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履歴:内容追加/修正:2007/01/06
:内容追加/修正:2007/01/08
:内容追加/修正:2007/01/13
:内容追加/修正:2007/01/19
写真1:KB1のサイドビュー、写真2:KB1の販売広告、写真3:KB1レーサー、写真4:SB3レーサー、写真4:GP250/350で活躍したYB3
ここでは、KB1が生まれた時代背景、KB1の特徴、ウイークポイント、レース戦績、スペックについて考えてみることにしよう。
1.KB1が生まれた時代背景
KB1が発表された1978年当時欧米を中心とするカフェレーサーブーム(70年代〜80年代中盤)、
のただ中にあり、そういう中KB1はカフェレーサーの頂点であるスーパーカフェレーサー
と呼ばれていたようだ。
もともとbimotaはGP250/350用スペシャルフレームであるYB1〜YB3を開発してプライベーターに供給
した。その優秀性に目をつけたイタリアのバイクメーカーの要求に応える形でハーレーダビットソン
資本のアレルマッキ、モリビデリ、パトンなどにマッシモ・タンブリーニが開発したコアキシャル
スイングアームを持つスペシャルフレームを供給していた。
だが、それだけでは当然商売になるはずもなく、それと平行してKawasakiZ1やCB750に装着できる
タンク、外装、ステップ、etcなどの「カフェレーサー」用kitパーツを開発して販売した。
これがbimotaの大きな収入源の1つであったことは間違いないだろう。
カフェレーサーはもともとカスタムされたバイクでコーヒーショップに出掛けて自慢したり、
友人同士で腕を競うことが原点だった。しかし、それがだんだんとエスカレートして
パーツだけだなく、マフラーやはてはフレームまでも製造されるようになっていた。
そのことがヨーロッパにフレームビルダーを誕生させて大きく成長していく。
そういう中、bimotaのkitパーツの延長線上としてZ1エンジンを搭載したスペシャルフレーム
のKB1が登場したのだった。また、KB1のフレームkitも販売されたようだ。
このことがKB1をしてスーパーカフェレーサーと言わしめる由縁だったのだろう。
しかし、KB1の実態は保安部品を装着したほんものレーサーだったのだ。
ライトやウインカーを外してレーシングタイヤを履かせるとだけで
すぐにサーキットで絶大なポテンシャルを発揮するマシンだった。
しかも日本の4台メーカーが繰り出す市販スーパーバイクが足下にも
及ばないようなポテンシャルをサーキットにおいて見せてくれた。
2.KB1が登場した時代のバイクはというと
・左右2本サスからモノクロスサスペンションへの進化
・スポークホイールからキャストホイールへの進化
・チューブ付きからチューブレスレスタイヤへの進化
・高速走行時に不可欠なカウリング等の装備
・サーキット走行に不可欠なクリップオンセパレートハンドル
70年代の後半から80年代の前半は、現在のオートバイが採用する革新的なテクノロジーが
次々に開発された時期だった。KB1はそのすべてを装備して大排気量ロードバイクにサーキット
ポテンシャルを与えた本物のレーサーだった。
いや、マッシモ・タンブルーニがKB1に組み込んだこだわりのメカニズムにより、
他をを寄せ付けないハンドリングマシンを創造したのだったのだ。
3.KB1の特徴(モデルにより異なる)とハンドリング
・エンジンをストレスメンバーにしながら、強固なステアリングヘッドまわりを実現した
肉薄大径のクロモリ鋼管(コロンバス製)トラスフレーム。
・リンク機能がないカンチレバー式モノクロスサスペンション
・マルゾッキまたはチェリアーニのフロントサス
・ピポット位置、チェーン調整、ステアリングのキャスターアングルが調整可能なエキセント
リックアジャスターを合計6個搭載(bimotaのパテント)
・ステアリングヘッドのアッパーブラケットとローワーブラケットをオフセットしてフロント
フォークと平行でない「スランテッドアングル」ジメオリーを盛り込んだステアリング部。
これがKB1に高速直進性と抜群の運動性の両方を可能にする秘密の1つと言われているのだが?
タンブリーニがデザインしたbimotaモデルに必ず採用されていたメカニズムだ。
また、キャスターアングルの調整がエキセントリックアジャスターにより可能だ。これはSB2とKB1
だけのメカニズムだ。
・前後カンパニョール製マグネシュームホイール
・ブレンボ多孔式鋳鉄ディスク
・バンク角に影響を与えないために複雑なリンクを介したチェンジペダル。
このリンクだが90度→90度→90度と応力的によく考えられている。
ステップの材質はおそらくbimotaお得意のジュラルミン鍛造だと思われる。
KB1以降の歴代bimotaモデルもステップにはこだわっている。
量産モデルが採用するたんなる鋳造パーツなんて一度も使ったことがない。
最近、やっと時代が追いついてアフターマーケットパーツで削りだしや鍛造パーツ
が出現した。
これだけのこだわりの装備は、マッソモ・タンブルーニだから創造しえたbimotaだけのものだった。
しかもそれをロードバイクとして販売したことが、KB1を偉大なモーターサイクルたらしめる由縁だ。
KB1にレーシンタイヤを履かせてサーキットを走らせたたら、素晴らしいポテンシャルとハンドリング
を発揮したに違いない。また、KB1のフレーム構成は、GP250/350で大活躍したYB3と同様なもので、
その優秀性は 80 GP350でJ エクロードがチャンピオンを獲得して実証された。YB3はbimota自らによる
GP制覇の夢を実現した。いやまてよ、KB1が先でその後にYB3にその利点を生かされたのかもしれない。
どちらも1978に生まれている。
このYB3のシャーシはKB1と同様にマッシモ・タンブルーニが設計して形にした。
つまり、KB1はGPマシンのチャンピオンを排出する母体になっていたのかもしれない。
「風の王」と呼ばれる馬の子孫からサラブレッドが生まれたようにだ。
だが、一般道ではKB1の持ち味を生かせるタイヤが存在しなかった(1978〜1982年当時)。
それでも、当時最上の前後タイヤの組み合わせでKB1のシャーシの能力を垣間見せてくれただろう。
くだって、現在になってやっと真の実力を発揮できるタイヤ、サスペンション、ブレーキパーツ
が登場したといえなくもない。
4.ウイークポイント
・いつの時代もバイクに履かせるタイヤで多いに悩むものだ。
KB1の性能を発揮させることができるロードバイク用のタイヤが長らくなかった。
ましてや発売当時の1978には皆無に等しかっただろう。
1978といえばスポークホイール用のチューブ付きタイヤからキャストホイールが
登場したばかりの時代だった。
1982年当時でさえフロントにリアタイヤ指定のミシュランタイヤをはかせていた。
当時はバイアスタイヤの時代だったわけだが、GP500などのレーシングマシンと同じサイズ
のタイヤをはかせる必要があった。
また、スポーツライディングが可能なラジアルタイヤは前後16インチ用の登場を待つことになる。
それはHB2でbimotaとミシュラン、ピレリとの共同開発で実現されたと言われている。
KB1はせっかくの利点が長らく「タイヤ」に制約されていたわけだ。
その状況が改善されるのは80年代半ばを過ぎてからで、やっと時代が追いついたわけだ。
現在、KB1用前後18インチタイヤの選択には困らないはずだ。
KB1のリム幅に合うハイグリップバイアスタイヤは多いようだ。
ダンロップから復刻されたK300GP、ピレリのスポーツデーモンか?
5.1980/81レースでの活躍
KB1の主戦場はイタリアTTF1と耐久選手権でライバルは同じbimotaのSB3だ!
コンベンショナルな手堅いフレーム構成にカンチレバー式のリアサスペンションを持つKB1と
前後分割フレーム、リンク式サスペンションとドライブ軸と同軸のコアキシャルスイングアーム
のサスペンションを持つSB3とのbimotaテクノロジーどうしの戦いの場でもあった。
その戦いは五分と五分だった。それに割って入ってきたのが、同じイタリアのシャーシコンストラ
クターとして有名なSEGARE(セガーレ)だ。
1982は、このセガーレがイタリアンTTF1耐久選手権ミザノのチャンピオンシップを奪取する。
*セガーレは81 鈴鹿8Hにも遠征して7位のリザルトを残している。
Honda RSCが仕上げたCB900耐久レーサーを超える軽量なマシンだったそうだ。
CB900Fのエンジンを搭載したセガーレを一目見てみたのだが、 いまだにその機会に
恵まれない。
KB1レーサーのスペック
Design / Engineering: Massimo Tamburini
Racing Years: 1980 - 1982
Championship: Italian Junior TT1
Frames Built: - / -
Engine: Kawasaki Z 1000, inline four, 1015 cc, maximum output 100 hp at 9,950 rpm
Chassis: Enveloping the engine, chrome-molybdenum steel tubes, non-modular. Avional fork, Corte e Cosso mono shock, magnesium wheels.
チャンピオン獲得実績(KB1とSB3)
個人タイトル
Italian Champion Junior TT1 Mauro Ricci 1980
Italian Champion Junior TT1 Raffaello Lo Tito 1981
Trophy Junior TT1 1980
Trophy Gentlemen TT1 Adriano Montini 1980
Trophy Gentlemen TT3 Giovanni Scognamiglio 1981
コンストラクターズタイトル
Italian Champion Constructors TT1 KB1 1980
Italian Champion Constructors TT1 SB3 1981
6.KB1のスペック/製造台数
・開発者:マッシモ・タンブリーニ
・製造年次1978−1982 (生産台数: 827台、Z1用フレームキットもあったようだ)
・エンジン: Kawasaki Z 900/1000空冷4ストローク4気筒DOHC 2 valves
・排気量: 900/1000
詳しくは下記を参照されたし
・KB1のスペック
http://www.motorcyclespecs.co.za/model/bimota/bimota_kb1.htm
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