舞姫たちへの片恋文

ストリップの舞台と舞姫への思いを綴ります。速報はTwitter「@st_kangekisya」で。

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 「エトセトラしてみたい…」と思わせてくれる公演というものがある。様々なギミックが導入されていたり、凝った映像とのコラボがあったり、ストーリー仕立ての“物語景”が演じられたりという公演がそれにあたる。

 翻って今公演「華 HANA」は、どうやらそんな舞台になっているようであり、筆者としてはぜひ「エトセトラ」してみたいと思った次第である。ただし、これは“大きなお世話”であり、「だから、どうした?」という反応が、いわば“正常”である。そんな軽い気持ちで本年初の「エトセトラ」をお楽しみいただければ幸いである。


【新春口上】
■7日(日)まで各回開演前に行なわれた「新春口上」。
  ここ数年の形は、トリを務める舞姫が“第一口上”として「新年のあいさつ」で口火を切り、
  それを受けて新春公演の“顔”の一人、沙羅が“第二口上”で「感謝」を述べ、
  ベテラン舞姫が“第三口上”で「抱負」を語る、という構成になっている。
  このうち“第一”“第二”の口上は短文でほぼ毎年変わらないが、
  “第三”は長文で諳んじるのが難しく、毎年苦労の様子が見られる。
  この3年間の口上を比較して見よう。

  「第一口上」
   2016年【灘】「新年あけましておめでとうございます。」
   2017年【南】「新年あけましておめでとうございます。」
   2018年【南】「新年あけましておめでとうございます。」

  「第二口上」
   2016年【沙羅】「旧年中はひとかたならぬご厚情を頂き、深く感謝致しております。」
   2017年【沙羅】「旧年中はひとかたならぬご厚情を頂き、深く感謝致しております。」
   2018年【沙羅】「旧年中はひとかたならぬご厚情を頂き、深く感謝致しております。」

  「第三口上」
   2016年【小野】「本年も一同力を合わせ、みなさまに楽しんで頂ける舞台をお見せしたいと
             心を新たに致しております。」
   2017年【空】  「本年も一同力を合わせて、みなさまに楽しんで頂ける舞台をお見せしたいと
             心を新たに致しております。」
   2018年【浜野】「本年も一同力を合わせて、みなさまに楽しんで頂ける舞台をお見せしたいと
             心を新たに致しております。」

  「締め口上」
   2016年【灘】 「みなさまどうか、今年一年、浅草ロック座を」
       【一同】「よろしくお願い申し上げます。」
   2017年【南】 「みなさまどうか、今年一年、浅草ロック座を、よろしく」
       【一同】「お願い申し上げます。」
   2018年【南】 「みなさま、本年も浅草ロック座を、どうぞよろしく」
       【一同】「お願い申し上げます。」

 微妙な表現の揺れも見られるが、これが有意な差であるかどうかは検証しきれていない。


【1景=浜野 蘭】
■本景のモチーフは、長槍と大盃から「酒は呑め呑め 呑むならば」でおなじみ、
  福岡県民謡「黒田節」と推測される。
イメージ 1
        (ビクター音楽産業「黒田節(中沢銀司)/正調博多節(鈴木正夫)」ジャケットより引用)

■沙羅から浜野への扇子渡しは、沙羅が後ろ向きで浜野を見ずに投げる「ノールックパス」。
  筆者の観劇中、失敗は初日1回目のみ。残りはすべて成功させている。
  ちなみに沙羅による「ノールックパス」は、
  ロンドン五輪開催を記念して5色の新体操用リボンを背面パスで受け渡す、
  2016(平成28)年7・8月公演「Peace Love Rock 1st」4景「Five-Ribbons」以来の挑戦。

■[再使用曲]M3の強制翻訳邦題“龍の涙”は、
  2011(平成23)年正月公演・7景“天女の羽衣伝説”M5を7年ぶりに再使用。


【2景=早瀬ありす】
■お気づきであろうか。本景、実は“準再演景”である。
  原公演は2016(平成28)年7月31日(日)に開催された、夏の恒例イベント「SURRER SONIC 2016」で演じられた
  雅麗華と沙羅の“1回限りのスペシャルステージ”である(「【浅草】「SURRER SONIC 2016」レポ」を参照)。
  使用曲は本景M1と同じ強制翻訳邦題“赤い月”、
  そして今公演で早瀬が着ている紫の花が咲く白のお引きずりは、以下の記録写真からも
  「サラソニ」で女役を演じた雅が身につけた衣装であると推定される。
イメージ 2
                      (写真「浅草ロック座twitter 2016年8月1日付ツイート」より引用」)

■本景のモチーフについてはいくつか議論があるが、
  「蝶の道行」ではないかとの識者の指摘に筆者も同意する。
  追加考察すると、本景の振りに“人形振り”があることから、
  人形浄瑠璃(文楽)「契情倭荘子」ではないかと推測する。
  「添うことが叶わず世を去った恋仲の助国と小巻、二人は旅の途中に在りし日の想い出をたどりながら、
   蝶の化身となり、四季の花が咲き乱れる野で舞い始めます。」
イメージ 3
                                          (国立劇場パンフレットより引用)

■二人の頭上で舞う二匹の蝶を操るのは「黒衣」の「初代信義」。
  ロビー香盤表にも明記されている、この謎の人物の正体は…
  …袖担当スタッフM氏(ピンスポ担当M氏とは別人)であった。「信義」はM氏の本名だそうである。


【3景=武藤つぐみ】
■「浅草漫画」とのタイトルが入ることからも明らかなように、
  本景で武藤とダンスバトルを演じているのは「北斎漫画」。
  笠の男は「葛飾北斎『北斎漫画』三編『雀踊り』」で描かれていて、
  「すずめ踊り」をする男の動作を一つ一つ切り取ったものである。
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                                     (「葛飾北斎『北斎漫画』三編『雀踊り』」)
 
 口と鼻に2本の棒を立てた“変顔”の男は「北斎漫画」十編「百面相・八艘飛」から。
イメージ 5
                                (「葛飾北斎『北斎漫画』十編『百面相・八艘飛』)

演者ご本人からのtwitterでの情報提供によれば、本景パフォーマンスのモチーフはこちらとのこと。
  “気づいてませんでした…”。

■インターミッションとして武藤が入り込む浮世絵は、これも北斎の傑作「富嶽三十六景」。
  登場するのは順番に次の6図。

        「甲州犬目峠」
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        「駿州江尻」
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        「東都駿臺」
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        「江戸日本橋」
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        「礫川雪ノ且」
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        「深川万年橋下」
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■武藤の着けている越中褌。「赤フン」がスタンダードだが、
  8日(月・祝)の3回目など、少数ながら「白フン」の目撃例も。「紅白でおめでたい」…ということか。


【4景=赤西 涼】
■[再演]本景は2015(平成27)年1・2月公演「夢 -DREAMS-」5景「江戸火消し 〜鉄火芸者〜」
  (1st=柏木由紀奈/2nd=矢沢ようこ)の再演景。

■「六」「九」「座」の文字が入ったダンサーズが持つ纏。
  正円の両側に、さらに円形の切れ込みが入っている形は、
  江戸の町火消しとして知られる「いろは四十八組」に照らし合わせると「も組」か「て組」。
イメージ 18
               (「江戸東京探訪シリーズ『江戸の町火消しと纏』」より引用・加筆修正)
  
■脚立の並び順。「天板を含む段数」と「曲終わりのポジション」で整理すると、
  下手から「5段=消防士」「3段=刺股」「6段=鳶口」「4段=纏持ち」。
  (なお本稿公開後、識者の方から「脚立の高さは『尺』で表すのが業界標準」「天板は段数に含まず」との
  ご指摘を頂きました。ありがとうございました。)

■放水可能なリモコン消防車。形状などから「童友社『スーパービックスケール RCはしご車』」が一番近そう。
  現在、Amazonでは29%OFFの「15,229円」で入手可能である。ぜひ一家に一台(笑)。
イメージ 12

■消防車出動の合図ともなっている「行くぜぇ!」は、
  去年6月公演「愛あればこそ 1st」でも南の決めゼリフとして多用されたキーワードである。

■[再使用曲]M1は上述の再演時と同曲。
  M2は2014(平成26)年1・2月公演「奏 -KANADE- 1st」7景
  (1st=松嶋れいな/2nd=小澤マリア)M1と同曲を再使用。


【5景=1幕フィナーレ】
■「花笠=山形県」「エイサー=沖縄県」「どじょうすくい=島根県」「阿波踊り=徳島県」「猩々=全国各地」
  傾向としては「西高東低」(笑)。


【中休憩】
■新春公演恒例となった浅草ロック座版「『超入門!落語 THE MOVIE』」。
 今年は「星の王子様」こと、先代の三遊亭圓楽による落語「長屋の花見」の一席。
  
■ト書き担当のピンスポM氏。「店賃」を「みせちん」と読んでいるが、これは「たなちん」が正当。
  ただし、音声収録時にM氏ご本人は「たなちん」と読もうとしたところ、
  ムービー担当スタッフ他から「『みせちん』と読むのが正しい」と言われて、このように読んだとの本人談あり。

■“かまぼこの産地”練馬で開催された「かまぼこ引っこ抜き競技大会」の模様は、こちら。


【6景=沙羅】
■本景モチーフは大奥「江島(絵島)生島事件」と推測される。
  史実としては、江戸時代中期に江戸城大奥御年寄の江島(絵島)が、前の将軍、家宣の墓参りに
  上野寛永寺や増上寺へ赴いた帰り、芝居小屋・山村座で歌舞伎役者の生島新五郎らを相手に遊興に及び、
  大奥の門限に遅れたことを理由として処罰された綱紀粛正事件とされている。
  その背景には、大奥の実権争いも絡んでいるとされ、
  その後、小説や長唄、映画やドラマのモチーフになってきた。

■本景では、沙羅扮する江島(絵島)を、ダンサーズのみのり/いくみが、
  浜野演じる生島を使って嵌めようとする陰謀が描かれているところから考察すると、
  既に識者が指摘しているように、2006(平成18)年に仲間由紀恵主演で公開された
  映画「大奥」をモチーフにしているものと考えられる。
  この推測が正しければ、みのり/いくみが演じているのは、
  年寄「宮路」(映画版では杉田かおる)ということになる。
イメージ 13
                               (映画「『大奥』DVDパッケージ」より引用)

■その推測を元に、台詞なしの無言劇に敢えてあらすじをつけてみたい。

   大奥御年寄・江島=沙羅
   歌舞伎役者・生島新五郎=浜野蘭
   大奥年寄・宮路=みのり/いくみ

 (あらすじ)
 人目を避けて歩み寄る宮路と生島。宮路は、ある計略を胸に秘め、白い包みに入った金を生島に渡す。

 徳川家第七代将軍・家継の生母・月光院に仕える江島は月光院の名代として、
 宮路をはじめとする年寄たちと前将軍・家宣の墓参りに赴いた。
 その帰り道、江島は生島と出会う。手を変え品を変え江島に言い寄る生島。
 それは実は、月光院派として権勢を振るう江島に醜聞を立て、
 その地位を危うくすることを狙った大奥もう一つの勢力、天英院の意を受けた宮路の企みであった。

 江島の頬に手をやり、胸に手を当てさせて、何とか心を掴もうとする生島。
 しかし頑としてそれを受け入れない江島に、宮路は生島に歩み寄り、一時姿を消すよう命じる。
 生島と別れた後、その面影や頬に当てられた手の温もりを思い出し、
 次第に生島への思いを募らせていく江島。

 ついに生島は大奥の法度を破り、江島のもとへと忍び寄る。
 生島への思いを深めていた江島は、生島を受け入れ、口づけを交わし、抱き合う二人。
 それに気づいた年寄たちは動揺するが、宮路は策略が成就を迎えることをほくそ笑みつつ、その時を待った。

 つかの間の逢瀬を終え、帰ろうとした生島の前に宮路が立ちはだかり、
 将軍以外、男子禁制の場所に忍び込んだことを激しく咎める。
 事ここに至って、宮路の策略に嵌められたことに気づき、がっくりと肩を落とす生島。
 そして密通を疑われた江島は、権勢の象徴であった錦のお引きずりを下ろし、
 大奥追放の上、重罪に処される身の上となったのだった…。

  ※使用上の注意:上記「あらすじ」は、筆者の貧困な妄想によるものであり、
    何らの品質保証がなされるものではないことをあらかじめお断りしておきます。


【7景=みおり舞】
■冒頭で吟じているのは「曽根崎心中」の道行。
  「この世の名残り、夜も名残り。死に行く身をたとふればあだしが原の道の霜。
   一足づつに消えて行く夢の夢こそ哀れなれ。」

■[再使用曲]M2の強制翻訳英題“Firework”は、
  2014(平成26)年7・8月公演「Shangri-La」4景“牡丹灯籠”(1st=沙羅/2nd=小野今日子)のM2と同曲。

■本景でまき散らした金吹雪は、ボランティアの常連さんも加わって、
  本休憩中にスタッフのM氏が吸引器で回収している。
  この吸引器は「RYOBI」のブロアバキューム「RESV-1500」で、只今Amazonでは「14,608円」で購入可。
イメージ 14
                                  (Amazon「RYOBI RESV-1500」販売ページより引用)

■写真1は某日某回終了後、場内で10cm×10cm=100平方cmの枠内に落ちていた金吹雪を、
  許可を得て筆者が採取したものである。
イメージ 15
                                                 (写真1:筆者撮影)

  枚数を数えると、なんと「75枚」もあった。
イメージ 16
                                                 (写真2:筆者撮影)

  ただし採取場所は、散布濃度がかなり高めの場所であり、平均散布濃度は現場実見から
  この半分程度であると仮定すると、「30枚」前後であると考えられる。

  この調査結果から、今公演中に撒かれる金吹雪の総枚数を推定してみたい。

  7景を拝見していると、投光ブースから撒かれる金吹雪の濃度中心は、
  平均しておよそ前盆の半分ほどの面積に降っているようである。
  前盆の直径を2m=200cmとすると、その面積は

   前盆面積の半分=(100cm×100cm×π)/2=15,700平方cm となる。

  現地調査結果からの推算で、100平方cmにつき30枚が散布されたとすると、前盆面積の半分に1回につき

   1回あたりの散布枚数=15,700/100×30=4,710枚 となる。

  これより、1日5回、31日間の総枚数は、

   4,710枚×5回×31日間=730,050枚 となり、

  およそ「73万枚」が降り注ぐ計算になる。


【8景=南 まゆ】
■6景と本景では、和鬘を着けたダンサーズが出演。
  特に本景では舞妓風の振袖と相まって、ダンサーズもうれしそう。

■[再使用曲]M1の強制翻訳英題“Stalk”は、
  去年の正月公演「舞 Mai」6景“巨大あやとり”(倖田李梨)のM2を再使用。


【9景=2幕フィナーレ】
■[再使用曲]本公演の構成・演出を務められた雅麗華さんの十八番としても知られる
  強制翻訳解釈化題名“ユーラシア大陸東部のパイレーツ”は、
  2011(平成23)年10・11月公演「和物レビュー ばさら」フィナーレでも使用された。
  薄桃色の頭巾やセパレートも往事を彷彿とさせる。
  さらに「ばさら」前半組にも出演していた沙羅・浜野蘭が、
  6年余の時を超えた本公演でも、同曲でのフィナーレを演じていることも特筆しておきたい。

■武藤は一人だけ“別種の海賊”の扮装。これはもちろん、海賊「麦わらの一味」船長。
イメージ 17

                                 (T-SITEニュース 2015年3月9日付け記事より引用)


(敬称略・観劇日:2018(平成30)年1月14日(日))

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逮捕されたのって、浅草の広報の方ですね?関わって大丈夫ですかね。
また、ロックが反社会勢力と決定的になった以上、客も幇助になりかねません。
名無しさんは心中する覚悟がもちろんあると思うのですが…
周りをミスリードしないように願います。

2018/1/20(土) 午後 6:17 [ 訪問者 ]

訪問者さん、コメントありがとうございました。

ご忠告承りました。

2018/1/22(月) 午前 1:26 [ 名無しの観劇者 ]


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名無しの観劇者
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