|
「常識としての刑法」 板倉 宏 著 なつめ社 発行
「罪刑法定主義」という、法学部出身者にとってあまりにも有名な言葉がある。
罪を憎んで人を憎まず、疑わしきは罰せず、遡及処置の禁止など、耳にタコが
出来るほど講義で聞いた言葉を懐かしく見た。
(僕って、本当に法律が好きなんだ〜)と今回は思った。
法はあるべき理想の姿を想定して、その理想の中心から法を当て嵌めていく。
つまり、あるべき姿に合致しない法は、経過的な法であり、より理想に近づく
努力が立法者に求められるのであり、司法は現存する法を駆使して、理想を
実現する役割しかない。(一部に立法行為をけん制する制度があるが・・)
その意味で、一般法としての刑法は、世の中の不合理に最適の抑止力を持つ
べきであると期待すべきではない。(時代の要請に後追いする性格があるから)
そんなことは、頭の中で考えればいいが、久しぶりに罪の名称を羅列して
法の構成を視覚的に確認してみたい。
殺人罪、殺人予備罪、自殺関与罪。
傷害罪、暴行罪、過失傷害罪、過失致死罪。
堕胎罪、遺棄罪。
脅迫罪、強要罪、逮捕罪、監禁罪。
略取・誘拐罪、営利目的等略取及び誘拐、国外移送目的略取。
窃盗罪、強盗罪、準強盗罪。
詐欺罪、準詐欺罪、恐喝罪。
横領罪、占拠離脱物横領罪、業務上横領罪、背任罪。
住居侵入罪、不退去罪。
名誉毀損罪、侮辱罪、信用毀損・偽計業務妨害罪、威力業務妨害罪、電子計算機損壊等業務妨害罪。
信書開封罪、秘密漏示罪。
公然わいせつ罪、わいせつ文書・図画頒布・販売罪、強制わいせつ罪、強姦罪、重婚罪、賭博・富くじ罪
礼拝所および墳墓に関する罪、死体損壊・遺棄罪。
放火罪、失火罪。
往来妨害罪、往来危険罪、汽車転覆等及び同致死罪、ハイジャック防止法。
通貨偽造罪、偽造通貨の入手・行使に関する罪。
公文書偽造罪、虚偽公文書作成罪、公正証書原本不実記載、私文書偽造罪、印象偽造罪。
内乱罪、騒乱罪、凶器準備集合罪、爆発物・火薬類に関する罪。
犯人隠匿罪、隠避罪、証拠隠滅罪、偽証罪、虚偽告訴罪。
不正アクセス禁止罪、電磁的記録に関する罪。
とまあ、この程度がドラマでよく使われる罪名だが、最近の傾向として、インターネット
がらみの防止法、抑止法が目立つ。人権保護を保障する意味から、内部告発者の保護、セクシャル
ハラスメント、ドメスティックバイオレンス、ストーカー、児童ポルノ、違法ドラッグ等を防止
する法も、目新しいものだ。
法のマニア的な議論として、「未必の故意」の認定、「自殺関与罪」の本人承諾の確認、和歌山
カレー事件等の状況証拠の加重における殺人認定などは、面白いと思うが、変かな?
|