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のっけから余談で恐縮だが、今公演では途中の4月1〜3日にメンテナンス休館が設けられた。一体どこが変わったのかとメンテナンス休館明けの場外・場内を、まるで“間違い探し”のように目を凝らしてみたところ、
*外階段の床材張替 *舞台前ツラの波形スチール板張替 *場内床ワックス掛け *照明更新・増設
*本舞台上手・下手袖外の円柱を黒塗料で塗装 *本舞台銀幕前の上方に横渡しの照明用フレーム新設 *前盆回転部の縁の白ゴム更新 *前盆下手側サイドのポール立て穴廃止 *両側通路脇の換気用操作盤更新 といったところが筆者が気づいたところである。この中に勘違いや、あるいはこれ以外の更新箇所もあると思われるが、一方で注目されていた「喫煙コーナー」は、意外なことにこのメンテナンス期間では整備されなかった(その後、従来の「差し入れ置き場」や「電話ボックス跡」付近が板で塞がれ、工事着手となったようである)。
そしてこのメンテナンス休館中の4月1日に、「平成」の次の年号が「令和」に決まったことが発表された。いよいよ「平成」という時代が「Time is Over」となるわけで、「ストリップ」という日本の大衆文化も「昭和・平成・令和」の3つの時代を生きることになるわけである。
そんな「平成最後の浅草ロック座公演」と銘打たれた「TO -Time is Over-」の第1幕となる「1st」が、上述した休演を挟んで3月14日からの通算25日間の公演の幕を下ろす。通常よりちょっと長い“セミロング”の公演となった千秋楽4回目から最終回を観劇。
<楽日じゃんけん大会> 楽日恒例の「じゃんけん大会」。司会進行・じゃんけんのお相手には、もうすっかりおなじみ“若い方のM氏”が登場。“サクサク進行”がウリのM氏だが、その分、賞品紹介などに粗さがあるのも否めない。今宵も、ついに最後まで、どんな賞品だったかの判然としない品もいくつか…。 ■無料招待券×2名 「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定 直前の敗者3人復活で直接対決→★1名決定 ■小さな集合写真(サイン入り)×1名
「パ」→「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定 ■3景・秋月さんから「『ネオ・ファウスト』文庫本セット+『SAKURA祭り』で使用の入れ物」×1名
「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定 ■4景・星崎さんから「画伯直筆イラスト入りカレンダー+ヒアルロン酸マスク」×1名
「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定 ■6景・牧野さんから「1周年記念CD(サイン入り)」×1名
「チ」→「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定 ■7景・真白さんから「サイン入り香水」×1名
「チ」→「パ」→「チ」→3名直接対決→★1名決定 今回は賞品がやや少なめだったようで…。
<各景ひとことレビュー> 【1景=早瀬ありす/ブラック・ジャック】 これまでずっと仲間外れにされてきた「メルモちゃんのキャンディ瓶のパス回し」だが、 4回目で、ついにインターセプトに成功。場内から拍手が沸き、早瀬ピノコも笑顔に。 手塚キャラ総動員景のトップバッターとして、 まるで漫画の中から3次元化したようなピノコ役を見事に演じてみせてくれた。 ベッドも、静かに進める前半から、賑やかに盛り上がっていく後半への流れも楽しく、 「としごよのレレイ」の魅力たっぷり。ラストでの身を挺しての「アッチョンブリケ!」もお見事。 【2景=浜野 蘭/どろろ】 おそらくご自身からは見ることが出来ない映像とのシンクロ精度の高さを生み出す舞いぶりには、 さすがと言うほかない。 「浅草」でもソロ作品でも近年、刀を使う演目が多いような気がする浜野だが、 刀の切れ味に勝るとも劣らない鋭い演じ方で緊張感を演出。 そこからのカタルシス感のある立ち上がりの疾走感に、心からの拍手を贈りたい。 【3景=秋月穂乃果/ネオ・ファウスト】 群舞パートで、“上から感”たっぷりに余裕の表情を見せて、4匹の黒犬とともにありす博士をいたぶる様は、 秋月の普段のキャラとは別物で、目を引くインパクトを感じさせるものであった。 そして自身が十八番としてきた「エアリアル・ティシュー」に、2年ぶりの「浅草」でチャレンジ。 よりダイナミックに、そしてDNAの螺旋構造や血をイメージさせたいと形状にもこだわりを貫いた布さばきは、 さすがは「努力の人」の成せる技というべき見事なパフォーマンスであった。 【4景=星崎琴音/奇子】 欲望を剥き出しにして迫る男たちに弄ばれ、あるいは弄ぶという、名前の通りに数奇な運命をたどった奇子。 群舞パートでは、その孤独と諦観を、虚無的な雰囲気を漂わせながら描き出して見せてくれた。 そしてじっくりと重厚感を持って演じるベッドは、すっかり“指定席”となった中トリの大役を 今回もきっちり見事に果たしてみせるものであったように思う。 【5景=藤咲茉莉花/ブッダ】 哲学的な抽象景を、アルカイックスマイルを浮かべながらまろやかに舞う群舞パートは、 その表情とも相まって、慈愛に満ちた、ある種の尊ささえ感じさせるものであった。 さらに白長布1枚で臨んだベッドは、シンプルではあるが、扱いがままならない布や、 やや調子が変わった音楽との格闘でもあったように感じられたが、 その不安定要素を吸収し、柔らかく包み込む演じぶりで観る者を引き込んでいくものであった。 【6景=牧野れいな/MW】 毒ガスの島での聖職者との禁断の男色をベースに、 残虐な行為をためらいもなく行なっていく美形の青年像を、秋月の助演を得て牧野が好演。 牧野の舞姿は、一生懸命に舞台と向き合っていこうという気持ちが感じられるもので、 熱のこもったベッドでの演じぶりとも合わせて、心から拍手を贈りたい。 4回目の戻りで、花道にてロンダートを切ってみせたのは、 ある種の解放感の表れか、はたまた今回の挑戦への答えの一つだったのだろうか。 【7景=真白希実/鉄腕アトム】
「ザ・レビューショー」と形容したくなる群舞のセンターを赤の男装で華やかに舞い、 そこからすぐに青のドレスに替えて流れるように前盆へと進む様子は、 真白の“真骨頂”とも言うべきステージングであった。 ベッドでの粘り上げていくポーズも独特の魅せ方で、大変見応えのあるものだっただけに、 「前盆ジャッキアップ」を、なぜここで使う必要があったのか、 なぜ大トリを務める真白を信頼して、その“舞台力”に任せようとしなかったのか、 最後まで疑問が残る演出であったことを付言しておきたい。 <楽日あいさつ> 最終回フィナーレの幕が下り、拍手がそのまま督促手拍子に変わる中、再びオペラ幕が上がる。MCのマイクを握るのは、大トリの大任を務め終えた真白。 【真白希実】
「本日は浅草ロック座4月公演『TO -Time is Over- 1st』千秋楽にお越し頂き、誠にありがとうございます。 みなさまの応援のおかげで、メンバー全員で千秋楽を迎えることが出来ました。 それではいつものように1景から順番に挨拶をさせていただきたいと思います。」 【早瀬ありす】
「1景のメインを担当しました早瀬ありすです。ありがとうございました。 25日間、毎日すごく楽しかったです。最後はちょっと、雷を落としてしまったんですけど、 多くのお客さんは、ちゃんとステージを観てくださっていて、本当にうれしいです。 それでは、またどこかでお待ちしています。ありがとうございました。」 【浜野 蘭】
「2景を担当した浜野です。今回の演目のタイトルって…言っていいの?言っていいんだよね? 『どろろ』を演らせていただいたんですけれども、実はこの『どろろ』、 私、3か月前から、次の周年が5月なんですけど、その周年めがけて『どろろ』をずっと考えてたんです。 そしたら、レッスン表というのが届くんですけど、それに『浜野蘭……どろろ』(笑)。 『あれーーーっ!』ってなって、『浅草』で自分の好きな演目が出来ました。 なので、すごいとってもやりやすかったです、ベッドも含めて。みなさん、どうでしたか?(場内拍手) ありがとうございます。今週はみんな体調を崩すことなく、ケガなく、 千秋楽を誰一人欠けることなく迎えられたのが、とってもうれしいです。どうもありがとうございました。」 【秋月穂乃果】
「3景を担当しました秋月穂乃果です。私は約2年ぶりで、前回が『秘すれば花』だったんですけど、 先日イベントで真白姐さんが踊る上から桜の花びらを散らして、それが『秘すれば花』を思い出しました。 久々の『浅草』とエアリアルと、すごいうれしい…っていう話をしようと思ってたんですけど、 今一番思うのは、今週このメンバーでよかったなって思います。 出来ないことも多くて悩むこともあったんですけど、メンバーが温かくて、もっと頑張ろうって思いました。 ありがとうございました。」 【星崎琴音】
「マイクを1個着けていますが、気にしないでください。4景を担当しました星崎琴音です。 メイン景が『奇子』というやつで、読んでくださった方も結構いらっしゃるのかなと思うんですが、 『奇子』ってよくわかんない子だなって思いながら、ゲネの時はベッドをすごく悩んだのですが、 最終的には、自分なりに『奇子』を表現したつもりなのですが、 いろいろ悩みながらも、今回もまた1個、新しいことにチャレンジさせていただけて、 他の景もすごくすてきな景ばかりで、『TO』ってちょっと濁しているので、 あんまり言っちゃいけないのかなって思うんですけど、今回の公演に携われて本当に楽しかったです。 ありがとうございました。」 【藤咲茉莉花】
「5景を担当しました藤咲茉莉花です。ありがとうございました。 5景は、スジャータの魂が命のかけらになっていくところを表現していたのですが、 いつになく抽象的で難しくて、あと布の扱いも難しくて、すごい苦戦しました。 でも自分らしく演れたかなって思います。本当に楽しい25日間でした。ありがとうございました。」 【牧野れいな】
「6景を担当しました牧野れいなです。 6景は『MW』って作品なんですけれども、なんかサイコパス、猟奇的殺人者だし男だし、 ナルシストに演れって言われたんですけど、イケメンがよく分からなくて…。 でも頑張って自分なりのイケメンを追求して演りました。 1景は『マグマ大使』で、すごい格好をしてるんですが、あれはあれですごい楽しかったので、よかったです。 25日間ありがとうございました。」 【真白希実】
「7景の『鉄腕アトム』を担当させていただきました真白希実です。 自分がこの7景『鉄腕アトム』を演るというのを、前回の『Dream on』の代演の時にレッスン表を頂いて、 もしかして、あの髪型をやるのかなって、ざわつきました。 ダンサーさんたちと『どうなっちゃうんだろう…』という、ちょっと不安があったんですけど、 こんなすてきな宝塚のレビューショーみたいなナンバーを頂けて、 初めは立ち上がりの曲が、すごい違和感があったんですけど、今ではこの曲で良かったなって思ってます。 初めて見た人には、何でこの曲なんだろうって思った方がいっぱいいると思うんですけど、 宝塚ファンの方には繋がりのあるものだったみたいです。 このメンバーで25日間、いつもより5日間長いんですけど、 毎日楽しく、毎日みんなで高め合いながら頑張れたことに自分のモチベーションも上がりましたし、 やる気も出ましたし、すごく勉強になった25日間になりました。 応援していただいたみなさま、本当にありがとうございます。」 そして真白の音頭で「三本締め」。アンコールウォークの音楽として、いつもフィナーレ曲ではなく1景1曲目が流れる中、全員が笑顔で場内に手を振りながら花道から前盆を一周する。本舞台に戻る時に、待機するダンサーズに一礼をする真白。再び全員が手を振る中、ゆっくりとオペラ幕が下がり、「平成最後の公演」の第一幕が閉じていったのだった。 (敬称略・観劇日:2019(平成31)年4月10日(水)) |
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