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冬用ジャージが出来ました。

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久しぶりの投稿になります。

ご存知の方が多くいらっしゃると思いますが、先日杉田玄白と桂川甫周のコラボによる掛け軸を発見しました。

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10月20日未明に共同通信からニュースが配信されて日経をはじめとして全国の主要新聞に掲載されました。

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杉田玄白は小浜藩出身だけに福井新聞は一面トップを飾りました。

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杉田玄白の漢詩発見としてニュースとなりましたが、実は上二段の桂川甫周の書簡の内容が凄いんです。
桂川甫周(國瑞)は日本の蘭学史上に於ける偉大な人物です。しかし桂川甫周ではこれほどのニュースにならないのでいたしかたないところです。

甫周の書簡はこの掛け軸の持主に返事を書いたものと考えられますが、ここで簡単に内容を説明します。

頭に「一」として全部で六項目あります。
最初の二項目は「黒づつ」「セーロープ」「杜松糕」などと記して長崎土産らしきものを解説しています。「セーロープは砂糖煮」とあり、オランダ語ノのシロップです。
第三項目の「萬國圖説」は甫周が訳した天明六年序『新製地球萬國圖説』です。
第四項目の「譯文略」は前野蘭化が訳した『和蘭譯文略』です。そこに「大概は大槻の蘭学階梯にても済可申候」とあり、大槻は玄白の高弟大槻玄澤で、玄澤の著した『蘭学階梯』です。
第五項目の「日月圖」は太陽と地球の天文観測圖と思われます。
第六項目には「エレキテル御製作のよし」とあり、更に「雜話」とありますが、雜話とは甫周の実弟の森島中良を指し、雜話は中良著の『紅毛雜話』です。中良は平賀源内の弟子でもあり、源内のように戯作も書き、黄表紙の作者としても活躍した多彩な人物です。

この甫周の書簡にはたった六項目ながら江戸後期に於ける蘭学史がてんこ盛りといっても過言ではないでしょう。

玄白の漢詩については京都大学名誉教授の松田清氏が読み下しておりますので関連記事を検索してください。この漢詩の読み下しは玄白をよく知る松田清氏レベルでないと不可能と考えます。

冒頭に書いた10月20日に新聞記事となって玄白の新発見資料としてニュースとなりましたが、あとでツイッターを見て知ったことですが、玄白の誕生日は西暦でいうと1733年10月20日でありました。奇しくも皇后陛下のお誕生日の記事と一緒になりました。
そして更に驚くべきは旧暦に直すとそれは享保18年9月13日でありまして、それは私がこの掛け軸を発見した日でした。それを知ったとき「ぞ〜!」と鳥肌が立ちました。

群馬テレビの取材の際でも申し上げましたが、資料を発見したというよりも資料に私が選ばれたという気持ちであります。この資料は約210年という歳月のなかで保存状態が示す通り、おそらく120年以上は、まるでゴミのように粗雑に扱われ殆ど崖っぷちに立たされた状態で私の目の前に飛び出て来ました。

この資料はこのたび非常に貴重な玄白の自筆資料として有名になりました。しかしそれはそのようになる運命だったのです。その運命に今回この資料に携わった京大名誉教授の松田清氏・国立科学博物館の鈴木一義氏・共同通信社の関矢充氏と私がコラボして動かされたのだと思います。誰一人欠けても今回の発見はここまで発展しなかったと思います。

原資料は来年(2014年)3月15日から上野の国立科学博物館で行われる今世紀最大級の医学史展「医は仁術」で一般公開されます。興味のある方は是非お出掛けください。

名雲書店ホームページ→ http://www.nagumosyoten.jp/








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