舞姫たちへの片恋文

ストリップの舞台と舞姫への思いを綴ります。速報はTwitter「@st_kangekisya」で。

ストリップ総論

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 拙ブログ開設以来の5年間に拝見してきたステージの中から、特に私の記憶に残るステージや場面を極めて私的に振り返る「5周年特集」。5回目は2011年「浅草」年末公演の記憶からお送りします。


■■■■■ 2011年11・12月【浅草】「ファンタジー イーハトーブ」 7景 “もののけ姫” ■■■■■

 年末公演のラストとして2011年の公演を締めくくったのは、「もののけ姫」をモチーフにした7景でした。

 この景では、タタラ場の女たちを演じた舞姫やダンサーのみなさまの「生セリフ」による軽演劇(?)や、サンを演じた灘ジュンさん(前半)・松嶋れいなさん(後半)の迫真の演技が話題を呼びました。それに加えて私の印象に強く残っているのは、3曲目の立ち上がり曲でした。

 本景1・2曲目にはモチーフ作品に関連した曲が使われましたが、3曲目はそれと直接関係しない、女性シンガーソングライターによって2003年に歌われた医療系ドラマのテーマ曲でした。にも関わらず、その歌詞が、2011年最後の公演を締めくくる曲として、恐ろしいまでのシンクロニシティを見せていることに気づいたとき、鳥肌が立つような戦慄に近い衝撃が走ったことをまざまざと思い出すことが出来ます。

 2011年は「東日本大震災」が起きた年でした。日本が地震や津波、原発事故で傷つき、苦しんだ年。そこに、この曲はこう歌いかけました。

 「あの蒼ざめた海の彼方で 今まさに誰かが傷んでいる
  まだ飛べない雛たちみたいに 僕はこの非力を嘆いている」

   (「銀の龍の背に乗って」作詞・作曲 中島みゆき より引用)

 繰り返しますが、この曲は大震災よりはるか前、2003年に発表されたものです。しかし私の耳には、大震災で傷ついた人や土地、そしてそれを離れた地で無力感にうちひしがれながら見守るしかなかった人々の姿が響いてくるようでした。

 さらに、昭和48年に発表されたSF作家・小松左京の小説「日本沈没」では、沈みゆく日本列島を「竜」にたとえるくだりが繰り返し登場します。歌は、その「竜」をすら思い起こさせました。

 「銀の龍の背に乗って 届けに行こう 命の砂漠へ
  銀の龍の背に乗って 運んで行こう 雨雲の渦を」

   (「銀の龍の背に乗って」作詞・作曲 中島みゆき より引用)

 大震災で傷ついた日本にエールを贈る、まるでそのために歌われた曲のように感じられた7景ベッド曲。そこに灘ジュンさんと松嶋れいなさんは、一年を納めるにふさわしい演技を乗せて魅せてくださいました。

 「浅草」プロデューサーが、私が想像したような世界観を投影するためにこの曲を選んだのかどうか定かではありません。しかし記憶に残る、記憶に残さなければならない2011年の年末公演として、これほどふさわしい曲、そしてステージはなかったのではないかと、今でも強く思うのです。

(一部敬称略)


 拙ブログ開設以来の5年間に拝見してきたステージの中から、特に私の記憶に残るステージや場面を極めて私的に振り返る「5周年特集」。4回目は人呼んで“浅草の飛び道具”のこの方の“原点”とも言える作品です。


■■■■■ 2011年4月中【鈴木茶織】「タンバ」 ■■■■■

 現在“長期お休み中”の“規格外舞姫”鈴木茶織さんのデビュー2作目「タンバ」は、観るものに強いインパクトを与えたステージングが語り草になる作品でした。

 “ブリブリ系”だったソロ1作目「クマ」から大きく方向転換、本作品「タンバ」では、映画「NINE」の有名シーンをモチーフに、本舞台中央でいすに座り、手にしたタンバリンを、自らの身体やステージにバンバン打ち付ける圧巻のシーンが大きな話題を呼びました。

 鈴木茶織さんは、この演目をスタイリッシュに演じようとはせず、むしろ感情のおもむくままに、「本当に狂ってるんじゃないか…」と思うほどの迫力で構成して魅せてくれました。それは、ご自身の持つ「舞台勘の良さ」が根底にあるのではないかと当時直感しましたが、その後、その直感は確信へと変わっていくことになります。

 「ステージで本気の狂気を演じることが出来る人」、もっと簡単に言えば「ステージで狂える人」はそれほど数多くいらっしゃるわけではありません。鈴木茶織さんの活躍は、その後も「浅草の飛び道具」と呼ばれるなど、強い印象を我々に残してくれました。

 ストのステージに彩りを添える実力を持つお一人として、十分な休養を取られた後、ぜひまたステージに戻ってきて頂きたいと願っています。

(一部敬称略)


<参考過去記事>
●(2011年)4月中【浜劇】レビュー
 拙ブログ開設以来の5年間に拝見してきたステージの中から、特に私の記憶に残るステージや場面を極めて私的に振り返る「5周年特集」。3回目は再び「浅草」の記憶からお送りします。


■■■■■ 2011年10・11月【浅草】「和物レビュー ばさら」 7景 “文楽ロミジュリ” ■■■■■

 この景を初めて拝見したとき、そのモチーフがまさか「ロミオとジュリエット」とは夢にも思わなかったのは、決して私だけではなかったのではないでしょうか。

 前半組トリの矢沢ようこさんが姫姿、その相手方を沙羅さんが裃袴姿の若衆役で演じてみせる本景ですが、この2人、最初は後ろについた人形遣い役の浜野蘭さんと空まことさんに操られるように動いていきます。しかし2人の動線は決して交わることはなく、すれ違いを続けます。

 後ろに控えるダンサーの太鼓の拍子とも合わせ、「なるほど『文楽』か…」と思い始めた矢先、曲の転調とともに、人形役の2人が人形遣いの操演という束縛を解き放つように自立的意志を持って動き始め、つかの間の逢瀬に、お互いを慈しみ合います。

 「人形が自ら動き出して作り出すシーン」、そこにはいくつかの解釈が可能でした。「人形が持つ潜在的願望を具象化した」「人形が経てきた過去の世界に時間を戻した」…等々。しかし本作品の創作背景は、こうした陳腐な発想をはるかに飛び越えるものであったことが、後に“作者”への取材によって明らかになります。

 「2人は『ロミオとジュリエット』で、切り替わったシーンは『2人の死後の世界』」。この話を聞いた時には、心底驚きました。「文楽」と「ロミオとジュリエット」のクロスオーバーだけでも、その発想に驚愕するものですが、原作では2人の死で終わる物語のはるか先、死後の世界で「はっきり覚えていないけど、どうやら昔、私はあの人のことを愛していたらしい」ということを次第に思い出していく、という発想の飛び具合には言葉もありませんでした。余談になりますが、「いったい振付の先生の頭の中はどうなっているのだろう…」と、この後長く続く“取材”を始めさせて頂くきっかけになった作品でもありました。

 私の周りには、ステージを拝見して頻繁に涙を流している感受性の高い仲間が数多くいますが、私自身は「涙腺感想体質」で、感動しても涙が出てくるところまでいくことはあまりありません。その私が、下まぶたにじんわりと涙がたまり、視界がぼやけ始めるという経験をしたのが、本景を観ているときでした。「見詰めているうちに、じんわり涙が浮かんできた」、当時の記事にもこのように綴るほど、私の心の奥底を揺さぶった作品でした。

 拙ブログ開設以来の5年間に拝見してきたステージの中から、特に私の記憶に残るステージや場面を極めて私的に振り返る「5周年特集」。2回目からは、いわゆる“ポラ館”でのソロ作品についても触れていくことにします。まずは、この方から。


■■■■■ 2010年12月中・2011年3月頭 【沙羅】 “飢餓海峡” ■■■■■

 日付をご覧頂ければおわかりのように、2011年3月頭は「東日本大震災」直前の週です。この週の「栗橋」では「ロック座特別興行」が開かれ、近年ではまれになった沙羅さんのソロステージを拝見することが出来ました。

 その前年、12月中「SNA『美巨乳大会』」(しかしまた、なんという大会名だったんでしょうかねぇ(笑))で披露したものと同作品でしたが、「ポラタイム」という名の“取材時間”がない「ソロ」ステージゆえ正式な演目名は不明です。しかし1曲目の女性演歌歌手が歌う演歌に乗せて、お引きずり姿で男を思う女の情念たっぷりに演じる沙羅さんの姿は、凄絶なる美を漂わせ、いつの間にか息をするのも忘れるほどの緊張感に場内を染め上げるものでした。

 そして白の腰巻に襦袢という出で立ちで演じるベッドでは、澄んだ声で歌う医療系ドラマのテーマ曲を使い、動きを抑えた静かで透明感に満ちた舞台を作り上げていきます。まるで沙羅さんが前盆からかすかに浮き上がって存在しているような、現実離れした浮遊感を覚えるほどの姿に我を忘れて見入ったことを覚えています。さらに立ち上がり曲には、後に「浅草」で小嶋実花さんの“テーマ曲”とも言えるほど繰り返し使われた邦楽男性デュオ曲、強制翻訳英題“ShootingStar”で、ゆったりとダイナミックなポーズで魅せていく“沙羅ワールド”を展開してみせて頂きました。

 「浅草」でも神懸かった演技で魅入らせてくれる沙羅さんですが、ソロステージでの舞姿は、めったに拝見できない希少さとも合わせて、私の中に強い残像となって焼き付いています。

(一部敬称略)


<参考過去記事>
●(2010年)12月中【新宿】レビュー
●(2011年)3月頭【栗橋】初日レビュー
 拙ブログ開設以来の5年間に拝見してきたステージの中から、特に私の記憶に残るステージや場面を極めて私的に振り返る「5周年特集」。まずは私の原点、「浅草」のこの景から始めることにします。


■■■■■ 2012年11・12月【浅草】「Nouvelle Expérience 1st」 7景 “アラビアン・ナイト” ■■■■■



 この景のモチーフは、「千夜一夜物語」あるいは「アラビアン・ナイト」で知られる長大な物語の導入部です。王が城を出て不在となった隙に、王妃が男奴隷を呼び寄せて情を交わすという、簡単に言えば「大不倫物語」なわけですが、「1st」では王妃役を初トリの鈴木ミントさん、男奴隷役を沙羅さんが務められました。

 上方から吊されたぼんぼり風の灯具や、本舞台下手奥に設置された木製の扉といったセットが作り出す空気感もわくわくさせるものでしたが、そこに加えて、「浅草」ではおなじみのハイトーンに歌い上げていく女性ボーカルが壮大に展開していく1曲目の音楽が雰囲気を盛り上げます。

 その曲の展開と足並みを揃えるように、鈴木ミントさんと沙羅さん、そしてバックに入った男役・女役3人ずつの計6人が、本舞台を余すところなく使いながら、雄大でエロティックなダンスを作り上げて魅せてくれました。

 そして本景で最も印象に残っているのが、鈴木ミントさんが先導し、従者7人を従える形で花道をせり出してくるシーンです。そのインパクトを作り出したのは、トリの鈴木ミントさんを先頭にして花道を歩かせ、通常だとトリが乗るはずの移動盆に、逆にバックの7人を乗せた“逆転の発想”だったように思います。この組み立てによって、鈴木ミントさんの初トリとしての存在感が、より大きく打ち出されたのではないでしょうか。

 さらに、それを見事にサポートしたのが沙羅さんの演技だったように思います。難度の高いジャンプなどが織り込まれた男奴隷役の振付を我が物とした上で、鈴木ミントさんをきっちり引き立たせ、大きく見守るという優しさが伝わってくるステージングに引きつけられました。

 「浅草」の魅力の一つは、こうした群舞から生み出されるダイナミックなストーリーにあると思います。“アラビアン・ナイト”は、それが遺憾なく発揮された景として深く記憶に刻まれるものになりました。

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