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安倍晋三氏が『文藝春秋』に手記を寄せ自らの退陣理由について説明したことは、すでに周知のことであろう。
率直に言えば相当に疑問を覚える内容だった。
所信表明演説で原稿を読み飛ばしたことで首相辞職を決意した、とのことだがどうも解せない。外遊で相当体調が悪くなったという情報は多いし安倍氏本人も外遊後に辞任する考えが浮かんだというから、国会開会前の外遊後に自らの体調悪化を鑑みて首相を辞任するという行動を取った方が自然ではないか。厳しく言えば、所信表明演説で読み間違えをするまで、自らの体調が首相の職責に耐えられないことを認識できなかったということだろうか。
いずれにしろ現時点で安倍氏辞職の「真相」が明らかになったなどと考えるのは明らかに誤りだろう。今回の手記は前二回の本人による記者会見の内容がいかに当てにならないかの実証であり、今後今回の手記とは異なった内容が本人から表明される可能性は十二分に考えられる(こういうことを考えてしまうので、私はあまり安倍氏の「誠実」ぶりを認識していない)。
若い頃から今回発病された「かいよう性大腸炎」を患っていられる事には同情するが、今回訴えておられる程の持病を持っていることを、安倍氏が首相就任前に真剣に考慮されたのか否か。
またそれ程の重病を患っておられるのなら、どうぞ永田町を離れて御療養頂きたい、と思うのは私だけであろうか。安倍氏を擁護する「保守主義者」諸君は持病があるにもかかわらず安倍氏に今後も活動するよう求めているようだが、本当に安倍氏や同氏の体調のことを考えた上での意見だろうか。
ともかく、私は安倍晋三氏の主張にはあまり興味が無いので、氏が持病を押して保守勢力の結集だのに尽力されると言明されようと何とも思わない。ただもし氏が自ら提唱された「再チャレンジ」の理念に基づいて再び責任ある地位に復帰されるおつもりならば、持病を良く考えてご自重下さいと申し上げたい。
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