舞姫たちへの片恋文

ストリップの舞台と舞姫への思いを綴ります。速報はTwitter「@st_kangekisya」で。

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 年の初めの新春公演は華やかであるとともに、実は過酷な公演でもある。通常公演より長い1か月公演、しかも寒さ厳しき季節である。毎年、各種感染症や疲労蓄積が原因の体調不良による休演者が出たり、大雪の予報で公演短縮や休演になったりすることが常で、31日間155回の公演を“全員が無傷”で完遂するのは至難の業である。

 それを今年はやってのけそうである。雨や雪の日がほとんどないカラカラ天気を味方に、それが故のインフルエンザ大流行を敵に回しつつ、楽前の30日まで休演及び休演者なしの“準完全試合”を達成した。

 そして迎えた31日(木)楽日、夜遅くからは雪が交じるかもしれないとの予報ながら、7人が一人も欠けることなく舞い続けた新春公演「艶 en」の集大成をプンラスで観劇。


<楽日じゃんけん大会>
 ちょっと遅めの“お年玉”をかけての「平成最後の新春公演じゃんけん大会」は、すっかりおなじみとなった若い方のM氏が登板。「最初はグー」を省略する“サクサク進行”で、いざ勝負。

   ■無料招待券×2名
     「チ」→「グ」→「グ」→★2名決定

   ■公演ポスター(サイン入り)×1名
     「グ」→「パ」→「チ」→2名直接対決→★1名決定

   ■1景・鈴木さんから「キューピーコーワゴールドα+(サイン入り)」×1名
     「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→3名直接対決→★1名決定

   ■2景・空さんから「フィナーレの帯に巻くビローンとしてるやつ」×1名
     「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定

   ■3景・中条さんから「命の次に大事な桶(サイン入り)」×1名
     「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→2名直接対決→★1名決定

   ■4景・沙羅さんから「フィナーレ用の鳥追い笠」×1名
     「グ」→「チ」→「グ」→3名直接対決→★1名決定

   ■5景・木葉さんから「凧とUFOキャッチャーで獲得したクマのぬいぐるみ」×1名
     「チ」→「パ」→「グ」→「チ」→「グ」→★1名決定

   ■6景・雪芽さんから「ハンドクリーム(サイン入り)」×1名
     「グ」→「チ」→「パ」→「グ」→3名直接対決→★1名決定

   ■7景・南さんから「写真セットと髪を結ぶやつ」×1名
     「グ」→「グ」→「チ」→★1名決定


<各景ひとことレビュー>
【1景=鈴木千里/初踊り】
クールで鋭い動きを見せたかと思えば、得も言われぬしなやかな動きで引きつける
変幻自在のステージングは、年の初めの舞台開きにふさわしい、見応え十分のトップバッター。
ベッドから戻りの構成も、実にスタイリッシュで印象鮮やかなステージングを楽しませていただいた。


【2景=空まこと/瞽女】
ソロダンスパートは、空の十八番のヒップホップ系ダンスを実に気持ち良さそうに舞って見せてくれた。
その中に組み込まれた蓄光紙を使った光のギミックは、まるで網膜に映った残像のようで、
景テーマの「瞽女」に通じる“視覚”をイメージさせるように思える。
そこから目をつぶり、手を伸ばして足の感覚だけで本舞台から花道、そして前盆へと進む役作りは、
筆者には、手に手を取り合って芸に生きた「瞽女」の姿に重なるものであった。
目を閉じての演技ゆえ、前盆からの転落事故も伝えられるなど、危険と隣り合わせの中で、
無事の完走を遂げたことを喜びたいと思う。


【3景=中条彩乃/湯女】
シリアスなテーマが多い今公演において唯一のコミカル景を、弾けんばかりの笑顔と、
若手3人によるアドリブを含めた遊び心たっぷりのパフォーマンスで大いに盛り上げ、楽しませていただいた。
ベッドでも、自ら手拍子をあおって場内の一体感を作り上げるなど、
ライブのステージを楽しむ様子は、拝見していても楽しく、実に見事なものであった。


【4景=沙羅/吉原炎上】
吉原を舞台にした女同士の美しくも厳しい闘いを、ラテンダンスで鮮やかに舞い、
負かし負かされた後の物語性に富んだ行きの移動盆、そしてコントラストをもって展開していくベッド、
ドラマティックな戻りの移動盆と、ひと味違った“沙羅ワールド”を息を呑む思いで拝見させていただいた。
全体として“若い香盤”の中で、要所要所を引き締めるベテランの役割を
今回もきっちりと果たしてみせていただいたことに感謝申し上げたい。


【5景=木葉ちひろ/八百屋お七】
舞いぶりのみならず、表情や身体表現なども含めて上げ続け、
デビュー3週目での「浅草」初乗りとは思えない堂々たる演技は大健闘、目を見張る思いである。
フィナーレでのメンバー紹介のMCも、自信なさげで声が小さかった初日には想像も出来なかった聞きやすさ、
かつ楽しさがあふれ出すような声へと変化、これからの活躍がとても楽しみな1か月のステージであった。

一方、本景の演出については疑問が残ったので付記しておきたい。
それは「前盆ジャッキアップ」の使い方である。
本景ベッドでの同演出が「お七の梯子登り」を表現しようとしたことは分かる。
持てる装置を駆使して表現を突き詰めようとしたことも、それ自体が問題というわけではない。
しかし「前盆ジャッキアップ」は、これまでの「浅草」の歴史の中で意味づけられてきた
ある種の“記号”でもあることを軽んじて欲しくないと筆者は考える。
特に今回は、わずか一つ前の公演で、
その“記号”が、その意味を持って用いられた直後というところに大きな違和感を覚えた。
「前盆ジャッキアップ」は、タイミングと、それの持つ“記号性”を熟考した上での活用を願いたい。


【6景=雪芽さゆり/くノ一の恋】
和鬘の似合う顔立ちに、たおやかに舞う日舞と、
大変失礼ながら、ここまで見事にはまるとは想像をしていなかったというのが正直な感想である。
ベッドも、実に大胆な構成で印象に残るものであり、色を含んだ表情や流し目、手や身体の動きと、
公演タイトル「艶」を象徴するような色合いを作り出してみせてくれたことに心からの拍手を贈りたい。


【7景=南 まゆ/傀儡】
「浅草」の正月と盆の“顔”として定着した南が、
今公演では「花魁と禿」という“定番キャラ”に近未来風の演出と振りを施すという
異色の演出への挑戦を、落ち着いた演じぶりで務めてみせてくれた。
ベッドも、和鬘に髪飾り、打掛という“制約条件”の中で、
1か月をかけて練り上げられていったように拝見させていただいた。
ベッドでのポーズや“ポーズのような形”について、筆者個人としては思うところがないわけではないが、
絶対的な正解がない舞台の世界において、演者がたどった一つの“道”として受け止めたいと思う。


<楽日あいさつ>
 最終回フィナーレの幕が下りると、拍手はそのまま督促手拍子に。再びオペラ幕が上がると、南がマイクを持ってMCを務めての「楽日あいさつ」。

【南 まゆ】
「本日は浅草ロック座新春公演『艶 en』千秋楽にご来場いただきまして、誠にありがとうございます。
 本日、千秋楽を迎えることができました。それでは一言ずつ、1景の千里お姐さんから頂きたいと思います。」

【鈴木千里】
「はい、31日間ありがとうございました。次は2月11日から横浜ロック座で踊りますので、お越し下さいませ。
 ありがとうございます。」

【空まこと】
「空まことです。デビュー15年目にして浅草で初ヒップホップを演らせていただいて感無量です。
 どうもありがとうございました。」

【中条彩乃】
「あけましておめでとうございます。3景の『とにかく明るいアヤノ100%』を演っていました中条彩乃です。
 31日間ありがとうございました。これからもみなさんに笑いを提供できる踊り子になるつもりですので、
 2月中『川崎』でお待ちしております。よろしくお願いします。ありがとうございました。」

【沙羅】
「沙羅です。ありがとうございました。3月の中『川崎』ですので、よろしくお願いします。」

【木葉ちひろ】
「5景を担当しました木葉ちひろです。ありがとうございました。
 初めての浅草で右も左もわからない状態だったのですが、終わりました。
 次は3月結に『川崎』です。頑張ります。」

【雪芽さゆり】
「6景の『くノ一の恋』を担当しました雪芽さゆりです。
 たまに感想で『花魁よかったです』と言われるんですけど、実はくノ一でした。
 次は2結『栗橋』でお待ちしております。ありがとうございました。」

【南 まゆ】
「南まゆです。新春公演、元旦から本日千秋楽まで31日間、みなさまたくさんのご来場をいただき、
 本当にありがとうございました。
 とにかく155ステージを、誰一人欠けることなく、みんなで一緒にこの日を迎えられたことが
 とてもうれしく思います(場内拍手)。
 新春公演は、年の初めでとても大切な公演ですし、不安もなかったわけではないんですが、
 8回の大入りを頂くことができ、たくさんのご来場で盛り上がる1か月だったんじゃないかなと思います。
 明日からはまた新しい公演が始まりますので、
 今年も浅草ロック座にみなさま、たくさんたくさん来てください(場内拍手)。」


 そして「大入り」のたびに最終回フィナーレ後のカーテンコールで行なってきた「三本締め」も、今日の千秋楽記念の9回目で“締め納め”。ところがその後に、ちょっとおとぼけの告知タイム(笑)。

【南 まゆ】
「私は2月の中『東洋ショー』、3月の頭『川崎ロック座』で3周年を迎えますので、よろしくお願いします。」

 場内の笑いを誘ってから、アンコールウォークにスタート。31日間155ステージ、誰一人として欠けることがなかった「完全試合」を達成し、本舞台に戻った一同は「三方礼」で締めくくる。平成最後の新春公演を幕の向こうに送って外へ出ると、まるで楽日を惜しむかのように冷たい雨に混じって、白い雪が舞い落ちていた。


(敬称略・観劇日:2019(平成31)年1月31日(木))

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