◆京都生まれの気ままな遁世僧、「今様つれづれ草」。◆

心に移りゆくよしなしごと、仏教・親鸞・梵唄聲明・我が故郷京都…、拙き日暮らしに写真を添えて綴る“公開備忘録”

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盂蘭盆会が終わり、一週間経つと地蔵盆である・・・。

地方によってその日どりはいろいろあるようだが、
8月22〜23日の両日、京都市内では「回り地蔵」という地蔵盆の行事が繰り広げられる。
両日に京都市内6ヶ所に祀られる地蔵に参詣すると、
この1年間は地蔵の現世利益に与れるという信仰である・・・。

子どもの頃、山科駅前に住んでいた私は、
この「山科地蔵(やましなじぞう)」を中心に繰り広げられる地蔵盆の縁日が大好きだった。
京阪電鉄京津線の山科駅前から隣の四宮駅までの1厖召蠅謀呂辰董
地蔵堂のある旧東海道は露店が出て、とても賑わうからだ。

私にとって地蔵盆は、夏休みの終わりを飾る最後のイベントである。
これが済むと溜まっていた夏休みの宿題を一気に片付けるという、
幼少の頃から“やっつけ仕事”をしていた私なのだった(苦笑)。

思えば、祇園祭に夏休みの到来を喜び、
五山送り火に夏休みも後半になったことを憂え、
山科の地蔵盆に至っては、いよいよ夏休みの終焉に、
2学期が始まるリアリティを感じたりしていた訳である。

私は回り地蔵の縁日に関しては、こと山科の「山科地蔵」しか知らない。
よその地蔵尊も露店が並ぶようではあるが、山科ほどの規模ではなさそうだ。

これも何かの縁とばかり、
京都市内の他の地蔵尊を調べてみた。




1番 大善寺 《奈良街道》伏見六地蔵  伏見区桃山町西山

2番 浄禅寺 《西国街道》鳥羽地蔵   南区上鳥羽岩ノ本町

3番 地蔵寺 《山陰街道》桂地蔵    西京区桂春日町

4番 源光寺 《周山街道》常磐地蔵   右京区常盤馬塚町

5番 上善寺 《鞍馬街道》鞍馬口地蔵  北区鞍馬口寺町東入る上善寺門前町

6番 徳林庵 《東海道》山科地蔵   山科区四ノ宮泉水町




以上のの順番で行くと、時計回りに京都を一周して、
最後の山科の「四宮地蔵」が満願ということとなる。

1番目の大善寺は、山科から真南に10劼个り行った所に位置する寺で、
地名も通称「六地蔵」という。
京阪電鉄宇治線とJR奈良線に「六地蔵駅」がある。

「回り地蔵」の歴史は古く、保元2(1157)年に遡るという。
時の後白河天皇は六地蔵を深く信仰していて、旅人の道中安全のために平清盛に命じて、
京都に至る街道の入口6ヶ所に地蔵尊を祀ったという。
そして、地蔵尊を巡って利益に与る行事は、
西光法師が西国三十三ヶ所巡礼の流行になぞらえて試みたのが始まりなのだそうだ・・・。

各地蔵を祀る寺は宗派もまちまちのようで、
「山科地蔵」の徳林庵(とくりんあん)は臨済宗南禅寺派の末寺である。

聞けば本尊の地蔵菩薩は平安期の作なのだそうだが、
修繕に修繕が重ねられてか、ついこないだに作られたような美しさだ。
いささか不思議に思うのであるが、
中世以降に作られた地蔵菩薩像は、他の仏像のように全身金箔押しではなく、
肌の色や袈裟衣に至るまで彩色が施されている。
所謂、人間のようなリアリティが表現されている。

特に奈良東大寺におわす快慶作の地蔵菩薩像は、
色彩の剥落も少なく、非常に美しい。

この徳林庵の地蔵尊も例外ではなく、
肌も真っ白で祇園の舞妓ちゃんのように綺麗である(笑)。
さしずめ元祖美白の菩薩である(爆)。






昨日、それこそ10年以上御無沙汰だったと思うが、
たまたま山科に行ったので徳林庵の地蔵尊を参詣しがてら、
立ち並ぶ露店に昔日を懐かしんだ次第である。

ともすれば、昔の同級生と出くわしそうな雰囲気の中、
地蔵尊のおわす六角堂へ行き、しばしカメラハイクに興ずる・・・。

齢を重ねるごとに過ぎ去った幼少の頃など思い出すと、
この2日間だけはタイムスリップしたかのように、
記憶の中の風景がそのまま私の眼前に現れていたのだった・・・。






思えば小学生の頃、この縁日が何よりも楽しみだったのは、
本尊の地蔵菩薩がライトアップされて、間近で見られることもその一つなのだった。
正月はもとより、縁日以外はずっと扉は閉められっ放しで、
扉の隙間から薄暗い堂内をよく覗き込んだものである。
だからこの日ばかりは地蔵菩薩をゆっくり心おきなく眺めることができたのだった・・・。






















■写真■

【上】
地蔵堂は六角形の建物で、地蔵盆に際して正面側が全て解放される。
正面の両側では御札や献灯用の蝋燭や線香が授与される。
堂内中央には、丈六(じょうろく・像高約3m)の地蔵菩薩立像が安置されている。
寺伝によれば、この地蔵尊は小野篁が、
木幡山(こばたやま・京都府宇治市北部)の1本の桜の大木から、
6体の地蔵尊像を刻んだものの1体とされる。
 
ずっと僧侶の読経の声と、木魚のリズミカルな音が響いていた・・・。

ちなみに手前の剃髪した僧侶の向こうの、
導師の傍らで木魚を叩く若い僧侶は私と同じ“毛坊主”である(^^)。
修行の厳しい禅門も“規制緩和”されたのかな・・・♪。
ただ、彼は黒衣(こくえ)は着ていたけれども、
僧侶の象徴である袈裟は着けていなかった・・・。

【中】
地蔵菩薩の尊前で礼拝するために並ぶ人々・・・。
地蔵盆の提灯は色彩豊かである。

【下】
旧東海道に並ぶ露店。
活気に満ちてはいるが、私の中では去りゆく夏の哀愁が漂う・・・。


以上、2007年8月23日、京都市山科区四ノ宮、徳林庵他周辺にて撮影。

【ちょっとしたトリビア・・・(^_^)ゞ】

日本のここかしこで見掛ける地蔵菩薩の姿は、
所謂、「僧形(そうぎょう)」と呼ばれる、
右手に錫杖(しゃくじょう)という旅の僧侶が持つ杖を握り、
左手には宝珠(ほうじゅ)を持つ、剃髪して袈裟・衣を身に着けた僧侶の姿で表現される。
このスタイルは敦煌(とんこう)で流行した表現方法といわれていて、
中国で確立されたスタイルである。
ちなみにインドに於ける地蔵菩薩の姿は有髪で観音菩薩などと同じく、
釈尊が出家する前の在俗時代の姿で表現されている・・・。

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こんなに賑やかな地蔵盆は初めて見ました。旧東海道沿いに並ぶ露店も昔を感じさせてくれるようです(^^)
Ren'ohさんも夏休み最終数日で「やっつけ」宿題をされていたのですかσ(^^)
夏の終わりを告げる地蔵盆の夜風景が哀愁を漂わせ、懐かしさに心温まりました^^ポチです♪

2007/8/25(土) 午前 10:05 ぴあの♪ 返信する

お祭り風景にはたくさんの思い出がぎっしり・・
やっぱり弟たちの姿がはっきり浮かんできます。
懐かしさの漂う素敵な写真にぽち^^

2007/8/25(土) 午後 1:29 ろびん 返信する

地蔵様というと、ひぎり地蔵(漢字は知りませんが。。。)というのが岡山市内にはあって、結構にぎわいます。(最近はどうなのか知りませんが、、、)縁日でなくてもお地蔵様の笑顔を見ていると、思わず微笑みたくなります。

2007/8/25(土) 午後 2:28 YORK 返信する

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ぼんと申します。プロ−グ初めてなので失礼があったらお許しを。
四ノ宮のお地蔵さん、小学校の頃は親に連れられ、中学以降は友人と結婚してからは子供と毎年行っていました。もう、子供たちも大きくなり、行く事もなくなり、楽しく拝見しました。
私の町内の地蔵盆は明日で、御祭りしているお地蔵さんのためか1週間遅いです。昔に比べて、子供も少なく、日にちにこだわらず、日曜日び一日です。そういう訳で、明日は朝からテントはりです。

2007/8/25(土) 午後 9:40 [ wat*rm*n31* ] 返信する

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少し話が違いますが、真宗のお坊さんなのですね。私も母が真宗のお寺の出でしたので、小さい時お寺で暮らしていた関係もあり、なじみ深い世界です。いろいろ悩み、話を聞き、本を読んだ時代もありました。今では、近くの禅寺の参禅会に参加したり、本願時さんのお御堂で1時間近く、自由な思考をさせていただいています。よろしくお願いします。

2007/8/25(土) 午後 9:54 [ wat*rm*n31* ] 返信する

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ぴあのさん、どうもです。来年のこととなりますが、また一度覗いてみて下さい。それなりに楽しいものですよ・・・♪♪。この愚作にもポチッ!!と有難うございます(^_^)ゞ。この日は久々に小学生の頃に戻ったような懐かしさを満喫できましたよ・・・♪

2007/8/26(日) 午前 0:28 Rev.Ren'oh 返信する

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bebybaniさん、どうもです。ポチッ!!どうも有難うございます(^^)ゞ。所変われど、こうした風物詩の思い出の度合いは一緒なのかも知れませんね♪♪。

2007/8/26(日) 午前 0:29 Rev.Ren'oh 返信する

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yorkさん、どうもです♪♪。岡山にもそういう場所があるんですね・・・。多分、地蔵尊は最も日本人の慣れ親しんでいる仏なのでしょうね。色んな所におわすから・・・(^_^)

2007/8/26(日) 午前 0:31 Rev.Ren'oh 返信する

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waterman312さん、こんばんは。初めまして・・・拙ブログにコメント頂きどうも有難うございます(^_^)/。山科辺りのご出身なのでしょうか・・・。もしかしたらすれ違っていたかも知れませんね♪。ところで、真宗と御縁続きの方とのこと、いろいろ思うところおありだったようですね。私もまた、然りです。以て、苦悩は尽きぬ身ではありますが・・・。御覧の通りの拙ブログですが、これからもどうぞよろしく御願い申し上げます・・・(^^)

2007/8/26(日) 午前 0:36 Rev.Ren'oh 返信する

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子供の頃の縁日の楽しみと言えば大抵は夜店だと思いますが、お地蔵様を間近で見られることだったとはさすがRenさんですね(笑)

2007/8/26(日) 午後 8:23 [ こねこ ] 返信する

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こねこさん、どうもです。いやはや・・・要するに何でも怖いもの見たさみたいな感覚なのですよ(笑)。畏敬の念と共に、その中にある存在をとにかく見てみたいという好奇心が先行するんですよ・・・。よくその辺の小さな祠の扉なんかも開けてみたりしてましたから、今から思えば結構罰当たりなことも・・・(滝汗)

2007/8/27(月) 午前 0:48 Rev.Ren'oh 返信する

祇園祭に夏休みの到来を喜び、五山送り火に夏休みも後半になったことを憂え、山科の地蔵盆に至っては、いよいよ夏休みの終焉…こういうのは京都ならではでしょうか。いい時間の測り方ですね〜♪私の子供の頃を過ごした大阪も千里ニュータウンではそんな季節の催しなんてなんにもなかったですから。羨ましい記憶です…。

2007/8/28(火) 午前 3:24 りんりんの妹 返信する

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りんりんさん、こんばんは。すっかり御無沙汰してます・・・。りんりんさんは千里で子供の頃を過ごされたんですか・・・(^_^)。京都は何かと行事の多い土地柄ですからねェ。祇園祭や地蔵盆に心ときめかせていた頃が懐かしいです・・・(^^)ゞ。

2007/9/10(月) 午前 0:14 Rev.Ren'oh 返信する

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夜に訪れられたのですね。雰囲気が大分違うようです。
私も同じ、祇園祭に夏休みの到来を喜び、送り火に終わを感じ、町内の地蔵盆で宿題を整理していました。このことは、一生忘れないでしょうね。子どもの頃の思い出は、よいことばかりがいいですね。平和と平安を願っています。

2007/9/17(月) 午前 5:42 あだ〜じお 返信する

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adargioさん、こんばんは。山科の地蔵盆は夜のイメージが強いです・・・♪。子供は夜店が大好きですからねェ(^^)。京都に生まれ育つと、こういう行事の移ろいで季節を感じるのでしょうね・・・。京都生まれで良かったと思います(^_^)

2007/9/18(火) 午前 0:14 Rev.Ren'oh 返信する

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さすがに京都ですね。地蔵盆がこんなに大げさに執り行われるなんて考えられないです。せいぜいござ敷いてそこに何人かで、町会の代表がお金のバンするだけでも、すごいなあと思っていました。露店も半端な数でないですね。まるで祭りの宵宮みたいです。
「この徳林庵の地蔵尊も例外ではなく、
肌も真っ白で祇園の舞妓ちゃんのように綺麗である」子供の時本当にそう思ったのですか(笑)
アハハハハ
トラックバックありがとうございました。
面白い興味深い写真でした。

2012/5/5(土) 午後 9:11 いらくさ 返信する

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しんきろうさん、こんばんは。地蔵盆という行事って、京都が発祥だとよく言われますね。最近、京都の地蔵盆は高齢化が進んで、爺さん婆さんばかりです。その点、三河の拙寺地域の地蔵盆は、子供で一杯です。毎年読経の依頼を受けますが、祠へ行くと、ちゃんと子供がお茶を出して、終わったら御布施を差し出してくれます。学校では教えてもらえない、素晴らしい教育だと思います。
四宮地蔵の地蔵盆は、ホント、行く夏のフィナーレのようです。すごい盛り上がりですよ。ここのお地蔵さんも平安時代の丈六仏(立像)ですが、ことある毎に“化粧直し”されて来たようで、舞妓ちゃんよりも色白です(笑)

2012/5/5(土) 午後 11:40 Rev.Ren'oh 返信する

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