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今公演「Shine on」は、拙ブログ記事「【浅草】「Shine on」初日レビュー」前文で考察したように、上演期間が20日間ながら「1st season」を銘打たず、単独公演として本日で千秋楽を迎えることになった。公演名も新たにスタートする明日からの「Dream on」が、どの程度「Shine on」から引き継がれているかは初日を楽しみにすることにして、まずは20日間の集大成となる「Shine on」楽日、4回目中休憩からラストまで観劇。
<楽日じゃんけん大会>
プロデューサーが代わってから初めての楽日ということを意識してか、MCを務める“若い方のM氏”は、本大会名を「じゃんけん大会 neo」と呼称。うっすらBGMも流しながらとのことだったが、場内の熱気に押され、ほとんど聞き取れなかったようである。 ■無料招待券×2名
「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定 直前の敗者4名復活→「チ」→★1名決定 ■公演ポスター(サイン入り)×1名
「グ」→「パ」→「グ」→3名直接対決→★1名決定 ■1景・清本さんから「香水ビン(サイン入り)」×1名
「パ」→「パ」→2名直接対決→★1名決定 ■2景・花咲さんから「手作りコースター」×男女各1名ずつ計2名
男性のみ参加可:「チ」→「チ」→「グ」→「グ」→全滅→直前までの勝者復活 「グ」→3名直接対決→★1名決定 女性のみ参加可:5名直接対決→★1名決定 ■3景・ALLIYさんから「小物入れ」×1名
「パ」→「パ」→「チ」→★1名決定 ■4景・矢沢さんから「矢沢紙幣4枚セット」×1名
「グ」→「チ」→「グ」→全滅→直前までの勝者復活 「チ」→★1名決定 ■5景・橋下さんから「写真セット」×1名
「グ」→「チ」→「チ」→「パ」→2名直接対決→★1名決定 ■6景・有沢さんから「巨大キャンディ+ガーターベルト」×1名
「チ」→「チ」→「パ」→2名直接対決→★1名決定 ■7景・せいのさんから「ミルクグラス」×1名
「チ」→「パ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定 <各景ひとことレビュー> 【1景=清本玲奈】 若々しい元気あふれる動きと豊かな表情で、 トップバッターとして公演全体をスタートダッシュさせる役割を見事に果たしてみせてくれた。 ベッドも力強く生き生きしたポーズと振りで駆け抜けるもので、 特に最終回は、ハンズアップやフラッグの扱いも一段と熱く力を込めて一気に駆け抜けた。 その気持ちよいステージに拍手を贈りたい。 【2景=花咲ぼたん】 日本髪の和鬘がその面立ちによく似合い、その雰囲気にうまく溶け込む形で、 去りゆく冬の名残を惜しむかのように、しとやかな日舞の一人舞を好演。 ベッドでも落ち着いた趣のある動きとポーズが印象に残るものとなった。 【3景=ALLIY】 クールに舞っていくトリオダンスや、前盆入りの際の雰囲気の作り方は、ALLIYのステージイメージに合致し、 得手とするジャンルの舞台に、自信を持って取り組む様子が心地よいものになっていた。 ポーカーフェイスで進めていくベッドも、クールな組み立ての前半から、 自ら手拍子で導いての後半へと盛り上げていく構成もさすがであった。 【4景=矢沢ようこ】 “飾り窓”の退廃的な雰囲気をアンニュイな舞いぶりとともに表現し、 ベッドから立ち上がりでは、基本形は作りつつも、 うっすらと歌詞を口ずさみながら持ち味の“フリーダム”感を随所に発揮し、大いに楽しませていただいた。 さらに戻りの移動盆も余裕たっぷりに魅せるさすがのパフォーマンスに拍手を贈りたい。 【5景=橋下まこ】 「浅草」初乗りながら、朗らかな表情やのびのびとした舞いぶりが印象的で、 ベッドでも、じっくりとみせる落ち着いたステージングはお見事であった。 最終回は、揃った手拍子の中、まろやかな笑顔と投げキスでまとめ、 さらにフィナーレでのメンバー紹介MCもしっかりとこなし、自らの初陣を飾ってみせた。 【6景=有沢りさ】 エロティックな表現には定評のある有沢が、甘美な百合の世界を花咲とともに描いた本景、 有無を言わせずに花咲を引きずり込むかのような演技はさすが。 ベッドでも、挑発するような視線、誘うような指先と、濃厚なテイストで展開していく迫力に唸らされた。 【7景=せいの彩葉】 「暴力とセックス」をテーマにしたワイルドな群舞のセンターを、堂々たる存在感を示しつつ務めてみせた。 ベッドでも見応えのある演じぶりの前半から、後半の疾走感あふれる立ち上がりから戻りの移動盆と、 長い黒髪を振り乱しながら切れ味良く静止精度の高いポーズを次々と繰り出すことで 輝きを強めながら上げていくステージングに惜しみない拍手を贈りたい。 <楽日あいさつ> 最終回フィナーレの拍手から、そのまま続く“督促手拍子”。いつもより早く再びオペラ幕が上がったが、そこで思わぬ事態が待っていた。 【せいの彩葉】
「『Shine on』千秋楽にご来場いただき、ありがとうございました。 今月は浅草ロック座、いろいろなことが変わりました。 劇場外からの食品持ち込み禁止や色紙廃止など、みなさまご理解ご協力いただき、ありがとうございました。 そして『Shine on』を期に、恒例の楽日のみんなの舞台あいさつは、代表者が執り行うことになりました。 みんなの声が聞きたいとは思いますが、それぞれSNS、ブログ、劇場で発信すると思うので、 チェックしてください。また劇場等で、みんなからの感想等はどしどしお待ちしております。 『Shine on』、みんな楽しんでくれたかな?(場内拍手)。 スペシャルなメンバーとダンサーズに囲まれて、私たちはとっても幸せでした。 20日間どうもありがとうございました。簡単ではありますが…。 『Shine on』最高ーーーッ!(場内拍手)。」 状況が今ひとつ呑み込めない困惑の空気が拭えないままの「三本締め」。さらに「アンコールウォーク」では、フィナーレ曲が途中で終わってしまい“尻切れトンボ”となる失態。演者が必死の思いで積み上げ、迎えた最高の瞬間を、最後の最後で演出サイドがぶち壊すというあり得ないラストに、これまでにない割り切れない思いを抱えながらの終演となった。 ********************
最後に「楽日あいさつ」についての私見を述べておきたい。
拙ブログ初期の記事を掘り起こすと記録されているように、8年ほど前までの「浅草」楽日のあいさつは、今回と同じように大トリの舞姫が代表して行なう形式を取っていた。そんな中、灘ジュンさんが大トリの公演で、自らのあいさつの後、大先輩のお二人にマイクを回したのを皮切りに(2011(平成23)年「1月中〜結【浅草】楽日レビュー」参照)、出演舞姫全員から一言ずつあいさつをもらう形式が生まれた。これが次第に他の公演でも広がっていったのが、これまでの“全員から一言ずつ”という「楽日あいさつ」成立の流れであると筆者は理解している(2011(平成23)年「5月頭【浅草】楽日レビュー」など参照)。
それから7年以上続いた「楽日あいさつ」は、様々な名場面を生み出してきた。「涙にむせんで言葉にならない初乗りの新人舞姫」「一人が涙を見せたことで、次々と続くもらい泣き」「言葉少なながら、深い感謝を伝える一言」「突然の引退・休業宣言に水を打ったように静まる場内」…等々。
舞姫一人一人が考え抜いてきたあいさつもある。あるいは考えていたことがすべて飛んで、その瞬間の感情のみで表現した言葉もあった。その一言一言から、実に多くの感動や思いの丈を頂いてきた。「楽日あいさつ」の時間は、長い公演を終えた舞姫から、その舞台に臨んできた心の内を聞ける時間であるとともに、観客にとっても過ぎし公演に思いをはせ、演者にねぎらいの気持ちを贈る大切な時間となっていた。その大切な時間をなぜ奪うのか、奪われなければならないのか、筆者は全く理解出来ない。
昨今の「浅草」で進められている施策は、その多くが演者と観客の“距離”を引き離そうとするものばかりである。そしてついに肉声が伝えられるわずかな時間すら消し去ろうとしていることに、観客増加と反比例する形で、観客の一人一人の思いが軽く扱われるようになったとの感を強め、とても悲しく思う。新演出陣には「一人一人による楽日あいさつ」の復活を強く望むものである。
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(敬称略・観劇日:2019(平成31)年2月20日(水)) |
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2月公演「Shine on」は、やや変則的な公演となる。例年であれば1か月にわたる新春公演の後は、20日間公演に戻り、同一タイトルによる「1st」「2nd」公演となるのが通例である。しかし今年は「Shine on」の後は「Dream on」と公演タイトルが変更されることが既に告知されている。ただしタイトルの共通性に加え、公演ポスターやフライヤーなどは同一デザインとなっていて、この2つの公演が事実上の「1st」「2nd」公演となることを暗示している。
この理由は、「Dream on」が「あやみ旬果引退特別公演」と銘打たれていることに求められる。劇場サイドとしては「特興」扱いとする以上、「2nd」とするわけにはいかないという判断が働いたのであろう。そんな思惑も透けて見える「Shine on」、初日5回目を観劇。なお本公演は、再演景や再構成景が多くを占める。筆者が推測する原公演と拙ブログ記事も合わせて記載しているので、その違いなどにも注目してお楽しみいただければ幸いである。
【1景=清本玲奈】 (原公演:2013(平成25)年6-7月公演「celebration」フィナーレ) [【浅草】「celebration 1st」初日レビュー/【浅草】「celebration 2nd」初日レビュー] 赤羽根を立てた円筒形帽子に赤ライン入りの白の鼓笛隊風衣装の7人が、
指揮用バトンを手にしたドラムメジャー役の清本をセンターに登場。 清本の指揮の下、6人はメタリックポンポンを手にしての規律正しい群舞からスタート。 途中からシルバーライン入りの黒の衣装にドラムを下げたせいのが加わり、 本舞台から花道、前盆まで進み出て、右手を突き上げ、両手を広げての応援風ダンスを繰り広げていく。 本舞台へと戻り、中央でフォーメーションを作って音楽終わりを決め、 清本は中央奥で、シルバーショーツに金文字で「693」の文字が入ったフリンジフラッグを手にした姿に替え、 移動盆で進み出る。 移動盆上での立ち姿で、フラッグを身体に巻きつけ、さらに後ろ手に大きく振り広げながら進み、 フラッグを肩に掛けて前盆へと歩み出ると、右手を突き上げて音楽を渡る。 ベッド前半、立ち姿でセクシータッチに舞い始め、フラッグを置くと腰を下ろし、
「片ひざつき片足横伸ばし」での両手の振りから「スワン」のポーズを切り、 さらに「片ひざつき片足横伸ばし」を経て「シャチホコ」や「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを決め、 腰をついての両足浮かせ揺らめかせの動きから、「片ひざつき片ひざ立て」での座り姿で音楽を渡る。 音楽が変わってのベッド後半では、両ひざ立ちでアクティブに動き始め、腰をついた後、 「片ひざつき片ひざ立て」の姿勢から「横開き」や「スーパーL」のポーズを切って立ち上がる。 フラッグを後ろ手に掲げてから身体に巻きつけて一礼し、花道まで歩き戻ると、 フラッグを大きく振りかざしてから移動盆に乗り、 さらに大きくフラッグを振るアクティブな動きを見せてから、片手を差し上げての立ち姿で暗転。 【2景=花咲ぼたん】 日本髪の和鬘を着け、白梅が咲く青の振袖に赤しごきと錦の帯を締め、赤の素通し和傘を手に登場。 女性シンガーソングライターによるフォークソングの名曲に乗ってしっとりと舞いつつ、 和傘を置き、さらに閉じて抱きながら、そして再び開いての日舞を 本舞台上手、中央、下手へと動きつつ舞っていく。 傘を本舞台中央に置くと、振袖をすくっての一舞から、たおやかな舞姿を披露していく。 音楽を渡ると、閉じた傘を下手袖へと渡した後、帯を解き、ついで本舞台中央奥まで出て足袋を脱ぎ、 赤しごきを飛ばすと、伊達締めを抜いて振袖を広げながら下手袖へと歩み、振袖を脱ぐと、 白の振袖長襦袢風ベッド着に替えて前盆へと歩み入る。 ベッドでは、ベッド着を両肩脱ぎにして両ひざつきに姿勢を下げると、
腰をついて「L」のポーズを切って見せる。 両手で身体を抱くようにして音楽を渡り、音楽が変わると「横開き」のポーズを決めてから、 胸前に両手を当てつつ斜め上方を見詰めながら、ゆっくり左手を振り上げていき、 さらに「横開き」のポーズを二段階で切っていく。 ついで「L」や「横開き」のポーズを決めて立ち上がり、 ひざ曲げでの一礼から、ベッド着を後ろ手に広げてゆったりとしたターンを舞いつつ花道から本舞台へと戻り、 ベッド着を下ろしながら閉まる銀幕の陰へ。 【3景=ALLIY】 (原公演:2016(平成28)年11-12月公演「SWING TIME」3景「coffee」=沢村れいか/安田志穂) [【浅草】「SWING TIME 1st」初日レビュー/【浅草】「SWING TIME 2nd」初日レビュー] 黒ハットに黒のモンロートップパンツ姿の3人(ALLIY・せいの・橋下)が銀幕前に白いすを引き出して並ぶと、
プロジェクターから白いすの背もたれを電球に見立てた映像が投映されるところからスタート。 いすに座り、あるいはいす周りでの立ちでクール&セクシーな雰囲気を作りつつ、 キレのあるトリオダンスを披露していく。 音楽が変わると銀幕が開き、本舞台中央奥にて黒ハットに黒ジャケット、黒網タイツ姿に替えたALLIYが セクシータッチに展開しながら本舞台から花道へと進み、 花道先端でいったんひざつきに姿勢を下げてから前盆へと歩み入る。 ベッド前半、立ち姿でハットを手にしての展開から音楽を渡り、
ハットを手に髪を解いて両ひざつきに姿勢を下げると、 「片ひざつき片ひざ立て」や両ひざ立ちの姿勢を経て腰をつき、 赤ショーツを外しての片ひざ立ての座り姿から、両ひざ立ちの姿勢でジャケットを脱いでいく。 ついで腰をついての片足振り上げから「L」のポーズを切り、 片ひざ曲げでの座り姿から両ひざ立ちを経て、後ろ足を抱えた形で音楽を渡る。 音楽が変わってのベッド後半では、座り姿でジャケットを抱えてから花道へと置くと、 「スーパーL」や「シャチホコ」のポーズを決めて立ち上がる。 ハットをかぶり直し、ジャケットを肩に担いで花道まで引き上げ、 さらにジャケットを振り回しながら下手袖へと投げると、 再び花道まで戻ってハットを手にアクティブなダンスを披露し、ラストは本舞台中央での立ち姿で暗転。 【4景=矢沢ようこ】 (原公演:2013(平成25)年6-7月公演「PEACE LOVE ROCK」1景=あすかみみ/長谷川凛) [【浅草】「PEACE LOVE ROCK 1st」初日レビュー/【浅草】「PEACE LOVE ROCK 2nd」初日レビュー] アムステルダムやハンブルクの“飾り窓”風の5連のボックスが本舞台に並ぶセットが現れると、
黒アンダー上下に、ピンクの羽根が縁取る黒シースルーロングトップスを羽織った矢沢をセンターに、 黒アンダーのみの2人、さらにやや置いて2人が加わり、 照明やプロジェクターによる妖しげな光に照らし出されつつ、 誘うように身体をくねらせながらボックスの中で舞い、位置を入れ替えながら演じていく。 途中でプロジェクターによる人形(ひとがた)が投映されるギミックなどを交えての群舞から音楽を渡ると、 センターボックスから抜け出た矢沢が、紙幣を手に下手側からボックスの前へと歩み出し、 オペラ幕が閉まる前にてガータベルトに紙幣を挟み、さらに花道かぶり席の観客に手渡しながら 花道にて立ち姿やひざつきにて展開した後、ロングトップスを花道に残して前盆へと歩み入る。 ベッド前半、立ち姿でくねるように身体を動かしつつ、徐々に姿勢を下げて腰をつくと、
「片ひざつき上体反らし」の姿勢でブラを外し、ついで両ひざ立ちや腰をついての片足交互振り上げや 「片ひざつき片手差し上げ」の形などに動いていき、「チューリップ」の形で音楽を渡る。 ベッド後半では、身体を横に流した姿勢から、両ひざ立ちでの手の振りで進め、 紙幣を手に「片ひざつき片足振り上げ」のポーズを切って見せた後、 座り姿でセクシータッチに動くと、片ひざつきや腰をついての座り姿を経て立ち上がる。 前盆にての後ろ立ち姿で紙幣をまき散らし、黒トップスを手にして移動盆へと歩き乗ると、 「片ひざつき片ひざ立て上体反らし片手差し上げ」のポーズを決め、ついで立ち姿で舞ってみせた後、 ラストはトップスを羽織ると、大きな手の振りを見せつつ銀幕の陰へと姿を消していく。 【中休憩】 中休憩映像では、次公演がデビュー&引退公演となるあやみ旬果さんのメッセージビデオを続映。ついでその「Dream on」の出演者予告へと続く。 ■桜庭うれあ/2018年11月公演「秘すれば花 第2期」5景「神鳴」
■前田のの/2018年11-12月公演「TEARS」1景「サウンド・オブ・ミュージック」 ■武藤つぐみ/2018年9-10月公演「Once Upon a Dream 1st・2nd」4景「星の銀貨」「青髭」 ■香山 蘭/2018年12月公演「LAST SCENE」8景「Chaplin speech」 ■小室りりか/2018年11-12月公演「TEARS」2景「冥途の飛脚」 ■赤西 涼/2018年12月公演「LAST SCENE」5景「もののけ姫」 ■あやみ旬果/宣材写真+プロフィール ついで新趣向として、今公演「Shine on」のメンバーによる「Shine on 2019SS GIRLS POWER」と題した、ファッションショー風の出演者紹介映像が上映される。マルチ分割画面で、今公演のメイン景衣装で下手袖から登場し、前盆までランウェーを歩く映像に、過去公演のステージ映像や舞台袖などでのオフショットがインサートされる。
最後にフィナーレでのメンバー紹介時にコールされる、各メンバーの愛称を紹介。この愛称は、観客参加型でのコールが要請されているので、ここでしっかり確認しておきたい。
「きよぽん・ぼたん・ALLIY・YAZAWA・まこちゃん・りーちゃん・いろはす」
【5景=橋下まこ】 (原公演:2014(平成26)年10月公演「Trick or Treat」5景=伊藤真理子/香山蘭 2017(平成29)年2-3月公演「FEMME FATALE」1景「FUJIKO」=白石美咲/香山蘭)
[【浅草】「FEMME FATALE 1st」レビュー/【浅草】「FEMME FATALE 2nd」レビュー] 実に3回目となる再演景は、暗転の中、ダンサーズの2人が扮する警備員がマグライトを手に
場内を薄明かりで照らし出しながら、本舞台から花道を巡回するところからスタート。 突然の警報音と赤色灯に浮かぶ、本舞台中央奥に据えられた今回のお宝は、 アンディ・ウォホール風デザインに加工された肖像画4枚(右下の画名札によれば「Chieko Saitou」)。 そこにメタリックレッドのキャットスーツに赤ブーツ姿の橋下が下手袖から登場。 それを追う警備員ダンサーズ4人、さらに黒ハット、白シャツ、黒ショートパンツに赤コートの清本も加わり、 追いつ追われつの群舞を本舞台にて展開していく。 途中で照明を落として暗転した中で、マグライトの光のみで橋下を照らし出すパートも完全再現され、 音楽終わりで清本に手をつかまれて御用となった橋下が、下手袖へと連行されていく。 銀幕が閉じると、赤ショーツにシースルーロングベッド着を羽織った姿に替えた橋下が 下手袖から歩み出し、前盆へと進む。 ベッド前半、立ち姿からゆっくりとひざつきに姿勢を下げ、腰を下ろすと音楽を渡り、
腰をついて片足を交互に振り上げての動きから、身体を横に流しての座り姿でゆっくりと進め、 ベッド着の上半身を下ろすと、あお向けに倒れてからの両足揃えかきまぜの動きを経て、 身体を返してうつ伏せへと動き、 上体を起こすとゆっくりと「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを切って見せる。 腰をついて両ひざを抱え、「片ひざ立て片足伸ばし」で音楽を渡ってのベッド後半では、 「L」のポーズを決め、片ひざ立てでの座り姿や両ひざ立ち、四つん這いでのあおり上げなどで動いてから、 片ひざを軽く曲げての「3点支持」から「シャチホコ」「横開き」のポーズを切って立ち上がる。 一礼の後、ベッド着を振り回しながら花道を歩み戻り、本舞台にて銀幕前での立ち姿での展開から、 ラストは手を振り、“指ピストル”で締めくくる。 【6景=有沢りさ】 (原公演:2016(平成28)年11-12月公演「SWING TIME」6景「Candy BonBon」=須王愛/雨宮衣織) [【浅草】「SWING TIME 1st」初日レビュー/【浅草】「SWING TIME 2nd」初日レビュー] 原公演ではソロ景だったものをツイン景に再構成。ネコとタチによる倒錯的官能の世界を描く。
カーテンに見立てて中間で絞った紗幕を上手、下手に垂らした間に、 白綿が敷き詰められ、大きな個別包装入りキャンディが置かれたセットが作られ、 その中に赤の透明セロファン風衣装に身体を包んだ有沢と、 ピンクリボンがついた白セロファン風衣装の花咲が座って、 有沢がリードして上になってまたがり、後ろから責めるなど、組んずほぐれつの絡みを見せていく。 音楽が変わると、花咲が運んできた銀ヒールを有沢が着け、包装紙を取った代わりに赤マラボーを肩に掛けて 閉まる銀幕の前へと歩み出て、前盆へと進む。 ベッド前半、立ち姿でマラボーを垂らしながら、身体をくねらせるように動きつつ姿勢を下げ、
腰を下ろすと片ひざを立てた座り姿で身悶えるように動いていく。 片足振り上げから身体を返し、ゆっくりと「L」のポーズを切り上げて見せる。 音楽を渡ってのベッド後半では、身体を横に流した姿勢から、両ひざ立ちでセクシータッチに動いてから 「L」や「スーパーL」「横開き」のポーズを連続で決めていく。 さらに両ひざ立ちからマラボーを差し上げての「片ひざつき片ひざ立て片手差し上げ」のポーズを切り、 「スワン」のポーズを決めて立ち上がる。 一礼の後、後ろ手にマラボーを巻きつけながら、花道にてひざつきで展開し、 セクシーに動きながら本舞台へと歩み戻り、マラボーを後ろ手に広げての立ち姿でのエンディング。 【7景=せいの彩葉】 (原公演:2016(平成28)年7-8月公演「Peace Love Rock」7景「コロバ・ミルク・バー」=南まゆ 「コロヴァ・ミルクバー」=徳永しおり) [【浅草】「Peace Love Rock 1st」レビュー/【浅草】「Peace Love Rock 2nd」初日レビュー] ホワイトアフロウィッグに白の全身スーツのダンサーズ4人が本舞台に構え、
本舞台中央奥のいすに、黒ハットに白シャツ、白の吊りパンツ姿のせいのが座り、 その前に、パープル(矢沢)とオレンジ(ALLIY)アフロウィッグに白の全身スーツの2人が あお向けでの“人間椅子”を作った上に足を伸ばして、ミルクグラスをあおるシーンからスタート。 飲み干したミルクグラスをせいのが下手袖目掛けて高々と投げ捨てると、ステッキを手に立ち上がり、 パープルとオレンジと組んで、ホワイトの4人との抗争を繰り広げていく。 抗争は本舞台や花道に留まらず、せいのは前盆まで往復しながらダイナミックに展開し、 せいのがいすに座って“人間椅子”に足を乗せ、 ミルクグラスをあおる冒頭シーンと同じ形に戻して音楽を渡る。 音楽が変わると、6人が本舞台から花道で大きく展開する間に、 せいのは本舞台中央奥にて、シルバー飾りが着いた吊りバンドに黒レザーニーハイレッグカバー姿に替え、 移動盆に置かれたいすに座ってステッキを手にしつつ動き、さらに立ち上がっての舞姿を見せた後、 移動盆での立ち姿を作り、静かに下りて前盆へと歩み入る。 ベッド前半、立ち姿から片ひざつきに姿勢を下げ、さらに両ひざ立ちから腰をつき、
片ひざ立てから身体を横に流しての片手振り上げへと動き、あお向けに倒れると、 両手を腹部に組み置いて、差し上げる動きを見せる。 さらにあお向けでの手の振り上げから上体を起こすと、腰をついての片足交互振り上げを経て、 「片ひざ曲げ片足後ろ伸ばし」から片ひざ立てでの座り姿で音楽を渡る。 音楽が変わってのベッド後半では、「片ひざつき片ひざ立て」から「片手差し上げのスーパーL」 「横開き」「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを連続で切って見せる。 そして「片ひざつき片ひざ立て」で右手を突き上げ、 腰をついての「L」と「シャチホコ」のポーズを決めて立ち上がる。 右手を突き上げて移動盆に歩み乗ると、いすの背もたれに腹部を当てての「シャチホコ」のポーズを決め、 ついで座面に立っての片手突き上げから、いすに座り、上体を後傾させての「L」、 片ひざつきでの「スーパーL」や「横開き」のポーズを披露。 ステッキを手にしての後ろ立ち姿から、ステッキを振り回しながら銀幕の陰へ。 【フィナーレ】 (原公演:2016(平成28)年7-8月公演「Peace Love Rock」5景「Hand Jive Rock」=せいの彩葉 「Hand Jive」=清本玲奈) [【浅草】「Peace Love Rock 1st」レビュー/【浅草】「Peace Love Rock 2nd」初日レビュー] 爽やかなパステルカラーのドットやストライプ柄のヘアバンドとミニドレス姿のメンバーが
楽しく舞いながら、リズムに乗せた手振り=ハンドジャイブで展開していくフィナーレ。 メンバー紹介のMCは「浅草」初乗りの橋下が担当し、 橋下のコール後、全員で追い掛ける愛称コールは“観客参加”が期待されている。 さらにハンドジャイブは、まずスローな振りでの練習タイムが入るが、 今回は振りをわかりやすくキーワードにして教えてくれる。 「頭、もも、頭、もも。右、左、右、左。パタ、パタ、パタ、パタ。巻き、巻き、巻き、巻き。フゥー!」 ぜひ一緒に踊ってフィナーレを盛り上げたい。 前盆から花道まで展開しての振りを見せた後、本舞台へと引いて、中央でフォーメーションを作ると、 音楽終わりでオペラ幕が下りてのエンディング。 (敬称略・観劇日:2019(平成31)年2月1日(金)) |
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年の初めの新春公演は華やかであるとともに、実は過酷な公演でもある。通常公演より長い1か月公演、しかも寒さ厳しき季節である。毎年、各種感染症や疲労蓄積が原因の体調不良による休演者が出たり、大雪の予報で公演短縮や休演になったりすることが常で、31日間155回の公演を“全員が無傷”で完遂するのは至難の業である。
それを今年はやってのけそうである。雨や雪の日がほとんどないカラカラ天気を味方に、それが故のインフルエンザ大流行を敵に回しつつ、楽前の30日まで休演及び休演者なしの“準完全試合”を達成した。
そして迎えた31日(木)楽日、夜遅くからは雪が交じるかもしれないとの予報ながら、7人が一人も欠けることなく舞い続けた新春公演「艶 en」の集大成をプンラスで観劇。
<楽日じゃんけん大会> ちょっと遅めの“お年玉”をかけての「平成最後の新春公演じゃんけん大会」は、すっかりおなじみとなった若い方のM氏が登板。「最初はグー」を省略する“サクサク進行”で、いざ勝負。 ■無料招待券×2名
「チ」→「グ」→「グ」→★2名決定 ■公演ポスター(サイン入り)×1名
「グ」→「パ」→「チ」→2名直接対決→★1名決定 ■1景・鈴木さんから「キューピーコーワゴールドα+(サイン入り)」×1名
「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→3名直接対決→★1名決定 ■2景・空さんから「フィナーレの帯に巻くビローンとしてるやつ」×1名
「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定 ■3景・中条さんから「命の次に大事な桶(サイン入り)」×1名
「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定 ■4景・沙羅さんから「フィナーレ用の鳥追い笠」×1名
「グ」→「チ」→「グ」→3名直接対決→★1名決定 ■5景・木葉さんから「凧とUFOキャッチャーで獲得したクマのぬいぐるみ」×1名
「チ」→「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定 ■6景・雪芽さんから「ハンドクリーム(サイン入り)」×1名
「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→3名直接対決→★1名決定 ■7景・南さんから「写真セットと髪を結ぶやつ」×1名
「グ」→「グ」→「チ」→★1名決定 <各景ひとことレビュー> 【1景=鈴木千里/初踊り】 クールで鋭い動きを見せたかと思えば、得も言われぬしなやかな動きで引きつける 変幻自在のステージングは、年の初めの舞台開きにふさわしい、見応え十分のトップバッター。 ベッドから戻りの構成も、実にスタイリッシュで印象鮮やかなステージングを楽しませていただいた。 【2景=空まこと/瞽女】 ソロダンスパートは、空の十八番のヒップホップ系ダンスを実に気持ち良さそうに舞って見せてくれた。 その中に組み込まれた蓄光紙を使った光のギミックは、まるで網膜に映った残像のようで、 景テーマの「瞽女」に通じる“視覚”をイメージさせるように思える。 そこから目をつぶり、手を伸ばして足の感覚だけで本舞台から花道、そして前盆へと進む役作りは、 筆者には、手に手を取り合って芸に生きた「瞽女」の姿に重なるものであった。 目を閉じての演技ゆえ、前盆からの転落事故も伝えられるなど、危険と隣り合わせの中で、 無事の完走を遂げたことを喜びたいと思う。 【3景=中条彩乃/湯女】 シリアスなテーマが多い今公演において唯一のコミカル景を、弾けんばかりの笑顔と、 若手3人によるアドリブを含めた遊び心たっぷりのパフォーマンスで大いに盛り上げ、楽しませていただいた。 ベッドでも、自ら手拍子をあおって場内の一体感を作り上げるなど、 ライブのステージを楽しむ様子は、拝見していても楽しく、実に見事なものであった。 【4景=沙羅/吉原炎上】 吉原を舞台にした女同士の美しくも厳しい闘いを、ラテンダンスで鮮やかに舞い、 負かし負かされた後の物語性に富んだ行きの移動盆、そしてコントラストをもって展開していくベッド、 ドラマティックな戻りの移動盆と、ひと味違った“沙羅ワールド”を息を呑む思いで拝見させていただいた。 全体として“若い香盤”の中で、要所要所を引き締めるベテランの役割を 今回もきっちりと果たしてみせていただいたことに感謝申し上げたい。 【5景=木葉ちひろ/八百屋お七】 舞いぶりのみならず、表情や身体表現なども含めて上げ続け、 デビュー3週目での「浅草」初乗りとは思えない堂々たる演技は大健闘、目を見張る思いである。 フィナーレでのメンバー紹介のMCも、自信なさげで声が小さかった初日には想像も出来なかった聞きやすさ、 かつ楽しさがあふれ出すような声へと変化、これからの活躍がとても楽しみな1か月のステージであった。 一方、本景の演出については疑問が残ったので付記しておきたい。
それは「前盆ジャッキアップ」の使い方である。 本景ベッドでの同演出が「お七の梯子登り」を表現しようとしたことは分かる。 持てる装置を駆使して表現を突き詰めようとしたことも、それ自体が問題というわけではない。 しかし「前盆ジャッキアップ」は、これまでの「浅草」の歴史の中で意味づけられてきた ある種の“記号”でもあることを軽んじて欲しくないと筆者は考える。 特に今回は、わずか一つ前の公演で、 その“記号”が、その意味を持って用いられた直後というところに大きな違和感を覚えた。 「前盆ジャッキアップ」は、タイミングと、それの持つ“記号性”を熟考した上での活用を願いたい。 【6景=雪芽さゆり/くノ一の恋】 和鬘の似合う顔立ちに、たおやかに舞う日舞と、 大変失礼ながら、ここまで見事にはまるとは想像をしていなかったというのが正直な感想である。 ベッドも、実に大胆な構成で印象に残るものであり、色を含んだ表情や流し目、手や身体の動きと、 公演タイトル「艶」を象徴するような色合いを作り出してみせてくれたことに心からの拍手を贈りたい。 【7景=南 まゆ/傀儡】 「浅草」の正月と盆の“顔”として定着した南が、 今公演では「花魁と禿」という“定番キャラ”に近未来風の演出と振りを施すという 異色の演出への挑戦を、落ち着いた演じぶりで務めてみせてくれた。 ベッドも、和鬘に髪飾り、打掛という“制約条件”の中で、 1か月をかけて練り上げられていったように拝見させていただいた。 ベッドでのポーズや“ポーズのような形”について、筆者個人としては思うところがないわけではないが、 絶対的な正解がない舞台の世界において、演者がたどった一つの“道”として受け止めたいと思う。 <楽日あいさつ> 最終回フィナーレの幕が下りると、拍手はそのまま督促手拍子に。再びオペラ幕が上がると、南がマイクを持ってMCを務めての「楽日あいさつ」。 【南 まゆ】
「本日は浅草ロック座新春公演『艶 en』千秋楽にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。 本日、千秋楽を迎えることができました。それでは一言ずつ、1景の千里お姐さんから頂きたいと思います。」 【鈴木千里】
「はい、31日間ありがとうございました。次は2月11日から横浜ロック座で踊りますので、お越し下さいませ。 ありがとうございます。」 【空まこと】
「空まことです。デビュー15年目にして浅草で初ヒップホップを演らせていただいて感無量です。 どうもありがとうございました。」 【中条彩乃】
「あけましておめでとうございます。3景の『とにかく明るいアヤノ100%』を演っていました中条彩乃です。 31日間ありがとうございました。これからもみなさんに笑いを提供できる踊り子になるつもりですので、 2月中『川崎』でお待ちしております。よろしくお願いします。ありがとうございました。」 【沙羅】
「沙羅です。ありがとうございました。3月の中『川崎』ですので、よろしくお願いします。」 【木葉ちひろ】
「5景を担当しました木葉ちひろです。ありがとうございました。 初めての浅草で右も左もわからない状態だったのですが、終わりました。 次は3月結に『川崎』です。頑張ります。」 【雪芽さゆり】
「6景の『くノ一の恋』を担当しました雪芽さゆりです。 たまに感想で『花魁よかったです』と言われるんですけど、実はくノ一でした。 次は2結『栗橋』でお待ちしております。ありがとうございました。」 【南 まゆ】
「南まゆです。新春公演、元旦から本日千秋楽まで31日間、みなさまたくさんのご来場をいただき、 本当にありがとうございました。 とにかく155ステージを、誰一人欠けることなく、みんなで一緒にこの日を迎えられたことが とてもうれしく思います(場内拍手)。 新春公演は、年の初めでとても大切な公演ですし、不安もなかったわけではないんですが、 8回の大入りを頂くことができ、たくさんのご来場で盛り上がる1か月だったんじゃないかなと思います。 明日からはまた新しい公演が始まりますので、 今年も浅草ロック座にみなさま、たくさんたくさん来てください(場内拍手)。」 そして「大入り」のたびに最終回フィナーレ後のカーテンコールで行なってきた「三本締め」も、今日の千秋楽記念の9回目で“締め納め”。ところがその後に、ちょっとおとぼけの告知タイム(笑)。 【南 まゆ】
「私は2月の中『東洋ショー』、3月の頭『川崎ロック座』で3周年を迎えますので、よろしくお願いします。」 場内の笑いを誘ってから、アンコールウォークにスタート。31日間155ステージ、誰一人として欠けることがなかった「完全試合」を達成し、本舞台に戻った一同は「三方礼」で締めくくる。平成最後の新春公演を幕の向こうに送って外へ出ると、まるで楽日を惜しむかのように冷たい雨に混じって、白い雪が舞い落ちていた。
(敬称略・観劇日:2019(平成31)年1月31日(木)) |





