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(本庄市立歴史民俗資料館)
琴を弾く男子人物埴輪。埼玉県内では、たぶん初めて見る埴輪ではなかろうか。左右のみずら、五本の指の表現、ややかたい面長の顔の表情は演奏中のものであろうか。発掘当時はばらばらだったものを、よくここまで復元できたものだ
5世紀後半の制作であろうという。本庄市東五十子(ひがしいかっこ)字田端屋敷で出土したもの。ここには32の古墳、78軒の住居跡があったらしい。この埴輪を出土したのは23号墳、径17.5㍍の円墳だったという。
利根川の北、群馬県でも同じような埴輪が出土している。前橋市出土の「椅子に腰掛けて琴を弾く男子」=写真左=だ。はちまきのような頭かざり、左右のみずら、首飾り、腰には頭椎大刀、かなり精巧な埴輪だ。顔はおだやかで、遠くを見るように演奏しているようだ。衣装や表情がちょっとこちらの方があかぬけしているかな。
東五十子の出土したという現地にいってみた。利根川支流の小山川のほとり、巨大な煙突がそびえるクリーンセンターがあった。この施設をつくるため調査されたらしい。古墳などみるかげもなかった、残念だ。一つ位残せなかったものか。
本当は、パリにいってきたという「笑う盾持人物埴輪」をみるため、この資料館を訪ねたのだった。ところが、複製品を制作中で現在不在という。おしかったね。史料写真でがまんです=写真下=。6世紀後半の制作という。出土したのは、同市小島の前の山古墳、平成10年調査され、その後は宅地となったらしい。径30㍍、高さ3.5㍍の円墳、三段築成で、横穴式石室を設けた積石塚古墳だったという。
盾持埴輪は石室前庭部の両側に置かれていたそうだ。当時は4体とみられていたらしいが、1体は復元できなかったか。ともかく、この大耳で鷲のような鼻、しゃくれたあごの異様な表情は、被葬者の黄泉の世界を侵す物に対しての威嚇があるのではないか、古墳を守ろうとする意図があるのではないかと塩野博氏は述べている。(『埼玉の古墳』児玉編)
現地に行くと、前の山古墳はないが、近くに山の神古墳、蚕影山古墳が保存されていて、当時をいくらか忍ぶことができる。山の神古墳は、径41㍍、高さ。5.2㍍の円墳。墳丘に葺き石、農夫姿の埴輪が出土している。蚕影山古墳は径19㍍、高さ3.3㍍の円墳。横穴式石室があるそうだ。いずれも積石塚古墳だ。
この資料館、ほかにも変わった家型埴輪、さしば型埴輪など多数展示。なかでも、同市児玉町秋山ででたひれつき勾玉(子持ち勾玉)は貴重なものではないか。同館は狭く、展示されているのはほんの一部で、多くは収蔵庫にねむっているそうだ。新しい資料館構想もあるようだが早くほかのお宝も拝見したいものだ。
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2013/3/13(水) 午後 3:56 [ hum*3o2**zb7*02 ]