舞姫たちへの片恋文

ストリップの舞台と舞姫への思いを綴ります。速報はTwitter「@st_kangekisya」で。

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【本記事閲覧上の注意】
 本記事「エトセトラ」とは、「浅草」の公演・各景・使用曲などにちなむ関係のありそうなこと、なさそうなこと、本質的ではないかもしれないようなこと、どうでもいいことなどを集めて掘り下げ、より楽しんで観ようという試みです。相当な勢いで想像と妄想の翼を羽ばたかせておりますので、広い心とユーモアを持って、決して怒らずに読み流していただきたく存じます。そしてさらなる楽しみ方にお気づきの方は、ぜひ筆者までご教示ください。お待ちしております。


【公演全体】
■公演タイトル「FANTASIA」は、2013年11・12月公演「ファンタジア」、
  2014年11・12月公演「ファンタジア2014」と続く系譜に位置づけられるものと考えられる。
  一方で「ポー」という汽笛の音で始まる開演前アナウンスのBGMは、
  2011年11・12月公演「ファンタジー イーハトーブ」が初出で、
  さらに2012年11・12月公演「Nouvelle Expérience」でも使われ、年末公演恒例の曲となってきた。
  その後、2015年「déjà-vu」と2016年「SWING TIME」では別曲が用いられてきたが、
  このたび3年ぶりの復活となった。

■「藤月ちはる引退公演」と銘打たれた本公演とあって、
  様々な場面において過去に藤月が出演した公演で演じられたシーンを再び盛り込んでいるように見える。
  当該場面については[係結]ヘッダーを付加して探ってみたい。


<PARTⅠ「GISELLE」>
■ロビー香盤表に書いてあったりなかったりする「各景モチーフ」。
  今公演では前半1〜4景の「PARTⅠ」と、後半5〜7景の「PARTⅡ」という2部構成のテーマが記載されている。
  「PARTⅠ」は「GISELLE(ジゼル)」。「ジゼル」は「ラ・シルフィード」、
  そして「PARTⅡ」の「白鳥の湖」とともに「三大バレエ・ブラン(白のバレエ)」に挙げられる
  ロマンティックバレエの代表作である。概ねストーリーに沿って各景は構成されている。


【1景=清本玲奈】
■<あらすじ>
  時は中世、ぶどうの収穫期を迎えたヨーロッパののどかな村での物語。
  収穫祭の日、踊りが好きな村娘ジゼルは、結婚の約束を交わしたロイスが来るのを待っていた。
  だが、ロイスの正体は身分を隠して近づいた公爵のアルブレヒトだった。
  ロイスと会ったジゼルは、ロイスが自分ではなく貴族の女性を選んでしまうという
  昨夜見た悲しい夢の話をした。
 そしてマーガレットの花で占おうとするが、途中で「愛してない」で終わることが分かって泣き出してしまう。
  ロイスはマーガレットを拾って、花びらの枚数を「愛している」で終わるように細工し、
  笑顔が戻ったジゼルとダンスを踊り始めた。
  (中略)
  その後、農家の娘たちがやってきて、ジゼルをぶどうの収穫に誘う。
  しかしジゼルは娘たちに、収穫に行くより一緒に踊ろうと誘い、
  それに応じた娘たちもかごを置いてジゼルやロイスと一緒に踊り始める。
  そこにジゼルの母親が現れ、この地方に伝わる「踊り」に関する怖ろしい伝説を話して聞かせるのだった…。

■本景は中休憩映像「ドキュメント69hours」で明かされているように「収穫祭」の場面で、
  さらに伊沢千夏が、自らの役は「アルブレヒト」であると明言していることから、
  そのモチーフは比較的容易に推測可能であると考えられる。

■[係結]あすかみみ演じる「白い犬」は、藤月が出演した2014年6・7月公演「PROMENADE」
  4景“ベティちゃんのオズの魔法使い”(「1st」あすか/「2nd」藤月)で、
  「1st」小澤マリア/「2nd」灘ジュンが演じた「白い犬」の“再登場”ではないだろうか。


■途中で沙羅扮する村娘が、下手手前で「Y字バランス」を決める場面がある。
  この「Y字バランス」、毎回バランスを崩すようにフラフラしているのを見て、
  「沙羅さんほどのダンス巧者が…」と思っていたのだが、やがて合点がいった。
  その前に下手奥で、あすか扮する白犬と樽を奪い合い、つかみ取ったかと思うとラッパ飲みしていた。
  つまりは「フラフラのY字バランス」も含めて「ヨッパライ」を表現していたというわけである。


【2景=大見はるか】
■<あらすじ>
  収穫祭の場でジゼルに好意を寄せていた村の青年ヒラリオンが、ロイスの身分と婚約者がいることを暴き、
  言い逃れることが出来なくなったアルブレヒトは、その場に現れた婚約者の手にキスをする。
  それを見たジゼルは錯乱し、かつてロイスとともに踏んだダンスのステップを一人で踏み、
  母親の腕の中へと倒れ込む。そして発作的に走り出し、最後はロイスの腕に飛び込んで息絶えてしまった。

■結局のところジゼルは、二股をかけていた彼氏に裏切られたわけだが、
  それとまったく同じ経験があることを中休憩映像「ドキュメント69hours」で熱く語る大見は、
  ジゼル役に適任中の適任と言えなくもない。

■本景ベッドで、うつろな表情でそこにはない花を持ち、花びらを摘む花占いをする場面は、
  1景で清本が演じた場面の回想シーンであると推測され、
  景を越えて物語が続いていることを色濃く印象づけている。


【3景=鈴香音色】
■<あらすじ>
  ジゼルの母親が語った伝説とは、踊りの好きな娘が結婚前に死ぬと、ウィリという精霊に姿を変える。
  ウィリたちは夜な夜な墓場から抜け出して踊り狂うだけでなく、近くを通りかかった若い男を引きずり込んで
  死ぬまで踊らせるのだという。
  その伝説の通り、ジゼルが葬られた森の墓場にウィリの女王ミルタが現れ、
  集まってきたウィリたちに新しい仲間が加わることを告げると、墓の下からジゼルを呼び出した。
  そしてミルタの合図でジゼルは踊り出し、ウィリの仲間入りを果たしたのだった。

■[再使用曲]M1は2015年9・10月公演「Once Upon a Dream」5景「Hansel and Gretel」
  (「1st」秋月穂乃果/「2nd」小春)のM1でも使われた曲…
  というより「ロッキー・ホラー・ショー」といった方が思い出す方も多いであろう。

■[係結]そしてその際、車掌姿で紙芝居のようにボードを引き抜きながら
  「右手、左手、おなか、おなか、あ〜た〜ま〜振〜る〜」と観客に“演技指導”していたのが藤月である。

■この振り、10月結「横浜」でチーム「ねこのぬけがら」(秋月穂乃果・小春)が再演して、
  非常に懐かしく拝見し、踊ったわけであるが、それから間を置かずしてみたび楽しめるとは…。

■その群舞中、ジゼル鈴香が、女王ミルタ伊沢からダンスの振りをマンツーマンで習う場面がある。
  教わるのは「左手を左耳に当てる振り」だが、残念。教習後に、この振りは使われていない。

■本景セットの墓に刻まれた名前。「GISELLE」はいいとして、 
  「MAGICIAN」や「BUNNY」「BUTLER」などは名前ではなく“職業”が刻まれている。
  日本の墓地では見慣れない形式だが、欧米では比較的ポピュラーであるらしい。
  …が、「美留太」や「MIMI」は、いくらなんでも…。

■本景ベッドでのM4、手拍子を打っていると、途中で半拍ずれてしまう箇所がある。
  原曲でも拍ズレが起きているのか、音楽編集時のミスか。


【4景=藤月ちはる】
■<あらすじ>
  ジゼルを追って墓場へやってきたアルブレヒト。
  言い伝えの通り、ミルタはアルブレヒトを死ぬまで踊らせようとする。
  そんなアルブレヒトを守ろうとするジゼルに、ミルタは杖を一振りする。
  ジゼルは、女王ミルタに命じられれば意思とは無関係に踊らざるを得ないが、
  踊りながらも、なんとか時間を引き延ばして霊力が消える4時を迎えようと考えていた。
  そんなジゼルと、その舞姿に誘われるように踊り始めるアルブレヒトに
  ミルタは、ますます激しく踊るよう命じる。踊り続ける2人。
  ついにアルブレヒトが倒れ、もはやこれまでかと思ったその時、4時の鐘が響き渡った。
  ウィリたちの霊力は消え、ミルタも墓の中へと引き戻らされて行く。
  助かったアルブレヒトはジゼルと手を取り合おうとしたが、
  既にウィリとなっていたジゼルもまた、墓へと戻らなければならなかったのである。
  ジゼルは朝の光の中、アルブレヒトに別れを告げて消えていくのだった。

■[係結]本景セットの1枚ないし3枚の鏡は、いずれも藤月が演じた、
  2015年2・3月公演「DESIRE −ディザイア−」6景「ジキル&ハイド」の2枚の鏡や、
  2016年6・7月公演「PEARL」3景“和風 真珠の耳飾りの少女”の鏡台を思い起こさせる。

■[係結]本景の重要アイテムの「赤いシューズ」は、藤月とって2回目の「浅草」出演となった
  2012年9月公演「Sensuality 1st」2景“オズの魔法使い”での「ドロシー」役の際に履いていた
  「赤い靴」を思い起こさせる。

   参考資料:2012年「9月頭【浅草】初日レビュー

■カーテンコールで流れるサンサーンスの「白鳥」が、「PARTⅡ」への見事な橋渡し曲となっている。


【中休憩】
■「ドキュメント69hours」、“やれば出来る子”をアピールするかのような抜群の出来。
  初日上映時にあった誤字・誤表記2か所(「フィナレー」「トリを努める」)も途中で修正されるなど、
  いい仕事ぶりを見せていただいた。


<PARTⅡ THE SWAN LAKE>
【5景=沙羅】
■[係結][再使用曲]M2は、2013年1・2月公演「輝 −ヒカリ−」4景
  (「1ST」沙羅/「2ND」白石美咲)M2の再使用。
  「1st」では奇しくも「同一演者による同一曲使用」となっているが、果たして「2nd」は…。
  さらに同公演「1st」3景“放浪記”では藤月が出演していたという“係り結び”も指摘出来る。

■[係結][再使用曲]M3も、2013年11・12月公演「ファンタジア」1景M3の再使用であるが、
  その際の「1st」が藤月であった(「2nd」は鈴木ミント)。

■本景で「白鳥の湖」を演じる沙羅であるが、
  9月中「SNA」で初出ししたポラ館での最新作が“ブラックスワン”であり、
  そこから3か月近くに渡って引き続き「白鳥と黒鳥」を演じ続けていることになる。


【6景=あすかみみ】
■本景で本舞台中央に吊されているギミックは、識者の先行研究の通り「エアリアルポール」と呼ばれるもの。

イメージ 1
          (YouTube「エアリアルポールAERIALPOLE by ALK@EYECANDY のコピー」より引用)

  上記引用動画のように、「エアリアルポール」で使われるポールの下端は「逆T字」状になっていて、
  足が乗せられるようになっているものが多いようであるが、
  本景では、そのような足乗せ部分のないポールが使用されている。

■今年のスト界のトレンドの一つは、「栗橋」で大会が開かれたことに象徴される「エアリアル」演技。
  「浅草」でも、5・6月公演「秘すれば花」2景「道成寺」で秋月穂乃果が「ティシュー」、
  さらに9月公演「1001 Nights 1st」7景では、立花瑠莉が「ポール」によるエアリアル演技を披露した。
  こうなると2011年正月公演7景“天女の羽衣伝説”で灘ジュンが演じて以来となる
  「エアリアルリング」の再演が待たれるが、その演者として思い浮かぶのは
  やはり「リング」の第一人者の……ということで、これは来年に大いに期待したいところ。

■その「エアリアルポール」、6景以外ではどこに置かれているのかと見上げると、
  下端を下手側に引き上げるようにして、本舞台上方に横向きに収納されているのがわかる。

■[再使用曲]M1は、2016年9・10月公演「Once Upon a Dream」7景「いばら姫」
  (「1st」橘咲良/「2nd」小野寺梨紗)M2を再使用。


【7景=伊沢千夏】
■[再使用曲]M2は、2013年6・7月公演「celebration」2景(「1st」「2nd」とも彩音しゅり)M1の再使用。

■[再使用曲]M3は、2014年11・12月公演「ファンタジア2014」4景
  (「1st」沙羅/「2nd」長谷川凛)のM4を再使用。

■本景では、オデット役の伊沢とジークフリート王子役の藤月は和装だが、
  白鳥と黒鳥の8人は和装とも洋装ともとれる衣装で、洋舞とも日舞ともとれる群舞を舞う。
  しかし結論としては「和物による群舞」ということになるのであろう。
  その根拠の一つは「足下」。黒鳥役を演じている時のダンサーズは「黒のダンスブーツ」だが、
  白鳥役の4人と、白く変身した後のダンサーズは、いずれも「白足袋」をつけて舞っている。


【フィナーレ】
■[係結]「娘がチャップリンに花を手渡す」といえば「街の灯」。
  そして「街の灯」といえば、月川ひとみの無期限休業前のラスト公演になった
  2012年9月公演「Sensuality 1st」3景で、去りゆく月川が娘役の小嶋実花にそっと花を手渡し、
  銀幕の陰へと姿を消していく名場面が忘れられない。
  前述のように、この「Sensuality 1st」も藤月出演公演である。

イメージ 2
                                     (映画「City Lights(街の灯)」より引用)

■[係結]続いて「フォークを刺したコッペパンのダンス」といえば、これもチャップリンの名作「黄金狂時代」。

イメージ 3
                                (映画「The Gold Rush(黄金狂時代)」より引用)

■[係結][再使用曲]M2は、筆者の手元に記録が残るこの6年で、実に4回目の再使用曲となった。
  2012年7月公演「Sweet MARILYN」7景(松嶋れいな)のM5、
  2013年10・11月公演「DOLLS」7景(「1st」小澤マリア/「2nd」白石美咲)M3、
  2014年6・7月公演「PROMENADE −プロムナード−」4景(「1st」あすかみみ/「2nd」藤月ちはる)M2と
  同公演フィナーレと使われてきた。

■MC藤月がメンバー紹介前、本舞台中央の移動盆上に、黒ハットとチョビ髭をそっと置く場面は、
  1980年10月5日の日本武道館、「山口百恵ファイナルコンサート」で、
  最後の曲「さよならの向こう側」を歌った後、マイクを置いて去っていった名シーンを思い起こさせる。

イメージ 4

■メンバー紹介において藤月が一人ずつコールして呼び込んだ後、沙羅とあすかとだけ
  短いダンスパフォーマンスを繰り広げる。
  沙羅とのヒップシェイク風のダンスは、ロングで共演した2017年7・8公演「EARTH BEAT」の5景、
  「“沙羅ビアンナイト”の思い出」であると推測される。
  あすかとのショートパフォーマンスの元ネタについては、現時点で判明していない。情報募集中。

■MC藤月といえば「愛してまーす!」。この初出はいつだったであろうか。
  記録をたどると、藤月がフィナーレのメンバー紹介MCを担当したのは
  2013年5・6月公演【浅草】「PEACE LOVE ROCK 2nd」が初めてで、
  ここから「愛してまーす!」の歴史は始まったのである。


(敬称略・観劇日:2017(平成29)年12月3日(日))

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エトセトラ病、発病おめでとうございます!
往年の鋭いナナメからの切り口は健在ですね!
期待にお応えいただいて、感無量です。
素晴らしいですー。ありがとうございます!
あと補足というほどではないですが、
Sensuality 1stの2景は、伊夏さん、音色さん
と、現公演2ndの美咲さんと一緒にオズをやられた記憶があります。色々つながりますね!

2017/12/15(金) 午前 0:36 [ ガネーシャ ]

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あと、Sensuality 2ndのチャップリンは、
あすかみみさんでしたね。
繋がる繋がる。

2017/12/15(金) 午前 1:41 [ ガネーシャ ]

ガネーシャさん、コメントありがとうございました。

「エトセトラ病」の再発については、まだ確定診断がなされておりませんが、自覚症状からは当時の勘がまだ戻っておらず、お恥ずかしい内容になっております。「2nd」でも「つながる係結」はあるような気がしていますが、さて…。

2017/12/18(月) 午後 10:12 [ 名無しの観劇者 ]


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