南原充士の 『越落の園』

辛口の芸術評論、なんでも評論=コメント歓迎!

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 本日、池袋のサンシャイン劇場で催された演劇集団キャラメルボックスの公演「カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」を見た。

 ストーリーは、奇抜である。

 くわしいことは、これから見る方もいるので、さしひかえたいが、家族愛を描くために、あえて、死者を何人も舞台に登場させるという筋立てにしている。夏休みの家族旅行(二泊三日のキャンプ)の途中で、父親の運転する車がトラックと衝突して、祖母、両親、妹、弟を一瞬にして失った、主人公高梨ほしみが病院にかつぎこまれる話がメインのプロット。
 悲惨な事故で最愛の家族を亡くした若い女性を描くだけなら、平凡になりがちだが、深刻な内容をコメディータッチに描いて、生者と死者のドタバタ劇に仕立てた展開はあやういながら、ストーリーが展開されるに従って、次第に引き込まれていく。

 また、もうひとつのストーリーがうまく組み合わされていて、単なるヒューマニズム劇に終わらせない巧みさも印象的だった。
 ほしみの父の弟(鉄平)は、ラジオのDJ(あやめ)と新婚一年だが、あやめのラジオ局の同僚(菊川)との仲を疑い、嫉妬にさいなまれている。そんな鉄平が、とある事情で殺人事件に巻き込まれて、警察に追われる。

 芝居がはじまったばかりのときは、こんなに不自然な筋立てで、ストーリーがうまく展開できるのか、はなはだ不安だった。

 だが、芝居が進行するにつれ、いつのまにかそんな心配は杞憂に終わり、むんずと胸倉をつかまれるような感覚を味わえた。

 芝居のラストにいたる、ミステリーの謎解きのようなおもしろさと痛快さは、大きな波となって、観客の心を揺さぶる。そして、いくつかの変奏曲のような悲喜こもごものシーンを丁寧に重ねた上で、号泣そして大号泣の大団円へとなだれ込む。

 おもわず涙を流している自分に気づいて照れくさくなった。

 最後のあたりのストーリー展開の巧みさについては、もうすこし触れたいが、これから見る方には興ざめになるだろうから、やめておくこととしたい。

 総括的なことを述べれば、なんといっても、脚本・演出の成井 豊に賛辞を送りたい。

 俳優は、それぞれの役を確実に演じていた。真摯な態度に好感が持てた。

 とりわけ、ヒロインのほしみ役を演じた、高部あいは、華奢な体つきながら、難しい役どころをけれん味なく、全力投球で、演じていたのに感心した。

 舞台効果もじょうずだと思った。特に、小田和正の歌が、ラストシーンを盛り上げたと思う。

 「カレッジ・オブ・ザ・ウィンド」=Courage of the Wind =「風の勇気」というタイトルは何を意味するのだろう?

 それも、芝居を見てのお楽しみだ!

 最後に、キャラメルボックスの芝居を見る気にさせてくれた、コート・ドール・クラブ(CDC)の嶋啓祐氏と、キャラメルボックスのプロデューサーの仲村和生氏に感謝したい。

 仲村氏は、劇場の入り口で一度しか会ったことのないぼくに声をかけてくれた。うれしさの限りだった。そういう気配りができるプロデューサーのいる演劇集団「キャラメルボックス」に惚れ直した次第である。

 どうかひとりでも多くの方々が、この芝居を観てほしいと思った。絶対おすすめですよ!
 


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