舞姫たちへの片恋文

ストリップの舞台と舞姫への思いを綴ります。速報はTwitter「@st_kangekisya」で。

ストリップ総論

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 今年の「浅草ロック座」の全10シリーズ・19公演を、出演者と各景のキーワードをもとにダイジェストで振り返るシリーズ。2回目は4月頭から7月中までの3シリーズです。


■■ Yell ■■
[1st season]04/01(金)〜04/15(金)[15日間]
  【MIKA・小室りりか・藤月ちはる・かんな/鈴木千里・浜野 蘭・伊藤りな】

[2nd season]04/16(土)〜04/30(土)[15日間]
  【MIKA・小室りりか・空まこと・かんな/鈴木ミント・浜野 蘭・松嶋れいな】

 (1)カルメン   (2)鼓笛隊   (3)陰陽師2   (4)フラッシュダンス
 (5)Show Girls   (6)アバター   (7)マリリン・モンロー
 (F)コーラスライン


■■ The Play Within The Play ■■
[1st season]05/01(日)〜05/20(金)[20日間]
  【武藤つぐみ・小嶋実花・白砂ゆの・灘ジュン/白石美咲*松嶋れいな・ミス・トゥルース・上原亜衣】

[2nd season]05/21(土)〜06/10(金)[21日間]
  【清水愛・小嶋実花・小春・白石美咲/川原美咲・彩音しゅり・小野寺梨紗】

 (1)悲劇「ハムレット」よりオフィーリア   (2)悲劇「リア王」よりコーディリア
 (3)喜劇「じゃじゃ馬ならし」よりカタリーナ   (4)文楽「ロミオとジュリエット」
 (5)喜劇「夏の夜の夢」より「ティターニア」   (6)喜劇「夏の夜の夢」より「パック」
 (7)キューピッド
 (F)ボックスマジック


■■ PEARL ■■
[1st season]06/11(土)〜06/30(木)[20日間]
  【小川桃果・なごみ・藤月ちはる・小野今日子/水城奈緒・広瀬奈々美・伊沢千夏】

[2nd season]07/01(金)〜07/20(水)[20日間]
  【観月奏・秋月穂乃果・藤月ちはる・小野今日子/二葉かりん・鈴木千里・灘ジュン】

 (1)ヴィーナスの誕生   (2)映画「リトル・マーメードⅡ Return to The Sea」
 (3)フェルメール「真珠の耳飾りの少女」   (4)泉鏡花「海神別荘」
 (5)クレオパトラ   (6)エマニエル夫人   (7)映画「ティファニーで朝食を」
 (F)MCは「けん玉使い男」


(敬称略・「その3」に続く)
 拙ブログ開設6周年の「周年作」として、過去6年間の900本あまりの記事の中から何本かを選び、現在の視点を加えて自らレビューしてみたいと思います。3回目は、ライフワーク(笑)となっている「浅草ロック座」のステージをレビューした記事の第1号、2010(平成22)年9月1日付けの「8月中〜結【浅草】レビュー」です。

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(1)【月川ひとみ】
いつものように安定感とキレのある動きで
幕開けの舞台に勢いをつける役目を見事に果たしていた。
バックダンサーの景でもピカイチの動きはさすが。
 
(2)【彩音しゅり】
今年3結〜4頭の「アリス」の時から長足の進歩。
小道具を途中で変えてみるなど、研究心も感じられ好印象。
荒削りだが今後に期待が持てるステージを見せていた。
 
(3)【沙羅】
「よさこい」の節に乗って動き続ける「動の群舞」から
ほとんど動きを封印した「静のベッド」への転換はさすがの一言。
指先まで一分の隙もなく感情が込められた表現は感動的。
 
(4)【桜庭彩】
群舞からベッドまで、終始笑みを絶やさないのが非常に印象的。
景のイメージもあるが、舞姫本人が楽しみながら
ステージを務めているということがとてもよく伝わってきた。
 
(5)【はるき】
41日間のロングを走りきった「ゼブラ」に拍手。
1曲のみで群舞からソロ、ラストまでをダイナミックに作り上げて見せた。
立ち止まる間もない中、花束がどう渡されるのか見物だったが、なるほど…。
 
(6)【安田志穂】
男性との「暴力とセックス」を男役の沙羅と描いて見せた後の、
深い小豆色の大布を巧みに操りながらのベッドが物語性を高める。
ベッド終盤、汗で背中に妖しく張り付いた黒髪がとてもエロティック。
 
(7)【灘ジュン】
動きの制限される花魁役を、凛と、かつしなやかに演じて見せた。
かなりの重量と思われる鬘をつけてのベッドは、支える体力やバランスが
必要と思われるが、そんな苦労をみじんも感じさせない見事なトリであった。

(No.10「8月中〜結【浅草】レビュー」より 掲載日:2011(平成23)年9月1日(水))

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 これだけ。初の「浅草」レビューは、全文でこれだけである。全部で651字。少なければ悪く、多ければいいものではないのはもちろんだが、直近の「【浅草】「Once Upon a Dream 1st」初日レビュー」が6054字の記事であったのと比べると、十分の一強という“超軽量級レビュー”である。しかし、いくつも気がつくことがある。

 まず、1景あたり3行足らずの記述であるが、それを読むだけで当時の舞台の様子を目に浮かべることが出来る。

 この公演は、7月21日〜8月10日の「前半組」からの振り移し(はるきさんはロング出演)となる「後半組」であった。「ブー」という色気のない開演ブザーが鳴ると、毎公演同じBGM(強制解釈化題名“「ブラジル・リオデジャネイロ市内に位置する海岸」の女の子”)に乗せ、ちょっとした時候のあいさつを交えた開演前アナウンスが流れる。そして開演。

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(1)【月川ひとみ】
いつものように安定感とキレのある動きで
幕開けの舞台に勢いをつける役目を見事に果たしていた。
バックダンサーの景でもピカイチの動きはさすが。

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 1景は“不動のトップバッター”として知られた月川ひとみさん。そのバックを沙羅さんとはるきさん、そしてダンサー4人という強力な布陣で固め、にぎやかなお祭り騒ぎの邦楽男性ボーカル曲、強制翻訳英題“Not samba but ねぶた”で華やかにスタートする。

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(2)【彩音しゅり】
今年3結〜4頭の「アリス」の時から長足の進歩。
小道具を途中で変えてみるなど、研究心も感じられ好印象。
荒削りだが今後に期待が持てるステージを見せていた。
 
(3)【沙羅】
「よさこい」の節に乗って動き続ける「動の群舞」から
ほとんど動きを封印した「静のベッド」への転換はさすがの一言。
指先まで一分の隙もなく感情が込められた表現は感動的。

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 その後の2景・彩音しゅりさんはデビュー2年目で2回目の「浅草」を“ラテン系”、3景・沙羅さんは“よさこい系”でアクティブに舞う。そして沙羅さんは、ほとんど動きを止めての「静」のベッドを演じ、前半の「動」と見事な対照を為していたことを鮮やかに思い出す。

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(4)【桜庭彩】
群舞からベッドまで、終始笑みを絶やさないのが非常に印象的。
景のイメージもあるが、舞姫本人が楽しみながら
ステージを務めているということがとてもよく伝わってきた。

(5)【はるき】
41日間のロングを走りきった「ゼブラ」に拍手。
1曲のみで群舞からソロ、ラストまでをダイナミックに作り上げて見せた。
立ち止まる間もない中、花束がどう渡されるのか見物だったが、なるほど…。

(6)【安田志穂】
男性との「暴力とセックス」を男役の沙羅と描いて見せた後の、
深い小豆色の大布を巧みに操りながらのベッドが物語性を高める。
ベッド終盤、汗で背中に妖しく張り付いた黒髪がとてもエロティック。

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 4景・桜庭彩さんは謎のメキシカンミュージックで楽しいトリオダンス、5景・はるきさんは、群舞からベッド、立ち上がりまでを「ゼブラ」に扮して1曲で踊り切る熱量の高いステージが見事であった。そして6景・安田志穂さんは、彩音しゅりさんと同じくデビュー2年目で2回目の「浅草」を、長い黒髪を振り乱しながらのエロティックなステージングで演じ切って見せた。そういえば6景の1曲目で「は・こ・だ・て」と聞こえる部分があるとの“空耳”な話題でも盛り上がったことを思い出す。。

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(7)【灘ジュン】
動きの制限される花魁役を、凛と、かつしなやかに演じて見せた。
かなりの重量と思われる鬘をつけてのベッドは、支える体力やバランスが
必要と思われるが、そんな苦労をみじんも感じさせない見事なトリであった。

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 灘ジュンさんは、「浅草」やご自身のソロ演目も合わせて、いったい何回「花魁」役を演じているのだろうか。花魁がその華やかさの陰に隠し持つ、哀しみや諦観、孤独や気高さ、そうした感情を“無表情の表情”で、美しく物静かに、しかし力強く演じる灘さん。灘さんを「現代の舞台に舞う花魁である」と表現したら、ファンの方に怒られるであろうか。それほどの思いを受ける舞台が、6年前のトリとして演じたこの公演においても強く記憶に刻まれているのである。

 わずか3行の“メモ”を見返すだけで、くっきりと浮かぶワンシーンがある。私がレポを残しておこうと思った理由がまさにここにある。私にとって900本の記事には、その1本1本に刻まれた記憶を呼び起こす「記憶のインデックス」としての役割があるのである。
 拙ブログ開設6周年の「周年作」として、過去6年間の900本あまりの記事の中から何本かを選び、現在の視点を加えて自らレビューしてみたいと思います。2回目は「記事第1号」、2010(平成22)年8月17日付けの「ストリップ巻頭言」です。

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 ストリップという文化がある。

 見たことがない人が想像する「ストリップ」は、我々の世代だと、あのカトちゃんの「ちょっとだけよ〜」だろうか。「暗く、淫靡で、ジメジメした後ろめたさが漂う場末」、そんなイメージだと思う。初めてストリップを見るまで、私もそうであった。

 約10年前、私はひょんなことから「浅草ロック座」で初めてストリップを見た。そのときの衝撃はいまでも忘れられない。まばゆいばかりの照明に照らし出された舞台、体を震わす大音響の音楽、そして舞台で展開される群舞とパフォーマンス。そこには堂々たるエンターテインメントが展開していた。明るさと華やかさ、そしてエロスと美。

 そしてなにより印象に残ったのは、舞台を務める踊り子たちの真剣なまなざしであった。経験年数や練習量、そして残酷な表現をすれば「素質」による巧拙はもちろんある。しかし自分の体一つで観客と対峙し、表現を行なう彼女たちの姿勢には、心を揺り動かされるものがあった。最近では自らのブログを持つ踊り子も多い。そこには舞台表現に悩み、苦しみ、それでも楽しむ姿が多く綴られている。そして観客から声援をもらったことへの素直で心からの喜びの書き込みを見ると、「自らの踊り」と「観客」という2つの対象に向き合う彼女たちに、改めて温かい応援の言葉を贈りたいと思うのである。

 そんな踊り子たちを、私は「舞姫」と呼びたい。彼女たちの姿に、闇に包まれた世界に明るさを取り戻すべく舞った「アメノウズメ」の幻影を見るからでもある。そんな舞姫たちに、一方通行の恋文=片恋文として、この雑文を送りたいと思う。

(No.1「ストリップ巻頭言」より 掲載日:2011(平成23)年8月17日(火))

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 今読み返すと、いささか肩に力が入った文章で、読み返すと顔が火照るような思いもする。しかし書いた内容や、そこに込めた思い自体は、今もいささかも変わることがないと言い切る自信がある。それは900本の記事を貫く基本精神でもあると思っている。

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見たことがない人が想像する「ストリップ」は、我々の世代だと、あのカトちゃんの「ちょっとだけよ〜」だろうか。

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 このたとえ、良くも悪くも「ストリップの代名詞」であると思っていたが、さすがに若い世代には通じなくなりつつあるようだ。念のため説明しておくと、1970年代から80年代前半の土曜夜を席巻したテレビ番組「8時だョ!全員集合」で、ドリフターズの加藤茶が、粘り着くように演奏された「タブー」をバックにピンクのピンスポットに照らし出されながら、舞台に腰を下ろし、足を振り上げるようなポーズを切って、「ちょっとだけよ〜。あんたも好きねぇ〜」というお決まりのセリフを言うギャグである。


 番組のメインターゲットの子供たちが「ストリップ」がどんなものであるかを正しく知る機会は、当時とてそうそうあったわけではない。しかし「ドリフ」や、そのほかの断片的に見聞きする“オトナのための情報”を組み合わせ、さらに“マセガキ”同士の情報交換などを経て、「どうやら世の中には『ストリップ』というものが存在し、そこでは女の人が裸で踊っているらしい…」ということを、おぼろげながら知っていったような気がする。そして「刷り込み」の恐ろしさだが、長じてからも「ストリップ」と聞けば「カトちゃんが扮するような妙齢の女性が、淫靡な音楽に乗って『ちょっとだけよ〜』と足を伸ばし上げて見せる」という“下世話な見世物”であるとしか連想できなくなっていたのである。

 こうした連想から、「カトちゃん」の“踊り子キャラ”は功罪相半ばするように感じていたが、それもやや古い感覚になりつつあるのかもしれない。何と言っても、黒崎優さんが10周年作「8時だよ!全員集合」(通称「ドリフ」)に“逆輸入”して、カトちゃんのギャグを本家のストのステージで演じてみせたのだから。

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私はひょんなことから「浅草ロック座」で初めてストリップを見た。そのときの衝撃はいまでも忘れられない。まばゆいばかりの照明に照らし出された舞台、体を震わす大音響の音楽、そして舞台で展開される群舞とパフォーマンス。そこには堂々たるエンターテインメントが展開していた。明るさと華やかさ、そしてエロスと美。

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 私が13年前に体感した衝撃と同じ感覚を、今も多くの初見の観客が感じていることは、終演後の感想としてよく耳にする。「こんなすごいものだとは思わなかった」「予想と全く違った」「アートですね」等々。不思議なのは「ちょっとだけよ〜」を知らないはずの世代も同じような感想を口にすることである。今どきの若者たちは、どこから「ストリップ」に対する、いささか“ネガティブ”なイメージを獲得しているのだろうか。

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そんな舞姫たちに、一方通行の恋文=片恋文として、この雑文を送りたいと思う。
 
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 「片恋文」という言葉は、筆者の造語である。このブログを始めるときに、タイトルとしてなぜか自然に浮かんできた単語である(後に調べると、他所での使用例が皆無というわけではないようだが)。劇場での観劇では、舞台の演者と客席の観客の間の“双方向通信”が大切であると筆者は考えているが、ブログにはそうしたリアルタイムでの相互作用は望むべくもない。それでも「思いを伝えたい」との気持ちは止まず、書き続けているのが「片恋文」である。その力の源はもちろん、日々拝見させて頂くステージと、そこで演じる舞姫のみなさまのひたむきな姿であることは言うまでもない。

 「あと3日で、諏訪の地にともり続けてきた劇場の灯が、永遠に消える。」

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 2011(平成23)年8月27日、私はそれが最初にして最後となった劇場を訪ねていた。ブログを書き始めてから1年、長野県諏訪市にあった「諏訪フランス座」が8月30日を最後に閉館するという知らせを聞き、閉館4日前に訪れた際のレポ「行く夏…消えゆく劇場を訪ねて」を、私は冒頭の一文のように締めくくった。

 以来5年。その間にも、いくつもの劇場が姿を消していった。「なにわ」「黄金」「若松」「西川口」…。戸建て住宅が建ち並んだ「若松」、中華料理店に改装された「西川口」、空き地のまま放置されている「なにわ」など、劇場だった場所の消息は、ゆかりの方やファン有志によって伝えられてきた。

 「『諏訪』は、どうなっているんだ?」

 たった1回しか行かなかった劇場なのに、なんだか無性に気になっていた。もうすぐ5年の月日が流れようとしている。私は、あの場所へ行ってみることにした。

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 劇場最寄り駅だった上諏訪へ向かう電車で、初めてそのことに気がついた。今日は8月15日、約50万人の人出があることで知られる「諏訪湖祭湖上花火大会」が開催される日であった。上諏訪駅に着くと、午後7時の花火打ち上げ開始までまだ4時間以上あるのに、駅から湖岸の会場へと人の列が続く。浴衣姿で手をつなぐカップル、はしゃぐ子どもをたしなめながら歩く家族連れ、既に一杯入っているかのような団体客。誰もが湖に上がる大輪の花を楽しみしている中で、「花火ではないもの」を見に訪れているのは、ほぼ間違いなく私一人であった。

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 JR上諏訪駅にほど近い諏訪湖の湖岸、温泉旅館が建ち並ぶ一画に「諏訪フランス座」はあった。シンプルなシルバーの外観は、歴史を感じさせながらもどこかモダンなたたずまい。交差点の角という立地を生かして、建物の角には「ヌード劇場」のネオンサインが光る。

イメージ 1

                                      (「行く夏…消えゆく劇場を訪ねて」より)

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 駅から歩いて10分弱、見覚えのある交差点を、私はいったん通り過ぎてしまった。「おかしい、確かこのあたりだったはずだけど…」。戻って交差点に立った私は、一瞬、その現実を呑み込むことが出来なかった。

イメージ 2

 その角に、あのシルバーのシンプルな建物はなかった。そこにあったのは、駐車中の3台の自家用車と、1台の大型車だけであった。諏訪湖岸へと向かう人の流れを横目に、私は呆然とその光景を眺めた。

イメージ 3

イメージ 4

 それにしても、こんなに狭かっただろうか…。テケツがあって、小さいながらもロビーがあって、その奥の扉を開けた先が場内で…と、5年前の記憶が鮮やかに蘇ってくる。思い出は美しくなるとともに、大きくもなるようだ。私の記憶に残る「諏訪フランス座」は、もっともっと大きな空間だった。

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 場内に入ると、右奥に角を利用するように斜めに本舞台が置かれ、そこから左手前に向けて、舌状に花道兼前盆が伸びている。回転盆はなく、濃い茶の落ち着いた木の色が刻んできた歴史を感じさせる。客席空間自体は…例えばSNAぐらいだろうか。

 盆を取り囲むようにベンチシートが1列分置かれているが、そのすぐ後ろにはシートはなく、残りの座席は壁際に並べられている。なので、盆かぶりと壁際席の間は広いところで2m近い間があり、2階まで吹き抜けとなっている高い天井と合わせて、とても開放感のある空間印象の場内となっている。2階には、カーテンで覆われたバルコニー風の作りも見られ、往年のにぎわいを感じさせる。
                                          (「行く夏…消えゆく劇場を訪ねて」より)

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 実は「Googleストリートビュー」が2015年6月、つまりわずか1年間に撮影した画像には、在りし日の姿がしっかりと記録されている。

イメージ 5
                                        (「Googleストリートビュー」より引用)

 しかし、いま残されているのは、わずかにコンクリートの土台のみ。そして半円形や方形の構造物があったような跡もある。私の記憶や「Googleストリートビュー」の画像と紡ぎ合わせると、入り口の扉やテケツがあった場所のように思える。

イメージ 6
                                                      (筆者撮影)

イメージ 7
                                              (筆者撮影)

イメージ 8
                                       (「Googleストリートビュー」より引用)

イメージ 9
                                                      (筆者撮影)

 太いL字を描くように奥に広がる空間。そこには5年前、確かに舞台があった。そしてそこで舞う3人の舞姫の姿を、一番多い時には30人の観客とともに私は確かに観ていた。その舞姫の一人、松本幸奈さんは“最後の諏訪っ娘”として現在も各地の舞台に立ち続けている。

**********

 場内の温かくフレンドリーな雰囲気も心地よく、ついつい長居。熱心なファンを中心にした20人ほどと見守った最終回が終わると、時計の針は既にてっぺんを軽く回っていた。外へ出ると、温泉街は雨。ネオンを消した「諏訪フランス座」をもう一度振り返る。

 あと3日で、諏訪の地にともり続けてきた劇場の灯が、永遠に消える。

                                          (「行く夏…消えゆく劇場を訪ねて」より)

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 閉館した劇場が、やがて取り壊され、その姿を消していくことに何の不思議もないと言えば、そうかもしれない。しかしその冷酷な現実に、私は一瞬たじろんだ。そしてその空き地が、今わずかに残る劇場の“未来の姿”となることを想像し、おののいた。思い出は美しく、大きい。しかし劇場を思い出が残るだけの場所にしないため、何が出来るのか、「諏訪フランス座」は改めて考えさせてくれるようであった。


(敬称略・初出記事 No.118「行く夏…消えゆく劇場を訪ねて」観劇日:2011(平成23)年8月27日(土))

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 拙ブログ開設6周年の「周年作」は、過去6年間の900本あまりの記事の中から何本かを選び、現在の視点を加えて自らレビューしてみたいと思います。ま、つまるところ「再演企画」とお考え頂ければ幸い。不定期連載、回数未定でお届けして参ります。
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