南原充士の 『越落の園』

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 『ペーター・レーゼル ベートーヴェン ピアノソナタ演奏会』


 1.平成20年9月20日、紀尾井ホールで、ペーター・レーゼルのピアノリサイタルを聴いた。

 ベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会の第一回目。

 20番、17番(テンペスト)、29番(ハンマークラヴィーア)の三曲。

 ベートーヴェンのピアノソナタ大ファンのぼくとしては、聴き逃せない。

 ハンマー・クラヴィーアは偉大な傑作。演奏もむずかししそうだったが、この難曲を見事な解釈でしっかりと弾いて見せた力量はすごい!

 60代の円熟した境地。年齢はこの場合、プラスに作用したようだ。

2.平成20年10月2日、前回に引き続き、紀尾井ホールで、ペーター・レーゼルのベートーヴェンのピアノソナタ全曲演奏会の第二回が開かれた。

 今回は、9番、30番、6番、23番の四曲。

 前回の「ハンマー・クラヴィーア」の感激が耳に残っている中で聴いたせいか、9番は、曲が単調に感じられた。演奏者の技術というより、曲そのものの問題だろう。

 前回の演奏について、ピアノにくわしいメンバーが何人か突っ込んだ分析をしていたのを読んでいたので、今回は、左手の使い方や強さなどにも注意して聴いてみた。

 30番は、29番(ハンマークラヴィーア)のあとの曲で、スケールの大きさは感じさせるものの優しさや穏やかさみたいなものが強く意識されるのが特徴だろう。ポリーニのような強烈な個性と比べても、レーゼルは劣らぬほどの強烈さで30番を弾ききった。やりすぎかもしれないが、納得できる演奏だと思った。

 6番は、出だしは単純ながら、次第に複雑な変奏を通じて、高邁な地平に連れて行ってくれる。その序破急の変化をうまく表現していたと思う。

 23番(熱情)は、大曲。曲のはじめから主題が胸に迫り、複雑に織り成される変奏が感情を高ぶらせる。これでもかと情熱をぶつけてくる曲の構成と展開。ひとつ間違えれば、壊れてしまいそうな難しそうな指使い。それをレーゼルは見事に表現したと思う。

 総じて、レーゼルは独自の芸術表現を十分に成功させたと思う。名前こそ、日本ではそれほど有名ではないと思うが、その実力は超一流の仲間に入れてもよいのではないかと思った。

 音楽の専門家はどう受け止めたのだろう?
 それを知りたいものだ。
3.平成20年10月8日の日経夕刊、「クラシック」欄に音楽評論家、山崎浩太郎氏が先日のペーター・レーゼルのコンサートについて好意的な感想を寄せている。

 しろうとのぼくとしてはかなり気に入ったわけだが、プロの目から見てどうなのかが気になるところだったが、これでとりあえず安心した。

 「慎重さと冒険心、この矛盾の共存はレーゼルをベートーヴェン弾きとして最適の存在にしている」

 「無駄のない、虚飾を排した一見地味なピアノだが、音に自信と力があり、また音色の変化は多彩に、細やかにコントロールされる」

 「どれも十全に表現され、作品の真価をあらためて痛感させる演奏だった」

 ざっと以上のような評価だ。

 たしかに不器用なまでの全力投球といった演奏だと思ったが、聴く者に確かな感動を与えるという意味では高く評価してよいと思う。

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