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書庫YB8物語 上の巻き

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bimota YB8物語 上の巻 :世界最速のプロダクションバイクbimota YB4/6/8シリーズ:4回目作成中

この内容は、あくまでも私が経験したことや文献をベースに書いていますが、
正しいと限りません。
そのため、クレームをつけないでください。
また、質問にもお答えできません。
ご容赦願いたい。


レース参戦で磨かれたYBシリーズ。

最初に開発されたYB4Rは、bimota製アルミフレームの優秀性と耐久性を実証すべく、
すぐに1986年フランスで開催された有名なボルドー24時間耐久レースに参戦した。
総合7位に入る上々のリザルト(成績)を記録した。
早くもYB4Rの耐久性になんら問題ないことを証明して見せたわけだ。

翌年の1987年TTF1世界選手権に本格参戦して、
なんと、デビューイヤーでタイトルを獲得する快挙を成し遂げた。
最大のライバルである「Honda RVF750レーサー」を破っての快挙だ!

そのYB4RRのレース戦跡について紐解いてみよう。

YB4Rは1987 TTF1世界選手権でチャンピオンを奪取
1987年シーズンの勝利(3勝)
 Virginio Ferrari :ハンガリー(Hungary) 1987 YB4 R
 Virginio Ferrari :オランダ(Holland) 1987 YB4 R
 Virginio Ferrari :西ドイツ(Germany) 1987 YB4 R

*バージニオ・フェラーリ:Virginio Ferrari
イタリア人の彼は、1978年頃グランプリGP500クラスにおいて、
キング、ケニー・ロバーツとタイトル争いするほどの力量を持ったトップ・ライダーだった。

その無敵とも思えるHonda RVF750を破って1987 TTF1のチャンピオンを獲得し
たbimota YB4Rだが、地元ヨーロッパという地の利があったとはいえ、
GP500マシンNSR500からフィードバックされた目の字断面アルミツインスパーフレーム
のシャーシ構成、そしてオーバル・ピストンエンジンのNR500のテクノロジーをフィードバック
した最強のV4エンジン。
その戦闘力は圧倒的だった。

そのHonda RVF750のV4エンジンは、
bimota YB4Rに搭載されるYamaha FZ750エンジンよりもゆうに20ps以上のアドバンテージが
あったと言われている。
その圧倒的パワーを誇るRVF750を破るということは、
そのパワーを跳ね返すYB4Rのポテンシャルが尋常ではなかったとことの証明といえるだろう。
つまりコーナリング・ポテンンシャルでエンジンパワーを跳ね返したわけだ。
TTF1世界選手権での勝利数は3勝だったが、
毎レース着実にポイントを重ねたことがチャンピオン獲得に繋がったのだろう。

私は1985/86年鈴鹿8耐で、その後1987GP500チャンプとなったワインガードナーが
ライディングするRVF750の圧倒的なポテンシャルを知っているので、
bimota YB4Rのチャンピオン獲得が信じられなかった。

bimota YB4RのエンジンはYamahaFZ750のベースにしていた。
もしかしたらYamahaからワークスエンジンが提供されていたのかもしれない? 
そのころのリザルトには、Yamaha bimotaの名前が記載されていた。

しかし、エンジンパワーは、Hondaが総力を挙げて開発したRVF750が1枚も2枚も上手だろう。
ロードバイクVFR750のエンジン形式の枠内にはあるが、その内部ほとんど別物と言われていた。
それだけエンジンパワーに差がありながら、YB4Rが1987 TTF1のタイトルを獲得するのは、
やはりbimotaの主任技師だったフェデリコ・マルティーニが設計して、
bimotaファクトリーで製造されたYB4Rのツインスパー・アルミフレームが優れていたからだ。

その秘密とは?なんだろう。
RVF750はエンジンを低重心化して車体をコンパクトにまとめた。
そのことでライダーと人車一体感を求めたマシン特性だったと考えられる。
そのV4エンジンがたたき出す圧倒的なパワーは、
ストレートをもっとも速く駆け抜けて、深いバンク角/高いコーナリングスピードを維持
できるようなマシンだったと思われる。

そのポテンシャルはGP500マシンのNSR500に迫るものだった。
HondaファクトリーにおいてRVFとNSRを同時に走らせたテストでは、
NSR500のタイムを破ることがしばしばしばあったそうだ。
それだけバイクとしてポテンシャルが高いにも関わらず、4サイクルエンジンのパワー特性が
扱いやすいものだったのだろう。
それは、ボルドーやルマン24時間レース、そして鈴鹿8時間耐久レースで勝利するために
必要不可欠条件だったともいえる。

それに比べてbimota YB4Rは、Yamaha FZ750エンジンのシリンダー傾斜角度を45度から
「36度」まで引き上げてマシンで常にニュートラルステアが可能な状態におくことを狙った
アルミフレームを作り上げた。

また、このことはあまり知られていないが、
YB4R(YBシリーズ)はマスの集中化を大胆に進めている。
いまも昔もスーパー・スポーツバイクはの燃料タンクは、エンジンの頭上にありフレームにそって
配置されている。
しかし、YBシリーズの燃料タンクはエンジン背面にあり、
シャーシの間にかなりの部分が食い込んでマシンセンターに近づけている。
その上でライダーがタンクを抱きこむようなポジションを取ることになる。

そうすることでマスを集中させてハンドリングを向上させる狙いがあった。
当然、燃料が減ってもハンドリングへの影響は少ない。
タンク/シートカバーとタンクそのもの分離していたこで、
それが可能になったともいえる。
いまのMotogpマシンも同様に燃料タンクをエンジン/マシンセンターに近づけている。
しかし、この燃料タンクの配置は、機能優先のレースの使用には問題かったのだが.....

そういう設計上の狙いを組み込んだYB4Rのポテンシャルが、
ライダーの意思に敏感に反応する、バイクコントロールに優れたるマシンだったと思われる。
当時としては、画期的なほどコーナリングとライン取りの自由度が高く、
また、アクセルワークとの連動でコーナーからコーナーへの切り替えしが素早くできる。
そしてライダーはコーナーの立ち上がりに向けてアクセルをワイドオープンさせると、
鋭くコーナーを立ち上がれるマシンだったに違いない。

いまも、ワインディングでbimota YB6/8を走らせると、
そういう素性の良さがうかがい知れる。
1990年頃、bimota YB7をワインディングで初めて走らせたとき、
スキルが高いとはいえない私にさえ、異次元のハンドリングの扉を開いてくれた。
大いに感動したね。
でも、敷居は高いよ。

そのbimota YB4Rの武器が、
ハイパワーで安定志向ハンドリングのRVF750を打ち破る大きな要因になったと思われる。
ストレートが短いサーキットでは、トップスピードのアドバンテージはわずかだ。
コーナーのインでRVFを刺すことができれば、そこからはコーナリング・ポテンシャルに勝る
bimota YB4Rの独壇場だったといえる。

現在(2007年)のMotogpマシン(Yamaha YZR-M1など)を見ていると、
コーナリング性能に優れたマシンに分があるのは自明の理だ。
ライバルマシンよりもハイパワーでストレートスピードが高いことは、
勝利する要因の1つでしかない。
1987年の時点では、エンジンパワーとそれを支えるシャーシが勝利の要因と考えられていた
時代だった。

いや、増大するパワーとそれを生かすラジアルレーシングタイヤの出現で、
それを支えるシャーシの強化に奔走していた時代といる。

そのため、1980年代中盤からクロモリスチールパイプフレームを捨て去って、
box形状のツインスパー・アルミフレームが一気に普及していった。

そこに一石を投じたのがbimota YB4Rだった。
まさかイタリア・アドリア海に面したリミニの小さな町工場のbimotaが、
Hondaワークスマシンを打ち破ってチャンピオンを獲得できるとはでだれも思わなかったはずだ。
ハンドリング/コーナリング性能で圧倒的なパワーを打ち破ったのだ。
システマティック、ロジカルに追求された圧倒的な物量のHondaのマシンに対して、
バイクを速く走らせる感性に敏感なイタリア・モーターサイクルの歴史と伝統から生み出された
マシンともいうべきか?
また、YB4Rのマシンの特性をよく理解して、そのポテンシャルを最大限に引き出した
バージニオ・フェラーリのライディングテクニックが優れていた。
この2つの要因でチャンピオンを奪取できたのだろう。

なお、その後フェラーリは、RC30(VFR750R)に乗り換えてワールドスーパーバイク選手権に
参戦したが目だった成績を残すことが出来なかった。
彼のライディングテクニックを発揮できるマシンではなかったのだろう?

翌年もbimotaファクトリーに残りパフォーマンスアップしたYB4EIRで参戦を続けていれば、
数多くの勝利を記録しただろう。
そして、チームメートのダビデ・タルドッイーとともにチャンピン争いを展開していただろう。
しかし、歴史にはifはない。

Bimota YB4Rは、パワーに勝るRVF750をシャーシの優位差によるハンドリングで打ち破った
bimotaの歴史に残る1台だといえる。
biimota YBシリーズは、YB4Rの輝かしい歴史を背負った傑作だったといえる。


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