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デイヴィッド・リンチは映画製作を学んでいた頃、師から「長編映画を作るには70シーンのアイディアを考え
それを3つか5つのカードに書きとめる。するとすぐに70のシーンが思い浮かび、長編映画が出来上がる」
と教えられたんだとか。ずいぶんアバウトで乱暴な教えだ。70シーンをただ並べれば良いのか?
勿論それだけじゃないんだろうけど、リンチには結構その言葉が響いたようで・・・そういや彼の作品はいつも
唐突な展開とか、脈絡のないシーンとか、意味不明の登場人物とかが当たり前のように入り乱れてますよね。
物凄く魅力的なシーンの連続なんだけど、どうも前後のシーンとうまく繋がっていないような。
前衛的かというとそうでもなくて、何故か親しみやすい(50’sポップスを使ったり)要素もあったりして。
僕なんかはそこらへんに戸惑い、不条理を感じ、同時に惹きつけられるわけですが。
『イレイザーヘッド』を始めとして『ブルーベルベット』『ツインピークス』『ロストハイウェイ』
そして『マルホランドドライブ』などはまさにその師の教えの通りに作り上げたものなのでしょうか。

<あらすじ>
どこかのホテルの一室。女(ロストガール)が一人、泣きながらTVを見つめている。
ハリウッド女優のスーザンは映画『暗い明日の空の上で』の主役ニッキーを演ずることが決まり大喜び。ところがこの作品は実は主演俳優2人が殺されたため撮影途中でお蔵入りになった、いわくつきのポーランド映画『47』のリメイクなのだという。不倫を題材にした映画のストーリーと同化するように、スーザンは相手役の
デヴォンと深い関係に陥っていき、次第に現実と虚構の区別がつかなくなっていく。
ロストガール。呪われたポーランド映画『47』。ニッキー。スーザン。そして謎のウサギ人間が・・・

で、リンチの最新作ですが、これがまた教えを忠実に守りすぎた?史上最高にグチャグチャな作品でありまして。
あらかじめ決まった脚本を用意せず、機動性の高いデジタルビデオカメラを駆使して、
撮りたい時にその場その場の閃き(思いつき?)で撮影したものを繋げて一本の映画に仕上げたんだとか。
要はリンチの脳内イメージの羅列なワケです。脈絡なくて当たり前、整合性なんてあるはずもない。
5つの世界が時空を越えて複雑に絡みあう今作、各々の映像を並べた時初めて浮かび上がってくる物語は・・・
リンチは今作の内容を「A WOMAN IN TROUBLE」とだけ語っていました。女性がトラブルに遭う話。
主演のローラ・ダーンはそれこそ体当たりの演技。3時間叫び続け、苦痛で顔を歪めまくります。
だけど真にトラブルに見舞われたのは本当にローラ演ずるスーザンだったのでしょうか?
『インランド・エンパイア』の真の主人公は実は○○○なんじゃないの???
・・・なあんて、映画は観客のモノ、観た人が好きに解釈すればよいと思います。あ、解釈なんて無意味かも。
思考を放棄してただひたすらリンチワールドにどっぷり浸るだけってのもなかなかオツなもんだし。

それにしてもこんな作品が商業映画として成立しているトコロが凄い。いや、面白いんですけどね。

閉じる コメント(16)

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ポーランド映画だのウサギ人間だのわくわくしますね。3時間どっぷりリンチ漬けでなによりです。そうそう、今年は『イレイザーヘッド』から30年だそうで、見比べるのも楽しそうです。ちなみに「インランド・エンパイア」のDVD版には90分の未公開映像があるとか・・いやはや。。

2007/9/19(水) 午後 9:46 [ リコ ]

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出ましたね!地味に待ってました(笑
ワケノワカラナサがパワーアップ☆してるように感じました。
やりたい放題ですね。ヘンです。解釈なんて無意味。
帰りに友人と話してても、どっかズレがある感じがしました。
ヘンなの!
あぁ〜(体調整えて)もー1回観たい!

2007/9/20(木) 午後 1:34 MIYA

その先生の教え、面白いですね。それで毎日瞑想しているんでしょうかね〜、リンチ。その脳内イメージも印象的なものばかりですね。でも、わけわからないですよ。ホント。イメージだけがこちらに残ります。。。それも強烈なイメージ。。。
ローラ・ダーン、凄かったですね。感動して(怖くて?)泣きそうでしたよ。女優魂ですかね〜?

2007/9/20(木) 午後 11:06 かりおか

ひゃー、この写真でまたローラ・ダーンの歪んだ顔を思い出しました。
リンチはとんでもない教えを忠実に受け止め、実践してるってワケですね。なるほど。
・・誰か監督に新たな教えを吹き込んでくれ!( ̄ー ̄;)ゞ アセアセ
もう一度観直すと何か繋がってるかなと思ったんですが、無駄な抵抗は止めます。
インデックス無しの記事にコメントありがとうございました。お手数おかけしました。とりあえず、中途半端ですがこちらからもTBさせてくださいね。

2007/9/21(金) 午前 10:19 pu-ko

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イチ号さん、ポーランド映画だのウサギ人間だの、そりゃあもう3時間ワクワクしっぱなしですが、モヤモヤしっぱなしでもあります。
あ、そうですね今年は30周年でリンチイヤーとか勝手に決められてますが・・・基本的にはこの人は変わってないですね。むしろ業界の酸いも甘いも経験してタチが悪くなっているというか。
『インランド〜』DVDの未公開映像もウンザリ、いや気になります!ナスターシャ・キンスキーの出演部分は本編ではカットされたらしいけど(あるシーンでチラっとだけ映ってた)、DVDで観られるかなあ?

2007/9/22(土) 午前 9:48 なかう

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ミヤコさん、地味に待たせてすんません。最近は記事を書くのもエラく時間がかかってしまって、全く良くないです。
今作のパワーはもう凄いですね!ここまでメチャクチャにやってくれると清々しささえ感じます。いや、モヤモヤもするけど。たぶんリンチ自身にも完璧に整合性のある解釈は無理なんじゃなかろうか?しかしこれだけやりたい放題に出来るって素晴らしい!作家としては理想的な環境なのかも。
僕も何度でも観ます!が、3時間・・・気力も体力も必要。

2007/9/22(土) 午前 9:58 なかう

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かりおかさん、リンチは前衛映画研究所というところで学んだのだそうです。師匠の名はフランク・ダニエルといってチェコの監督さんなんだそうですが、どんな作品を撮ったのか全く知りません。観てみたいですねー。
リンチの脳内イメージは強烈ですよね。でもこの人、映像センスというか画作りが上手いと思います。本能的に。印象的な映像を残してくれます。
ローラ・ダーンは凄かったですね〜ほぼ3時間出ずっぱり!ここまでやるか?って感じでした。しかしその彼女ですら自分がどんな役を演じているのか判らなかったとは・・・リンチ恐るべし!

2007/9/22(土) 午前 10:13 なかう

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pu-koさん、過去のリンチ作品でもローラ・ダーンの歪み顔はある種の売りになってたけど、今回はその何倍も凄かったですね!歳をとった分、その歪みっぷりもこれまた・・・
教えに忠実すぎるリンチもリンチですが、でも『エレファント・マン』みたいにストーリーをキチンと語ることも出来るんですよね〜この人。あ、でもあの映画も悪夢的イメージ満載だけど。
たぶん何回観てもこれだ!っていう解釈は出ないでしょう。むしろ観るたびに新たな発見と謎が出てきてズブズブとはまっていく・・・それがリンチの恐ろしさであります。

2007/9/22(土) 午前 10:21 なかう

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遅くなりました。申し訳ありません。
う〜ん。これってほんとリンチさまの脳内イメージそのものでした。
理屈っぽい解説も出回っていますが、でもそれでもそのわからなさが
ヨシ。いいんですよね。それで・・
TBさせてくださいね。

2007/9/27(木) 午後 11:24 car*ou*he*ak

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いえいえどういたしまして。TBどうもです。
そうですよねえ、好き放題に撮ったものを羅列しただけ・・・ってのは言い過ぎかもしれませんが、主演のローラ・ダーンすら自分が何を演じているのかサッパリわからなかったくらいですから、理屈でどうのこうの出来る作品じゃないですよね。
わかりそうでわからない。そこがリンチの魅力なんでしょうね。

2007/9/28(金) 午後 0:38 なかう

久しぶりです。観た人に解釈を許さないような映画でした。でも、リンチワールドに浸れたのでそれだけでいいです。DVD出たら観直してみようと思っています。ここだけの話、上映中何度か意識が無くなりました。それも仕方なし。TBさせてください。

2007/11/21(水) 午後 11:10 [ yk ]

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ykさんお久しぶりです。TBどうもです。そうですね〜観た人それぞれでいろいろな解釈は出来るんだろうけど、スッキリする回答は絶対に出てこないですもんね。DVD出るの楽しみですね。僕も何度も観直そうっと。

2007/11/23(金) 午前 2:42 なかう

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リンち 最高
意味ありげ 物語あるの? 結末ってあるの?ないようなあるような
で 日常のシーンが出てきて意味ないのに意味あるように ハンマーかえせ トイレに紙ないとか 意味あるように見たりする残像効果おもしろい 確かに 現実の日常は脈絡のないものが重なって ある のだ いやあ ケチャップこぼした兄さんがちかずいてきたときって
意味ないけど怖い気がした。 血の想像したし なんか りんちってこういう感性なんだろうな 捉え方を変えて見る楽しさ知ってる人
また すぐ何かを想像 空想しちゃう人かな 楽しかった

2008/9/9(火) 午後 7:17 [ aiti no susu ]

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日本人はすぐに解釈とか 型にはめてみるけど そういうのが 窮屈
せまい 芸術は感じる ものだからいいんですなんでも 食い物はおいしければいいと同じでしょ でも 栄養も気にするなら 文部省推薦 意味あり映画をどうぞ そっちも好きだけど

2008/9/9(火) 午後 7:23 [ ううう ]

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そういえば こういうのに対抗してた ビート武の 監督万歳って あったな 離人症 炸裂 意味わかんない って リンチ狙いか

2008/9/9(火) 午後 7:26 [ ううう ]

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aiti no susuさん、うううさん、どうもありがとうございます。
いやあまさしく現実は脈絡ないものの連続ですね。リンチって実はリアル?
日本人の特質かどうかは知りませんが、たしかに解釈とか型にはめたがる人が多いのは事実ですね。型にはめると安心だけど、想像力は限定されてしまうかなあ。
たけしの『監督ばんざい』は未見です。こういうのを狙ってたんですか?計算して作れるもんでもないような気がしますが。

2008/9/17(水) 午後 9:23 なかう

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