ビー玉の瞳

平日メインのマイペース更新で進めております💦どうか気長にお付き合いの程お願い致しますm(__)m

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「お先に失礼します」

定時を少し回った頃、今日の仕事を追えたつくしは、上司に礼をし職場を後にする。
外に出ると日中の熱気がまだ残っており、湿気を含んだ空気が肌に纏わりつく。

「…暑…ぅ…」

思わずそう呟きながらも、足は地下鉄の入口へと急ぐ。
いつもと変わらぬ、帰り道。


司との4年後の約束は、4年を待たずに終わりを告げた。
どちらが悪い訳でもない。シンデレラの魔法が12時になると解けたように、つくし達も現実を知った。“灰かぶり姫”は本物の“お姫様”にはなれなかっただけのこと。

その後、公立の大学に編入しどうにか卒業したつくしは、ごく普通の一般企業に就職していた。
無職だった父親も無事仕事を見つけ、進も昨年大学を出て社会人になっている。

今のつくしの前にあるのは、何の変哲もない、平々凡々な毎日。
不満などない。ある筈もない。
けれどこうして電車に揺られていると、時折、ふっと虚無感に襲われる。

今日の午前中は、仕事で小さなミスがあった。
直ぐ様フォローを入れ、先方にも了承して貰ったため、大事には至らなかったが、気が滅入るのは否めない。

−そのせいかも…?

電車の窓に映る自らの顔を眺め、自嘲気味に笑う。
こういう日は早く帰るに限る。
一晩休めばこの虚無感もなくなるのだろう。

そんなことを考えながら、アパートまでの道のりをてぼてぼと歩く。
緑の残るこの周辺は、職場近くに比べるとかなり涼しい。
アパート手前の角を曲がったとき、一陣の風が髪を掠めた。

ふわり。
その時、つくしの足が止まる。



「あ、牧野」

近くの壁に軽く背を預けていた類が、つくしの姿を見るなり近付いて来る。

「はっ…花沢類…!?」

驚くつくしに、類はどんどん近付いて来る。
気づけば目の前にある、類の顔。

「なっ…なんでっ…!」

類は大学卒業後、仕事でフランスに渡っている。
その噂話はつくしの耳に届き、『若いがやり手の専務』と、何処かの経済誌に書かれていたのを、先日も目にしたばかり。
事実、つくしの前に立つ類は、学生時代の面差しのまま、そこに精悍さがプラスされていた。

「帰って来た」

類がぽつりと呟く。
十代の頃より遥かに大人びているというのに、単語ばかりの喋り方は変わらぬままだ。

「かっ…帰って…?」
「ん…向こうでの仕事に目処がついたから」
「あっ…そうなんだ。お疲れさま…。
…じゃなくてっ! なんでっ!? 」

思わず納得してしまいそうになり、慌てて首を振る。
帰国したというのは判る。何だか知らぬが、フランスでの仕事を終え、日本勤務にでもなったのだろう。

が、その類が何故ここに居るのか?
パニックになるつくしに対し、類は「牧野、五月蝿い…」と、変わらぬマイペースっぷり。

「あっ…あのねぇ…。私はなんで、ここに居るのかって…」
「会いたかったから」

至極当然のように類が告げる。

「…え…?」
「会いたかった」

言って類が身を屈める。
頬に触れる、ひんやりとした感触。

「あ…あの…?」
「会いたかったよ」

途端に赤くなるつくしの逆側の頬に、再びキスを落とす。

「ちょ…ちょっ…!」

批判の声は、類のそれに阻まれる。
触れるだけの、柔らかなキス。

「!!!!!」

これ以上はないというほど、真っ赤になるつくしを見て、面白いというように類が喉を鳴らした。

「はっ…花沢類!! な…なにっ」
「………ずっと、待ってた」
「…え…?」

笑いを収めた類がすっと真顔になり、ぽつぽつと語り始める。

「牧野の気持ちが整理できるの」
「え…っと…」
「避けてたでしょ? 俺達のこと」

ズバリと核心を突いた言葉。
司との一件以来、何となく英徳時代の仲間とは距離を置いていた。
決して嫌いになったわけではなかったが、司を思い出さない場所で気持ちの整理を付けたかったことは事実。
そんなつくしを責めるでは無い、只、静かに確認をするだけの類の口調。
つくしが素直に頷く。

「……ごめんね。その…」
「牧野の『ごめんね』は聞き飽きた。それより…」

Chu
先程より気持ち長めにキスをする。

「…!!!」
「ね…牧野」
「はっ…はい?」
「そろそろ、俺を好きになって」
「………ハイ!?」

それまで以上に脈略のない類の言葉。
呆然とするつくしの唇に、再び触れる類の唇。

「ちょ…ちょっと…!」
「ん…? 沢山キスすれば、俺のこと、好きになってくれるかな?って思って」
「な…」

−なんだそれ?

そう叫ぼうとしたつくしの唇に落とされるキス。
つくしが何か言おうとする毎に、シャワーのようにキスが降ってくる。

「ちょ…本当に待って!」

思わず流されそうになるのを、必死に手で押しのける。

「…駄目…?」
「駄目だよ! だって……花沢類は友達だし…」
「友達で恋人、でもいいんじゃない?」
「そ…そりゃそうだけど…。それに…花沢類も……その……Jr.だし…」

真っ直ぐに向けられる類からの視線。
それを逸らしながら、必死で断る言い訳を考える。
思い返すのは、司と別れたときのこと。
類も同じ、“向こう側”の人間なのだから。
俯くつくしの肩を、柔らかく抱きしめる。

「ひやっ…。はっ…花沢類…っ」
「…………多分、牧野は苦労すると思う……」
「…………」

慣れぬ世界。偏見の眼。
どうしたってつくしは、矢面に立ってしまうのだから。

「でも、隣に俺が居るよ」
「え…?」

つくしがゆるゆると顔を上げる。
重なり合う視線。

「一緒に、乗り越えて行こう」
「…………」
「だから、俺のこと好きになって……?」

ねだるように小首を傾げて告げる。
“つくしが弱い笑顔”というオマケ付きで。
それを見たつくしが出来ることと言えば、顔を真っ赤にしながら「うん」と頷くことだけ。

刹那、類の腕に力が籠もる。
身体中で感じる温もりと、早鐘を打つ類の鼓動。
先程まであった虚無感が、一気に消えていく。

「牧野」

再び顔を上げたつくしに、今までで一番深いキスが飛び込んで来た。



-fin-



オマケ

晴れて付き合うようになった類とつくしは、早々に籍を入れることになる。
その理由は…?

道の往来でキスを繰り返したつくしは、近所の有名人になり、とてもアパートに居られる状況ではなくなったため。

『それならうちにおいでよ』と、笑顔と共に差し出されたのは、婚姻届。
ご丁寧にも類と、証人として類の両親のサイン入り。

『信じられない!』
つくしは顔を真っ赤にして怒るのだが、類は無言のまま柔らかく笑うと、つくしにキスをする。

果たしてこれが、類の策だったのか否か。
それは、本人のみぞ知る……?


ホントにおしまい





🍀イメージソング:SingTuyo 「Kiss is my life」
歌詞&動画はこちらから…↓
https://www.uta-net.com/movie/250357/




イメージ 1








****************************



キャーーー❤❤❤

と、いうわけで…✨(*´ω`*)

優しくて素敵なお話は、凪子の心の師匠こと、星香様からでした❤❤❤

待っていた類からの、突然のkissのシャワー🎵(/ω\*)
そして可愛らしいオマケまで…❤



うふ❤

類はやっぱり…

いつまでも、たとえどれだけ時が経ったとしても、1番につくしの事を一途に想ってくれている…✨

そんな気がします(*´ω`*)❤


そして、同時にうっすらと浮かんだのは…

自分のブログ誕生日も忘れ、お話をかくことも忘れそうになっているおサボり凪子の襟首をガシッと掴みとり

〉「ねぇあんた… わかってるよね?
逃がさないよ…」


眩しい笑顔の、類と師匠が密かに重なってしまったりして…(* ̄ー ̄)笑笑

あはは…

はい、師匠ごめんなさいm(__)m笑


いや、冗談ですよっw

星香さんは、ホントにお優しい✨(*´ω`*)天使のようなお方にございますっ!!!m(__)m❤


もうね、何から何まで迷惑かけっぱなしの凪子なのに、いつも本当にありがとうございます!!なのですよ…
(。´Д⊂)

なのでこの場をお借りして、改めてお礼を✨

こんなポンコツ以下の手のかかる凪子に、今年もまた✨素敵なお話のプレゼント、どうもありがとうございましたっ!!



※星香様へのメッセは、凪子がきちんとお届け致します🎵

閉じる コメント(7)

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おはようございます。

類君らしいおはなしですね。
類君は、おそらく凄く頑張って日本帰国なのでしょうね。
類xつくしのカップルは、大好きです。
有難うございました

2018/8/18(土) 午前 6:58 [ Mayumi Watanabe ] 返信する

> Ma〜さん🎵

今晩は!お返事遅くなりました💦

うふふ🎵ですよねですよねっ❤
凪子も思わず読みながらにやけて、そしてほっこりと…❤

やっぱり類は、こうでなくっちゃ✨(*´ω`*)!!、ですねっ❤

メッセは師匠にお届け致します✨
どうもありがとうございました!!

2018/8/19(日) 午後 11:04 [ 凪子 ] 返信する

> り〜さん❤

うふっ❤そうなのよぉ✨(*´ω`*)

むふふっ、むふふっ♪で、いい夢見ちゃいそう❤(笑)

メッセは師匠にお届けしますね!
どうもありがとうございました!!

2018/8/19(日) 午後 11:07 [ 凪子 ] 返信する

凪子さま

改めまして、ブログBirthdayおめでとうございます(^^)♪
またも駄文がお邪魔しました<(_ _)>
この曲は聴いた時に「あー類のイメージ」と思ったのですが、思うような甘々にはならず…
あれがワタクシの限界でした(-_-;)

うふ♡類と重なる!?
うふふ……そんな策士的なことはしませんよ〜
……多分……( ̄ー ̄)ニヤリ

と、いうことで、これからも宜しくお願い致します〜<(_ _)>

2018/8/20(月) 午前 9:17 星香 返信する

Mayumi Watanabe様

コメントありがとうございます♪
凪子さまよりメッセージを頂きました。

類くんらしさ…出ていたでしょうか?
兎に角キスさせたかったのですが…四苦八苦でした(><)
そう言って頂けて嬉しいです(^^)

私も類×つくしのお話、大好きです。
凪子さまには夏休み明けに頑張って貰わないと!
ですよね…? ( ̄ー ̄)ニヤリ

お目汚し、失礼致しました。<(_ _)>

2018/8/20(月) 午前 9:20 星香 返信する

鍵コメ「りお」様

コメントありがとうございます♪
凪子さまよりメッセージを頂きました。

はっははーーそうです。ワタクシでした。
性懲りもなく押し付けました。
もう、あとは逃げるばかりです〜(^^;)

お目汚し、失礼致しました<(_ _)>

2018/8/20(月) 午前 9:23 星香 返信する

> 星香さん🎵

はーい!いえこちらこそ、どうぞ宜しくお願い致しますっ❤(*´ω`*)

この度は、またまた素敵なお話をありがとうございました✨(。´Д⊂)

去年の今頃もきっと同じ事を言ってたと思うのですが…(^^;

夏が来るたびに、
〉あぁ… 師匠のお陰で、凪子が生まれたんだなぁ…✨
と、あの頃を懐かしく思い出します(笑)
そのわりには、日付はすぐに忘れますけどね…(^^; えぇ、やっぱり根本的に、数字に弱いみたいですww

うふふ。初めて踏み入れた新しい世界は、いろいろと刺激的でしたが…(笑)

お陰様でとても楽しい経験を得られたことに、改めて感謝感謝でございます!m(__)m✨

…って、んっ?
上の方のコメに、何やらニヤリと笑いが…(笑)

が、頑張りますよっ(汗)
…マイペースで!!!(笑)(^^;(^^;

ホントにホントに、どうもありがとうございました❤

2018/8/20(月) 午後 11:30 [ 凪子 ] 返信する

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