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一昨日の9月21日、立山町の芦峅寺(富山県下新川郡)で立山信仰の儀式「布橋灌頂会」(ぬのばしかんじょうえ)が3年ぶりに開催されました。
翌日にあたる地元紙の昨日朝刊から引用させていただきます。
(北日本新聞 9月22日朝刊1面)
今回は公募により県の内外から85人が参加されたそうで、また今年のサントリー地域文化賞の受賞が決定しているということもあって3年前の前回を上回る約3,800人が見学に訪れたと記事にはあります。
北日本新聞が実行委員会を主催していることもあって、特集記事がいくつもありました。「無心になれた」「周囲への感謝を思った」という参加者の感想とともに、原発事故で避難生活をされている福島県の方の故郷への想いが記されていたのが印象的でした。(11面、30面)
富山県内の諸街道を歩いている私も、もちろん過去何度も立山道の諸ルートを歩いています。そのうち過去の立山信仰にすごく興味関心をもつようになりました。
富山市内・富山県内各地から宗教集落である岩峅寺・芦峅寺へつながる様々なルートと、道標や地蔵など旅人を導く石造物、その途中に発展した町々。
そのどれも「歴史を歩く人間」にとっては魅力ですが、やはりひとつの終着地点である芦峅寺とそこにあるいくつもの宗教施設、そしてこの「布橋灌頂会」というイベントは特筆すべきものかと思います。
■ 布橋灌頂会とは このブログでも何度か取り上げている芦峅寺集落と「布橋灌頂会」ですが、改めてまとめてみます。
(過去写真も利用)
場所はこのあたりのお話です ↓
江戸時代、立山は地獄や極楽が広がる「あの世」とされ、男性は山中を巡って疑似「あの世」体験をすることで罪や穢れを落としました。江戸時代には全国各地に立山信仰が広がり、多くの旅人が立山を登ります。
一方で多くの聖地・霊山がそうであったように、立山は明治までの女人禁制でした。
女人禁制の理由はいろんな説があるそうですが、例えば山中で修験修行をしているお坊さんに煩悩を持たせないため、とかの話も聞きます。
そんな女性たちに用意された宗教体験イベントが「布橋灌頂会」で、男性たちの登山と同様の意味を持つ
とされたそうです。
白装束を来た女性たちの一団は、まず閻魔堂に入ります。ここには現在も南北朝期に作られた閻魔像がありますが、(おそらく)薄暗い堂の中で閻魔様に手を合わせ日々の罪や煩悩について懺悔し、正しい行いをすることを誓います。
※写真)現在の閻魔堂は昭和になって再建されたもので、当時からのものは明治の廃仏毀釈で取り壊されており、規模や形などは?
その後、堂の横から続く石段(明念坂)を僧侶ら(引導師)に率いられて目かくしして下り、その先の布橋へと進みます。
橋には3本の白布が敷かれており、その布の上をゆっくりと歩きます。
橋の中央まで来ると、橋のあちら側(=あの世、じっさいに古来から墓地ともなっている)からやってきた僧侶(来迎師)にバトンタッチされて、そのまま「姥堂」(おんばどう、おんばは「女」に「田」みっつ)に入ります。ここにはグロテスクで奇妙な顔の姥像が108体おり、周囲は締め切られて真っ暗な状況で祈祷などされ、女人衆はお祈りを捧げます。
すべてが終わると女人衆の目隠しがとられ、締め切られていた建物の覆いが上がり、明るい光の中に雄大な立山連峰の姿を間近で見ることになります。
■ 大事にしたいイベント 明治の廃仏毀釈の際に姥堂は取り壊されたとか、現在はその基台のみ残っています。
その代わりにすぐ横に「遥望館」という建物があり、普段はここで立山の自然や歴史、立山信仰のことを映像で紹介しています。
映像視聴なので当然真っ暗くして観るわけですが、それが終わると…、わかりますね。
前面の大スクリーンが上がって正面に雄大な立山を見るようになります。
ちゃんと理解されてて、よくできた装置ですよね。
復活した現代の布橋灌頂会は、姥堂の変わりにこの「遥望館」を使って雅楽や声明が行われたそうです。
江戸時代から多くの信仰者を集めた霊山・立山。
信仰対象としての立山のアピールは、現在「立山博物館」が発信者として頑張ってらっしゃると思います。私も何度か訪れています。
今後もこうした地元が誇るべき史跡やイベントを理解して、大事にしていきたいものです。
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閻魔堂、昭和の再建とは思えないほど迫力あります^^;
目隠しって緊張するな〜
でも集中して厳粛な気持ちになれると思います^^
2014/9/23(火) 午後 9:02
栞さん
そう、新聞読んでいても体験された方はそんな感想のようです。
長く続いていたこうゆう行事が途絶えてしまっていたのは、なんだか残念ですよね。
2014/9/23(火) 午後 9:25 [ なまずお ]