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◆京都生まれの気ままな遁世僧、今様つれづれ草◆ 別館。 【ランダム更新】

2019【折々のことば】

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頌 春  佛教暦 2562(平成31)年 元旦


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■写真■ 滋賀県高島市の白鬚浜にて。2005年1月18日撮影。


本館はこちらです(クリック→)  ◆京都生まれの気ままな遁世僧、今様つれづれ草◆ 
最近、とかく「平成最後の……」という枕詞をここかしこで耳にする。
この度の正月もまた、平成最後の年明けとなった。

今年85歳になんなんとする父親は、
1日1回は河原町の空気を吸わないとおかしくなると言ってはばからない(笑)。
三賀日が明けた昨日、父親を連れて三条河原町にある六曜社コーヒー店へ行った。

この喫茶店は、父親が高校生時分からある店で、父親は通いつめて60年以上が経つ。
今は亡き母親も、娘時代にここでウェイトレスをやっていた。
先代オーナーは面倒見の良い人で、
新聞社に就職していた母親を、新聞社よりも高額支給するからと言って引き抜いた。

戦後の混乱期がようやく落ち着いた1950年代中頃のことだが、
あの頃はまだまだウェイトレスという職業には偏見が強かった。
生粋の京女という誇りだけで生きていた母親だったが、
高禄を以て正規採用するならばと、親類たちの反対もものとはせず、
母親は結婚までの数年をここで過ごした。

先代オーナーは接客には厳しい人柄のようだったが、その辺は母親も抜かりなかったようだ。
オーナー夫妻は、母親が病気で入院した時も医療費を全部見てくれたりと、
退職後も何かと生活を支えてくれていたようだ。
そこには雇用関係を超えた、信頼関係が出来上がっていたのだろう。
自画自賛のようで僭越だが、母親が築く人間関係は息子の私も真似できぬものがある。

ところで店内を飾る絵画作品は、全て父親の手によるものである。
父親もまた、ここで受けた恩は絶大といえる。
私が大学4回生だった年末のある日、
店内に飾る作品を取り付けるのを手伝いに行ったことが、懐かしく思い出される。

「カネの切れ目が縁の切れ目」などとはいうけれど、
人を育ててやったとか、面倒を見てやったから恩を感じなければならないとかということは、
ともに意識的に思うことではない。
気がつけば実はそうであった………と、自然に芽生える感覚であろう。
人を育てたと自ら考えてしまうものなら、最早それは傲慢の世界である。
結局それは、恩を求める発想でしかない。
またそこからは、恩も生まれる道理はない。
そこには、仏教でいう「布施行」が成立せぬ所以である。

ふと、今時珍しくタバコがOKな上に(私は吸わない・笑)、
混めば相席が当たり前の六曜社の店内で、煙にいぶされながら思い至りし、年始の午後………。 


いつも御高覧頂き、重ね重ね有難うございます…。
年頭に当たり、早速駄文を一筆啓上m(_ _)m


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