|
○ 第9条の2、緊急事態条項で何が変わるかを図にしてみました。
前回のブログで、「緊急事態条項の狙いは、武力攻撃時の米軍の権利を保障すること?」と書きましたが、このことを何とか分かり易く書けないかと思い、自民党の憲法改正推進本部の案の4つの項目のうち、「第9条の2」の問題と「緊急事態条項」の2点に絞って、図にしてみました。
(クリックして拡大してください。)
次の説明は、図の番号を振った部分の説明です。
① アベ首相は、自衛隊を憲法に明記し、緊急事態条項を新たに設けようとしています。自衛隊を憲法に明記することで、自衛隊が、従来の「行政機関」の一つとしての位置づけを離れ、国会、内閣、裁判所、会計監査院と同等の、独立した統治機構の一つとして位置づけられます。
また、緊急事態条項を設けることで、国民の人権を停止して内閣に権限を集中化し、立法機能を持たせ、武力攻撃事態時に対処し、同時に政権を固定化することが出来るようになります。
(……と、ここまでが、“世間”で議論の対象となっている部分です。そして、これから後の記述は、憲法を改正(改悪)した後の立法措置についてです。これらは私の“読み”、想像の産物です。)
② 憲法改正に対応するため、必要な法律を改正します。
③ 自衛隊が、憲法に独立した統治機構の一つとして位置づけられたことにより;
④ 自衛隊法は、行政法の一つとしての位置づけを失います。
⑤ そして、自衛隊法は、内閣の統治の及ばない独立した法律として位置づけられます。これに伴い、かつての軍法(陸軍刑法、海軍刑法)のようなものが必要になるかも知れません。また、軍事裁判所を設けることも議論になるでしょう。当然、徴兵制を議論することもタブーではなくなります。
⑥ 緊急事態条項を設けることで、従来、自然災害時に限られていた“住民の生活上の統制”が、武力攻撃事態時にも可能になります。そのために;
⑦ 災害対策基本法、武力攻撃事態対処法、国民保護法などが改正され、米軍や自衛隊から物品(例:食料品やその他の軍事物資)の供出の依頼や役務提供(例:兵員や武器の運送など)の依頼があればこれに応じる義務が定められます。
⑧ 現在、日米地位協定により、米軍に適用されない国内法がありますが;
⑨ ⑦の改正により、日本国民の米軍の軍事活動への協力体制が整います。
⑩ 第9条の2により、フルスペックでの集団的自衛権が認められましたので、自衛隊法を改正することで、自衛隊が米軍の指揮下で活動する体制が整います。
これで、アベ首相が2015年4月に行った米国連邦議会上下両院合同会議での演説で約束した米国と日本の軍事力の一体化が名実ともに完成したことになります。
○ 本当の目的を隠し通そうとするアベ政権、野党は隠れされた目的を引きずり出せ
憲法に限らず、法律を改正するときは、「法律を改正することで実現しようとする社会的な利益」がある筈です。その利益の実現に現在の法律が対応していないからこそ法律を改正しなければならないわけです。同じように憲法を改正しようとするからには、「この社会的利益を実現するには法改正が必要だが、その法改正のためには憲法を改正しなければできない。」というものがある筈です。本来は、改憲の議論はこの「どのような社会的利益を実現するのか」を出発点としなければならないのですが,アベ首相はそれが何であるかを語りません。とって付けたような「自衛隊員がかわいそう」、「自衛隊の違憲議論に終止符を……」という軽薄な言葉の裏には、国民に真正面から言えない目的があるのではないかと勘ぐらざるを得ません。そのような思いから、「米軍と自衛隊の一体化」、「米軍の日本での活動の保障」をアベ首相の目指す利益と想定し、思いつくままに関連しそうな法律を上の図に書き込んでみました。アベ首相が意図しているものは、この図とは違うかもしれません。野党は、アベ首相の真の目論見を引っ張り出して、それを議論の俎上に乗せなければならないと思うのですが、そのところの議論が疎かになっているため、国民が憲法改正の問題点を的確に捉えることが出来ていないように思います。
【青色の文字にはリンクが貼ってあります。】 |

- >
- Yahoo!サービス
- >
- Yahoo!ブログ
- >
- 練習用





