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一夜明けて、十三日(日)
いよいよ、パレード本番。
幹部着替え場所である高幡不動へと行くと、すでに何人かは着付けをして貰っている最中。
南雲も早速、私服の着物を脱ぎ、衣装の着物を着付けてもらう…て、何か変な光景だな(^_^;)
この日は、曇り時々晴れのパレード日和ではあったが、装備を全部付け終わる前から汗が吹き出して止まらない程の暑さ。
前局長が事あるごとに、「あの衣装は暑かった」と言っていた意味がようやく分かります。
早くも過酷なパレードを予感させますが、役目柄情けない姿は見せられないので、全ては気合いでカバー。
倒れるなら、全てが終わった後にしようと心に誓います。
今年はゆかり隊のブリュネで参加の前ミスター土方が貼ってくれた冷えピタがせめてもの救い。
昨年の京都遠征の経験から、これだけでも大分違います。
着付けも終わり、今年のミスター土方やフランス留学生の沖田とも話す事ができました。
何でも沖田君は身長190cmもあるのに、まだ18歳の高校生。
ホストファミリーにお世話になりながら学校に通う頑張り者。
土方さんは地元宇都宮で新選組を盛り上げようと頑張るナイスガイ。
今回の為に過酷なダイエットと生え際を土方に似せる為に一本ずつ毛抜きで抜いたという努力の人。
ユーモアのセンスもある素敵な方で、今日一日楽しいパレードが出来そうです。
やがて時間になり、一般隊士とも合流し、大日堂前にて記念写真を撮ると土方、そして近藤の挨拶から勝鬨をあげて一時解散。
いや〜、挨拶は緊張しましたが、昨晩の局長挨拶ラッシュのお陰でどうにか乗り切れました(^_^;)
少し休憩と聞いていたのに、土方と近藤は直ぐに呼ばれて土方像前にて待機。
そのまま法楽へと突入し、土方の献花・再び挨拶→勝鬨でいよいよパレード出発です!
ところが、再登場した土方は、乗っている馬が興奮しまくって暴れている為、何度も入退場を繰り返す有様。
怪我人が出ては今日のパレードどころか、お祭りの今後の存続すら危うくなる事態に成り兼ねません。
早くもスタッフからは「やってらんねぇよっ!」と怒鳴り声が飛び出す有様でピリピリムードに。
出入口付近には厳戒体制がしかれ、カメラのフラッシュも規制された緊迫感ある出陣となりました(^_^;)
初っ端から出鼻をくじかれて、テンションが落ちかけますが、なんとここで我らがE副長こと、05ミスター土方のお姿が!
その笑顔に勇気付けられ、勇ましく行軍を開始します。
ところが、出発して直ぐに参道に入る手前で右折。
歩道をちまちまあるきつつ、人影もまばらな裏道へと入っていってしまいました。
通常であれば参道を通過してから裏道を回り駅前ロータリーで勝鬨&パフォーマンス、そして再び参道を通って凱旋となるはずです。
嫌な予感がしていると裏道から直接駅側より参道に入り、何とそのまま帰陣する様子。
今年はロータリーの使用許可が下りず、こんなコースになったそうですが、もはやこれはパレードとは言わないのでは(-.-;)
相変わらず馬は落ち着かないので、馬上の土方は大きく動いたり大声を出したり、馬を刺激するような事が出来ない状態。
勝鬨どころではないです。
間に小姓市村鉄之助を挟んで後ろにいる局長とて、それは同じ事です。
更には、例年は各隊他局長副長にも付くはずのボランティアガイドの方もなく、パレードの進行状況も聞けず、勝鬨や抜刀の許可も取れません。
しかも、局長の後方には、本隊との間にパフォーマンス隊が広がり、一番隊の沖田くんは日本語が上手とはいえ、意思の疎通もままならず。
配下の一番隊隊士は、隊長とは独自の団体な為、統率とれず。
頼みの綱の、二番隊永倉役天牙さんと、三番隊斎藤役雨之丞さんは、遥か後方で姿すら確認出来ないときて絶体絶命の状態。
お馬様次第のパレードは、馬のペースに合わせてさっさと通り過ぎ、もはや参道も終了。
ここで苦肉の策か、土方に代わり、近藤へと勝鬨の依頼が来ます。
土方のサポートをするのが、ひのパレ近藤の使命。
このまま何の盛り上がりも無いまま終えてなるものかと、お馬さん用の踏み台(空きビールケース)へと昇ります。
新選組局長近藤勇である。
我ら新選組の武勇を示す為、勝鬨をあげる!
し〜ん
ものども、良いか!(抜刀して必死に振りながら)
し〜ん
エイッ、エイッ!
し〜ん(遥か後方から微かにオー!)
×3
おぉぉ…これが歴代ミスター土方からその噂は聞いていた、伝説の『パフォーマンス隊のシカト』か…
まさか、近藤役で出ているのに、こんなところで伝説を体験する事になろうとは。
過去最大の失敗の回と語り継がれている、第七回の土方ですら、一番辛かったのは、進行の不手際よりも、大雨の天候よりも、真後ろにいるパフォーマンス隊が勝鬨に無反応だったこと…
と、心に傷を残していた程。
特に新選組が好きで参加している訳ではない、彼らにとっては、お祭りを盛り上げる為にパフォーマンスがあるのではなく、パフォーマンスをやる為にお祭りがあるのでしょう。
所詮、誠の志無き者に、期待するのも酷というものでしょうか。
それでもどうにか、大きな混乱もなく無事に高幡不動に凱旋。
今年は各隊によるパフォーマンスコンテストが開かれるという事で、近藤・土方は、会場である五重塔前に用意された椅子に座り上覧の形をとるようです(これも誘導されて初めて知りました)
隊ごとに入場に合わせてアナウンス(いつもの良い味出した戦奉行)が流れ、パフォーマンスを披露して行きます。
各隊、10分も無かったであろう出発前の時間で、その日初めて会ったメンバーとは思えないほど息の合った熱のこもったパフォーマンスを見せてくれます。
かっちゃんの八番隊は昨年のトリプル抜刀フォーメーションに加え、南雲が昨年の京都パレード時に採用した、鬼平台詞(これがまた、魁先生藤堂に合うんです)も引き継いでくれていたり。
十番隊の原田さんは、前日のコンテストで見せてくれた剣舞を、隊士たち用にアレンジして披露など、各隊、隊長ごとの色が出ていて、見応え十分。
最初にパフォーマンスコンテストの案を聞いた時は、どうなんだろうと思っていましたが、やってみればこれは今回最大の成功案だったのではないかと思います。
コンテスト形式なのは、特に重要でなく、一緒にパフォーマンスをやる場を設ける事で、パレード後半に向け、各隊の団結は飛躍的に高まった事を感じました。
何よりも、本隊と余りに離れすぎな為、パレード中お互いまったく様子が分からなかった全隊を全て見られたのはモチベーションを高めるのに大いに役立ちます。
馬上で中々話せなかった土方とも、談笑しながら楽しく観られました。
これは今後も改良しつつ続けていただきたいですね。
ここまでで、高幡コースは終了。
つづく
※画像提供:秋海棠さん
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