南原充士の 『越落の園』

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詩歌作品など

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 小歌集「ぱぱいやままん」


 
  
   (疼痛)


隠れ家の 戸口破られ 隙間風  見えない刃傷 疼痛と化す

藪からの イレクトファラス 如意棒に 戸惑い吠える 昼下がりの犬


  (涙の海)


血と涙 海水と化し 肉と骨 土と変わりて 命生む床 

 
 (わけもなく)


わけもなく 泣き続けてる 窓際に 月を見ながら 背中をさする

 
 (恋の終り)


撫子の 花に思いし 山道の 恋の終りは 淡く散りゆく

終わり行く 恋に引き継ぐ 恋もなく 秋は窓辺に 風を吹き寄す

取り直す 思いの先に 秋日射す 後姿に 心乱れる

   
   (深呼吸)


深呼吸 くりかえすたび 秋風の 想いの色は さやぐ葉に染む


   (熱い血)


熱い血も 冷め際を抜け 霊性の ゴリラとなって 檻をさまよう

   
   (ぱぱいやままん)


とこしえの 誓いも愛も  消えてゆく 不思議ちゃんりん  ぱぱいやままん

       *

小歌集『光る秋』

    
    小歌集『光る秋』



      (ひかり)


限りある いのちは光 目の中に 動きの先に 涙とともに

逝きてなお こころに灯る 光あり ぬばたまの闇 照らすいのちの

ただひとり 別れも告げず 去るひとの 背中は透けて 声も届かず


     (とらわれびと)


危うさの 何かに気づく 今ここの 捕われびとは 誰とも知れず

 
     (秋冷)


ジャケットを ひっかけて来る 群衆の 小雨の中を ワイシャツで行く

とにかくも 命ながらえ 行く日々の こここのときに すがるものとは

見かけより 危ういガラス 心身の 構造機能 だれが管理す


     (花くたす)


花くたす 時の歩みに 耐えかねて 揺らぐ葉陰に 枯れ果つる枝


     (片恋)


片恋の こころ静かに 成熟の 道行き遠く 秋の日は落つ

かりそめの 恋の想いは 過ぎ去りて 朝日まぶしく 手をかざす時

恋情の 赴くままに かき抱く ひとは異国に 旅立ちしまま

          *

 
 先日、親しい詩友と話をしていて驚いたのは、小生のブログを知らないということだった。

 宣伝しておかないとだれも読んでくれないことに気がついたので、たまにはPRしたいと思います。

 こちらもどうぞよろしく!

 詩と俳句と短歌をたっぷり載せていますよ!

 
  【南原充士の文学のデパート】《詩歌篇》=『きままな詩歌の森』


   http://nambara14.exblog.jp/

句集『あきらめの夏』

  句集『あきらめの夏』

   
   (あきらめの夏)

これでもか お化けを見ても 魂消ない

もうろうと 魔羅炎天に 誘われず

しんねりと ふて寝の野猿 雷落ちて

  (夏女・夏男)

とりあえず 善男善女 浴衣がけ

花火って 胸キュン空で ぱっと散る

水平線 おまえに決めた 水着っこ

   (不意打ち)

不意打ちの 鞭重なれば 夏に伏す

涙涸れ 血走る目にも 夏の汗

めまいして 黙す真夏に ねじ切れる

   (夏のイメージ)

発掘隊  そろりと掃う  炎天下

乱流の  ごとくに夏を  もてあそべ

地は揺れて  深く落ち行く  夏の闇

一閃の  光が漏れて  夏の洞

噴水も  間歇的に  飛び上がる

  (猛暑日)

転寝(うたたね)の つもりで熟睡 夏の勝ち

猛暑日は もうろうとして 踏み外す

また殺し 孤独な夏よ 眠りなさい

万人の 切れかかる夏 バンドエイド

傷ありて 病もありて 暑気払い

  (夏の恋)

寝ては夢  覚めてはうつつ  夏の恋

快眠と  快食ありて  夏男

ゆったりと 休むふりして 夏は萌え

一念に 炎天に立つ 棒使い

すっぱだか 猛暑に挑む 朝稽古

ひまわりの 陰でむき出す 下半身

誘い水 幻想花火 夏休み

夏の海 人魚の群れにも うごめかず

ふらふらの 頭ぶつけて 目に花火

香りにも 近寄らぬ夜 夏ばてて

食欲も 情欲も失せ 夏の果て

ただここに ひからびている 夏の虫

  (ジューシー・ゴシップ)

ゴシップは 蜜の味かも かき氷

うわさして 笑い合えれば 夏凉し

半裸人 見て見ぬふりの 夏の海

からかって あざむきあって 夏盛る

好きだよと 小声で言った 遠い夏

会いたいな ずばりと言った 近い夏

迷い子の おじさんもいる 夏祭り

とにかくも 手をとっていく 夏の夜

一発の 花火に燃える 夏休み

汗みどろ 生きる証しか 夏が好き

   (多重構造)

見えぬまま 重なる層を 抜ける夏

幾層も さえぎる視線 曲げる夏

古生層 にせの化石を 埋める夏

  (時間という薬)

時だけが いやしてくれる 夏の虚

あじさいの 花陰深し ひと逝きて

ねじれては 涙をこぼす 夏に逝く

  (酷暑荘)

意地悪も  共同住民  酷暑荘

いやなひと  だれの顔して  梅雨もよう

ひねくれて  当たらし散らして  夏をやる

しあわせは  どんなかたちか  入道雲

ふしあわせ  涙は見せぬ  すだれ越し

弱いのは  罪じゃないよね  夕涼み

   (蚊帳の外)

死ぬまでは  生きるしかない 炎天下

収穫を 上回る付け 背負う夏

この世には たったひとりで 梅雨に泣く

だれひとり 心開けぬ 夏の闇

当り散らす 猛暑の拳 空を切る

愛せない さまよう心 蚊帳の外

ぐらっと来て 梅雨びたる地を 突き崩す

  (悪夢の後)

血をぬぐう 現場を夏日 照りかえす

まちがいの 文脈ばかり  団扇振る

とりあえず つながってるよ がくあじさい

  (冷やし蕎麦)

伸びすぎた 髪をなびかせ  夏の庭

どたばたの 外出すれば  梅雨の顔

隠れ家に なにを隠して 冷やし蕎麦

   (ホラー)

ビアホール 髄までしゃぶる うろ深し

肉そいで 骨まで砕く 夏の闇

見れば汗 触れれば小水 化け屋敷

   (まんだらけ)

いやなやつ いなくならない 夏だって

おれだって 奇人変人 梅雨浴びて

まんだらけ いぼを削って ベアルック

はだかんぼ 散らしておきな 熱い砂

脳漿を せせる地虫に はまだら蚊

ホルモンを 焼酎でやる 狂い梅雨
 
気の薬 やわらかな夏 来てちょうだい!

歌集『悲しみの夏』

   歌集 『悲しみの夏』


      (猛暑)

猛暑なら 海へくりだし むき出しの 背中を見えぬ 光で照らす

      (フランス革命)

流血の ページの上に 取り澄ます 紳士淑女の サミットありて

戦争と 平和はもたれ 合うものか いのちも金も 嘘も真も

嘆いても 地球は周り 腹は減る いのちさらして 生きるしかなく

できるなら ギロチンもなく テロもない 戦争もない 退屈な日を

     (贋・源氏物語)

あれこれの 理屈をつけて 女とは 会いたいものよ だれでも源氏

気がつけば 違う女が 臥す床へ しけこめばもう あられもなくて

隠れ家は 倒錯野獣 オスとメス 轟ハウリング びしょぬれの床

妄想の 淫らさ競い ぬか八の ホルモン力 沁み込む精気

愛液の 混じりこねくる 夏の夜 匂う秘所吸う 惑乱の口

     (めまい)

なんとなく 所在なければ 書を閉じて 街へ出かける 夏のめまいへ

熱のない バラの花びら 色のない 唇噛んで 一筋の傷

熱き血の 流れぬ胸に 手を当てて はずまぬボール 蹴り捨てし朝


   { 風紋 }


突き詰めて

       考える砂

   風紋の

        手触りぬくし

    情感の襞


     (仕切りなおし)

塩撒いて 仕切りなおしの 夏は燃え 海老そるほどに 天を仰げば

振り向かぬ 涙も見せぬ うつむかぬ 前傾姿勢で ハードルを越え

後ろ髪 引かれても行く 炎熱の 空洞ありて 奥処は見えず
    
     (悲報)

突然の 逝去の知らせ 身の内は 言葉失い 崩れ落つ膝

問いかけて 問いかけて なお 藪の中 命はかくも 過重の錘

パノラマに 遊ぶ家族の 子供らの 笑顔は消えて この死化粧

あのときの 声は響くも 今ここに 別れの言葉 交わすすべ無し

災厄も だれかのせいに したいもの 悲しすぎるよ 耐えられなくて

砂漠にも 蜃気楼かは 光ある 触れてやさしい 緑のゆらぎ

     (遡る川)

酔いどれて たどり着くまで ふわふわの 雲の海原 まぎれつつ打つ

突然の 知らせは重く 胸ふたぐ 幻の世の 夢の葉と散れ

戻せない 時間を戻る カヌーにて 遡る川 遊びいる子ら

     (歌を忘れて)

襲撃の 現場に向かう サイレンの 音のひずみに 狂乱の耳

わけもなく 人殺したい 脳幹の 面を覆う 気弱な素顔

夢もなく 希望もなくて いら立ちの 群衆もまた 歌を忘れて

     (恋にしかめやも)

とりたてて することもない みなつきの 午後は魔法の 指に屈する

白銀も 黄金も玉も なにせんに まされる宝 恋にしかめやも

執念の 極みに達す 猪母乱魔 引きずる老躯 屹立の壁

     (熱気球)

どこまでも 気になる世間 見下ろして ジグザグ進む あの熱気球

相性は どこから来るの 見ただけじゃ わからぬ脳内 微細な分子

流れ行く 水より逸れて 戸惑いの ひとのかたちに 影はゆらめく

     (逆鱗)

喉もとの 貧しい逆鱗 触れられて にゃろめと叫び 尻尾を立てる

     (追いかける性)

わけもなく 走り出しては 息きれて 想像力は 裸の走者

追いかけて 追いかけられて 日も暮れて 帰り行く背に 戻り来る影


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