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翌朝、ガラン、ゴロンの大きな鐘の音で、びっくりして飛び起きた。 ホテルは、教会のすぐ近くだった。
街は石畳でしっとり湿っている。ブラックフォレストに臨む古い街。ああ 遠い異国に来たな〜、感無量・・。
朝食後、インターメタル社の迎えの車で会社へ。 会議室で、MZ80に使っているDRAMの打ち合わせ。
4KビットDRAMのプラスチックパケージ化については、耐湿、耐熱等、データ上は問題なし。
それまで、セラミックパケージ・端子は金メッキ、宝石並だ〜?。 これで、価格は大幅に下げられる。
16KビットDRAMの試作品の打ち合わせ。 特に 問題なし。エージングテストのサンプルを預かった。
その後、機密会議に合流。 インターメタル社のM氏のプレゼンは、テレビのディジタル化計画の提案だった。
今では、地デジ初め、ディジタルは当たり前だが、当時はアナログ全盛で、まだまだ やるべき事が多かった。
ディジタル化案は、想像もしていなかった。 彼等ドイツ人の思考は、どうなってるのかな・・?。
ディジタル化には多くの課題があり、時期的に、かなり先のこと思われる。 夢・理想の世界かな・・?。
ディジタル化のメリットは、NTSC、PALなど、TVの走査線変換、画質改善、静止画・・など、効果は大きい。
しかし、テレビ信号をディジタル化するA/D変換のスピードとゲートの高速化、大量のメモリなど課題が多い。
DRAMが、やっと、クロック 4MHz。 4Kビットが量産でき、次は 16Kビット・・の時期に・・。
結論?。 課長レベルの俺が出す事項でない。
技術トップの専務が、出席しているのだから、では どう決断されたのか・・?。
トップの決断は、直接聞けなかったが・・。
俺としては、ディジタル化テレビの商品化時期は、かなり遠いと思われる事と、
まだまだ、見極め的な、基礎調査段階で、直ちに、開発に着手・投資する決断が出せない。と思った。
以降の会社の動きから類推すると・・、
ディジタル化ICの開発計画への結論は、俺が思った形に近かったのかな・・。
その後、インターメタルは、Micronas と社名を変えて、20数年間、開発を継続し、ディジタルLSI を完成させた。
現在 液晶とプラズマ・テレビで、ディジタル画像処理なしでは、作れないほど、重要な部品となっている。
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