凪のこころ

新緑の季節となりました♪

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みなさま、「積極的に」「あのひとに」「とても会いたい」と思う相手って、いますか?


私にはいます。高校時代にとても憧れていた先生です。
年賀状が宛先不明のスタンプを押されて戻ってくるようになってから何年経つでしょうか。
それでも私は毎年、宛のない年賀状を出し続けています。 (郵便配達のみなさまごめんなさい)


先生は、世界史の教科担任で、生徒会の顧問としてもお世話になった方です。ここでは仮にT先生とします。
教師としてはあまり熱心なタイプではなかったと記憶しておりますが(笑)、さばさばとしていて
少し飄々(ひょうひょう)としたところもあり、全体としてバランスの良い、本当に格好いい女性でした。

定年退職された時期から推測するに、おそらく当時60歳手前だったと思いますが、
名門・東北大学を出た才媛で(先生が学生だった1955年頃の女性の大学進学率は5%を大きく切っていたはず)
言うこと成すこと、とにかく格好良かった。

他の先生方とは少し違った視点の持ち主で、校長や生徒の前で平然と学校方針について「おかしいわよねぇ」と
言うようなところがありました。ぽややんとした私たち生徒の「あまさ」を指摘するのも先生くらいでした。

私は、そんなT先生にとても憧れていました。MADONNAと同じくらいカッコイイと思っていたかも。(笑)


今夜は、このT先生に関するエピソードを、少し。


他校ではどうか知りませんが、私の高校では、生徒たちの間で、卒業前に、お世話になった先生方から、
卒業アルバムに一言コメントを頂く、という習慣がありました。
私も、6年間のうちに担任してくださった先生方や、クラブ活動などの顧問などから、一言頂いたものです。

職員室に「一言くださーい♪」とお願いに行くと、たいていの先生は、その場でサラサラと書いてくださいます。
全ての生徒に同じ言葉を書かれていた先生もいらしたことでしょう。(別にそれが悪いことだとは思いません)

ところが、T先生は、私がお願いすると、「・・・ちょっとよく考えたいから、2〜3日借りてもいい?」と。

そうして数日後に渡された卒業アルバムには、こういう一言が書いてありました。


     問いを生きる ・・・リルケ・・・
            (先生のご署名)


・・・そうです。そういう先生だったのです。

この一言をきっかけに、後にリルケの『若き詩人への手紙』を読み、どんなに勇気づけられたかわかりません。


それだけではありません。卒業式の日、先生に呼ばれて行くと、「これ、あなたに。」と四角い包みを渡されました。
その場では開けませんでしたが、後で開くと中は小さな詩集でした。茨木のりこ著『おんなのことば』。
見開きには、「○○さんへ 私の好きな詩人の詩集を贈ります。(日付)(ご署名)」と書いてくださっていました。

その詩集を手渡しながら、先生が私にかけてくださった言葉が忘れられません。

「あなたは生徒だったけれど、私にとっては生徒という言葉だけでは語ることのできない人でした。
 ひとりの女性としてのあなたに出会えたことは、私にとってとても意味があることでした。
 あなたがこれからどんな女性になるか見ていきたいので、これからも私に手紙をちょうだい。」

細かい言い回しは忘れてしまいましたが、こういう内容でした。


ちなみに、以前、記事で「恩師の言葉」としてご紹介した一言も、このT先生のお言葉です。
http://blogs.yahoo.co.jp/naguissa1976/18052133.html


T先生とは、卒業後も、何度か長い手紙のやりとりを続けていて、将来どう生きるべきかについて話したり、
時には恋の悩み相談をして「未熟な男は周囲に迷惑をかける」「男の自尊心は手に負えない」と止められたり(笑)
そんなことが何年か続いていました。

手紙を通じて、「先生」としてだけでなく、等身大の女性としての先生の姿も見えてきていました。
登山が好きであること、そのために「休みが多い」教師になったこと(笑)、アメリカン・インディアンの哲学に
共鳴していること、ミント・ティならポンパドールのものよりも遊牧民の飲み方が好きなこと、などなど。
そうこうしながら、どんどん先生のことが好きになっていきました。


ところが、ある年のはじめに、突然、年賀状が宛先人不明で戻ってきたのです。
確かに数ヶ月間、手紙のやりとりがありませんでしたが、1年は経っていなかったと思います。
それからずっと、先生とは連絡がついていません。


私は、なかなか自分に自信が持てません。
周りから見ると、きっと、自信満々で、やる気満々で、明るくて、悩みなんてなさそうに見えるでしょう(笑)。
でも、本当は全然自分に自信がないのです。ダメだなーって思います。趣味嗜好だってネクラです(笑)。

そんな私にとって、先生が卒業式の日にかけてくれた言葉は、数少ない「自信」の源なのかもしれません。
だから、今もそんな先生に会いたいと思っているのかもしれません。だとしたらちょっと情けないですね。
いや、でも、そんなことはどうでもいいと思うくらい、先生に会いたいと思っているのです。


最近、異動希望について部長と面接した際に、(話が脱線して)部長がかけてくれたある言葉がきっかけで、
先生の手紙の内容をまざまざと思い出しました。ちょっと寂しくなったりもしちゃいました。
今の部長も本当の意味であたたかく素晴らしい方です。私は周りのひとに恵まれているなぁと改めて思いました。


みなさまには、会いたい人、いますか?


▼写真の説明
卒業アルバムにT先生からいただいた一言コメントと、卒業式の日にいただいた詩集の表紙。
だいーぶ前に、何を思ったのか写真に撮っていたのが残っていました。久しぶりにこの詩集を開いてみました。

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閉じる コメント(14)

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自信満々に生きている人なんてそう居ないんですよね。 その先生は本当に生徒のことをよく考えておられるんですね。 私も高校時代の担任の先生に送っていた年賀状が返ってきました。 かなり前の話ですけれど。結構ショックですよね。

2007/3/11(日) 午前 2:30 tiger1939jpjp 返信する

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なぎささんは、お若い頃から魅力的な女性だったんですね。なかなか目上の女性からそんなお言葉を頂くことってないと思いますよ。(私は皆無・・・笑)そしてそれが大きな自信になっていることは本当に、人生の宝ですよね。私も自分に自信が持てず、悶々とした年月を送ってきましたが、あるとき、すぱーっと雲が晴れていきました。そういう日々も、長い人生の中では必要な時間なんでしょうね。 先生がお元気で過ごされていること、私もお祈りします。

2007/3/11(日) 午後 11:37 mic*hi_*u*er*ova 返信する

tigerさん、そうですね、自信満々の人なんてそういないのかもしれませんね。でも自信を持って生きられたらいいですね。先生に年賀状が届かないのは本当にショックです。学校を定年退職になった後、ご出身の仙台市に帰られてしまっていたので(その住所宛に手紙を送っていました)、学校関係の知人も誰も先生の行方を知らなくて。いつかまた会えると信じてその日を待ちたいと思います。

2007/3/13(火) 午前 0:58 Naguissa 返信する

***さん、前者について、おもしろいですね!あまりにピンポイントなご指定なので、「なぜなぜ?」とつっこみたい気分ですが(笑)。でも、私たちが無意識に踏襲している習慣の大半がそこをルーツにしていると考えると、確かに会ってみたいかも。後者について、そのように言ってくれる人がいるということは、とても嬉しく、ありがたいことですね。世の中にはそういう「優しい言葉」がありますが、そういう言葉ってホント不思議で、耳にするだけで孤独じゃない気がしてきます。私も優しい言葉をサラリとかけられる人になりたいなー。

2007/3/13(火) 午前 1:16 Naguissa 返信する

micchiさん、私が実際に魅力的だったのでは全然なくて、先生が大きな熱い手の持ち主だったんです。先生は、本当に私のことを記事に書いたように思っていたわけではなくて、卒業しようとする私を激励するために、こういう言葉をかけてくれたんだと思います。私も先生に好き好きビームを出していたから(笑)、先生もご自分の言葉が私に対して効力があることをご存知だったはずです。で、そういう尊敬する人に褒められたり励まされたりすると、その言葉のような人間に本当の意味でなろうと、がんばるものじゃないですか、若者って(笑)。

2007/3/13(火) 午前 1:23 Naguissa 返信する

そういう意味で、先生は、私に「がんばって素敵な女性になりなさい」と言う代わりに、記事の言葉をプレゼントしてくれたのではないかと思います。そのやり方もまたカッコイイなぁと憧れたりして。でも、当時、先生の言葉の中の私像を現実のものにしようと努力したのも確かで、それが数少ない自信の源になっているのも確か。本当に人生の宝をいただいたんです。私の目前の雲もぱーっと晴れる日がくることを、焦らず辛抱強く待ちますね。先生と私のためにお祈りをありがとうございます。micchiさんは本当に真心の方ですね。

2007/3/13(火) 午前 1:37 Naguissa 返信する

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(ひとりごと)あー!改めて自分が書いた記事を読んだら、なんだかただの自慢記事になってるぅ!!・・・シクシク。そういうつもりじゃ・・・。うーん・・・。・・・。・・・。いや、ま、いっか。ある意味、本当に自慢してるんだしね(笑)。一応、一番言いたかったのは、「先生は、こういう言葉を自分の生徒に言えるようなかっこいい女性だった」ということなのですが、でもやっぱり自分の中に「私はあの素敵な先生にこんなこと言ってもらえたぜぃ」という気持ちもあったのかもー。やーねー。やーねー。やーねー。

2007/3/13(火) 午前 1:42 Naguissa 返信する

素敵な先生ですね☆ご連絡先が分からないことが残念ですね。。ご健在でいらっしゃることをお祈りいたしますね。私は、先生との思い出はいいことがなく、どちらかというと、不信感のほうが強く寂しいのですが、合いたい人は一人だけいます。凪さんとは全然トーンが違うのですが、高校のときに好きだったひとには会いたいというか、どうしてるかな〜とアタマの片隅にあります(笑)。自分話をしちゃいましたが、私も凪さんは素敵な女性とお見受けします☆自分のお気持ちを上手に文章に表現されるし、考え方も本当に素敵だと思います♪

2007/3/16(金) 午後 1:10 あいこ 返信する

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先生に恵まれていた少年時代では無かった当方にとってはとても羨ましいエピソードですね。どうも妙に擦れているところがあった子供だったので、概ね教師とは折り合いが悪くて(笑)。でも、会いたい人はやっぱり私も先生です。幼稚園の時の。

2007/3/19(月) 午前 1:58 [ tak*c1*62 ] 返信する

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FIFTIESさんのところから参りました。私、姐御と申します。***記事の内容、とても感慨深く読ませて頂きました。会いたい恩師、おります。中学時代、そうですね。年の頃は 24〜5だったでしょうか。その先生の熱血ぶりは、同窓生から語り継がれるほどの猛威を 未だ以って放しません。名前もちょっと変わっていて、忘れも出来ぬエピソードを 沢山残して下さいました。

2007/3/20(火) 午後 5:30 [ - ] 返信する

アイコさん、お祈りありがとうございます♡ そうなんです、先生がご健在でいらっしゃることを私も心から願っています。先生に対して不信感が強かったというのはとても寂しかったでしょうね。私も、この先生は特別でしたが、他の先生とは色々あったりもしましたので、少しだけですが分かる気がします。でも、私のように、ひとりでも「すごい!」と尊敬できる先生に出会えれば、それだけで十分幸せで、エネルギーになるものですが、そのひとりにすら出会えない子供がたくさんいるのかと想像すると、残念だし、ちょっと怖くなりますね。

2007/3/22(木) 午前 1:33 Naguissa 返信する

「高校の時に好きだったひとに会いたい」なんて素敵ですね♡ 私は高校時代は本当の恋愛はしていなかったように思います。女子校&寮生だったということもあるでしょうけれど、交流のある男子校の子とたまーにおままごとみたいな恋愛ごっこをしていたような??だから「好きー!!」という感じではなかったので、あまり記憶に残っていないような?(笑)だからそういうのってとても羨ましいです!初めて本気で好きになった人のことは、「いまどうしてるかなー」とは思いますね。会いたいかと問われれば、微妙ですが・・・

2007/3/22(木) 午前 1:38 Naguissa 返信する

takecさん、先生に恵まれなかったのですか。一度も素敵な先生には出会われなかったですか?私もかわい気のない子供だったので(笑)、先生方と折り合いが悪いことも少なくなかったのですが、この先生おひとりだけは特別に尊敬していて、それが宝になっています。ひとりでもこういう先生と出会えると、それだけで十分な気もします。恋愛と似ていますね(笑)。takecさんの幼稚園の先生は優しかったのでしょうか。私は逆に幼稚園には良い思い出がありませんよ。ご飯を無理やり速く食べさせられたり、母が迎えに来ないと怒られたり(笑)。

2007/3/22(木) 午前 2:43 Naguissa 返信する

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姐御さん、はじめまして、いらっしゃいませ!若い先生の熱いご指導って、何のかんのと言っても中学生には嬉しいものですよね。その先生は、年月を経た今でも熱血なままでいらっしゃるのでしょうか。「あの先生」という意味でも、ひとりの若い社会人であられた方がどのように歩いてこられたかという意味でも、お会いしてお話をうかがってみたいものですね。私もたまに、今の自分と同じくらいの年齢でいらした先生が、当時、どのような想いで生徒に接していらしたのか、ご自分の人生を考えていらしたのか、と、思いを馳せることがあります。

2007/3/22(木) 午前 2:52 Naguissa 返信する

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