舞姫たちへの片恋文

ストリップの舞台と舞姫への思いを綴ります。速報はTwitter「@st_kangekisya」で。

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 いよいよこれが正真正銘「『浅草』平成最後の公演」となる「TO -Time is Over-」の「2nd」。日本のストの歴史も「昭和・平成・令和」と、3つの時代を経ていくことになる。その「昭和」を代表する漫画家、手塚治虫さんの作品をモチーフに展開する本公演の3日目をプンラスで観劇。


【1景=熊野あゆ/ブラック・ジャック】
「浅草」初乗りにして、トップバッターを務めることになった熊野。
手塚キャラ勢揃いの群舞は、メイン景との連動が「1st」から一部変更になり、
「ブラック・ジャック」が4景・鈴木ミント、「メルモ」が5景・ゆきなでバーターになった。
やや“背が伸びた”ピノコ熊野は、群舞で笑顔を絶やさない楽しい雰囲気をいっぱいに演じていく。
5人が下手袖に引く中、最後まで残ったBJに見守られるように本舞台中央奥へと引くと、
ツインテールにピンクリボンを着け、同じくピンクのリボンがついたピンクセパレートのベッド着、
白タイツ姿に替え、前盆へと一歩一歩進んでいく。

立ち姿で音楽を渡ってのベッド前半、立ちの姿勢で舞い始め、ゆっくり腰を下ろすと、
軽いひざ曲げでの両手の振りからセパレートトップを外し、あお向けでの両足漕ぎ上げなどの動きを見せていく。
音楽が変わってのベッド後半では、「チューリップ」の形で愛嬌を振りまき、
両ひざ立ちでセパレートトップを手にしての振りから
「スワン」「片ひざつき片手差し上げ」「横開き」のポーズを連続して切って見せる。
両ひざ立ちでセパレートアンダーを外すと、
両手に抱えての動きから「片ひざ立て片足横伸ばし」での手の振りを経て、
四つん這いでのあおり上げなどで動いた後、立ち上がる。
ベッド着を抱えて花道をステップを切りつつ本舞台へと戻り、
銀幕前で振り向いての「アッチョンブリケ!」でのラスト。


【2景=小野今日子/どろろ】
ファンの振り移し予想では“大穴”となった本景だが、さすが大ベテランの重みと厚みのある演じぶり。
映像とのシンクロや弓引きの動きなど、実に気持ちよく拝見させていただけるものになっている。
映像シンクロのソロパートが終わり、白板の後ろへ回って脚絆と腕覆いはそのままに、
黒の短丈着物に、黒地に銀糸で蜘蛛の巣模様が描かれた帯を締めたベッド着に替え、
ひざつきから本舞台上手へと這うように進んで展開。
立ち上がると本舞台中央から花道を進み、前後開脚での座り姿で音楽を渡る。

ベッド前半、前後開脚から「片ひざ曲げ片足後ろ伸ばし」での上体の大きな振りから、
腰をついての両足振り上げなどのダイナミックな動きをみせて音楽を渡る。
ベッド後半では、着物を片肩脱ぎにした上体と両腕の大きな振りから始め、
片ひざ立てでの座り姿から「L」のポーズを勢いよく切っていく。
「片ひざ曲げ片足横伸ばし」や両足を伸ばした後、軽く曲げたひざに顔を預けた姿勢から、
「シャチホコ」のポーズを長い滞空時間で決めて立ち上がる。
本舞台へと歩き戻ると「レイバック」を決め、中央奥へと戻って立ち姿で勢いをつけて舞い、
ラストは音楽終わりで両手を鋭く開いた形を決めて締めくくる。


【3景=小宮山せりな/ネオ・ファウスト】
恐れおののく老博士を圧倒するように、肩をいからせての振りや、
威厳と不気味さを漂わせる演じぶりで芝居仕立ての群舞を堂々と演じていく。
音楽を渡って5人が引くと、本舞台中央のいすのサイドでトップスとパンツを脱ぎ、
黒の細バンドを左足に巻きつけた全身網タイツと黒ビスチェ姿に替えて前盆へ。

ベッドは、簡単にはいかないであろう「エアリアル・ティシュー」の引き継ぎにチャレンジ。
下りてきたティシューを解くと、「片ひざつき片足横伸ばし」の姿勢でゆっくりと動き、
腰をついての両足浮かせから、片ひざ立ての姿勢で音楽を渡る。
音楽が変わると「片ひざ曲げ片足横伸ばし」の姿勢から片ひざ立てに起き上がった後、立ち上がり、
ティシューに取り付くと上昇。
片足でティシューをたぐり、固定しての回転から、逆さ開脚のポーズを決める。
ついで「ハンモック座り」で静かに進め、立ち姿から片足横伸ばしでの伸身姿勢や
上下開脚などのエアリアル技を披露し、
ティシュー下端を振り回しての横伸身での高速回転を見せると、逆さ姿勢での伸身で音楽終わりを決め、暗転。


【4景=鈴木ミント/奇子】
群舞パートは、数奇な運命をたどるうちに男たちの情欲を集める存在となった「奇子」を、
緋の腰巻や長襦袢は鮮やかに、固めた表情で無機質に演じていく。
男たちにしごきを解かれ、剥かれた緋長襦袢を抱えた姿で音楽を渡り、
音楽が変わると、緋の腰巻の上に長襦袢を羽織った座り姿で、移動盆にて進み始める。
座り姿勢で大きく動き、やがて立ち上がって袖を大きく振り広げながら前盆へと歩み入る。

ベッド前半、両ひざ立ちでの上体の大きな振りや、腰をついての片足振り上げ、
「両足浮かせ片手差し上げ」などで動き、あお向けでの両手振り上げから横たわった姿で音楽を渡る。
ベッド後半では、上体を起こすと「片ひざつき片足前伸ばし」での両手と上体の振りで動き、
「片ひざつき片手片足振り上げ」のポーズを切って見せる。
ゆっくりと立ち上がって一礼の後、長襦袢を後ろ手に広げ、移動盆の前縁に座ると、
大きく片手を振り広げる振りから「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを決め、
立ち上がって腰巻を落とすと、右肩に長襦袢を掛けた立ち姿で、ゆっくりと舞いつつ振り返り、
右手の差し上げから、両手を大きく開いて閉まる銀幕の後ろへと姿を消していく。


【中休憩】
中休憩映像からは、いよいよ新時代「令和初公演」の文字が躍る「EARTH BEAT 2019 RISING 1st」の出演者紹介。話題の“デビュー”となる君島みおさんは、ご本人の肉声メッセージつき。

   ■君島みお/イメージ動画+プロフィール+肉声メッセージ
   ■海空花/イメージ動画+プロフィール
   ■橋下まこ/2019年2月公演「Shine on」5景“FUJIKO”
   ■雪芽さゆり/2019年1月公演「艶 en」6景「くノ一の恋」
   ■倖田李梨/2018年4月公演「BRAVI! 2nd」3景「Die Zauberflöte」
   ■武藤つぐみ/2019年2-3月公演「Dream on」3景“エアリアル・フレーム”
   ■清本玲奈/2019年2月公演「Shine on」1景“チアバンド”

 このほど発売となった写真集「ROCKZA LIVE BOOK 8」のCMを挟んで、「演目紹介」は「1st」同様、それぞれ自分の担当するメイン景を自らのナレーションで紹介していく。文面は「1st」から一部演目で変更されたように聞こえたが、さて…。


【5景=ゆきな/ブッダ】
抽象的・哲学的なテーマを描く本景ながら、振りの中のリアクションや表情の顕在化などを通して、
可能な限り具象に寄せようとしている演じぶりが印象的。
音楽が変わると、本舞台中央奥にて「1st」同様、
白長布を身体に巻きつけた姿に替えて閉まる銀幕の前へと歩み出し、早足で前盆へと進む。

ベッド前半、立ち姿での手の振りから、長布を後ろ手に広げたターンを入れた後、両ひざつきに姿勢を下げ、
ついで腰をついて両ひざを曲げ立てた姿勢で音楽を渡る。
リズミックなインスト曲に変わると、
腰をついての「両ひざ曲げ両足浮かせ」から身体を横に流した姿勢での手の振りを経て、
両ひざ立ちに起き上がってから「スワン」のポーズを切って見せる。
長布を両手で持って振りかざした後、羽織ると、腰をついた姿勢で音楽を渡る。
音楽が変わってのベッド後半では、
長布を後ろ手に広げての「片ひざつき片足横伸ばし上体反らし」のポーズを決め、
ついで長布を片足に掛けての「スーパーL」や「横開き」のポーズを切って立ち上がる。
長布を後ろ手に広げつつ移動盆へと歩み戻り、振り返ると腰に長布を巻きつつ、
立ち姿で右手をすくい上げ、前から上へと差し上げてのラスト。


【6景=安田志穂/MW】
毒ガスの島で交わされた男色を表現するツインダンスは、
流れるように柔らかい独特の“志穂ムーブ”に、巧みな和傘さばきを見せながら舞い進めていく。
途中で上手袖、下手袖から“毒ガス”が噴き出すシーンでは、スモークの流れにもよるが、
正面後方から見ると、それ自体がスクリーンとなって影絵のように二人と傘を映し出す。
音楽が変わって小宮山が下手袖へと引くと、アクセントを加えた動きで帯を解き、着物を脱いでから
本舞台中央奥へと動いてロングパンツを脱ぎ、白シャツに黒ショートパンツ姿に替えて、
ブーツを再び履くと、前盆へと駆け入り、横たわった姿で音楽を渡る。

音楽が変わってのベッドでは、上体を起こしての両ひざ立ちで大きく上体を振り動かしていき、
上体を伏せた後、「片ひざつき片足横伸ばし」で両手を大きく広げて動き、
腰をついての「L」のポーズを切って見せる。
ゆっくりと中腰に起き上がってから再び接地し、両ひざ立ちで白シャツを脱いで振りかざした後、
ひざつきターンからの「横開き」や「スーパーL」のポーズを決めて立ち上がる。
大きく両手を振り広げての舞から「片足上げブリッジ」を架け、ついで「スワン」のポーズを披露した後、
もう一度、横たわってから起き上がり、本舞台へと駆け戻ると、
中央奥での立ち姿で銀幕の陰へと姿を消していく。


【7景=徳永しおり/鉄腕アトム】
微笑をたたえつつ、ご本人の生真面目さが伺えるような
折り目正しくきっちりしていて、かつ華やかな群舞のセンターを演じる徳永。
音楽が変わると、パステルカラーのダンサーズ4人と白の男装舞姫3人に送られて、いったん下手袖に引き、
赤・黒・金のヘッドドレスに同色のフリルが身体の前面を彩る淡色ロングドレス風ベッド着に替え、
あでやかに舞いつつ前盆へと舞い進む。

音楽が変わってのベッド前半、立ち姿から両ひざつきに姿勢を下げての両手の振りから、
腰を下ろすとベッド着の前を開き、両足旋回や腰の回し上げなどで動いていく。
ついで、ゆっくりと上体を倒すと、あお向けでの両手両足振り上げから上体をやや起こし、
身体を横に流しての「片足流し上げ片手斜め差し上げ」のポーズで音楽を渡る。
音楽が変わってのベッド後半では、「スーパーL」のポーズを切りつつ前盆がジャッキアップ。
そこから「横開き」のポーズへと展開し、「片ひざつき片ひざ立て上体反らし片手差し上げ」のポーズから、
「片ひざつき片足斜め振り上げ片手差し上げ」のポーズでジャッキダウン。
ベッド着を後ろで振ってから胸前で合わせた形で立ち上がり、
ベッド着を後ろ手に広げつつ移動盆へと歩み乗り、大きく振り広げてのターンから
両手を大きく開いた立ち姿を決めつつ、銀幕の後ろへ。


【フィナーレ/火の鳥】
「2nd」も「火の鳥」を模した赤と黄色の荘重にして壮大な群舞で、
昭和の巨匠をモチーフにした公演の重さを感じさせながら締めくくる。
メンバー紹介のMCは「1st」から4景とともに引き継ぎ、鈴木が担当。
よく通る声での歯切れのよい口跡でのメンバー紹介から、
花道を経由して前盆まで展開した後、本舞台に引いて中央で陣形を作ってのエンディング。


(敬称略・観劇日:2019(平成31)年4月13日(土))
 のっけから余談で恐縮だが、今公演では途中の4月1〜3日にメンテナンス休館が設けられた。一体どこが変わったのかとメンテナンス休館明けの場外・場内を、まるで“間違い探し”のように目を凝らしてみたところ、

 *外階段の床材張替  *舞台前ツラの波形スチール板張替  *場内床ワックス掛け  *照明更新・増設
 *本舞台上手・下手袖外の円柱を黒塗料で塗装  *本舞台銀幕前の上方に横渡しの照明用フレーム新設
 *前盆回転部の縁の白ゴム更新  *前盆下手側サイドのポール立て穴廃止
 *両側通路脇の換気用操作盤更新

といったところが筆者が気づいたところである。この中に勘違いや、あるいはこれ以外の更新箇所もあると思われるが、一方で注目されていた「喫煙コーナー」は、意外なことにこのメンテナンス期間では整備されなかった(その後、従来の「差し入れ置き場」や「電話ボックス跡」付近が板で塞がれ、工事着手となったようである)。

 そしてこのメンテナンス休館中の4月1日に、「平成」の次の年号が「令和」に決まったことが発表された。いよいよ「平成」という時代が「Time is Over」となるわけで、「ストリップ」という日本の大衆文化も「昭和・平成・令和」の3つの時代を生きることになるわけである。

 そんな「平成最後の浅草ロック座公演」と銘打たれた「TO -Time is Over-」の第1幕となる「1st」が、上述した休演を挟んで3月14日からの通算25日間の公演の幕を下ろす。通常よりちょっと長い“セミロング”の公演となった千秋楽4回目から最終回を観劇。


<楽日じゃんけん大会>
 楽日恒例の「じゃんけん大会」。司会進行・じゃんけんのお相手には、もうすっかりおなじみ“若い方のM氏”が登場。“サクサク進行”がウリのM氏だが、その分、賞品紹介などに粗さがあるのも否めない。今宵も、ついに最後まで、どんな賞品だったかの判然としない品もいくつか…。

   ■無料招待券×2名
     「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定
     直前の敗者3人復活で直接対決→★1名決定

   ■小さな集合写真(サイン入り)×1名
     「パ」→「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定

   ■3景・秋月さんから「『ネオ・ファウスト』文庫本セット+『SAKURA祭り』で使用の入れ物」×1名
     「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定

   ■4景・星崎さんから「画伯直筆イラスト入りカレンダー+ヒアルロン酸マスク」×1名
     「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定

   ■6景・牧野さんから「1周年記念CD(サイン入り)」×1名
     「チ」→「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定

   ■7景・真白さんから「サイン入り香水」×1名
     「チ」→「パ」→「チ」→3名直接対決→★1名決定

 今回は賞品がやや少なめだったようで…。


<各景ひとことレビュー>
【1景=早瀬ありす/ブラック・ジャック】
これまでずっと仲間外れにされてきた「メルモちゃんのキャンディ瓶のパス回し」だが、
4回目で、ついにインターセプトに成功。場内から拍手が沸き、早瀬ピノコも笑顔に。
手塚キャラ総動員景のトップバッターとして、
まるで漫画の中から3次元化したようなピノコ役を見事に演じてみせてくれた。
ベッドも、静かに進める前半から、賑やかに盛り上がっていく後半への流れも楽しく、
「としごよのレレイ」の魅力たっぷり。ラストでの身を挺しての「アッチョンブリケ!」もお見事。


【2景=浜野 蘭/どろろ】
おそらくご自身からは見ることが出来ない映像とのシンクロ精度の高さを生み出す舞いぶりには、
さすがと言うほかない。
「浅草」でもソロ作品でも近年、刀を使う演目が多いような気がする浜野だが、
刀の切れ味に勝るとも劣らない鋭い演じ方で緊張感を演出。
そこからのカタルシス感のある立ち上がりの疾走感に、心からの拍手を贈りたい。


【3景=秋月穂乃果/ネオ・ファウスト】
群舞パートで、“上から感”たっぷりに余裕の表情を見せて、4匹の黒犬とともにありす博士をいたぶる様は、
秋月の普段のキャラとは別物で、目を引くインパクトを感じさせるものであった。
そして自身が十八番としてきた「エアリアル・ティシュー」に、2年ぶりの「浅草」でチャレンジ。
よりダイナミックに、そしてDNAの螺旋構造や血をイメージさせたいと形状にもこだわりを貫いた布さばきは、
さすがは「努力の人」の成せる技というべき見事なパフォーマンスであった。


【4景=星崎琴音/奇子】
欲望を剥き出しにして迫る男たちに弄ばれ、あるいは弄ぶという、名前の通りに数奇な運命をたどった奇子。
群舞パートでは、その孤独と諦観を、虚無的な雰囲気を漂わせながら描き出して見せてくれた。
そしてじっくりと重厚感を持って演じるベッドは、すっかり“指定席”となった中トリの大役を
今回もきっちり見事に果たしてみせるものであったように思う。


【5景=藤咲茉莉花/ブッダ】
哲学的な抽象景を、アルカイックスマイルを浮かべながらまろやかに舞う群舞パートは、
その表情とも相まって、慈愛に満ちた、ある種の尊ささえ感じさせるものであった。
さらに白長布1枚で臨んだベッドは、シンプルではあるが、扱いがままならない布や、
やや調子が変わった音楽との格闘でもあったように感じられたが、
その不安定要素を吸収し、柔らかく包み込む演じぶりで観る者を引き込んでいくものであった。


【6景=牧野れいな/MW】
毒ガスの島での聖職者との禁断の男色をベースに、
残虐な行為をためらいもなく行なっていく美形の青年像を、秋月の助演を得て牧野が好演。
牧野の舞姿は、一生懸命に舞台と向き合っていこうという気持ちが感じられるもので、
熱のこもったベッドでの演じぶりとも合わせて、心から拍手を贈りたい。
4回目の戻りで、花道にてロンダートを切ってみせたのは、
ある種の解放感の表れか、はたまた今回の挑戦への答えの一つだったのだろうか。


【7景=真白希実/鉄腕アトム】
「ザ・レビューショー」と形容したくなる群舞のセンターを赤の男装で華やかに舞い、
そこからすぐに青のドレスに替えて流れるように前盆へと進む様子は、
真白の“真骨頂”とも言うべきステージングであった。
ベッドでの粘り上げていくポーズも独特の魅せ方で、大変見応えのあるものだっただけに、
「前盆ジャッキアップ」を、なぜここで使う必要があったのか、
なぜ大トリを務める真白を信頼して、その“舞台力”に任せようとしなかったのか、
最後まで疑問が残る演出であったことを付言しておきたい。


<楽日あいさつ>
 最終回フィナーレの幕が下り、拍手がそのまま督促手拍子に変わる中、再びオペラ幕が上がる。MCのマイクを握るのは、大トリの大任を務め終えた真白。

【真白希実】
「本日は浅草ロック座4月公演『TO -Time is Over- 1st』千秋楽にお越し頂き、誠にありがとうございます。
 みなさまの応援のおかげで、メンバー全員で千秋楽を迎えることが出来ました。
 それではいつものように1景から順番に挨拶をさせていただきたいと思います。」

【早瀬ありす】
「1景のメインを担当しました早瀬ありすです。ありがとうございました。
 25日間、毎日すごく楽しかったです。最後はちょっと、雷を落としてしまったんですけど、
 多くのお客さんは、ちゃんとステージを観てくださっていて、本当にうれしいです。
 それでは、またどこかでお待ちしています。ありがとうございました。」

【浜野 蘭】
「2景を担当した浜野です。今回の演目のタイトルって…言っていいの?言っていいんだよね?
 『どろろ』を演らせていただいたんですけれども、実はこの『どろろ』、
 私、3か月前から、次の周年が5月なんですけど、その周年めがけて『どろろ』をずっと考えてたんです。
 そしたら、レッスン表というのが届くんですけど、それに『浜野蘭……どろろ』(笑)。
 『あれーーーっ!』ってなって、『浅草』で自分の好きな演目が出来ました。
 なので、すごいとってもやりやすかったです、ベッドも含めて。みなさん、どうでしたか?(場内拍手)
 ありがとうございます。今週はみんな体調を崩すことなく、ケガなく、
 千秋楽を誰一人欠けることなく迎えられたのが、とってもうれしいです。どうもありがとうございました。」

【秋月穂乃果】
「3景を担当しました秋月穂乃果です。私は約2年ぶりで、前回が『秘すれば花』だったんですけど、
 先日イベントで真白姐さんが踊る上から桜の花びらを散らして、それが『秘すれば花』を思い出しました。
 久々の『浅草』とエアリアルと、すごいうれしい…っていう話をしようと思ってたんですけど、
 今一番思うのは、今週このメンバーでよかったなって思います。
 出来ないことも多くて悩むこともあったんですけど、メンバーが温かくて、もっと頑張ろうって思いました。
 ありがとうございました。」

【星崎琴音】
「マイクを1個着けていますが、気にしないでください。4景を担当しました星崎琴音です。
 メイン景が『奇子』というやつで、読んでくださった方も結構いらっしゃるのかなと思うんですが、
 『奇子』ってよくわかんない子だなって思いながら、ゲネの時はベッドをすごく悩んだのですが、
 最終的には、自分なりに『奇子』を表現したつもりなのですが、
 いろいろ悩みながらも、今回もまた1個、新しいことにチャレンジさせていただけて、
 他の景もすごくすてきな景ばかりで、『TO』ってちょっと濁しているので、
 あんまり言っちゃいけないのかなって思うんですけど、今回の公演に携われて本当に楽しかったです。
 ありがとうございました。」

【藤咲茉莉花】
「5景を担当しました藤咲茉莉花です。ありがとうございました。
 5景は、スジャータの魂が命のかけらになっていくところを表現していたのですが、
 いつになく抽象的で難しくて、あと布の扱いも難しくて、すごい苦戦しました。
 でも自分らしく演れたかなって思います。本当に楽しい25日間でした。ありがとうございました。」

【牧野れいな】
「6景を担当しました牧野れいなです。
 6景は『MW』って作品なんですけれども、なんかサイコパス、猟奇的殺人者だし男だし、
 ナルシストに演れって言われたんですけど、イケメンがよく分からなくて…。
 でも頑張って自分なりのイケメンを追求して演りました。
 1景は『マグマ大使』で、すごい格好をしてるんですが、あれはあれですごい楽しかったので、よかったです。
 25日間ありがとうございました。」

【真白希実】
「7景の『鉄腕アトム』を担当させていただきました真白希実です。
 自分がこの7景『鉄腕アトム』を演るというのを、前回の『Dream on』の代演の時にレッスン表を頂いて、
 もしかして、あの髪型をやるのかなって、ざわつきました。
 ダンサーさんたちと『どうなっちゃうんだろう…』という、ちょっと不安があったんですけど、
 こんなすてきな宝塚のレビューショーみたいなナンバーを頂けて、
 初めは立ち上がりの曲が、すごい違和感があったんですけど、今ではこの曲で良かったなって思ってます。
 初めて見た人には、何でこの曲なんだろうって思った方がいっぱいいると思うんですけど、
 宝塚ファンの方には繋がりのあるものだったみたいです。
 このメンバーで25日間、いつもより5日間長いんですけど、
 毎日楽しく、毎日みんなで高め合いながら頑張れたことに自分のモチベーションも上がりましたし、
 やる気も出ましたし、すごく勉強になった25日間になりました。
 応援していただいたみなさま、本当にありがとうございます。」


 そして真白の音頭で「三本締め」。アンコールウォークの音楽として、いつもフィナーレ曲ではなく1景1曲目が流れる中、全員が笑顔で場内に手を振りながら花道から前盆を一周する。本舞台に戻る時に、待機するダンサーズに一礼をする真白。再び全員が手を振る中、ゆっくりとオペラ幕が下がり、「平成最後の公演」の第一幕が閉じていったのだった。


(敬称略・観劇日:2019(平成31)年4月10日(水))
<<< 注:本記事は4月1日付け「エイプリルフール」の「ネタ記事」です >>>

********************

 舞台関係の技術者などを対象にした業界紙「舞台芸術新聞」に、以下のような興味深い記事がありましたのでご紹介します。

********************

 数々のホールの照明設計・施工・運営を手掛ける日本照明開発(株)はこのほど、AI(人工知能)を搭載した舞台照明システムを開発、実用化に乗り出した。

 このシステムは、舞台上の演者を高分解能カメラで撮影、エンハンス処理した映像を画像認識させることで、AIが舞台シーンを判別し、当該場面に適合する照明を自動的に構成して点灯や消灯を行なうというもの。

 中でもベテラン照明マンのノウハウをあらかじめ機械学習させたAIを内蔵したピンスポットは、演者の顔や身体の特徴を事前に記憶させておくことで、舞台上を動く演者を自動追尾し、点灯・消灯や光束の大きさ調整まで無人で行なう性能を有するという。東京都内の大手ストリップ劇場で実施した性能評価実験では、照明マンによる操作での演者捕捉率92.7%に対して、AIピンスポットは99.8%の好成績を収めたと同社は報告している。

 日本照明開発(株)の卯月降流男社長は「体力的にもきつい舞台照明分野は後継者不足が深刻化している。AI照明が人材難を解決する一助になれば」と話していて、今年夏には、実験を行なったストリップ劇場への導入が決まっていると明かす。
                                 (「舞台芸術新聞」平成31年4月1日付け紙面より引用)

********************

 AIの活用事例がこんな身近なところにも、という驚きのニュースです。それにしてもAIに取って代わられるかもしれないMさんの身柄が早くも心配になります…。

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