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房総の隧道訪問記
興津東隧道
千葉県勝浦市浜行川に所在する明治時代に作られた隧道です。
昭和28年、近くに新道が開通し廃止されたのですが、保存状態も良く
千葉県では大変珍しい石組みの工法で作られた隧道です。当時の建築技術を
垣間見る事が出来る明治時代の貴重な建築遺跡としてとらえる事が出来ると思います。
千葉県有形文化財として指定を望む「興津東隧道」
旧道跡をさらに進むと朽ちた木の枝が散乱していました、完全に廃道となっているようです。
そしてその先には・・・
廃隧道後60年経った興津東隧道が見えて来ました!
隧道前の切り通しはかなり崩落していますね〜
なんと!入口だけが石組だと思っていましたが、隧道内全面が石組で施工されていました。
反対(南側)の入口は大量の土砂で閉塞状態です。
しかし上面に僅かな隙間が・・・ もんきち君いざ出陣! ※安全確認後に撮影しています。
自然崩落した大量の土砂で埋没寸前の南側入口です。
私はメタボなお腹を擦りながらくぐり抜けました〜(笑)
でも要石の構造も間近で観察する事ができましたョ!
南側の崩落は特に著しく、ここの地質が軟質な岩盤で形成されている事が解ります。
石組の構造を観察していると、岩盤と石組の間に玉石を多く含んだコンクリートが流し込まれている
部分を発見しました。(画像赤○内) この隧道の施工方法は、まず大きめに掘った隧道に内側から
石を積み上げて、その隙間にコンクリートを流し込んで作られたのだと想像できます。特に天井部は
アーチ面と要石を配する都合上、ある程度の高さまで掘り込んでいたのではと、私は考えています。
それでは、隧道内全面を覆っている「切り石」を観察してみましょう。
切り石は房総地方に普通にみられる所謂「房州石」と呼ばれているもので、1辺の長さが縦約30㎝・横約60㎝ 当時の尺に換算すると1尺と2尺になり、壁面の切り石はすべてこの規格の石で組まれていました。この隧道の 近隣で房州石の切り出しがあったのかは調べていませんが、房州石で有名な金谷地区で産出された切り石の
6種の規格と照合してみましたが、そのどれにも当てはまりませんでした。
今後の調査の課題としますが、この切り石について情報をお持ちの方がいらっしゃいましたら是非ご一報を
お願いいたします。
房総の古い隧道の殆どが「素掘り」なのに対し、ここの隧道が「石組み」と特異なのは、この軟質な地層に
大きく関係していると思われます。
この興津東隧道が所在する浜行川地区は、鋸山から清澄山山系に分布する三浦層群と勝浦から夷隅地
区に分布する上総層群大田代層〜黒滝層の丁度分かれ目になっている所で、興津東隧道はまさにその
上総層群の軟質な岩盤上に掘られた隧道なのです。
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廃隧道や素掘り隧道は、崩落の危険があります。
見学には充分注意をし、ヘルメットを着用しましょう。
自然を大切に、ゴミは持ち帰りましょう。 ,
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2012年04月13日
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