小説(RBW)

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2015年 アメリカ合衆国 ニューヨーク 現地時刻18:35
 冬、それもこの年最後の日の今日。当然日は完全に沈み、星が瞬く真冬の空の下、普通の12月31日ならここマンハッタン島は新年を迎えようとする人で溢れかえるはずなのに、この日聞こえるのは新年を迎えることへの喜びでも、一年間を懐かしく思う声でもない。

         銃声。悲鳴。爆音。

火薬のにおいと血のにおいが混ざり合い、空気が汚れている。そんな印象を受けた。
それにまじれてアメリカの経済成長の象徴である高層タワービル群も今では見る影がない。そんな中でも特に損傷がひどくいつ崩壊してもおかしくないビルの屋上。
二人の男が距離をとり向かい合って立っていた。
1人は刀身に周りの情景を、まるでそれ自身が元々赤い色であるかのように映し出している刀を両手に持ち、1人は何に染まるわけでもなくただ自分の存在を強く主張しているかのような黒光りする銃を両方の手に握っている。着ている軍服は二人とも同じであった。
 不意に刀を持つ男が口を開き何かを叫んだ。顔は苦しそうに歪んでいる。もう一人の男は挑発するように口角をあげ叫び返した。
 それが合図であったかのように両手に赤い炎をもった男が走り出した。対峙する男は片方の銃口を相手に真っ直ぐに向け安全装置を下げた。
二人の間の距離が一気に狭まり、
拳銃が
火花を散らす。

         っと、ここでストップ

 刀を持った男はあと2、3歩歩を進めれば相手に切りかかれるという地点で文字通り動きを止めていた。放たれた銃弾は銃口から少し頭を出している。だが止まっている。それだけではない。相手も、世界全体が停止しているようだった。

 失敬。ようだった、ではない。この世界はこの瞬間完全に停止した。
 皆さんはじめまして。私は…そうですね。とりあえずこの世界を操る存在、とでもしておきましょう。さて、今我々がいるのはアメリカニューヨークです。不思議に思ったことでしょう。なぜそんな流行の最先端を進む街が戦場と化しているのか。
 簡単に説明するのは、語彙力に乏しい私には難儀なので、皆さんに直接見てもらいます。

 停止していた世界が動き出す。それも、通常では考えられない方向に。

 時は遡ること12年前の2003年。ここアメリカニューヨークを離れ遠く日本、首都東京。全てはここから始まりました。それではみなさん、またのちほど。

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