一月も中旬を過ぎて、
ようやく、ねこのことをブログに書こうと思います。
長文になるかと思いますが、ご了解ください。
ねこに初めてあったのは、昨年のクリスマスの日。
ちびちび散歩をしていると、駐車場で日向ぼっこをしている1匹の野良猫がいた。
ひどく痩せて、汚れたその猫は、たぶん猫エイズか白血病にかかっているのだろう。
(どちらも死にいたる猫の病気)
隊長がねこに話しかけると、かわいい声で、「にゃぁ〜」と返事をした。
翌日、隊長は猫用フードを持って、駐車場に行った。
あの様子だと、ちゃんと餌を食べていないのだろう。
しかし、ねこはいなかった。
周囲をしばらく探したが、見つからなかった。
そして、12月27日。
なんだか、ねこのことが気になった私は、三度駐車場に行った。
駐車場にはいないのだが、なんか近くにいるように感じる。
いた。 駐車場に面した古い一軒家の荒れた庭で寝ている。
ねこは耳が遠くなっているのか、熟睡しているのか、呼んでも全然気づかない。
しかたがないから、猫用カリカリをねこに向かって投げてみた。
何個か投げたら、ようやく気づいて、落ちたフードをゆっくり食べた。
口の中が炎症を起こしているのかもしれない。 かなり食べにくそうにしている。
そして、ふらつく足取りで、私のそばまでやってきた。
想像以上に衰弱している。
「ちょっと待っててよ。 すぐ戻るから!」 ねこに言って、私はすぐに家に戻った。
家でキャリーを用意して、コンビニでから揚げを数個買った。
ねこを捕獲して、急いで病院に連れて行かなければと思ったのだ。
駐車場のそばまで来ると、「にゃぁ〜」 と呼ばれた。
ねこは、私が戻ってくるのを知っていたかのように、元いた場所から移動していたのだ。
から揚げをちぎってあげると、ねこはおいしそうに食べた。
そばを通る人たちがこっちを見ていたが、そんなことはまったく気にならなかった。
ねこがすんなりキャリーに入ったので、すぐさま動物病院に連れて行った。
「ずいぶん痩せてますねぇ。
これはおそらく猫エイズか白血病、腎臓病にかかっていると思われます。」
ねこの体重は2キロを切っていた。 実際、骨と皮しかない。
これは、生後半年の子猫の体重と同じだ。 体温もだいぶ低くなっている。
「歯茎も解けて変色していますから、体の内部の病気ですね。
病気で長いこと食べられなかったんでしょう。 体温も下がっているし、あまり長くないと思います。」
ねこを入院させて、点滴治療とかできないかと、尋ねると
野良猫だとどんな病気があるかわからないし、入院している犬や猫たちに感染したら困るので無理とのこと。
脱水症状もひどいので、とりあえず点滴をしてもらう。
そして、口の痛みを和らげるために、抗生物質の注射をしてもらった。
「だいぶ衰弱しているので、どれだけ持つかわかりませんが、
可能なら、お家の中にダンボールでも置いてこの子を寝かせてあげて、食べ物を与えてください。」
こんな弱っているねこをこのまま駐車場に放置したら、絶対に死ぬ。
あとどれくらい生きるかわからないけど、せめて最後くらいは暖かい場所に置いてあげたい。
病院を後にして、
ホームセンターで大きなダンボールと、ねこが食べられそうな缶詰やスープを買った。
そして、ねこの点滴で一回に数千円はかかるから、
今後のことを考えて、とりあえずATMで3万円を下ろした。
ちびちびがいるリビングでは落ちつかないだろうから、
ねこのダンボールハウスは玄関のそばに置くことにした。
中には、犬用トイレシートをしいて、
ちびちびのクッションにねこを寝かせて、カイロを入れて毛布をかけた。
ダンボールからねこがジャンプして出ることはないと思うが、
ちびちびケージの屋根カバーをかけておく。
おじじ隊員には、一言も相談していないし、ねこを家に入れたことも伝えてない。
きっと嫌がるだろうなぁ・・・。
「ただいま〜」 おじじ隊員が帰宅した。
何も気づかずに、ダンボールを素通りしようとするので、ねこのことを言った。
「え、ここにいるの? 全然気づかなかった。」
ねこの衰弱がひどくて、あと何日もつかわからないから、
せめて家で見送ってあげたいと伝えると、おじじ隊員は
「あんたは、おくりびと、だな。 去年のぺぺにしろ、このねこにしろ。」 と言った。
点滴で少し元気を取り戻したのか、
ねこはちょっぴり、柔らかい缶詰を食べて、水を飲んだ。
そして、何度もおしっこをしては、「にゃ〜、トイレ交換。」と知らせるのだった。
12月28日の午前中、病院に行った。
朝からねこの元気がないので、早く点滴をしてもらいたかったのだ。
「だいぶ弱ってますねぇ。
本来なら、このままどこか物陰にひっそり隠れて、最期を迎える段階でしょうね。
でも、暖かい場所でこうして看てもらえるんだから、よかったですね」 と獣医は言った。
家に帰ると、ねこは疲れたのかしばらく身動きもせず寝ていた。
夕方になって、
ねこは少し覚醒したかんじで、缶詰やスープを少し食べた。
それから、なんとウンチまでしたのだ。 昨日から揚げ食べたせいかもしれない。
夜、ねこが何度も呼ぶので、そばに行ってみると、
座ってこちらをじ〜っと見ている。
「ん? どうした〜?」
ねこの顔をなでてやると、気持ちよさそうにしている。
病気のせいで、顔も変わってしまい、頭もごつごつとしている。
自分でなりたくて野良猫になったわけじゃない。
悪いのは人間だ。
夕方から冷たい雨が降っていた。
こんな中にいたら、ねこは確実に死んでいただろう。
12月29日
朝から、ねこの具合がよくない。
寝ているというより、意識がないようで、朝一番で病院に行く。
体温を測ってもらうと、34度くらいしかなかった。
猫の普通の体温は、39度くらいだから、かなり危ない状態というのがわかる。
どうしてやることもできないので、また点滴を打つ。
少しでも持ち直してくれたらよいのだけど。
会計を待っているときに、他の人からねこのことを聞かれた。
「えらいわねぇ。 その子は幸せよ。」 と言われたら、涙が出た。
ねこは、生きて元気なときに、もっと人からかわいがられたかったはずだ。
死ぬ間際になって、初めて病院に連れてこられて・・・本当にかわいそうだ。
病院から戻っても、ねこはずっと意識があるのかないのか、寝たままだった。
どんなに暖めても、体は冷たく、この日は一度も水を飲まなかった。
夜9時過ぎから、猫の様子がおかしくなった。
痙攣のように体がビクっと定期的に動き、呼吸もうまくできない様子だった。
ちびちびも、ねこの様子が気になるのか、リビングと玄関を行ったり来たりしていた。
意識はすでにない状態だったが、まだ呼吸があったので
私はねこの頭をなで続けた。
12月29日午後10時頃
ねこの呼吸が止まって、ねこは天国に行った。
よくがんばったね、ねこ。
12月30日
急いでペット葬儀屋に電話をした。
昨年、ぺぺでお世話になったところだ。
「野良猫ですか、それを保護して・・・。 えらいよねぇ、あなたも。」 と葬儀屋のおじさん。
お昼すぎに、葬儀屋さんがねこの引き取りに来た。
花とイエスさまのカードを入れて、葬儀屋さんに預けた。
火葬場は正月明けまでいっぱいなので、それまで霊安室で預かってもらうことに。
「あなたもボランティアみたいなもんだから、
費用を少し安くして、私も協力させていただきますよ」 と葬儀屋のおじさん。
驚いた。
値引いてもらったら、ねこの医療費と火葬費用など全部入れて、3万円でおさまったのだ。
二日前に急いでATMで下ろした3万円以上を使わせまい、とねこが考えたのかもしれない。
2013年1月13日
ペット葬儀屋で、ねこの骨の埋葬に立ち会ってきた。
やせてがりがりだったねこは、もっと小さくなってしまった。
合同骨壷には、「ちびちび家愛猫ねこちゃん」 という札がつけられた。
ねこは、結局名前をつける間もなかったので、ねこのままだった。
でも、この名前、我々はなんとなく気に入っている。
ねこ、天国で待っててね。
最後まで読んでくださってありがとうございました。