家庭教師

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 大学生の頃のバイトは主に家庭教師でした。その頃の話を中心に書いていますよ。
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甘〜い家庭(3)

 さて、今回も前回の続きです。

 早速、余談ですが、僕のお世話になっていた大手家庭教師センターは、基本的に男の先生は男の生徒さ

んを教えることになっていました。例外は、女の生徒さんが男性の家庭教師を希望する場合だけでしょう

か?

 なので、僕は以前に書いた書庫「家庭教師」の「グラマーで真面目な生徒さん」以外は全て男の生徒さ

んを教えていました。


 さて、僕はこの家庭の準一員として、家庭教師終わりに食事を普通にするようになっていました。

 大体は夕方5時頃から教えて、7時かそこらに終了するので、ちょうど夕飯時なのです。

 さてやっと本題へ入れます。

 この家庭で甘いことその1は、親がラブラブ(古い表現ですかね?)なのです。

 ラブラブというよりは公然といちゃついていると言った方が適切かも知れません。

 あまり子供(生徒さん)さんにはいい影響はないように思いました。親がラブラブなのは家庭的にはい

いことかも知れませんが、この生徒さんにとってはお父さんはお父さんではなくお父さん役なのですか

ら・・・。


 さてさて、何故僕がこの家庭で夕飯を食べるようになったかというと、非常にこの家の夕飯が暗いこと

がその原因に挙げられます。つまり、僕を夕飯に参加させることで少しでも夕飯を和やかにさせようとい

う狙いが親さんにはあったように思います。

 お父さんと生徒さんが合わないために、本当に夕飯は暗かったですね。誰もが無言で食べる感じです。

まあ、耐えられなかった僕がガンガン話しましたけどね。

 最後の方には、夕飯だけでは飽きたらず、親さんが僕に「一緒にお酒を飲みましょうよ。泊まっていっ

て下さいよ。」と言われるようになりましたが、丁重にお断りしました。


 この家で甘いことその2は、親さん(特にお母さん)が生徒さんに甘いのです。

 まあ、僕の目から見て甘いので、一般的な人の目から見ると甘くないかも知れませんが・・・。

 一番驚いたのは、食事の時のお母さんの一言です。ここでは生徒さんの名前を太郎とします。

 「太郎ちゃーん、今日はすき焼きよ!今日はねー、太郎ちゃんの好きな、○○精肉店のお肉よー。」

 僕の家では到底考えられません。精肉店のお肉だなんて!僕に言わせれば、中学生の子供にお肉の味な

ど分からないのだから(まあ、中には分かる人もいるでしょうが)、スーパーの特売の安いお肉でいいの

ですよ!

 僕が子供の頃なんて、精肉店のすき焼き用のお肉なんて口にしたことがありませんでしたよ。今日は

「お肉」、というだけで喜んでいたような気がします。

 まあ、子供のことを抜きにしてもこの家庭は僕が行った家庭教師先では1番裕福でした。一度「先生、

今度うちのクルーザーに一緒に乗りませんか?」と言われたこともあります。クルーザーって、あのクル

ーザーですよね?驚きました。


 では、少し考えてみましょう。

 何故、親さんはこの生徒さんに甘いのでしょうか(裕福だから、というのを抜きにして)?

 僕が思うに、一時期、親さんが子供さんと離れて暮らしていたために、その間に子供さんの心は深く傷

付いていて、そのことを親さんは分かっておられたので、必死に子供さんの心の傷を癒そうとしておられ

たのだと思います。そして、子供さんが欲しい物は何でも買い与え、生徒さんに気を遣っておられたのだ

と思います。

 特にこの親さんは、子供さんの心を物で買おうとしておられたような気がします。

 クリスマスのことです。

 「太郎ちゃん、クリスマス、何が欲しい?」

 「うーん、トリック(ドラマです)のDVDかな。」

 「それは幾ら位するの?」

 「うーん、3万円くらいあれば買えるんじゃない?」(おいおい、映画ではなくてドラマかよ。)

 「えー、ちょっと高いわねー。」

 という感じです。あり得ません。


 あくまでも僕個人の意見ですが、物を買い与えて子供さんの心を引くよりも、お父さんが、

 「太郎、キャッチボールでもするか?」と言ってキャッチボールをしたり、「太郎、ボーリングが好き

らしいな。お父さんと勝負するか?」と言って子供さんを連れ出す方がよっぽど子供さんは心を開いてく

れるでしょう。


 もう1つだけ僕個人の意見を言わせて下さい。

 僕は親に「ちゃん」付けで呼ばれたことがありません。次郎もそうです。ただ、三郎は違います

が・・・。親が子供さんを「ちゃん」付けで呼ぶのはいかがなものでしょう?それで子供さんは親の言うこ

とをきくのでしょうか?不思議です。

 例えば、

 「太郎ちゃん、勉強しなさい。」

 「太郎ちゃん、少しは手伝いなさい。」

 「太郎ちゃん、部屋を片付けなさい。」

 本当に子供さんは言うことを聞いてくれるのでしょうか?

 まあ、僕は子供が出来たら呼ばないと思いますが・・・。


 さて、話を戻しましょう。

 この生徒さんは、秋くらいからメキメキ学力が向上し、無事に第2志望の高校へ進学しました。第2志

望とは言っても、私立高校ですが特進クラスでした。

 僕が受け持った中で、2番目に頑張った生徒さんです。


 家庭教師を辞めた後もたまに生徒さんからメールが来ていましたが、いつの間にか来なくなりました。

 まあ、高校生活に慣れたのでしょうね。

 今頃、高校3年生ですかね。

 元気にしていてくれていれば、それだけでいいです。


 只今の貯リクエスト率は40%(4件)です。頑張ります。



追伸:
 なお、初めてお越しの方へ。
 「書庫」の上の方にある、「今後のラインナップ」に(仮)タイトルがありますので、読んでみたい記事がありましたら、コメント欄その他へお気軽にお書き下さい。日々、(仮)タイトルは増えておりますので、チェックしてみて下さいね。

 また、誠に申し訳ありませんが、出来れば、1番読みたい記事を1つだけ選んでもらえると嬉しいです。その記事が書かれた場合、またリクエストして下さいね。

甘〜い家庭(2)

 今回も前回の続きです。

 さて、もう少しだけこの生徒さんの家の説明をしておきましょう。

 まず、この家に初めて行ったときに違和感を覚えました。さて、僕は何に違和感を覚えたでしょう?分

かるはずありませんね。実は、表札が2つあったのです。そうです。夫婦別姓?ではなく、親さんが内縁

関係だったのです。

 どういうことかと言うと、この生徒さんはお母さんの子供であって、お父さんの子供ではありませんで

した。生徒さんの名字もお母さん側だったので、おそらくまだ養子縁組もしていないでしょう。つまりこ

のお父さんは継父のようでもありますが、法律上は全くの他人となります。

 そして、この家の最大の問題は、この生徒さんが、幼い頃に、お母さんの実家に預けられていたことで

す。つまり、お母さんは、このお父さんと別の場所で2人で暮らしていまして、ある時から、この生徒さ

んを引き取って(まあ、表現上はそうなりますかね)、3人で暮らすようになったらしいです。

 ということで、この生徒さんとお父さんの仲は・・・険悪?最悪?でした。お互いに何か他人の様な感じ

というか話さないような関係でした。また、運の悪いことに、お父さんは自営業で、ほぼ一日中家にいま

した。お母さんは薬剤師さんでした。

 さて、そんなこんなで、この生徒さんは初めは全く無口でした。何というか、真面目ですが、何を考え

ているのかな?という感じでしたね。

 また案の定、この生徒さん(一人っ子)の部屋には、テレビ・ゲーム・漫画・パソコン(インターネッ

トつなぎ放題)という勉強しなくなる三種の神器もありました。

 当時そこそこ成績が良かったのは、塾に行っていたからでしょうか。


 さて、そして地獄合宿が始まりました。

 僕は午前10時前には生徒さんの部屋に行くのですが、大抵生徒さんは寝ていました。ほぼ毎日、生徒

さんを起こすところから仕事は始まりました。

 そして朝2時間勉強し、1時間の休憩の後にまた昼2時間の勉強を行いました。毎日4時間も生徒さん

に勉強を教えるのは、実はかなり疲れます。そして何故疲れるかは理由があります。

 僕が答え(解答集)を見ないからです。つまり、生徒さんが問題を解いているときに僕も隣で問題を解

きます。そして生徒さんと一緒に答え合わせをしました。多分、今でも高校には合格するかなーと思いま

す。

 余談ですが、僕も学校へ行ったり塾へ行ったりしましたが、ほとんど全ての先生は答えを片手に解答を

書きます。幼い子供から見ると「この先生、本当に頭が良いのだろうか?」と思ってしまいます(まあ、

僕がそうでしたから)。そのように思われないためには、同じ問題を生徒さんと一緒に解くのがいいと思

います。

 何事も同じでしょうが、上の立場から「あーだ、こーだ。」と一方的に物事を押しつけても下の人はつ

いてきてくれませんし、例え上の立場の人がいいことを言っていても共感をしてもらえませんね。


 さて、そんなある日のことですが、その日は親さんが休日で、午前中に2人で出かけて行きました。つ

まり、家には僕と生徒さんの2人です。

 その頃、僕はこの生徒さんとの距離を感じていました。生徒さんが何か殻のようなものに閉じこもって

いて僕に心を開いてくれていないと感じていました。

 説明しにくいですが、心を開いていない人の会話は、「あー」とか「うん」とか、何か一言の会話が被

いように思います。うまく流して会話をしているという感じでしょうか。


 そして、親さんには申し訳ないですが、僕はこの生徒さんにサボろう?と提案したのです。

 この生徒さんは、運のいいことに将棋が好きだったらしいので、将棋を指すことにしました。3局くら

い指したでしょうか(まあ、勝ちましたよ)、少しうち解けたような気がしました。


 僕は、昼の休憩時間は、生徒さんの家の庭でのんびりとタバコを吸ったりして過ごしていました。当時

はお金がなかったので、お昼は抜いていました。

 そんなある日のこと、生徒さんが、昼休みに僕の所に来て言いました。

 「先生、食べて下さい。」

 見ると、ほか弁から買ってきた「のり弁当」を僕に差し出しました。

 この生徒さんは、お昼には親さんから幾らか昼食代を貰っていたようですが、なんとそのお金の中から

僕のお弁当も買ってきてくれたのです。嬉しくて涙が出そうになりました。

 その日から、僕は昼食を食べることを決意し、生徒さんと一緒に食べるようになりました。

 お礼に、お昼に連れ出して生徒さんが美味しいといったラーメン屋さんに行ったこともありました。

 そして段々と僕と生徒さんはうち解けていきました。僕は生徒さんとうまくやっていけそうだと確信し

ました。

 そして、長い長い地獄合宿を終え、僕は契約延長となり、翌年の3月までその家で家庭教師をすること

になったのです。

 そして、生徒さんを通して僕は親さんとも仲良くなり、家族の一員のようになっていきました。親さん

から、コーヒーメーカーの使い方を習い、自由にコーヒーを作って飲んでいいことになりました。また、

キッチンで換気扇の下で自由にタバコも吸っていいことになりました。

 そしていつの間にか、僕はその家で普通にご飯を食べるようになるのですが、また次回にしましょう。

 次回こそ、いざ本題へ!

 
 只今の貯リクエスト率30%(3件)です。だいぶリクエストが来ましたね。ありがとうございま

す。



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甘〜い家庭(1)

 今回は(23)甘〜い家庭、です。リクエスト頂き誠にありがとうございました。

 この話は、僕が大学生時代にしていた家庭教師のバイトで一番頭の良かった生徒さん(学力のあったと

いう意味です)の話です。

 まずは、その生徒さんのことからお話ししましょう。


 その生徒さんを、大手家庭教師センターから紹介されたのは、平成14年7月の始め頃でした。依頼内

容は、その生徒さんは現在中学3年生で、夏休み特訓を行って下さい、というものでした。まあ、みなさ

んのご想像通りで、夏休みに集中的に勉強を教えるという内容でした。

 余談ですが、その生徒さんを受け持つ前に、その生徒さんの情報は大抵は分かります。過去何回かのテ

ストの結果や現在の生活状況や親さんが不満に思っていることなどです。

 その生徒さんは、理数系(理科や数学それにプラスして社会)がかなり得意でしたが、英語と国語が大

変苦手という、ある意味典型的な理数系の生徒さんでした。

 生活状況ですが、まあ、家庭教師を頼まれた生徒さんで、普段から勉強していた生徒さんは残念ながら

見たことがありませんでしたので、その生徒さんも例外ではありませんでした。確か、1日の勉強時間は

30分と記載されていた記憶があります。


 さて、そんな情報を目にしながらあることに気付きました。なんと、夏休みの間に、100時間の家庭

教師を行うこと。まさに、ミッションインポッシブルです。

 東北地方の学校(小学校と中学校かな)の夏休みは、全国の学校の夏休みに比べて約1週間短いので、

8月25日前後には夏休みが終わってしまいます。

 つまり、本当に約1ヶ月間の夏休み期間で100時間家庭教師をしなければならない計算になります。

 問題は1日に何時間位、この生徒さんが勉強できるか、にかかっていました。僕は事前にこの生徒さん

と話をした結果、1日に4時間が限度であると感じました。

 つまり、100(時間))÷(4時間)=25(日)です。そうです、週5日か6日で出勤することに

なったのです。

 日程は、朝10時から昼12時までの2時間と、昼1時より3時までの2時間です。

 みなさんは、何故、4時間ぶっ通しでしないのか?と思われるかも知れません。しかし、生徒さんには

無理です(そもそもそれまで1日に30分位しか勉強しないと自己申告している生徒さんが4時間も続け

てできるはずがありません)。それに、教える僕の方もへばってしまいます(まあ、教え方にもよります

が・・・)。

 ということで、1日に4時間で月に25日の家庭教師をすることにしました。

 自分で言うのもなんですが、実は、僕はいい部類の家庭教師だったかも知れません。何故なら、お昼休

憩を取ると、僕には何のメリットもないからです。つまり、僕がどこかでお昼ご飯を食べると、出費にな

ります。また、僕が拘束される時間も無駄に増えるからです。

 余談ですが、僕の当時住んでいた部屋と、その生徒さんの家は約30キロ離れていましたので、僕は朝

8時半頃には出発をしていました。


 さて、もう1つだけ余談をしておきます。僕はこの家庭教師の話を結果的には受けましたが、大手家庭

教師センターへ抗議したことがあります。今思えば少し若かったかも知れません(当事者同士がそれで

いいということで契約を結んだわけで、特段おかしな契約内容でもないですからね)。

 それは生徒さんのこんな言葉を聞いたからです。

 「あー、この日程(夏休みの内に25日が家庭教師で、5日しか遊べる日がない)では、楽しみにして

いたプールや海にも行けないし、大好きなボーリングも出来ないよ。」

 そこで僕は、契約内容は仕方ないにしても、何故このような契約を結ばせたのか大手家庭教師センター

へ電話で抗議しました。

 そして僕は色々質問した後に、最後の質問をしました。

 「では、あなた(契約を結んだ担当者)は、中学生の時に、1日に4時間も勉強したのですか?」

 すると、担当者は、

 「はい、しましたよ。」

 とさらりと言いました。僕は「そんなはずはないでしょう。」と言いたかったのですが、まあ止めまし

た。このまま話しても平行線であると判断したからです。

 何故、僕がここまで一人の生徒さんのために抗議をしたかというと、この担当者が言葉巧みにこの生徒

さんの親さんを説得した様子が目に浮かぶからです。

 実は、中学3年生の生徒さんを1時間教えると、僕には約1800円の報酬が支払われます。

 では、この家庭は大手家庭教師センターへ幾ら支払っているのかというと、1時間で約3500円でし

た。

 つまり、この1ヶ月で100時間ということは、この家庭は、約35万円の出費になります。おそらく

この担当者(僕と同じ大学のバイトですよ)は、上司から大変褒められたことでしょう。


 まあ、そんなこなんなもありながら、僕はこの地獄合宿に突入しました。

 全く本題へ入れませんでしたが、続きは次回ということで。


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 さて、前回の続きです。

 お母さんにドアをふさがれて、行く手を阻まれた僕は困りました。

 ここで大声を出せば、事態は解決したでしょうが、できませんでした。

 そして、僕はひたすら、

 「それは勘弁して下さい。帰らせて下さい。」(勘弁して下さいは、今でも使います)

 と言いました。

 すると、お母さんは方針を変更したらしく、

 「では、電話してもいいですか?」

 と聞いてきました。

 この場を逃れるには、よい返事をするしかないと考え、

 「では、電話ならばよいですよ。」

 と返事をして、何とか帰らせてもらえました。

 それから間もなくした日のこと、電話が鳴りました。大抵は家の固定電話が鳴りました。

 「もしもし。」

 この声を聞いただけで僕は、すぐにお母さんだと分かりました。なんとなく特徴があるような声でし

た。

 「こんにちは。」

 「最近、息子は元気でやっています。」

 「はあ、そうですかー。それはなによりです。」

 「それに娘も元気にやっています。」

 「なるほどー、それもなによりです。」

 「先生は大学は忙しいですか?」

 など、普通の会話が続きました。

 僕はあまり深く考えないで、気軽に電話に応じていまいした。


 そして、また別の日に、

 「もしもし。」

 「こんばんわ。」

 「今、娘を送って大学まで来ているんですよ。何故、外から電話できるか分かりますか?」

 「いやー、分かりませんねー。」

 「実は、私、携帯を買ったんですよー。今から番号を言いますねー。090−××××−○○○○で

す。お暇なときに電話して下さいね。では。」

 そして1週間後、

 「もしもし。」

 「あー、こんばんわ。」

 「1週間も待ったのに、何故、電話してくれないんですか?」

 「いやー、別に用事もなかったですし・・・」


 この電話で、僕はようやく気付きました。

 このお母さん、僕に好意を持っているのか?と。

 そして、僕の頭の中で、色々な点が繋がり、一本の線になりました。

 そうかー、お母さんと話をしていたときに、お母さんが頻繁に足を組み替えていたのも、お母さんを車

で拾って高校へ行ったときに香水の匂いがプンプンしていたのもそういうことだったのかー、と(因みに

僕は香水の匂いはかなり苦手です。気持ち悪くなります。)。


 そしてお母さんの会話はどんどんエスカレートしていきました。

 「もしもし。」

 「こんにちは。」

 「今日はいい天気ですね?」

 「そうですねー。」

 「ところで、会いませんか?」

 「いや、今日は忙しいです。」


 「もしもし。」

 「こんにちは。」

 「今日は選挙でしたが、投票には行きましたか?」

 「いや、夕方くらいに行こうかと思っています。」

 「ところで、先生が投票に行ったあとに会いませんか?」

 「いやー、僕、最近彼女ができて・・・」

 「それがどうかしたのですか?会いませんか?」

 
 こんな感じで、電話が掛かってくる頻度は高くなっていきました。しかも、会いたいと言い始めたので

す。

 少し危険を感じた僕は、携帯の方は着信拒否に設定し、家の固定電話の音量をサイレントに設定し、留

守電にして、親や友人には、電話は携帯のみに掛けてくれるように頼みました。

 と、同時に、大手家庭教師センターに苦情を言い、対処してくれるように言いました。

 結局、この大手家庭教師センターは、何一つしてくれませんでした。


 それからも度々、家の固定電話は鳴りましたが、お母さんは、留守電が嫌いらしくメッセージを残すこ

とはありませんでした。勿論、僕は、何かあれば証拠に使おうとも考えていましたが・・・。

 
 そして、忘れもしない会話になります。

 「もしもし。」

 「はい。」

 「どうしても会ってくれませんか?」

 「はい。会いません。」

 と僕が言うと、電話の向こうでお母さんが泣いているのが分かりました。

 そして涙声になり、

 「絶対にですか?」

 「はい、絶対に会いません。」

 「どうしてもですか?」

 「どうしてもです。」

 「絶対にですか?」

 「絶対にです。」

 「どうしてもですか?」
     ・
     ・
     ・
 このような会話を延々と続けた後に、お母さんは、

 「分かりました。」

 と言って、電話を切りました。

 実は、女性に電話口で何度か泣かれたことがありますが、本当に困ってしまいます。もっと言うと、男

性にも泣かれたことがあります。あれも困りました。


 僕は、かなりの恐怖を感じていました。

 このままでは、家に来る、と。

 前回も書きましたが、家庭教師をする際には、自分の情報をばらまきます。家なんて調べればすぐに分

かるのです。例え、住所が家が分からなくても、車のナンバー1つで家は分かります。何かするときに

は、みなさんレンタカーを借りましょう?

 僕は幸いにも少し分かりにくい場所(タクシーの運転手さんも道を間違える場所)に住んでいたので、

家までは来られませんでしたが、きっとウロウロ探したことと思います。

 そして、僕はそろそろ訴訟かな?とも考え始めていました。

 こんなことで初めて民事裁判を起こすなんて・・・。


 と、その電話以降、ピタリと電話はなくなりました。

 僕の払った代償は、家の近くのスーパーに行けなくなりました(お母さんも利用しています)。

 そして、それからは、家庭教師先のお母さんと親しく会話をすることはなくなり、業務的な話しかしな

くなりました。きっと無口で変な教師だと思われたでしょうね。


 最後に、このお母さんがストーカーなのかを検討しておきます。

 ストーカー行為等の規制等に関する法律(ストーカー規制法)に照らして検討した結果、ストーカーで

あると考えられます。

 具体的な条文を挙げておきます。

 ストーカー行為等の規制に関する法律第2条第1項3号に該当する行為です。


(定義)
第二条  この法律において「つきまとい等」とは、特定の者に対する恋愛感情その他の好意の感情又はそれが満たされなかったことに対する怨恨の感情を充足する目的で、当該特定の者又はその配偶者、直系若しくは同居の親族その他当該特定の者と社会生活において密接な関係を有する者に対し、次の各号のいずれかに掲げる行為をすることをいう。
一  つきまとい、待ち伏せし、進路に立ちふさがり、住居、勤務先、学校その他その通常所在する場所(以下「住居等」という。)の付近において見張りをし、又は住居等に押し掛けること。
二  その行動を監視していると思わせるような事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
三  面会、交際その他の義務のないことを行うことを要求すること。
四  著しく粗野又は乱暴な言動をすること。
五  電話をかけて何も告げず、又は拒まれたにもかかわらず、連続して、電話をかけ若しくはファクシミリ装置を用いて送信すること。
六  汚物、動物の死体その他の著しく不快又は嫌悪の情を催させるような物を送付し、又はその知り得る状態に置くこと。
七  その名誉を害する事項を告げ、又はその知り得る状態に置くこと。
八  その性的羞恥心を害する事項を告げ若しくはその知り得る状態に置き、又はその性的羞恥心を害する文書、図画その他の物を送付し若しくはその知り得る状態に置くこと。
2  この法律において「ストーカー行為」とは、同一の者に対し、つきまとい等(前項第一号から第四号までに掲げる行為については、身体の安全、住居等の平穏若しくは名誉が害され、又は行動の自由が著しく害される不安を覚えさせるような方法により行われる場合に限る。)を反復してすることをいう。

 ついでに、罰則も挙げておきます。これは、刑事上の罰則なので、民事上の責任とは別ですよ。

(罰則)
第十三条  ストーカー行為をした者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
2  前項の罪は、告訴がなければ公訴を提起することができない。

第十四条  禁止命令等(第五条第一項第一号に係るものに限る。以下同じ。)に違反してストーカー行為をした者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
2  前項に規定するもののほか、禁止命令等に違反してつきまとい等をすることにより、ストーカー行為をした者も、同項と同様とする。

 では、最後は難しくなりましたが、これにてこの話は、完。


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 今回は(17)人妻にドアをふさがれて、です。リクエスト頂きありがとうございました。

 この話は、僕が大学3年生から4年生の時の話です。

 今でもぞっとしますが、思い出して書いてみます。


 この生徒さんは、僕の家から歩いていける距離(約20分)に住んでいまして、僕は大抵歩いて訪問し

ていました。

 ふと考えると、この生徒さんは、今ではもう20歳を超えていますね。受け持ったのは、この生徒さん

が中学3年の1年間でした。


 さて、何から書きましょうか。

 余談その1。

 まず、この生徒さんの家の構造はすこし変わっていまして、2階にリビングがあり、1階には、生徒さ

んの部屋、親さんの部屋、お風呂などがありました。いつも思いますが、家庭教師先の家は大抵は立派な

一戸建てで、新し目の家が多かったように思います。

 余談その2。
 
 家庭教師をする際には、必ず、先生の履歴書を家庭に提出していました(大手家庭教師センターの決ま

りです)。

 自分の名前、住所、生年月日、電話番号、学歴、実家の住所並びに電話番号、そして顔写真を貼ってい

ました。つまり、僕の情報満載の紙を家庭に提出するのです。


 さてさて、この生徒さんは、言い方は失礼ですが、あまり取り柄のない(僕には発見できませんでし

た)生徒さんでした。勉強は苦手で、まあ、そういう生徒さんが多いのですが・・・、普通はスポーツは出

来るものですが、スポーツも苦手でした。

 おそらく、勉強やスポーツ以外に何か得意なことがあるのだと思います。

 覚えているのは、この生徒さんは野球部に入っていましたが、最後の大会に、ベンチにも入れてもらえ

ず、スタンドから応援したという話を聞いたときに、なんて監督さんだ!と思った記憶があります。


 そして、この生徒さんは、ちょうど反抗期でした。

 親さん(お母さん)の話によれば、家で「飯、金」などの単語しか話さないということでした。

 そして、テストの成績・結果も親さんには見せないということでした。

 そういうことなので、僕はちょいちょい2階のリビングに行って生徒さんの話をお母さんにしました。

成績が悪ければ僕が謝り、生徒さんの近況を報告しました。

 その内に、そのお母さんとは世間話もするようになりました。娘さんの大学受験の相談にものりまし

た。

 そこで覚えているのは、お母さんは、旦那さんと3年くらい話をしていないこと。勤めている会社の不

満などでしたが、毎回のように言われたのは、

 「先生、風邪などを引いたらいつでも言って下さいね。看病に行きますからね。」(家庭教師をしてい

ると、大抵は、先生と呼ばれます。)でした。勿論、風邪を引いても呼んでいませんよ。


 さて、月日は一気に流れて、受験の季節がやってきました。

 生徒さんも志望校を決めて、いよいよ受験という頃、お母さんに言われました。

 「すいません、私、一度息子が受験する高校を見たいのですが・・・。」

 「はい、(地図を見せながら)この辺ですよ。そんなに遠くないですね。」

 「いやー、私、方向音痴なんですよ。連れて行って貰えませんか?」

 「はいー。まあ、近いからいいですよ。」

 ということで、確か金曜日(僕の講義は午後からでした)の朝に生徒さんの家によって、お母さんを拾

って、高校を見に行きました。

 と、高校を見た後にお母さんが言いました。

 「私、折角会社にお休みを貰ったので、どこかに連れて行ってくれませんか?」

 「いやー、僕は昼から講義なので、ちょっと無理です。」

 「では、どこかでお昼を食べませんか?」

 「まあ、それくらいなら。」

 ということで、「味の民芸」という、うどん屋さんでうどんを食べました。

 これも今思えば、反省するばかりです。


 さて、それからもう少し月日は経ちまして、生徒さんも志望校の受験には失敗しましたが、高校も決ま

りまして、最後の授業の日になりました。

 また余談ですが、月の最後に日には、親さんにサインをして貰わなければなりません。ちゃんと回数を

こなしましたよ、この先生に問題はないですよ、というサインです。

 これは、毎回生徒さんの部屋にお母さんを呼んで、サインをして貰っていました。

 そして、事件は起こったのです。


 お母さんは、サインをしながら僕に言いました。

 「先生、お願いが2つあるんですけど・・・。聞いてもらえますか?」

 「まあ、内容にもよりますが、何でしょう?」

 「1つ目は、この謝礼金を受け取って下さい。」

 「はあ、まあ頂きます。」(本当は謝礼金は必要ありませんし、先生は受け取ってはいけません。)

 「もう1つは、今日で家庭教師は終わるのですが、また会ってもらえませんか?」

 「いやー、契約ですから、そういう訳にはいきません。忙しいですし。」

 「だったら、OKの返事をもらうまで、帰しません。」

 と言って、生徒さんの部屋のドアの前に立ちふさがりました。


 僕は困りました。

 さあ、これからどうなるのでしょう。

 続きは次回ということで、お楽しみに!?


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