奥武蔵 古代史ノート

武蔵国や常陸国・霞ヶ浦周辺の古墳や史蹟めぐり

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イメージ 1 熊本県立装飾古墳館は山鹿市鹿央町の岩原古墳群のなかに建っている。この周辺の装飾古墳のレプリカ12基と出土品などが展示してある。どれも精巧なつくりで驚く。古墳館を見学して、感じたことを、ここに2,3メモしておきたい。
 弁慶ヶ穴古墳は山鹿市熊入にある径15㍍、高さ6㍍ほどの円墳。もとは前方後円墳であったという説もある。農地の浸食によって封土が縮小してしまったというのだ。
 さほど大きな古墳ではないが、南西に入り口をもち、横穴式石室には阿蘇凝灰岩の巨石が組まれ、荘重ななかにさまざまな装飾がほどこされている。調査した原口長之氏は次のようにのべている。
 「羨門袖石お外壁には親馬と仔馬、それを追う牧人にような図柄の下に舟上に立つ人物を描いている。前室内壁には馬をのせた舟、ゴンドラ形の舟に荷をつみ、荷の上に鳥がとまった図、その下方にゴンドラ形の舟に馬を乗せた図がある。後室入り口の袖石の小口には、馬を乗せた舟の上方に同心円、下方にゆきを二個並べる。その袖石の、本来は扉をたてる切り込みのところに馬上に立っている人物が小さく描いてある。」(『探訪日本の古墳』森浩一編)そして、この古墳には馬11頭、舟11隻もあったという。この馬と舟がどういう意味を持つのか、気になるところだ。この古墳は六世紀の築造であろうという。残念ながら現地に足を運ぶことができなかった。
 阿蘇凝灰岩が関西地域の石室、石棺に用いられていることはわかっている。瀬戸内海をどうやって運んだのか、まだまだわからぬことばかりだが、弁景ヶ穴古墳はヒントをあたえてくれそうだ。
 チブサン古墳は山鹿市城にある。全長44㍍の前方後円墳で六世紀前半の築造と考えられている。山鹿市博物館の近くだ。二つの同心円文、黒い逆三角が女性のシンボルとして考えられて、信仰の対象にもなっている。石屋形に足をひらいた人物が描かれている。ここは博物館のひとに申し込めば内部を見学できる。
 千金甲(せんごんこう)1号墳は熊本市小島にある直径15㍍、高さ3㍍の円墳。5世紀後半のもの。ゆきと同心円文が規則正しく並び、ベンガラで全体赤く彩られている。あの世の幻想を見る思いがした。古代人の死への旅路を想起させる
 装飾古墳館の近くに横山古墳が移築されている。もとは山鹿市植木町有泉横山にあったが、高速道建設によってここに再建させたものだという。全長39㍍の前方後円墳、六世紀前半の築造。石室は再現され、ガラス越しに見学できる。当日は館員の取り計らいで見学させていただいた。空調によって石室が管理されている。虎塚古墳と同様に、これからの装飾古墳保護のため、データ集積をすすめているそうだ。壁画はだいぶ剥落してしまっているようだ。わずかにワラビ手文が確認できた。
 横山古墳からすこしはなれて、岩原双子塚古墳がよこたわっている。全長107㍍の前方後円墳、この地方最大の古墳だ。雨にぬれて緑の墳丘が、女性的なたたずまいをみせている。この古墳群は5〜6世紀にかけて築造されたという。双子塚古墳はまだ調査されていない。
 むかし、近くの住民が古墳の葺き石を持ち帰り、庭においていたという。数日して、そのひとはなくなったという。そのような伝説が古墳を守っているのかもしれない。
 
イメージ 2 
*馬と舟を描いた弁慶ヶ穴古墳の石室㊤、岩原双子塚古墳㊦

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