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今公演のタイトル「百物語」とは、日本で古くから行なわれてきた怪談会の手法である。「フィナーレ」の演目紹介にもあるように、あらかじめ100本の行灯や蝋燭を点しておき、怪談を1話語り終えるごとに1本ずつ消していく。100話を語り終え、最後の1本の火が消えた闇の中に物の怪が現れるとされているが、本当に物の怪が現れては困るので、99話を語り終えたところで朝を待つのが通例とも言われている。涼を呼ぶのに手頃で、肝試しや度胸試しともなる怪談は、暑い夏の風物詩となってきた。
そして「浅草」でも、古今東西の怪談をモチーフにした演目は、これまでもいくつか演じられてきた。近いところでは、グリム童話をモチーフにした「Once Upon a Dream」や、今年の「TO -Time is Over-」の多くの景も、怪談や不思議話の一種とも言えるものであった。しかし今公演は、それら以上に全編に渡って“怪談”の要素を強く押し出すものになっている。どんな怪談を「浅草」流の演出でどう味付けして表現してみせてくれるのか、初日の1回目から3回目途中まで観劇。
【1景=中条彩乃/座敷童子】 オペラ幕が開くと、ショートパンツの上に、 赤の花が咲く白シルキーのルーズトップスを重ねた姿の中条がセンター奥に正座し、 その回りに、同じく赤トップス姿の舞姫4人と、青トップス姿のダンサーズ4人が横に並んだ形で現れて、 効果音に合わせて不気味に首のみを動かしつつのスタート。 音楽が始まると立ち上がり、整然と列を作りながらのフォーメーションダンスから、 子どもたちが「花いちもんめ」や「かごめかごめ」「ケンケンパ」などの遊びに興じるような動きを交えつつも、 表情を殺したままでの無機的な群舞を展開していく。 再び正座での冒頭の座り位置に戻って音楽終わりを迎えると、 中条が本舞台中央奥で白花や丸玉の髪飾りを着け、
細かい花柄模様の橙色の袖無し上着を着た姿に替え、8人が列をなして下手袖に引くと、 銀幕が閉まる前にて、本舞台上手にて展開した後、ゆっくりと花道から前盆へと歩み入る。 ベッド前半、立ち姿から両手を胸前にて合わせる振りから、髪飾りを外して手に乗せて差し上げ、
ついで前を開いたベッド着の襟に留めてからベッド着を下ろし、両ひざを曲げ抱えた座り姿で音楽を渡る。 音楽が変わってのベッド後半では、「片ひざ曲げ片足横伸ばし」からの両足旋回を経て 「スーパーL」や「横開き」のポーズを切って見せる。 さらに「片ひざつき片ひざ立て」の座り姿から四つん這いでのあおり上げの後、 「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを決め、腰をついての両足振り上げからM字での座り姿へと動き、 「3点支持」や「シャチホコ」のポーズを切って立ち上がる ベッド着を肩に本舞台へと歩き戻り、振り向いて片手を差し上げた立ち姿で締めくくる。 【2景=西園寺瞳/夢十夜】 半開になった銀幕の前に、レモンイエローのカチューシャを着け、同色のワンピースドレスを着た西園寺が いすに腰掛け、顔をピンスポットに照らし出されながら、遠くを眺めるような仕草を見せていく。 その西園寺の後ろを、金魚売りの声に乗せて手桶を持ったゆきなと、 豆腐屋の音で「六九三豆腐店」のケースを手にした鈴香が左から右、右から左へと通り過ぎていく。 西園寺が立ち上がって舞い始め、ついで銀幕が開くと、バックの2人も西園寺と同じ衣装に替えて再登場し、 ゆったりとしたトリオダンスを本舞台にて舞っていく。 音楽終わりをいす周りで決めると、 本舞台中央奥にて西園寺が、白布髪飾りを垂らし淡いベージュのキャミソール姿に替え、 2人が下手袖に引いてから進み出て、いったんいすに腰掛けた後、花道を歩いて前盆へと進む。 ベッド前半、立ち姿から腰を下ろし、片足を浮かせ上げた姿で音楽を渡る。
音楽が変わると、本舞台中央の銀幕前に置かれたピンクの大きな花一輪を背景に、 座り姿からあお向けに倒れ、腰上げから横向きを経て四つん這いでのあおり上げ、 「片ひざ曲げ片足後ろ伸ばし」での座り姿などで動いていく。 そして両ひざ立ちでの片手差し上げから 「スーパーL」や「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを切って立ち上がり、 ターンを重ねて花道を戻ると、本舞台中央にて花を手にした後、振り返ってから 音楽終わりからの鈴の音が響く中、銀幕を割ってその姿を消していく。 【3景=ゆきな/金縛り】 銀幕が開くと、前方に傾斜したベッドが置かれ、 その上にピンクの玉つきナイトキャップを着けたピンクのパジャマ姿のゆきなが寝ている。 そこに時折乱れるようなカラーバーの映像がプロジェクターから投映されると、 後ろからシルバースパンコールが覆う仮面を着け、 黒の全身網タイツに黒マントの不気味な姿をした真白が現れ、
上からゆきなを操るように動かし始めると、ベッドから引きずり下ろし、 追いつ追われつのツインダンスをベッドの周りや本舞台にて展開していく。 音楽終わり近く、ゆきなが再びベッドに乗ると、黒真白がその後ろに消えて、 ゆきなが、混乱の中で今起こったことを確かめるように首を振ると暗転。 音楽が変わって明けると、ネオンイエロー、ピンク、ブルーの 3色の羽根が彩る長袖トップスを羽織った姿に替えたゆきながベッド上に現れ、 ベッドから下りて進むと、花道でいったん立ち止まってから前盆へと歩み入り、音楽を渡る。 ベッド前半、腰をゆっくりと下ろしてベッド着の前を開くと、身体に巻き付いた黒のひも状トップスを見せつつ
片足交互振り上げや「片ひざ曲げ片足横伸ばし」での手の振りで進めていく。 あお向けに倒れて音楽を渡り、音楽を変えてのベッド後半では、 あお向けでの片足交互振り上げから上体を起こすと、 両ひざ立て、ついで「片ひざつき片足横伸ばし」などで動いてから 「スーパーL」や「横開き」のポーズを切って見せる。 両ひざ立ての姿勢から「片ひざつき片足横伸ばし」や 「片ひざつき片足横伸ばし両手差し上げ」などで動いて立ち上がり、 そのまま前盆でベッド着を脱いでの立ち姿で舞い、崩れ落ちるようにして横になったところで暗転。 【4景=沙羅/雪女】 雪山を模したオブジェを上手と下手に置いて、 本舞台上手にて白布髪飾りに白ロングドレス、白グローブを着けた沙羅を先頭に、 輝く飾りがついた淡青色のミニドレス姿のダンサーズ4人が縦列で並び、 フォーメーションを変えながらのクイックな振りを交えたダイナミックな群舞を、本舞台にて舞っていく。 途中で沙羅が移動盆に走り乗ると、移動盆が前進する中、 雪山の陰にセットされていた送風機から風が送られ、
黒髪やドレスをなびかせながらの強いアクセントをつけた振りで演じ進めていく。 沙羅を囲むような形を作って音楽を渡り、音楽が変わると、 本舞台中央奥にて白のモールが襟を飾る淡青色の振袖長襦袢風ベッド着に替え、 移動盆に乗っての静かな立ち姿から、身体をくの字にくねらせるような動きを見せつつ進み出る。 音楽終わりで花道に降り立ち、前盆へと歩み入ると、ベッド着の前を開いて淡紫色の腰布姿を見せつつ
ひざつきに姿勢を下げ、片ひざつきでの座り姿で片足を浮かせて揺り動かしてから 上体反らしでの片手差し上げを経て、ゆっくりと上体を起こすと音楽を渡る。 音楽が変わってのベッド後半では、「片ひざつき片ひざ立て」の姿勢に起き上がり、 「片ひざつき片足前伸ばしでの上体反らし」のポーズを決めて立ち上がる。 ゆっくりと片手を差し伸ばす振りの後、移動盆に乗ると、後ろ立ち姿でベッド着を下ろし、 振り向いて両手で顔前に掲げてからゆっくりと下ろしていく“沙羅ベーター”の動きを見せてから ベッド着を下に落とした後、両手を頭の横に当てての上体反らしから、片手を差し上げていく形を作る。 ついで向き直って片手を横に広げてから、両手を横から前へ差し出しつつ、銀幕の後ろへと姿を消していく。 【中休憩】 中休憩映像は、大型新人のデビューも控える「百物語 第二期」の出演者紹介から。 ■織田真子/プロフィール+宣材写真
■雅麗華/プロフィール+宣材写真 ■熊野あゆ/2019年4月公演「TO -Time is Over- 2nd」1景「ブラックジャック」 ■桜庭うれあ/2019年2-3月公演「Dream on」1景“鼓笛隊” ■前田のの/2019年2-3月公演「Dream on」2景“なごり雪”
■清水愛/2018年11-12月公演「TEARS」4景「ロミオとジュリエット」 ■沙羅/2019年5-6月公演「EARTH BEAT 2019 RISING 2nd」1景「天の岩戸開き 古代日本」 ■南まゆ/2019年5-6月公演「EARTH BEAT 2019 RISING 2nd」8景「ヴェネツィア・カーニバル イタリア」 続いてすっかり恒例となった各景担当“踊り子衆”のナレーションによる「演目紹介」。一部に、個性際立つ文章で笑わせてくれる景も。っていう。
【5景=雅麗華/妖狐】 白の曲線髪飾りを着け、白のフリンジつき振袖お引きずりに 白モール飾りがついた帯を締めた雅がセンターに立ち、 その後ろに白のキツネ耳をつけた白ウィッグに白着物、白スカート姿の4人が囲み、 左右からかざされた白大羽根扇子で雅の身を隠したところからスタート。 4匹の白ギツネに囲まれながらのゆったりとした群舞を本舞台にて披露。 音楽が変わると4匹が下手袖へと引き、 本舞台中央にて赤花が咲く、輝く襟がついた素通し振袖長襦袢に替えると、 大羽根扇子2本を鮮やかに扱いながら本舞台上手、中央、下手へと大きく舞ってから、 下手袖に大羽根扇子を置いて帯を解き、本舞台中央にて音楽を渡る。 音楽が変わると、セパレートトップとセパレートロングアンダーを見せつつ、前盆へと駆け入る。
ベッドでは銀扇子を開いて扱いつつの立ち姿での舞から、
腰を下ろしての片ひざ立てや両ひざ立ちで激しく動き、
「片ひざつき片足前伸ばしでの上体反らし」から立ち上がると、 再び扇子を開いての立ち舞であでやかに扇子を扱いつつ、一気に移動盆に駆け乗り、 扇子を回しながらの「レイバック」を決め、さらに大きく扇子を回しながら舞い進め、 振り向いて扇子を閉じて口にくわえると、立ち姿を決めて銀幕の向こうへと消えていく。 【6景=鈴香音色/濡れ女】 銀幕が開くと、ショッキングピンクのビキニトップにパレオを着けた鈴香と、 同じくビキニトップにパレオの西園寺と中条が、サーフボードを小脇に抱えた姿で登場。 本舞台奥にボードを立てると、パレオを取って振り回し、 自ら手拍子を打ちながらのトリオダンスを楽しく舞っていく。 音楽が変わると、鈴香が移動盆にサーフボードを置いて、腹ばいで進み出す。 やがて立ち上がると、下手袖から水鉄砲を持ち出した西園寺と中条が、鈴香目掛けて水を発射、 “水もしたたる女”に仕立てた後、今度は本舞台下手から客席に向けても、 霧状に噴出する“バズーカタイプ”などで水をまき散らしていくオマケも (このため本舞台下手前ツラに「水かかり注意」の断り書きが貼られている)。 2人が下手へと引くと、花道まで進んだ鈴香が、 花道かぶり席の観客と“エア水掛けごっこ”で楽しんだ後、花道先端での立ち姿で音楽終わりを迎える。 波音が響く中、照明が夕陽色に変わると前盆へと入り、立ち姿でビキニアンダーを外してから腰を下ろした後、
片ひざを軽く曲げ立てた座り姿から「片ひざつき片足振り上げ」のポーズを切って見せる。 ついで両ひざ立ちでビキニトップを外すと、ビキニを花道に放り投げ、 ゆっくり四つん這いに伏せてから身体を返すと、 身体を横に流した姿勢から「横開き」のポーズを決めて立ち上がる。
一礼の後、ゆっくりと振り向きつつ花道を歩き戻り、ラストは本舞台の銀幕前での立ち姿で締めくくる。 【7景=赤西 涼/かざぐるま】 ゆっくり照明が上がると、たくさんの赤の風車が立ち並ぶ中、 赤地に黒模様の着物に赤のしごきを締めた赤西が、白いおくるみを抱いて立つ光景が浮かび上がる。 子どもをあやすように動かす手を止め、布を離すと、風に吹かれて無数の紙吹雪が放たれて舞い散っていく。 その中で立ち尽くし、やがて振り向くと着物をはだけてお乳をあげるような仕草や、 周りに語りかけるような振りを見せる。 そして急に表情を凍らせると、風車の1本を踏み倒しながら自らも身体を傾け、 それをもう1本繰り返した後、本舞台前方へと進み出る。 そこで立ち止まると、胸を両手で押さえたり、子どもをかき抱くような振りを見せたりした後、 両手を差し出して何かを語り掛けると、いったん風車の中へと戻っていく。 音楽を渡り、しごきを解いて着物を脱ぎ、白長襦袢風ベッド着を両肩脱ぎにした姿に替えると、 しっとり舞いつつ本舞台中央から花道へと歩み出て、 子どもの手を引き、腰を落として語り掛けるような仕草を見せた後、前盆へと歩み入る。 ベッド前半、立ち姿からひざつきに姿勢を下げ、両手をあおぐように動かしてから
「片ひざつき片足横伸ばし」での両手の振りから、両ひざ立ちで両手を合わせ上げた後、 上体を反らし、あお向けに寝て音楽を渡る。 音楽が変わってのベッド後半では、両手を開いて両足を振り上げる形から、ゆっくり上体を起こすと、 両ひざ立ちに起き上がり、両手を開いてゆったりと動きつつ立ち上がる。 花道を歩み戻ってから移動盆に乗ると、置かれていた白のおくるみを抱き上げ、 慈しむように頬を寄せる仕草を見せると、両腕に抱いて振り向き、 ゆっくりと歩み去る後ろ姿が暗転の中へと消えていく。 【8景=真白希実/ゴースト】 本舞台奥に3枚の薄長布が上方から垂らされ、シルエットで真白とダンサーズ2人の女性の姿が浮かぶ。 そしてその前に、いすに座った黒シルクハットをかぶり、 シルキーなシャツにネクタイ、吊りパンツを履いてステッキを手にした沙羅とダンサーズ2人が座る。 布陰から、白布髪飾りを着け、輝く飾りがトップスを飾る淡青色ロングドレスに白薄布を両腕に掛けた真白と、 同様のピンク、ブルーのダンサーズ2人が歩み出ると、 男性役のシルクハットやステッキを動かして、自らの存在を知らせていく。 女性の存在に気づいた男性役が、“見えない存在”の女性とともにエレガントなペアダンスを舞っていく。 再び薄長布の後ろに入った女性3人のシルエットで伸びる手に、男性役が手を添えて音楽終わりを迎え、 音楽が変わると、男性役3人がいすを引きながら、女性との時間を振り返るように下手袖へと引き、 代わってシルバーベルト飾りがついた白モンロードレスに、 紺の薄長布を後ろ手に渡した姿に替えた真白が歩み出て、 移動盆に乗って両手を広げての立ち姿を見せつつ進んだ後、 途中で移動盆から下りると、前盆へと速歩で入る。
ベッド前半、長布を広げつつの立ち姿からひざつきに姿勢を下げて長布を置くと
「片ひざ曲げ片足横伸ばし」の座り姿で片手を差し上げて音楽を渡る。 音楽が変わると、両ひざ立ちでベッド着の前を開き、腰をついての両足振り上げまどで動くと、 腰をついて両足を開いた上体反らしから 「片ひざつき片手差し上げ」や「片ひざつき片足振り上げ」のポーズを切り、 ついで長布を手にして差し上げながらの「片ひざつき片ひざ立て上体反らし」のポーズを決めて見せる。 そして両手に渡した長布を大きく振って回した後、「片ひざ曲げ片足横伸ばし」の座り姿で音楽を渡り、 音楽が変わってのベッド後半では、上体を後傾させての両足広げ動かしや、 片足振り上げから身体を横に流した姿勢で動き、長布を後ろ手に渡した形で立ち上がり、一礼。 移動盆に乗ると、長布を広げて扱いつつ、振り向き、後ろ立ち姿や振り返っての立ち姿で長布を上げ、 身体をくの字に曲げて片手を差し上げた形を作った後、 長布を差し上げ、片手を前へと伸ばした立ち姿で銀幕の陰へと姿を消していく。 【フィナーレ/百物語】 銀幕が開くと、薄闇の中、白ロングドレスに紫布を肩から掛けた姿で、 ロウソクの形をした明かりをともした10人が浮かび上がる。 ゆっくりと動き出すと、一人ずつ前に歩み出てロウソク状の明かりを吹き消していき、 鍵状に並んだ9人の前を抜けて沙羅が上手から下手へと動いて明かりを吹き消すと、 下手袖から本舞台奥へと雅が歩き出し、10人に囲まれるような形を作ってから、 花道先端まで出て明かりを吹き消すと、場内も暗転。 音楽が変わって明けると、黒布髪飾りを着けて黒の着物風ロングドレスにフリンジつき長着を羽織った姿の 真白が加わり、頭からすっぽりと薄布ベールをかぶった11人とともに アクティブな振りを交えたダイナミックな群舞を舞い進めていく。 メンバー紹介のMCは赤西が務め、呼び込みでセンターに出るとともにベールを外して顔を見せていき、 12人でフォーメーションを組んでから横列に展開すると、大きく足を蹴り上げて振り向き、 上方を見上げた姿勢で音楽が突然切れるように終わって暗転で締めくくるという異例のエンディングを迎える。 (敬称略・観劇日:2019(令和1)年7月21日(日)) |
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2019年07月21日
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