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年末公演第一弾として、舞姫9人による4回公演の特別編成で演じられてきた「TEARS」もいよいよ楽日。最後の土・日を連続で「大入り」にし、次公演への橋渡しの役目も十分に成し遂げた安心感からか、3回目途中に入場すると、立ち見客もいるものの空席も目につく場内となっていた。
しかし、立ち見がずらりの超満員はもちろん文句なしだが、この日のような場内の時こそ「一体感」や「達成感」がシンクロしやすく、それがステージにもいい作用をもたらすケースがあることを何度も経験してきた。果たしてこの日も、特に最終回の演者のみなさまの入り込み方、そしてそれを受け止めようとする観客側の空気感は、そうそうは観られない特筆に値するものであった。そんな中に身を置きながら、3回目中休憩後からラストまでを観劇。
<楽日じゃんけん大会> この日の「じゃんけん大会」も、“朗読・ピンスポ・じゃんけん”担当でおなじみのM会長は登場せず、“サクサク進行”がウリの若手M氏が担当。しかし若手M氏の弱点は、賞品の紹介が“雑”な点にある。今回も「いくつか賞品不明」のまま、じゃんけんが挙行される事態が発生している。そこのところは次回以降、よろしく願いたいものである。 ■無料招待券×2名
「チ」→「チ」→「パ」→3名直接対決→★2名決定 ■公演ポスター(サイン入り)×1名
「チ」→「グ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定 ■1景・前田画伯から「直筆現代アート・2周年作衣装を着た(等身大)人形と何か」×1名
「グ」→「パ」→「グ」→3名直接対決→★1名決定 ■3景・ゆきなさんから「役作りのために読み込んだ『銀河鉄道の夜』」×1名
「パ」→「チ」→「グ」→「グ」→全滅→直前までの勝者復活→4名直接対決→★1名決定 ■4景・清水さんから「香水」×1名
「チ」→「チ」→「パ」→3名直接対決→★1名決定 ■5景・星崎さんから「『サン』になりきれるセット」×1名
「パ」→「グ」→「チ」→3名直接対決→★1名決定 ■8景・沢村さんから「ピアスほか」×1名
「パ」→「パ」→「パ」→「チ」→★1名決定 ■9景・真白さんから「8周年ハンドタオル・サイン入り写真」×1名
「グ」→「チ」→「パ」→「チ」→全滅→直前までの勝者復活 「グ」→★1名決定 <各景ひとことレビュー> 【1景=前田のの/サウンド・オブ・ミュージック】 「サウンド・オブ・ミュージック」と「アルプスの少女ハイジ」のハイブリッド景として、 ほのぼのしたスタートから、キュートな容姿とミニサイズの身の丈をうまく結びつけて トップバッターとしての「ド」の役割を演じてみせてくれた。 まろやかな演じぶりと、きっちりとしたポーズの数々で構成する ベッドや立ち上がりのステージングにも拍手を贈りたい。 最終回では、少年少女がみんなつながっての“電車ごっこ”で登場して場内の笑いを誘う。 「仲良く、楽しく」の景イメージに留まらず、演者の間に結ばれた絆を見事に体現したシーンだったように思う。 【2景=小室りりか/冥途の飛脚】 心中物に込められた切ない感情を“人形振り”という枠の中で見事に描いて見せてくれた。 ベッドや立ち上がりで、歌詞の世界をしっとりと描き出す演技も、さすがの貫禄。 さらにバックで入った景でも、ベテランが加わることによる安定感と、 そこで漂わせる静かな存在感で大いに楽しませていただいた。 最終回は、これまでにも増して感情がこもった迫真の“人形振り”に圧倒、 さらに、まるで浄土を行くようなベッドでの浮遊感は、さすがと言うほかない。 【3景=ゆきな/銀河鉄道の夜】 代々の演者が苦労してきた生朗読によるダンスパートを、 豊かな音声表現と身体表現で、懐かしさとともに新たな銀河鉄道の世界を作り上げてみせてくれた。 ベッドや立ち上がりでも、ゆったりとした動きの中に メッセージ性を込めた演じぶりが印象に残るステージであった。 最終回も“金”と“銀”の息はぴったり。 そして戻りの移動盆では、押さえていた感情が涙となってあふれ出る。 そんな中で、歌詞に合わせて「祈っている」とつぶやく姿は、実に感動的なシーンとなった。 【4景=清水 愛/ロミオとジュリエット】 「浅草」でもおなじみのモチーフを、沢村とのツインダンスで物語性も豊かに演じてみせてくれた。 ソロパートでも、滑らかに動き続ける“愛ムーブ”に加え、 正確無比、かつ目にも止まらぬ速さで舞い、ドラマティックな振りで引きつけ続けるステージは 一瞬たりとも目を離すことを憚られるような迫力であった。 最終回、眠りについたジュリエットの頭に、軽く手をやって立ち去るロミオの姿が切ない。 そして“ドラマティック・マナ”は、最後まで悲劇的な愛の世界を描ききってみせてくれたのだった。 【5景=星崎琴音/サン】 強い意志を持った主人公を、堂々とした舞いぶりと「目ヂカラ」で迫力たっぷりに演じてみせてくれた。 特に「目ヂカラ」は、これを感じさせてくれる方を久しぶり拝見したように思う。 ベッドでも、厳しくも優しさを感じさせる大きくて伸びやかな演じぶりで、 「新トリシスターズ」の一員として蓄えつつある力を感じさせる、見事な中トリであった。 荒ぶる自然とともにあり続けた姫は、最後まで気高く舞い、 そして最後は静かに緑の森へと帰っていったのだった。「お疲れサンでした」 【6景=椎菜アリス/こびとの楽園】 デビュー2週目で臨んだ「浅草」の大舞台であったが、 そのハードルを伸び伸びとしたステージングで越えてみせたことに拍手を贈りたい。 ベッドも、初々しさを漂わせながらも、きちんと形にして演じる力を持っていることを感じさせるもので、 今回の経験が今後のステージにどのように生かされ、伸びていくのかが、とても楽しみである。 そして初乗りの総決算の群舞は、笑顔を浮かべて演じ、ベッドへ。 その労をねぎらうかのように4方向リボンが前盆上空に飛んだ後の立ち上がり、 本舞台に戻ると、上手、下手でそれぞれのリボンさんに一礼をする余裕と律儀さ、 その姿勢にも深く感心した次第である。 【7景=西園寺瞳/フラガール】 南の島のゆっくり流れる時間の中で育まれたフラの雰囲気に、 西園寺のほんわかキャラが、ピタリとはまった感のある本景。 その中にも、戻りの移動盆で、差し上げた白花を落とし、 歌詞に合わせて再び拾い上げるストーリーテリングには唸らされた。 最終回も、ほんわかと温かい空気感をそのままに演じるトリオは、暖かい風を届けてくれるようで、 “ひとみたん”の持ち味が存分に生かされた心癒やされる演じぶりに、心からの感謝を申し上げたい。 【8景=沢村れいか/チャップリンの演説】 世界的に有名はスピーチに乗せて一人で舞うというチャレンジングな景に、 真正面から取り組んでみせてくれた姿が、実に清々しいものになった。 テクニックのみならず、気持ちでまっすぐに表現する舞台を拝見させていただいたことに深く感謝したい。 特に最終回は、名演説に負けない感情をほとばしらせながらのソロダンスの気合いは、 場内も気圧されるほどであった。 【9景=真白希実/レ・ミゼラブル】 悲劇の女性を、圧倒的な群舞と、深い情感を持って演じるベッドで描いた本景は、 観るたびに深く引き込まれるようなステージとなった。 ベッドは、前半の静かに抑えた演技に場内は水を打ったように引き込まれ、 暗転後、大きく展開していくベッド後半では、息を呑む思いで見詰め続けることとなった。 唯一切ってみせるポーズがもたらすカタルシスは、鮮やかな読後感を残してくれたように思う。 最終回、前盆で流す涙は、役としてだけではない、真白の心からの感情の高まりの表れと筆者には見え、 大いに心揺さぶられる名シーンとなった。 そして8周年を祝う「8方向リボン」が、集大成のステージに華を添えてみせたことも付記したい。 <楽日あいさつ> 最終回の星崎車掌は、オペラ幕が閉まる際、いつもの決め台詞ではなく「みなさん、ご一緒に!せーの!」と呼び掛けた。もちろん場内から「ハルレヤー!ハルレヤー!」のレスポンスが返って幕が閉まると、拍手はそのまま督促手拍子へ。カーテンコールの幕が上がると、MCのマイクを握るのは、8周年のステージを務め終えた真白。 【真白希実】
「本日は浅草ロック座12月公演『TEARS』の千秋楽にご来場いただきまして誠にありがとうございます。 みなさまのおかげで、メンバー全員で千秋楽を迎えることが出来ました。 それでは景ごとにあいさつさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。」 【前田のの】
「1景を担当しました前田ハイジです。 20日間、先生のマネをして、みんなと一緒にワイワイ出来て、すごく楽しかったです。 でも先生に連れられて、裸ん坊にされて、とても恥ずかしかったんですけど、 ハイジは次のステージに旅立ちます。その時には、私も靴が欲しいなと思いました。 20日間、温かく見守ってくれて、ハイジをかわいがってくれて、ありがとうございました。」 【小室りりか】
「2景を演らせていただきました、小室ひろしこと(場内笑)小室りりかです。 浅草はいっぱい乗らせてもらってますが、今回の『TEARS』っていう公演は、 選曲がすごい素敵だなと思って、この構成や選曲を作っているプロデューサー、 いつも変なブログばっかり書いてて、この人大丈夫かなと思ったんですが、今回本当に尊敬したいと思います。 この公演、乗せていただいて、本当にありがとうございます。 今回もお世話になりました。ありがとうございます。」 【ゆきな】
「3景を演らせて頂いたゆきなです。20日間ありがとうございました。 この話を頂いた時に、すごく不安と…(涙)…やってやるんだという気持ちが交互にずっと来てて、 私でいいのかとか本当に出来るのかとか…。 でもゲネの時に『秘す花 2nd』に乗っていらした夏木りりか姐さんや、 今週乗っているお姐さん方が袖から見守ってくださって、 終わったときに『すごく良く出来ました』『よかったよ』と言ってくださって、 本当に私はこの世界に巡り会えて、よかったなって、すごく幸せだなって思いました。 私はまだまだ技術もないし、踊りもすごい下手くそだし、でも、もっともっと上手になって、 お姐さん方のような素敵な踊り子になれるように頑張りたいなって、 今回の公演で、もっともっと強く思うようになりました。 本当にスタッフさん方や、この景を配役してくださった制作のみなさま、 そして20日間見守ってくださったお客さま方、 そしてこんな生意気でポンコツで気分屋で、泣いたり怒ったり、かと思ったら突然笑い出したりする私を いつも温かく見守ってくださったお姐さん方、後輩の子、本当にありがとうございます。 また、もっとレベルアップして、この地に戻ってこれるように頑張りたいと思います。ありがとうございました。」 【清水 愛】
「4景を担当しました清水ジュリエットです。 今回は『ロミオとジュリエット』ということで、ロミオに出会えて幸せでした。 (「あたしっすか?」と首を伸ばす沢村ロミオに)(笑)…ちょっと違う人だったかもしれないんですけど(笑) このメンバーで最後まで演り切ることが出来て、とてもうれしく思います。 最後まで見守ってくださったお客さまや、『TEARS』公演を制作してくださったスタッフのみなさま、 すべてのみなさまに感謝したいと思います。この公演は、すごく心に残るものでした。 これからも頑張りますので、よろしくお願いします。ありがとうございました。」 【星崎琴音】
「5景を担当しました星崎サンです(場内笑)。 今回もなかなか難しい景を頂いて、しかも初めての『1st』で、 次に振り移しがあるというので、すごいプレッシャーがあったのですが、 後輩のゆきなちゃんも…景の動画を実は頂いて、3景の、 これを演るんですと、ずっと怯えていたゆきなちゃんを見ていて、私も頑張らなきゃいけないなと思って、 今回も勉強になった浅草でした。 壮大すぎて、どうやっていいかよく分からなかったんですが、 普段演らないことを浅草でいつも演らせていただけるので、 とても新鮮で、とても楽しく演らせていただいています。 MCも初めてだったんで、『ハルレヤをハレルヤと言うなよ』というプレッシャーを掛けられて、 でも、みんな『ハレルヤ』だと思っていたことが、すごくショックでした。 そんなサンでしたが、とても楽しい20日間でした。ありがとうございました。」 【椎菜アリス】
「6景を担当させていただきました椎菜こびとです(場内笑)。 ゆきな姐さんのインタビューから涙が止まらなくて…すみません。 私はデビューしてからすぐの浅草だったので、ものすごい未熟で、いろんなことが出来なくて、 お姐さん方にもすごいたくさん迷惑を掛けてしまったり、 でもいろいろ思うところがあって、楽しいというよりも、 最初は怖いなということがたくさんあったんですけど、 こびとなので、楽しいを届けられる景にしたいと思って、最後は笑顔で出来たかなと思います。 姐さん方にもスタッフの方にも、観ていただいたみんなにも感謝しています。20日間ありがとうございました。」 【西園寺瞳】
「7景を担当させていただきましたひとみたんです(場内拍手)。 今回、素敵な『TEARS』という、どの景もすごい素敵で…(涙で聞き取り不能)…素敵な日々を送れて… (ここで上手袖下からボックスティッシュが差し入れられる) 楽しかったです。また1年後ぐらいに乗れたらいいなと…ありがとうございました。」 【沢村れいか】
「8景を担当致しました沢村れいかと申します。20日間ありがとうございました。 チャップリンのスピーチということで、正直とっても難しかったです。難し過ぎて…(涙)。 なかなか自分の技術と発想力が乏しくて、なかなか出来なくて、 家に帰ってはチャップリンの演説を何回も何回も見て、どういう気持ちで演ったらいいのかと研究したり、 何回も選曲の和訳を読んで、今回1人だったので、1人で何もかもやらないといけなくて、 すごく難しかったんですけれども、考えれば考えるほど、とても演りがいがある景で、 その景を与えてくださったプロデューサーさんの期待に応えたいという気持ちが先走って、 ずっとずっと考えていたんですけど、やっぱり出来なくて。 でも、それに負けるんじゃなくて、今、自分が出来ることを精一杯出すことが一番大切かなと思って、 楽しめるようになりました。うん、演り切りました。 おかげさまで、筋肉自慢の6パックが戻りました。2018年に劇場に乗るのは、ここで最後となります。 次は、2019年正月から横浜ロック座に乗りますので、ぜひぜひみなさま、遊びに来てくださいね。 新作も出したいと思いますので。20日間ありがとうございました。」 【真白希実】
「9景を担当させていただきました真白ファンティーヌです(場内拍手)。 マイクを持ったら何をしゃべるか忘れちゃいました。 今週は、みなさまのお応援のおかげで8周年を迎えることが出来ました(場内拍手)。 12月1日には周年イベントを劇場が開催してくださって、 そのプロデュースをゆきなちゃんと琴音ちゃんがしてくれて、 メンバーのお姐さんたちと後輩ちゃんたちとスタッフさんがご協力してくださって、 素敵な周年イベントを開催してくださいました。 ご来場いただいたお客さまにも、本当に感謝の気持ちで一杯です。 このメンバーをキャスティングしてくれた劇場さん、 そして毎回毎回、成長の機会を与えてくださる、 『レ・ミゼラブル』の素敵なナンバーを考えてくれたプロデューサー、本当にありがとうございます(涙)。 すごい難しい景だったんですけど、このメンバーで、どのナンバーも踊れて、 楽しい充実した毎日を過ごすことが出来ました。感謝しかないです。 最後まで見守ってくださって本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いします。」 涙ながらに言い切ると、ティッシュを取りに走る真白。一息ついたところで、真白の音頭による恒例の「三本締め」から「ポーッ」という汽笛の音に誘われてのアンコールウォークへ。 公演名に違わず涙また涙となった「TEARS」は、名前を変えての年末公演第二弾「LAST SCENE」へと、そのバトンを渡していったのだった。
(敬称略・観劇日:2018(平成30)年12月10日(月)) |
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