心の趣くままに

捨て猫、ミオッチ。ただいま密かにダイエット中!しかし変わらぬウエスト周りに、最近では、ゴン太と呼んでいます(^_^;)

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『君に咲く花』

気がつけば、4月も今日で終り……はやっ
私、何してたんだろう……というくらい、何にもしていない4月でした。
 
まあ、チョコチョコ何かはしていましたが、未だ頭の中はケヴィン君状態。
 
まずい……こんなことしてたら、あっという間に、次のシーズンがきてしまうわ
秋には駅伝も始るし、そしたら、また何にも手につかなくなる〜〜〜
ということで、そろそろ本気で軌道修正しなければと思っています。
とりあえず、連休明けにでも
 
こんなダメダメな私ですが、チマチマと、小説の方は掲載させて頂いております。
以前、こちらのブログでアップさせて頂きました、雪乃瀬さんと鐘音ちゃんのシリーズと、
舞子ちゃんと優希君の『大好き!』を、アップさせて頂きました。
 
現在は、『君に咲く花』というお話を、連載中です。
以下は、冒頭部分です
 


 
 新年度早々二日も休んだのは、生徒会長という重責から解放されたことによる気の緩みだと、
白鳥 ( しらとり ) 和昌 ( かずまさ ) は自己分析した。

 周囲に押される形で生徒会長に就任した高校ニ年は、多忙と戸惑いと興奮であっという間に過ぎた。

 けれども、生徒会の仕事から解放されたと手放しでは喜べない高校三年。

 大学進学に向けて志望校の選定や、学力アップを図らなければならない。

 世間一般では青春と呼ばれる高校時代は、男子校というむさ苦しい環境に恋する間もなく月日が流れ
何とも慌しい。

 深いため息と共に、人波に押されるようにして滑り込んできた電車に乗り込む。

 ニ年間の電車通学で気付いたことがある。

 人は同じ車両に乗り込み、同じ場所に座る傾向があるということ。

 三人掛けの連結部側の座席にいつも座るのは、神経質そうな面持ちで新聞を読む中年男性。

 反対側の端に座るのは、いつも眠たげな眼差しをしたOL風の女性。

 間には長い足を組み、微かな騒音を漏らしながら音楽を聞く若い男性。

 座っている人は勿論、立っている人にもそれぞれの定位置がある。

 そんな中、フワフワ漂うように立っているのが、自分と同じ 杏 ( きょう ) 香 ( か ) 高校に通う新入生達だ。

 モスグリーンの制服はまだ身体に馴染まず、初めての電車通学に、ちょっとした揺れにも
大きく身体を揺らす姿が微笑ましかった。

 弟を見守る兄のような心持ちで、満員に近い状態の車内にゆったりと視線を走らせる。

 その動きは、一人の少年の存在に制された。

 色白の目鼻立ちのはっきりとした面差しに、一瞬女子かと思った。

 けれどもモスグリーンの制服が、白鳥の考えを即座に否定する。

 固く締められた緋色のネクタイは新入生の証だ。

 白鳥が気に留めたのは、愛らしい容姿のせいではない。

 少年が座っているのが優先席で、少し離れた所に、微かな膨らみではあるが妊婦らしき女性が
立っているということだった。

 目の前に立つ長身の少年と談笑する小柄な少年の姿に、雄大な気持ちは吹き飛んだ。

 考えを結ぶより先に足が座る少年へと向かう。



「ここは優先席だ! 立て!」



 別に正義を気取ったわけではない。

 ただ身重の女性を側に座っている少年が許せなかった。

 白鳥の言葉に反応したのは、座っている少年ではなく、目の前に立つ長身の少年の方だった。

 切れ長の瞳を見開き、食いつかんばかりの勢いで白鳥へと視線を向けた。



「なんだと!  純哉 ( じゅんや ) はな――」



「いいよ、 翔 ( しょう ) 太 ( た ) 」



 叫びを制して少年が立ち上がる。

 目の前の少年の肩先にも届かない小柄な少年の右手には、前腕固定型のクラッチ杖が

握られていた。

 その杖の存在に、心臓が大きく拍動した。

 優先席の背後のガラスには、松葉杖を持った人物が大きな丸で囲まれている。

 白鳥の位置からは杖が見えなかった。

 もし見えたとしても、隣に座る老人のものだと思っただろう。

 少年の足には包帯らしきものは巻かれていない。

 まさか少年の足が不自由だとは思わなかった。

 何も言えないまま呆然とした面持ちで立ち尽くす白鳥の前を、クラッチ杖を使った少年が過ぎた。

 瞬間、大きなカーブに電車が激しく揺れた。

 バランスを崩した少年が、膝から崩れるようにして前のめりに倒れた。

 杖が床を打つ乾いた音に、白鳥は我に返った。



「大丈夫か!?」



 助け起こそうと手を差し伸べた白鳥に、少年が切るような勢いで振り返った。

 少し癖のある長めの髪が、日焼けなど無縁のような白い頬に揺れ落ちる。

 挑むように向けられた漆黒の眼差しは、黒目の多いくっきりとした二重だ。

 すっきりとした鼻筋の下に添えられた小さめの唇は、口惜しそうに引き結ばれていた。



「触るな!」



 きつい物言いで長身の少年が、白鳥と倒れた少年の間に入る。



「大丈夫か、純哉」



「平気」



 差し出された手を素直に取り、少年が立ち上がる。

 落ちた鞄を拾い上げた長身の少年が、貫くような双眸を白鳥に向けた。



「行こうぜ」



 吐き捨てるように言うと、小柄な少年の肩を抱き、電車中央部へと二人は異動した。

 謝らなければと思った。

 けれども窓の外を睨むように見つめる眼差しに強い心の痛みを感じた。

 何よりその泣きそうな面差しに、声をかけるどころか足を踏み出すことすら出来なかった。



 
 
 何年か前に、ブログで知り合った方、何人かに読んで頂きました。
 その際、主人公よりも完全脇役の男の子の方が、人気があった作品です。
 私も、この脇役の子が大好きで、この子のお話をいつか書きたいなと思っています。
 
 水曜・土曜・日曜・祝日の19時掲載で、全34話、7月5日完結です。
 
 
 
 7月……ケヴィン君の誕生月だわ
 その頃には、サイズの合う靴が見つかって、元気にスケートをしてくれているといいな……
 
 
 
 という訳で、興味を持たれた方は、ご一読、宜しくお願い致します
 
 
 

閉じる コメント(2)

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今、君に咲く花読んでる途中です☆
毎日電車に長時間乗っているので電車内の映像がすんなり浮かびました。
初めて七海さんの小説読んでますがとても読みやすくて
かわうそは笑いました。
続きを読むのが楽しみです。

2014/5/25(日) 午後 11:51 [ くー ]

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<くー様>
くっ、く−さん!
読んでも大丈夫なんですか!?

勿論、読んでいただけるのは大変嬉しいのですが、
『君に咲く花』は、BLですよ!?
はっきり言いますと、ホモ小説ですよ!?
そんな小説を、一般の方であるくーさんが読んで大丈夫なのかしら
と、とっても心配しています

後半の方で、そういったシーンがあるので、う〜〜〜んと思われたら、
即、読むのをやめてくださいね

2014/6/3(火) 午後 3:57 七海 華


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