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仕事をしたあとにバイクを走らせると心が休まり、
気分爽快になる。
悲しいことも忘れ、イライラも治まり、高ぶった感情も鎮まり、 満ち足りた気分になる。
バイクを走らせることで、穏やかで寛容な心を手に入れること ができるようになる」
さまざまな徳性を磨くことができる。 騒然とした世情、不幸な家庭生活……
心の平静さを保つため、バイクを走らせる必要があったの かもしれない。
「バイク乗りは心に傷があるからバイクを走らせる。 しかし彼は、その傷が何であるかわからない。 イギリス人作家、アイザック・ウォルトンの随筆
『釣魚大全』の一節をバイク乗りに置き換えてみた。 アラビアのロレンスことトーマス・エドワード・ロレンスが
ブラフシューペリアを走らせたのは、そういうことだったの かもしれない。
いま、私はホンダCBR250RRとNSR250R(88) の2台を走らせているが、
まさに「釣り人=バイク乗り」の気分だ。
いつもの名栗湖有間ダムを往復して、 バイクのハンドリング、エンジンフィーリング、
そしてブレーキングの三位一体(三つのものが一つになること。また、三者が心を合わせること)
を楽しむだけだ。 ところで、 最近、会社の先輩が亡くなった。 65歳だった。 昨年まで定年延長で在職されていた。 それは特別な技能の持ち主だったからだ。 請われて会社に残った人だった。 しかし、団塊の世代の人だったので 後輩には厳しい人だった。 やさしさだけでは人は育たない。
情け容赦のない言葉を投げつけられたこともある。 たまには「いじめ?」ともとれる皮肉を言う人だった。 しかし、温情家でもあった。 その人生哲学は「恩威ならび行う」 とでもいうのだろうか? そういえばこの先輩も昔はバイク乗りだった。
米軍横田基地横のバイク屋で偶然会ったときは、
ヤマハXZ400を走らせていた。 会社を去って一年。 昔のしがらみもなくなり、 どこで知り合ったのか?
歳の離れた奥さんと、
これからを楽しむはずだった。 しかし、すでに病が身体を蝕んでいた。 在職中昼休みは散歩して、
健康には気を使っている人だった。 いや、健康が気がかりだったのに毎日歩いてい
たのか? その散歩の途中呼び止められたことがある。
このポーチの46番は何?
ナン:
これはMotoGP世界チャンピオン、ロッシのゼッケンです。
ご存じありませんか?
いや、知らないな、....
そういう会話を想い出す。
それは2010年頃のことなので、
いまから約5年前のことだ。
その46番のステッカーは次のビデオの後に
スタッフの人からもらったものだ。
人生とはわからないものだ。
最後は奥さんに看取られて旅立たれた。 先輩らしい一生だったと思う。 この場で、
謹んでご冥福をお祈りいたします。
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奥多摩最速伝説



