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猛暑の夏に相応しく、ひんやりするような涼しげな物語で綴る公演「百物語」も、第一期の計百五話を無事に演じ終え、第二期へとバトンが渡った。特筆すべきは今年に入ってからは初となる“ロング出演”の出現で、第一期から引き続き4景・中トリを沙羅、5景・特別出演で雅麗華が続投する。大の月の7・8月にまたがるため、“ロング”としては最長不倒となる42日間・210回の出演へと駒を進めることになる。また今公演がデビューとなる新人さんや、前回「EARTH BEAT 2019 RISING」に続いて「2nd」での出演となる南まゆなど、多彩な顔ぶれが揃っての「第二期」初日をプンラスで観劇。
【1景=清水 愛/座敷童子】 「2代目座敷童子」の清水、冒頭、正座で青白いほの明かりに浮かぶ無表情の顔は、なかなかの怖さ。 その後の、無表情の中で時折見せる笑顔は、童子のかわいらしさと、わずかの不気味さを感じさせる。 「花いちもんめ」や「だるまさんが転んだ」「ケンケンパ」などの子ども遊びを交えた群舞から、 清水独特の切れ味のある動きを見せていく。 本舞台中央奥で、白花が咲く橙色の振袖長襦袢風ベッド着に桃色のしごきを締めた姿に替え、 紙風船を手に進み出て本舞台上手へと展開した後、中央から花道へと進むと立ち止まり、 下手向きで二度三度と紙風船を手のひらから飛ばして花道かぶり席の観客へと投げ渡した後、前盆へと進む。 ベッド前半、ひざつきに姿勢を下げて両手を組み上げ、下ろすと、
もう一度立ち上がってしごきを解き、花道先端に広げ置く。 両ひざつきに座り、さらに「片ひざつき片足横伸ばしでの上体反らし両手広げ」で大きく動いてから、 腰をついての両足浮かせの姿勢で音楽を渡る。 音楽が変わってのベッド後半では、腰をついての両ひざ曲げから 「片ひざつき片足片手差し上げ」や「シャチホコ」のポーズを切り、 片ひざつきや両ひざ立ち、さらに腰をついてのターンなどで動いた後、 「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを決めて立ち上がる。 前盆にて一礼の後、しごきを振り広げながら花道まで引き、 「レイバック」を決めてから本舞台へとターンを重ねて戻ると、 ラストは本舞台中央にてしごきとベッド着を振り広げ、片手を差し出しての立ち姿で締めくくる。 【2景=前田のの/夢十夜】 「豆腐屋」と「金魚売り」の扮装の2人をバックにしたオープニングから、 おそろいの黄色ワンピースドレスに替えた2人とともに、 しなやかで大きな振りを交えて、夢と現実の境を漂うようなトリオダンスを舞っていく。 バックの2人が下手袖に引くと、本舞台中央奥にて、黄色の花が咲く大きな髪飾りを着け オフショルダーの淡色ミニワンピース風ベッド着に替えた上、 いすに腰掛けてヒールを履いてから前盆へと歩み入る。 ベッドでは、腰を下ろして身体を横に流した姿勢で静かに進め、
音楽が変わると「片ひざつき片ひざ立て片手差し上げ」のポーズを切って見せる。 ついで片ひざつきから腰を下ろしての両手の振りを経て「スワン」、 さらに体勢を入れ替えて「シャチホコ」のポーズを決め、 腰をついての片足交互振り上げから身体を横に流した姿勢を経て、「L」「横開き」のポーズを切った後、 ヒールを脱いで手にしつつ花道を歩き戻り、銀幕前の本舞台中央にて音楽終わりを迎え、 鈴の音ともに「さよなら…」と手を振りながら銀幕を割って姿を消していく。 【3景=熊野あゆ/金縛り】 南扮する黒の異形の存在に操られるように金縛りの世界へと迷い込む女の子を 熊野が引き継いでのツインダンスを、トリッキーな動きを交えつつ舞っていく。 1曲目終わりで暗転し、音楽が変わって明けると、第一期から引き継がれた黒バンドアンダーの上に 白ショーツを着け、さらにこちらも引き継がれたネオンカラーの長袖ファートップを羽織った姿を現し、 前盆へと進む。 ベッド前半、立ち姿で始め、ひざつきに姿勢を下げてからショーツを下ろすと、
腰をついて切なげな雰囲気を醸し出しつつ進めていく。 両ひざ立ちで音楽を渡ってのベッド後半では、トップスを脱いでの片ひざ曲げ片足横流しの姿勢や 腰をついての片足交互蹴り上げなどで動いてから「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを切って見せる。 さらに「L」のポーズをからあお向けに倒れての片足交互振り上げや四つん這い、 両ひざ立ちなどの動きを経て、 「シャチホコ」や「横開き」「片ひざつき片ひざ立て上体反らし両手広げ」のポーズで立ち上がる。 そのまま前盆で、何かに取り囲まれているような振りのパントマイムを演じた後、 いったん花道先端まで引き、再び前盆に入ると音楽終わりでの立ち姿で暗転。 【4景=沙羅/雪女】 鋭く長い爪を立てた“雪と氷の女王”といった貫禄の雪女は、 第二期もダイナミックにして繊細な振りで組み立てられた群舞を舞い進めていく。 さらに静かなれど目が離せないベッドから、雪女の秘められた熱量を感じる戻りの移動盆と、 ロングでその演じぶりを深める旅路を行く。 【中休憩】 中休憩映像は、このところ定番となりつつある引退を決めたビッグゲストを迎えての特別公演となる、9月公演「ADVENTURES 1st」の出演者紹介から。 ■夜白小梅/プロフィール+宣材写真
■大見はるか/2019年6月公演「Lovers 1st」5景「マクベス」 ■武藤つぐみ/2019年5月公演「EARTH BEAT 2019 RISING 1st」2景「道化祭 フランス」 ■雨宮衣織/2019年5-6月公演「EARTH BEAT 2019 RISING 2nd」3景「ランタン祭 ベトナム」 ■矢沢ようこ/2019年2月公演「Shine on」4景“飾り窓の女たち” ■清本玲奈/2019年5月公演「EARTH BEAT 2019 RISING 1st」4景「セビージャの春祭り スペイン」 ■神咲詩織/プロフィール+宣材写真+メッセージ文 続いて各景担当“踊り子衆”のナレーションによる「演目紹介」。初日には一部読み間違い等が散見されたが、追って修正が行なわれた模様。「『Lovers』での字幕間違いは頑として直さなかったのに…」とは指摘者の声。
【5景=雅 麗華/妖狐】 1曲目のお供の白ギツネ4匹を連れての群舞は第一期から引き続きとなったが、 雅の頭飾りは縦兵庫に細かい銀片が揺れるかんざしをつけたものにグレードアップ、 新たな4匹とともにあでやかに舞ってみせる。 2曲目からは曲差し替えとなり、本舞台中央奥でバックの2人がかざす白の大羽根扇子の陰で 頭飾りはそのままに、銀飾りがまばゆいお引きずりに黒しごきを締め、 黒(後に赤に変更)の大羽根扇子を手に歩み出して音楽を渡る。 音楽を変えると、大羽根扇子をダイナミックに扱いつつ、本舞台上手、下手へと展開し、 中央で扇子を2つに分けると、妖しさを漂わせながら舞ってみせた後、 下手袖に扇子を置いてお引きずりを下ろすと、シルバーチョーカーに黒セパレート、 金銀の箔が輝く黒の素通し長着を羽織って前盆へと駆け込む。 ベッドでは、腰を下ろして「L」や「横開き」「片ひざつき片手差し上げ」などのポーズを切り、
立ち上がると扇子を開いて鮮やかに振り動かしてみせた後、移動盆へと駆け戻る。 移動盆で扇子を開いて振りかざし、回し、レイバックを決めてから長着を振り下ろすと、 大きく身体を動かしての振りから片手を差し伸ばしての立ち姿で銀幕の陰へ。 【6景=織田真子/濡れ女】 本公演がデビューとなる織田は、“ベテラン”と“大トリ”という万全のバックサポートに支えられ、 振りの覚束なさはあるものの、ビキニに収まりきらずに時折“ポロリ”するほどの恵まれた身体を見せての 楽しいトリオダンスを、“観客巻き添え型”のシーンも引き継いで演じていく。 移動盆に乗せたサーフボードで進んでから花道に降り立ち、波音とともに前盆へと進む。 ベッドでは、ビキニを外してから腰を下ろし、「L」のポーズを切って見せ、
続いて「チューリップ」の姿勢から四つん這いでのあおり上げ、 あお向け後ろ手つきでの腰上げや、両足振り上げからのV字開脚などで動いていく。 そして前盆の縁に腰掛けての片ひざ立てでの開脚姿勢で見せてから、前盆中央に転がり、 身体を横に流しての片手差し上げのポーズから、両ひざ立ちでの両手差し上げの形を作って立ち上がる。 上手向き、下手向き、正面向きと三方礼の後、花道を歩き戻ると、銀幕前で両手を差し上げてのラスト。 【7景=桜庭うれあ/かざぐるま】 ソロ景にて、底知れぬ怖さと子どもへの深い愛情を描いていく難景に挑むのは桜庭。 おでこを見せ、長い髪を下ろした姿での独特の表情の作り方で、観る者を引きつけていく。 第一期で謎とされた“つぶやき”も、同じフレーズで移されたようである。 本舞台中央奥へと戻り音楽が変わると、白長襦袢風ベッド着を両肩脱ぎにして、 風車1本を引き抜いて手に持ちつつ、本舞台から花道を静かにたどっていく。 ベッドでは両ひざ立ちでベッド着の前を開くと、風車を差し上げてから傍らへと置くと、
「片ひざ曲げ片足後ろ伸ばし」の姿勢での手の振りで進め、横に伏せて音楽を渡る。 音楽が変わってあお向けに倒れると、両手両足を浮かせ上げての動きから上体を起こし、 そっと風車を手にすると片ひざつきから立ち上がり、花道を歩きつつ風車を口にくわえ、 移動盆に乗ると、ベッド着を片足に掛けて下ろした後、振り返り、 右手に風車を持って、前に出した左足にベッド着を掛けての手の振りで進め、 風車を胸に抱いた立ち姿で暗闇の中へと姿を消していく。 【8景=南 まゆ/ゴースト】 この世に残してきた男役を沙羅が続投、 様々な手段で自分の存在を伝えようとする女性のゴーストを南が引き継いで、 柔らかくエレガントな振りと、しっかりと相手を見詰める視線を作りながらのツインダンスで演じていく。 音楽が変わり、男性役がいすを引きながら寂しげに袖へと引くと、 本舞台中央奥にて大きな白の布髪飾りと白ロングドレス風ベッド着に替えた南が 後を追うように中央に歩み出た後、移動盆で裾を大きく振り広げてターンを重ねながら進み出る。 移動盆から下りて花道でしっとりと一舞した後、前盆へと入る。 ベッド前半、立ち姿で両手を広げてから胸前に当てて音楽を渡る。
音楽が変わると両ひざつきに姿勢を下げ、両手を胸に当てての座り姿で演じていき、 腰を下ろして身体を横に流した座り姿を作って進めていく。 ベッド着を脱いで抱きしめてから、「片ひざつき片手差し上げ」のポーズを長い時間掛けて切って見せ、 ついで腰をついての両ひざ曲げから「L」のポーズを決め、 さらに腰上げでの片足振り上げへと移行し、ゆっくりと伏せた姿勢で音楽を渡る。 音楽が変わってのベッド後半では、あお向けでの両ひざ曲げ立てから、身体を返しての「チューリップ」、 四つん這いでのあおり上げを経て、両ひざ立ちに起き上がると、 「片ひざつき片足横伸ばし上体反らし両手広げ」から「横開き」のポーズを決め、 ベッド着を脇に抱えて立ち上がる。 前盆の先端まで歩み出て片手を差し伸ばした姿を作ってから花道を歩き戻り、 途中で立ち止まって振り向いてみせた後、移動盆に乗ると、立ち姿で両手を前後に伸ばし上げてから、 ゆっくりとしなを作りつつ片手を差し上げての立ち姿で銀幕の後ろへと姿を消していく。 【フィナーレ/百物語】 本舞台に散らばったフォーメーションから、一人ずつ歩み出てろうそくの灯を消していく厳かな前半から、 魑魅魍魎がうごめく後半への二部構成のフィナーレ。メンバー紹介のMCは7景とともに桜庭に移された。 ラストは横列での後ろ立ち姿から振り向き、大きく右足を振り上げた刹那、音楽が途切れて暗転という 異色のエンディングで締めくくる。 (敬称略・観劇日:2019(令和1)年8月11日(日)) |
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2019年08月11日
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