奥武蔵 古代史ノート

武蔵国や常陸国・霞ヶ浦周辺の古墳や史蹟めぐり

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イメージ 1                                      (埼玉県飯能市上直竹下分字滝ノ入)
 
 
飯能の町から近い上直竹村の浅間社は、関東によく見る模造の富士山であるが、参詣路の中腹に嫗ヶ嶽と称する地点があり、それから上は婦人を登らせない。昔或老女が禁を破って、強いて上らうとして石に成ったと言ふ話がある。嫗ヶ嶽の名はこれから起こると伝えている。
                                   (定本柳田國男集第4巻「比丘尼石の話」)
  
 わが町の話で、さっそくその浅間社へでかけてみた。現在は富士浅間神社といっている。木花開耶姫(このはなさくやひめ)命を主祭神としてまつっている。寛正4年(1463)の鰐口などから、15世紀前後に富士山信仰とともに創建されたのではないか。
 本殿裏が嫗ヶ嶽の森である。急峻な山道を20数分かけて登ってみた。中腹に平坦な小広場があり、嫗ヶ嶽社がある。その背後に岩が地面から頭をだしている。それが、老女の化身であろうか。そういう表示はない。その広場から左手を登ると頂上、奥の院である。眺望がひらけ、入間市、青梅市方面が見渡せる。もどって、広場から右手を行くと天然記念物のタブの木にいたる。樹齢600年の大木、一見の価値はある。
 本殿左手横の森の中に、芙蓉の滝がある。鬱蒼とした樹木におおわれた10数メートルの滝である。左右に突き出た岩肌、ほぼ真上から流れ落ちる水量はわずかだが、老女伝説をほうふつさせるいい舞台であろう。
 全国を旅したといわれる柳田國男翁、この近くのひとから伝説を聞いたのか、記録、文献をよんだのか、模造の山ではなかった。飯能の山奥だが、山里の景色はすばらしい。さくら、新緑のこれからがいい。たまに、青梅あたりから追われたクマが迷い込む、ちょっとこわいところでもある。
 
                                          *写真上は富士浅間神社、右は芙蓉の滝

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