の政治あれこれ

 今年の日本政治における大事件は、言うまでも無く参議院選挙における自民党の大敗とその後の安倍晋三首相の辞任だろう。
 参議院選挙で自民党が過半数を割ったことは最近にも二度あったが(リクルート事件・消費税導入・宇野首相の女性問題という「三点セット」を抱えた1989年、橋本首相の消費税問題への対応が響いた1998年)、その際は民社党・公明党・自由党といった野党を引き込むことで自民党は政権を維持してきた。
 だから今回も何とかなるかもしれない、そんな見方を安倍首相や小泉純一郎は持っていたのかもしれない。
 ところが今回は既に公明党と連立政権を組んでしまっており、公明党を加えても過半数が取れないほどの惨敗を喫してしまった。
 そうなると野党第一党で参院では第一党の民主党とある程度の妥協をしなければどうしようもない、ということは昨今の情勢が示す通りだろう。そして福田新首相と小沢民主党代表との間で大連立の話が持ち上がったりする訳である。
 たとえ参院と雖も決定的な敗北を喫して過半数を失ってしまっては政権の運営は事実上不可能になってしまう、ということを今回の事例は如実に示している(現在のように与党が衆院で三分の二を握っており参院に関わらず法案を通せると言うのは、寧ろ例外だろう)。だから参院選は政権選択に非ず、と言って一度は続投宣言をした安倍首相とその周りの人々は、明らかに情勢判断を誤っていたのだろう。
 それにしても、今回の選挙に至るまで参院選の重要性がもう一つ認識されてこなかったのは、不思議と言えば不思議なことだろう。過去二回のように野党勢力の一部を味方につければ凌げた、という事情もあるのだろうが、結局自民党が参院選で常に勝ってきた、とうことなのだろうか。
 衆院選は言うに及ばず参院選でも基本的に政権が維持できないほどの大敗はしなかったあたりに、政権政党としての自民党の底力があった、と今更ながら思う。

 その自民党政権を大敗させた辺り、安倍内閣はある意味で凄かった、と皮肉な物言いをしたくもなる。誤解の無いように初めから言っておくが、私は昔から自民党左派の支持層だ。だが、創価学会・公明党と手を結んだ辺りから自民党にも嫌気がさしたし、今度の安倍内閣が出来たことでどうやら完全な無党派層になったようである。
 その政権運営がお粗末だったのは言うまでもないが、大体憲法改正や教育改革といった「美しい国」路線に私はあまり興味が無かった。というのも、歴史について余りにも偏った言論をしている人々(歴史修正主義、と呼ぶのがふさわしいような人々)がこぞって安倍晋三を「保守派の星」と絶賛していたので、安倍晋三が本当に「保守派」なのか、とやや懐疑的な評価をしていたので。
 昔は保守派は現実主義、革新派は理想主義と相場が決まっていたものだけれども、今やいわゆる「保守派」が理想主義で、左翼が現実主義になってしまったらしい。
 私は安倍首相が退陣するまでは余り好きではなかったが、退陣した後で嫌いになった。辞任表明の記者会見と二週間ぐらい後でなされた会見の内容がどうも食い違ったからだ。小沢代表に党首会談を断られたことを理由にした前者と、体調不良を挙げた後者の内容はどうも矛盾しているようだ。うがった見方をすればどちらかが信用できない発言ではなかったか。
 二週間で言うことが変わったのだから、二年ぐらいたったら「あの時は体調不良と言ったけれども本当は麻生と与謝野のクーデターでした、だから私は美しい国を目指してもう一度頑張ります」くらいのことを国民に平然と述べてカムバックしてきても不思議ではない、と思うのは私だけだろうか。

「安倍政権の遺産」、と自称保守派の人々は安倍政権の成果とやらを評して言っているが、最近一番目立った「安倍政権の遺産」は参院選の時の年金問題についての公約だろう。福田首相がとぼけて忘れたくもなるような立派な「遺産」を、安倍氏は遺していったのだ。
 
 

 福田康夫首相は官房長官時代に公文書館(アーカイブス)整備の懇談会を主宰したことがあり(2004年11月2日付けの『日本経済新聞』)、政治家達の中では公文書館問題に詳しいという。

 何でも戦争直後の前橋の写真を探して欲しいと頼まれた時、地元にはなかったのにアメリカの国立公文書館を訪ねると「ほどなく焼け野原になった前橋の写真が数十枚出てきた」という体験があるとのこと(同上)。日米間の公文書館の格差(人数にして2500対42とすら言われた)を良くご存知だろう。

 昨日の日経で、かつて公文書館問題の記事を執筆した松岡資明編集委員が、福田総理には是非公文書館の拡充に取り組んで欲しいと書いていたが、全く同感。いきなりアメリカ並みに拡充するのは無理だろうが、年金記録問題で公文書取り扱いの杜撰さが明らかになったところでもあるし、「信頼回復」の路線にもピッタリなだけに、後に振り返ると福田政権の頃から公文書館が充実した、と言われるような取り組みを政権が終わるまでにして欲しいものですね。

安倍首相礼讃?

産経新聞の阿比留記者は、極めて右翼的な人物で相当な安倍首相支持者だと聞いていたが、氏のブログを見てなるほどなあと納得したりした。

『本日夕、都内の慶応大学病院で行われた安倍首相の記者会見に行ってきました。私は一番前の列に陣取りましたが、きょうは質問はしませんでした。多くの人がテレビで会見の様子をごらんになったでしょうから、あえて付け加えることはありませんが、安倍首相がまだ十分病気から回復していないのは現場で見ても明らかでした。一人の理想に燃え、溌剌とした志ある政治家を、たった一年の間にこれほど心身ともに傷つけダメージを与える政治とは、何と残酷なものなのかと、改めて感じた次第です。』

 どうも同記者の認識では、安倍前首相退陣の原因は「一人の理想に燃え、溌剌とした志ある政治家を、たった一年の間にこれほど心身ともに傷つけダメージを与える政治」にあったらしい。
 それにしても、同記者が今まで批判してきた多くの政治家の中に、所信表明後代表質問直前に体調を理由にして職を辞めた政治家が見当たらないのは、意外と言わざるを得ない。「一人の理想に燃え、溌剌とした志ある政治家」こそが、もっとも無責任と言わざるを得ない時期に責任を放り出した、最初の政治家らしい。

 ところで同記者のブログを読んでいると思うのは、阿比留記者は『聖教新聞』の記者をやらせたら相当なやり手だろうな、ということ。右翼的な同記者は嫌っているであろう創価学会と比べられるのに不快だろうが、自らの支持する人物を徹底して擁護しその反対者を徹底して攻撃する、という姿勢は『聖教新聞』に通じるものがあるだろう。片や安倍晋三片や池田大作、片や民主党と小沢一郎片や共産党と日顕という具合に。

 

自民党総裁選

 自民党総裁選は福田氏優勢とのこと。

派閥談合政治との声もあるようですが、昔は今回のようにほぼ全派閥が一人の候補を支持した場合、総裁選すら行われなかったでしょうから、総裁選が行われるだけまだましなのかもしれません。田中角栄の後の三木武夫、大平正芳の後の鈴木善幸などは総裁選なしで選出されましたし、過去の自民党ならば話し合いで福田氏に決まっていたことでしょう。そもそも父親の福田赳夫氏も「三木おろし」後に話し合いで選出されましたっけ。

大体安倍首相が後継すら指名せずに(それとも求心力がないから指名できずに?)辞めて入院、というのも異例ですねえ。後任のことも一切丸投げということでしょうが。

麻生氏は「福田氏イコール古い自民党」として自分を売り出したいんでしょうけれども、「麻生イコール新しい自民党」であるということを説得できない限り難しいのでは。

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