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みなさまのおかげをもちまして、拙ブログは本日、開設から5年を迎えることが出来ました。本当にありがとうございます。
本記事がちょうど801本目、1年あたり平均160本の記事を書いてきたことになりますが、最近は更新数が減り、更新も遅れ遅れになっていて申し訳なく思っております。それでも多数の方々にお越し頂き、ありがたい限りです。
ふと思います。拙ブログで記録を残し始めた5年間だけでも、いったいどれだけの数のステージを観せて頂いたのだろう…と。極めて概数になりますが試算してみましょう。800本の記事のうち、いわゆる“観劇レポ”が4分の3ほどだとし、1記事で扱う1公演の出演が6人、うち半分の3人が2個出しとすると、記事1本につき平均9演目の記述があることになります。すなわち全体では、
800×3/4×9=5400
という計算になります。この数字がどの程度精度のあるものかはわかりませんが、それでも数千のステージを拝見させて頂いたことは間違いないところだと思われます。これだけのステージを拝見させて頂いた舞姫のみなさま、劇場スタッフのみなさま方に、改めてお礼申し上げたい思いです。
「その一つ一つについて、すべてを記憶にとどめておきたい」。ステージを拝見しながら、いつもそう願うのですが、残念ながら私の大脳容量では及ばぬ願いです。そこで記憶を呼び戻す“インデックス”として、そして“外部記憶媒体”として、このブログを書き続けてきました。その志と執筆方針は、6年目のこれからも変わらないところとするつもりです。
ところで、これまでに拝見してきた中には、今でもくっきりとその時の様子を思い浮かべることが出来る演目やステージが数多く存在します。
そこで拙ブログ開設5周年を迎えるにあたって、この5年間に拝見した演目・ステージの中から、強い印象を受け、今も私の脳裏に焼き付いて離れない演目やステージをピックアップし、「5周年作」として特集記事にまとめてみることにしました。
通常は出来るだけ“客観記述”を目指している拙ブログですが、ある舞姫の方にうかがった、「周年作では自分のやりたいことをやる」というお言葉にならい、「5周年作」では多少“主観記述”が混じるかもしれません。「人それぞれだなぁ…」という広いお心でお読み頂ければ幸いです。ご紹介する順番は必ずしも時系列にはこだわらないつもりです。行ったり来たりしながら、もしご記憶にあるステージ・演目が登場した折には、ご一緒に楽しんで頂ければ幸いです。
6年目を迎えました拙ブログ、今後ともすばらしいステージの数々に出会えることを楽しみに、そしてブログをはじめとした多くのみなさま方とのつながりを大切に、今後も書き進めるつもりです。お付き合いのほど、どうぞよろしくお願い致します。
では、次記事から「5周年作」を始めさせて頂きます。
名無しの観劇者 拝
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ストリップ総論
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拙ブログの年末恒例記事、今年2014年のスト界を、私の知る(狭い)範囲で振り返ります。
<劇場の動向> 劇場を巡っては比較的動きの少ない、静かな1年でした。1月26日に「TSミュージック」の営業停止が明けた後は、当局による摘発や営業停止処分などはないまま年を越そうとしています。 劇場の休・閉館も、3月1日に「シアター那覇」が休館となったまま、業態変更して事実上の閉館となった以外は、既存の劇場に大きな動きはありませんでした。 <舞姫の引退・休業> 一定年数以上の舞台経験を持った舞姫の引退・休業は、なぜか上半期に集中しました。 01/20 [休・西川口] 月夜乃空(札幌カジノ・2002)
01/31 [引・DXK] 葉山瑠菜(杉プロ・2004)
02/20 [休・ミカド] 近藤愛菜(TS・2011) 02/28 [休・小倉] 南かずさ(小倉) 03/15 [引・東洋] 立花さや(東洋・2010) 04/20 [引・蕨] ラモーナカンナ(フリー) 05/31 [引・西川口] 橘 真帆(杉プロ・2002) 08/20 [引・小倉] 鮎原かおり(フリー・2009) 引退を告げずに静かに舞台を去った大ベテラン、ラモーナカンナさんの引き際には、ファンのみならず、同じく長年舞台をともにしてきた舞姫のみなさまにも大きな衝撃が走ったようです。
また、趣き深い作品をしっとりと演じるステージに加え、伝統芸「花電車」の後継者として注目されていた鮎原かおりさんの引退も、多くのファンに惜しまれるものでした。 来る年も、長年舞台を彩り続けてきたベテラン舞姫の方々が引退を表明されておられます。最後まで悔いの残らないステージをお務め頂ければと願います。
<「斎藤観光」倒産報道> 10月22日、信用調査会社「帝国データバンク」と「東京商工リサーチ」がリリースした「浅草ロック座元運営会社『斎藤観光』が破産」のニュースは、NHKや朝日新聞など大手マスコミでも軒並み取り上げられ波紋を広げました。多くの報道で「元運営会社」であることが正しく伝えられず、「浅草ロック座が倒産した」との誤解を生んだことで騒ぎが余計に大きくなったようです。元リリース文でも書かれていたように、「浅草ロック座」の運営自体は別会社に移り、ショーはこれまで通り行なわれています。 不幸中の幸いというべきか、「倒産報道」をきっかけに、複数の一般メディアが「浅草ロック座」に注目、記事や放送で取り上げられました。その効果もあってか、ひと頃より一見さんと思われる観客の姿も増えたように思えました。 今回の騒動で改めて実感したのは「浅草ロック座」というブランドの潜在力です。その「単語」が入ったことで大手メディアも注目するニュースになる、これほどのネームバリューを今後どう生かしていくか、経営側の手腕が問われていると言っても過言ではないように思います。 <写真集などへの展開相次ぐ> 12月には「浅草ロック座」のステージ写真集・第2弾「ROCKZA LIVE BOOKⅡ」が、ロビーのモギリ販売限定で発売開始になりました。去年秋以降の公演の貴重なステージ写真が撮影日・時刻というデータとともに収録され、資料的な価値も高いものになっています。 さらに毎月最終金曜日発売の月刊誌「週刊大衆増刊」が、10月発売の11月30日号から「踊り子たちのDream Stage」と題した連載を開始。「浅草ロック座」を中心に、ロック系劇場でのステージ写真と出演舞姫のインタビューで構成された、読み応えのある記事が掲載されています。 ファンにとってはポラタイムはあっても、ステージ中の画像・映像を残すことはなかなか出来ません。「東洋」ロビーなどでの「ステージ写真」の販売とともに、“ステージの記憶”を呼び覚ましてくれる写真の掲載・出版を今後も心待ちにしたいところです。 <「STRIPwiki」閉鎖予告の波紋> 香盤情報の「即時性」、舞姫のプロフィール・過去香盤などの「資料性」の高さから“スト業界インフラサイト”として活用されてきた「STRIPwiki」の管理人さんが、今年いっぱいでサイトを閉鎖すると予告、業界に激震が走りました。「STRIPwiki」は、ファンのみならず舞姫のみなさまも多く“業務用”として活用していることからも、影響の広がりは予想以上のものとなりました。 現在までに告知されているところでは、新たな後継サイトの構築に名乗りを上げた方が複数いらっしゃり、その中のお一人とデータ引き継ぎ等で合意、新サイト稼働まで年を越えて「STRIPwiki」の運用継続が決まった模様です。 業界の情報インフラサイトをどのように持続的なものにし、「受益と負担」を考えていくのか。劇場サイトの整備状況がお寒い状況だけに、「STRIPwiki」閉鎖を巡る動きは大きな課題を投げ掛けたといえそうです。 <「ろくでなし子」さん裁判> 7月14日、自らの女性器の3Dプリンタ用データを送信したとして、漫画家・芸術家の「ろくでなし子」さんが警視庁保安課に「わいせつ電磁物記録頒布」容疑で逮捕されました。警察は、この事案についての処分を保留したまま釈放。「ろくでなし子」さんが活動を続けたことに対する“意趣返し”としか見えないタイミングと理由で12月3日、同じ警視庁保安課が今度は「わいせつ物頒布等」の容疑でろくでなし子さんを再び逮捕しました。「ろくでなし子」さんは容疑を否認。本事件で起訴されることになり、「ろくでなし子」さんは「わいせつ」の概念について裁判で争う姿勢を示しています。 刑法174・175条にある「わいせつ」の概念規定については、古くからたびたび法廷で争われてきました。有名なものには、最高裁が「わいせつの三要素」を示した「チャタレー事件裁判」、無罪判決を勝ち取った「愛のコリーダ事件裁判」、またスト摘発に端を発した「一条さゆり裁判」などがあります。一言で「芸術かわいせつかが問われた」と言われますが、これまで裁判所は「わいせつ」について明確な判断を避けてきました。 その一方で、美術館での個展や今回の「ろくでなし子さん事件」など、警察当局の“独自の法解釈”による指導や検挙の事例が目立つようになっているように感じます。劇場を巡る状況と密接に関わる問題だけに、関心を持って成り行きを見詰めていきたいところです。 ********************
筆者の限られた視野から見えた「スト界の今年一年」を振り返ってみました。
今年、筆者の観劇環境には大きな変化がありました。しかしそれによる新たな舞姫、劇場、ステージとの出会いもありました。もちろん、これまで拝見し続けてきた舞姫、劇場、ステージからも、回数こそ減ったものの訪れるたびに心動かされる思いや癒やし、貴重な経験をさせて頂き続けています。
さらに、場内でお話しさせて頂く観客のみなさまとの交流も、私にとってかけがえのないものになっています。観劇の楽しさをさらに高め、新たな視点への気づきを頂き、未知の世界へ誘って頂いたことは感謝の念に堪えません。ありがとうございました。
そして今年も「長くなる一方で公開はますます遅くなる」という悪循環に陥っている拙ブログにお越し頂き、(前文だけでも)お読み頂いた読者のみなさま、誠にありがとうございました。さらにコメントまでお寄せ頂いた方々には本当に感謝しております。こんなブログですが、来る新たな年も、引き続きお時間のあるときにお越し頂ければ、とてもうれしく思います。
それではみなさま、どうぞよいお年をお迎えください。
(一部敬称略)
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文藝春秋発行「オール讀物」平成26年10月号に「浅草ロック座の女傑・斎藤智恵子」と題した9ページの記事が掲載されている。浅草ロック座の元運営会社「斎藤観光」の倒産報道が斯界を騒がせた時期と重なったことは感慨深いものがあるが、実はこの記事、突っ込みどころ満載、読んでいて苦笑を禁じ得ない記述が次々と登場してくる代物である。まじめに検証するのも……というのが正直な読後感であるので、拙ブログが得意とする「エトセトラ」風に“ナナメ読み”してみることにしたい。
(「オール讀物」平成26年10月号)
本題に入る前に、この原稿の著者「神山典士」氏について触れておきたい。神山氏は平成8年に「ライオンの夢 コンデ・コマ=前田光世伝」で、小学館第3回ノンフィクション大賞優秀賞を受賞し、その後ノンフィクション作家として多数の作品を発表。そして今年、「週刊文春」2月13日号で、作曲家・佐村河内守氏についての疑惑報道の発端となった、ゴーストライター・新垣隆氏への独占インタビュー記事「全聾の作曲家はペテン師だった!」によって社会的な反響を巻き起こした。この記事は、第45回大宅壮一ノンフィクション賞に今年から新設された「雑誌部門」の初代受賞対象作品(受賞者は「週刊文春取材班」との連名)となるなど、神山氏は今をときめくライターの一人である。
ところでノンフィクション作品に関しては、かつてある作家が掲げた名言が語り告がれている。
「事実をもって語らしめる」
これは神山氏の“大先輩”、第3回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した作家・柳田邦男氏が、ノンフィクションの方法として記した言葉である。筆者の理解ではノンフィクションとは、憶測や推測、主観的解釈を排し、綿密な取材に基づく客観的事実のみを積み重ねることによって実像を浮かび上がらせようとする手法のことであると考える。そして柳田氏は、ある受賞作品に寄せた解説文の中で、次のように語る。
「事実の確認さえろくにしないで取材リポートを書いたりするジャーナリストが多くなっている。その文品は惨憺たるものだ。」
(「後藤正治ノンフィクション集 第4巻」解説文より引用)
さて、神山氏の「事実の確認」は、合格点に達しているであろうか…。
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「浅草ロック座の女傑・斎藤智恵子」は、冒頭、ストファンの健一郎(仮名)氏が浅草ロック座を訪れ、回想にふけるシーンから始まる。
【健一郎が足しげくここに通ったのは三十代の前半、いまから約十年前の事だった。】
(以下【 】内はすべて「オール讀物 平成26年10月号」より引用) どうやら健一郎は筆者より少し年下のようである。約十年前といえば、筆者が「浅草」に通い始めた時期と重なり、親近感も湧こうというものである。ところが、そのすぐ後に登場する文章は筆者の記憶とは食い違っている。
【十三時から始まるロック座の最初のショーを約一時間ほど見て、】
「浅草」の開演時刻、現在は確かに「13時」であるが、10年ほど前は「12時30分」ではなかったか。当時のフライヤーを見てみよう。
(「浅草ロック座 平成16年10月公演フライヤー」より一部引用)
確かに筆者の記憶通り「12時30分」になっている。ちなみに開演時刻が「13時」となったのは平成20年1月公演からで、次公演「ファンタジア2014」は、実に約7年ぶりの「12時30分開演」ということになる。
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「浅草」のステージを見詰める健一郎氏。その心の中のつぶやきが記される。
【れいか姉さーん、相変わらず踊りが上手だね〜】
これ以降、最後まで繰り返されるのが「姉さん」という表記である。ストに限らず芸事の世界では、実年齢や前歴の経験値などとは関わりなく、初舞台が一日でも早い方が「先輩」となるのはみなさまご承知の通りである。そしてこの世界では、後輩が先輩を呼ぶ時の尊称として「ねえさん」を使う。この場合、漢字では「姐さん」と表記するのが常識となっている。一説には「姉さん」と「姐さん」は、実の血のつながりがあるかないかが使い分けの線引きになっているという。
「姐さん」という表記は、ストに関する文献や資料、文章に少しでも当たったことがある者ならば、間違えるのが恥ずかしいような“初歩的テクニカルターム”である。優しい読者の中には、「『姐』は常用漢字ではないため使用を避けたのでは」との好意的解釈を持たれた方もいらっしゃるかもしれないが、文中には「廻」「摑」など、常用漢字外の漢字が他にも多数使われていることから、この説は却下できる。 ******************************
この後、斎藤智恵子氏の故事来歴が語られる。よくまとめられているとは思うが、書かれているエピソードは、そのほとんどがどこかで聞いたり読んだりしたことのあるものばかりで、従来資料の域を出ていないように思われる。それは置いておいて、次の記述には驚かされる。
【もとより今日日ストリップに向かう子には、幼少時から家族と金と男にまつわるなんらかの悲劇が付き物だ。】
この時代がかったステレオタイプな捉え方には恐れ入る。もちろん、そうした過去を持つ方が皆無などとは言わない。しかし、ストのステージに表現の可能性をかけて積極的に飛び込んできた方がいるのも、また拙ブログ読者の方ならばよくご存知であろう。神山氏は、いったい誰に取材して、このような悲劇の構図が一般的であるという結論に至ったのだろうか。さらに神山氏はこう重ねる。
【多くの場合、舞台に上がる前からママ(筆者注:斎藤智恵子氏)への借金をつくってしまうから、それを返しきるまでは働き続けなければならない。】
どうやら神山氏にとってロック座は、「女工哀史」か「タコ部屋」かという恐ろしい世界に映ったようである。仮にそれが事実なら、もう少しデビューした方の残留率が高くてもいいような気がするのだが。
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そしてエンディング。健一郎氏はこう嘆息する。
【あの懐かしい昭和の香を宿した女たちの風景は遠くに霞み、いまロック座の舞台には、AV女優から転身した若い女の子ばかりになっている。】
いくつも細かく突っ込みたい箇所が、まるでエサのようにばらまかれた文章であるが、ツッコミどころ自明の感なきにしもあらずのため、次へ行く。
【−−なんだか舞台に登場するとパッと脱いでガバッと足を広げるばかりで、余韻が全く感じられないんだよな。身体は確かに素晴らしいけれど−−。】
健一郎氏は出版社勤務にも関わらず(文中に「出版社勤務の健一郎は」との記述がある)、「余韻」の意味を間違って使っているようである。
「余韻=(2)「事が終わったあとに残る風情」(「大辞林」より)」
つまり「余韻」とは本テーマの場合、例えば舞姫の出番が終わりステージから姿が消えた後も、その舞姿をあたかもステージに残していくような感覚に対して使うべき言葉であり、「パッと脱いでガバッと広げた」姿に対しての使用は適切とは言えない。あえて使うなら「風情」や「情緒」であろう。
そんなことより、健一郎氏とほぼ同程度の「浅草」観劇歴であると思われる筆者には、「浅草」において「舞台に登場するとパッと脱いでガバッと足を広げるばかり」のステージがあった記憶が全くない。しかも記述内容から推測するに、ごく最近のステージを観ての感想であると思われる。筆者にはますます記憶がないのだが。
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そんな健一郎氏のお眼鏡にかなう方が、たった一人だけ舞台に登場する。
【真っ赤な襦袢の紐をほどきながら、妖しい視線を客席に流し、ゆっくりと余韻を含んだ踊りを見せる踊り子がいた。】
やっぱり「余韻」の使い方を間違えている。そんなことはさておき、この踊り子さんとは、さて、どなたであろうか。答えはその後に書かれている。
【−−ロック座の踊りはこれでなくちゃ。サラちゃんだけはママの踊りを継いでいるな。】
どうやら「沙羅さん」のようである。「真っ赤な襦袢の紐をほどく」場面があったことから推測して、健一郎氏が観たのは、
■2014年5月頭〜6月頭「PEACE LOVE ROCK 2014 1st」6景“藤娘”
■2014年7月結〜8月頭「Shangri-La 1st」4景“牡丹灯籠” ■2014年10月頭「La Luna 2nd」4景“ラ・ジャポネーズ” のどれかであろう。同じページには写真が挿入されている。
(「オール讀物 平成26年10月号」より引用) 拡大してみよう。
入り口に置かれているのは「La Luna」のポスターである。とするならば、【久しぶりにロック座にやってきた健一郎】氏が観たのは「La Luna 2nd」だったということになる。しかし、そうだとすると疑問が残る。同公演には、ロック座大ベテラン3人(沙羅・瀬能優・小室りりか(敬称略))が同時共演していた。そのステージを観ておきながら前述のような感想が果たして浮かぶであろうか。このあたりは人それぞれであり、健一郎氏はそのような観劇眼しか持たない観客なのであろうと考えておくことにする。
ところで健一郎氏は、【サラちゃんだけはママの踊りを継いでいるな。】との感想を漏らしている。さて、健一郎氏は観劇歴約10年の中で、斎藤智恵子氏の舞姿をどこで観たのであろうか。「初代・東八千代」の舞姿を観たことがあるとすれば、うらやましい限りである。
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その「サラちゃん」について、神山氏の筆はこう綴る。
【斎藤のもとで十数年間踊り続け、いまでは浅草の舞台にしか登らない踊り子には、そのDNAがしっかりと受け継がれている。】
【十数年間踊り続け】とあるが、沙羅さんが今年8月の「Shangri-La」で「デビュー21周年」を迎えられ、周年イベントとして「サラソニ2014」が開催されたのは記憶に新しいところであろう。
そして沙羅さんは11月頭、実に1年半ぶりではあるが、ポラ館の「新宿ニューアート」に乗られている。それ以前、この4年間だけでも「川崎」「DX歌舞伎町」「栗橋」への出演を果たされている。この出演実績を見ても、沙羅さんは決して「浅草の舞台に『しか』登らない踊り子」ではない。
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「なんて意地悪な読み方だ…」とお怒りの読者の方もいらっしゃるかもしれない。しかしノンフィクション作家の仕事とは、作家自らが取材対象者に対して向けるのと同程度の検証に耐えうるものでなければならないのではないだろうか。そうでなければ「事実」に対して「他者に厳しく、自らに甘い」ことになる。それは「事実」に向き合う姿勢として、許容されるものであるとは筆者にはどうしても思えない。
さて、ノンフィクション作家・神山典士氏の今回の仕事は、「事実をもって語らしめる」ものになっていたであろうか。
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10月22日、各メディアで「浅草ロック座」に関する報道がありました。これらについて、筆者の手元で入手できた情報の範囲内で検証しておきたいと思います。
「帝国データバンク」や「東京商工リサーチ」などの企業信用調査会社のリリース文を基に事実関係を整理すると、 ■「浅草ロック座」の元運営会社が自己破産を申請、東京地裁から破産手続き開始決定を受けた ■「浅草ロック座」の営業は別会社に譲渡 ■劇場営業は継続されている となります。 しかしメディアの報道では、あたかも「浅草ロック座」の現在の運営会社についての事案と読める記述が見られました。これはある種の「誤報」であり、“誤った倒産報道”が「生きている企業を殺す」おそれのあるものであることを鑑みるに、「不適切な記事」であると言わざるを得ません。 そこで、各社の「見出し」と「記事本文」を検証してみます。冒頭につけた記号は、筆者の判定で、「○」…適切/「△」…あいまいさを残す/「×」…誤り・不適切 を表します。 【共同通信】 ×■見出し「浅草ロック座の運営会社破産 老舗ストリップ劇場」 ×■本文:「「浅草ロック座」を運営する斎藤観光」 ×■経営譲渡:× ○■営業継続:○ <筆者コメント> 見出しや本文は誤り、劇場経営が既に譲渡されていることにも触れず、劇場の営業が継続されていることにわずかに触れているのみの極めて問題のある記事であると考えます。共同通信の記事は、中央での自社取材網を持たない地方紙などで、そのまま使用されることが多いだけに影響が大きく、その意味でも本記事の「誤報」は深刻に受け止めるべきものと思います。 【時事通信】 ×■見出し:「「浅草ロック座」運営会社が破産=負債2億3800万円」 △■本文:「「浅草ロック座」を運営していた斎藤観光(東京)」 ○■経営譲渡:○ ○■営業継続:○ <筆者コメント> 見出しは誤りですが、本文の「運営していた」はあいまいさを残しています。「過去のある時点まで運営していた」と読めば正しいですし、「倒産時点まで運営していた」と読めば誤りだからです。「浅草ロック座を以前運営していた」と書くだけで、かなりの程度あいまいさが減らせると思うのですが。 【NHK】 ×■見出し「老舗劇場「浅草ロック座」運営会社が破産」 △■本文「「浅草ロック座」を運営していた「斎藤観光」」 ×■経営譲渡:× ○■営業継続:○ <筆者コメント> こちらも見出しは誤り、本文も上記の時事通信と同じあいまいさを残す記事です。営業譲渡についても「今後の運営形態などは決まっていないということです」としか書いておらず、取材が甘いと言わざるを得ません。 【朝日新聞】 ○■見出し:「浅草ロック座の元運営会社が破産 老舗ストリップ劇場」 △■本文:「「浅草ロック座」を運営していた斎藤観光」 ○■経営譲渡:○ ○■営業継続:○ <筆者コメント> 最近なにかと評判の悪い「朝日新聞」ですが、見出しにきちんと「元」を入れていて、経営譲渡や営業継続にも触れているなど、ほぼ正確な記事でした。それだけに本文の「運営していた」の記述だけが残念。 【産経新聞】 ×■見出し:「「浅草ロック座」運営の斎藤観光が破産」 ×■本文:「「浅草ロック座」を運営する斎藤観光」 ×■経営譲渡:× ○■営業継続:○ <筆者コメント> 「共同通信」と並んで不適切記述オンパレードが「産経新聞」でした。これでは「朝日新聞」の“誤報”を問い詰めている場合ではないのではないかとも思いますが。 【毎日新聞】 ■(共同電) 【読売新聞】 ■(ネット掲載記事なし) 今回の事案について憶測で物を言うことは避けたいと思いますが、間違いなく言えるのは、現在の「浅草ロック座」が取り組んでいるショーは、「時代遅れ」などというものでは決してなく、むしろそのような“紋切り型”の認識で書いている記事こそ、取材に基づかない恥ずべきものであるということ。 そして「浅草ロック座」という“ブランド”が、これほどのニュースバリューを持つものだと再確認出来たことでしょうか。 今回の“騒動”を奇貨として、うまく今後の展開に結びつけて欲しいと、切に願います。 |
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10月9日午後11時前、拙ブログ累計訪問者数が「20万」に到達しました。ありがとうございました。
恒例の“足取り”で見ますと、
経過日数
開設 2010年08月15日 … 10,000 2011年08月01日 351日 20,000 2011年10月29日 89日 30,000 2012年01月08日 71日 40,000 2012年03月16日 68日 50,000 2012年05月18日 63日 60,000 2012年07月12日 55日 70,000 2012年09月01日 51日 80,000 2012年10月25日 54日 90,000 2012年12月23日 59日 100,000 2013年02月13日 52日 110,000 2013年04月14日 60日 120,000 2013年06月11日 58日 130,000 2013年08月08日 58日 140,000 2013年10月01日 54日 150,000 2013年11月29日 59日 160,000 2014年01月27日 59日 170,000 2014年03月22日 54日 180,000 2014年05月23日 62日 190,000 2014年07月30日 68日 ★200,000 2014年10月09日 71日★ また、今回の大台超えとほぼ時を同じくして先日、これまでに書いてきた記事の本数が「700本」を超えました。それもこれもすべてステージあってのこと、すばらしい舞台を作り上げ、拝見させて頂いてきたすべてのみなさまに、改めて感謝申し上げます。ありがとうございます。 激しくワンパターン化している拙ブログですが、唯一、毎記事ごとに工夫していることがあります。「前文」です。記事ごとに必ず一つ、劇場で見聞きした光景や話題、私見などを書き記すように心掛けてきました。「前文『だけ』読んでいます」と言われ、若干複雑な気持ちになったこともありましたが(笑)、そんな風に読んで頂ける“エッセイのようなもの”が目指すところでした。
しかし、劇場の数や観劇の回数は限られています。「毎回、そんなにそんなにネタはないだろう。いつか力尽きるに違いない」と、私自身が思っていました。もちろんこれまでの「前文」の中に、苦し紛れや“やっつけ”で書いたものが多数含まれているのも確かですが、それでも通常レビューには、これまでのところ、すべての記事に「前文」を書くことが出来ています。
このことは、劇場や舞台、作品、演者には語り尽くせない魅力がある、その証であろうと思います。劇場の片隅に身を置いて魅惑的な世界に浸る、その楽しさ、心地よさ、すばらしさの一端を、これからも伝えていきたいと思っています。
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恒例の「拙ブログ使用上の注意」ですが、コメント欄は「公開空き地」として自由な書き込みができるようにしています(スパムは消します。また管理人として“若干の交通整理”を行なうことがあります。さらに“品性下劣”なコメントに関しては、容赦ないコメント返しを行なう恐れがあります(過去数回実施(笑)))。なお「Yahoo!ID」をお持ちの方がログインしたままコメントを書き込もうとしますと、「名前」欄が「Yahoo!ID」のままに固定されてしまい、任意の名前が入力できない現象が起きます。その場合は、いったん「Yahoo!」トップページに戻ってログアウトし、ステータスを「ゲスト」にしますと、任意のお名前での書き込みが出来るようになりますので、ぜひお試しください。
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今後とも拙ブログを、どうぞよろしくお願い致します。
名無しの観劇者 拝 |



