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昭和20年8月のこと その18 終戦 戦争が進むと共に、将兵だけではなく、 国家の総力を挙げて戦争を遂行する総力戦となっていった。 戦地に赴く男だけでなく、銃後も一つの戦場になって行った。 昭和12年日中戦争開始と共に国民精神総動員運動では、 国民一人一人に「銃後の国民」としての自覚を求め、大政翼賛会結成にと、 私生活全般に戦時体制が強く浸透していった。 女たちの日常生活も、急速に細部まで規制され、 しかも家庭から奪われた夫や子供を待つばかりでなく、 出征した男の替わりの労働者として、あらゆる場所で働くことになった。 昭和18年閣議で女子動員を決定し、学生は勤労動員、女子は女子挺身隊員として 工場、鉱山、交通機関などに就労させた。 「撃ちてし止まぬ」「勝利の日まで」等のスローガン。 物も自由もなく、供出・配給・隣組・灯火管制・千人針・防空頭巾・もんぺ・行列・防空壕・ 女子挺身隊・勤労奉仕・出征・慰問袋・軍事郵便・戦死公報・家庭菜園・防空演習・・・・ 銃後の風景は殺風景で悲しい。 主婦・某の昭和20年8月15日の日記 大正7年生まれ 当時27歳 昭和10年、岐阜市の豆腐屋の夫と17歳で結婚、子供には恵まれなかったが、 幸せな家庭生活。 戦争が始まると豆腐は切符制、原料の大豆の配給は月に十日ほどに。 十八年、夫に召集令状、海軍兵士として出征。 一人で家を守り、豆腐屋を続けた。 20年7月9日岐阜空襲で家屋焼失、実家に疎開し終戦。 8月15日 水曜 晴 昭和二十年八月十五日、十二時。 永久に忘れられぬ日。 聖断畏し、和平の大詔降る。 畏くも前古未曾有、玉音拝す。 大帝国が鉾を投ずるを見よ。 何時もの様に留守して掃除、炊事、蚕です。 父古井へ糸のことで米二升持ってゆかれ、母草引き、私妹と蚕の上族にかかり、 大体終わる。 もう降伏されては仕事もやる気ないと金作さんも話しに来てねころんで 居られました。 もうリヤカーに積んだ荷物の武装解除といって降ろして 元の位置に納めようと部屋一杯にひろげた。 母は夕方まで荷物納め、妹は裏の穴に入れてあった茶碗類を掘り出した。 書く事沢山あるが、なんだか落ち着かず字が書けません。 しっかりね。 夫は20年4月、沖縄特攻作戦参加の戦艦「大和」の護衛駆逐艦「浜風」に乗船、 「大和」「浜風」共に空襲被爆沈没。 戦死の公報は終戦後の9月、終戦時は知らされていなかった。 夫は少しの砂が入った「白木の箱」となって帰ってきたという。 9月10日 月曜 晴 お父様今日も一日ねて居られた。 母は鍬を取って開墾に、妹達は弁当持ちにて一日出ていた。 昼に、精米所へ小麦を持って、粉にかえてもらう。(略) 夕食を頂こうとしたら、突然「今晩は」と入って来られた。 岐阜のお母様「キャッ」といった。 主人戦死の公報 四月七日 西南太平洋で戦死 南無阿弥陀仏 ああ長い二ヵ年の間、しっかり頑張り立派に留守し、家計簿をしっかり付けて、 主人凱旋されたとき見て頂こうと楽しんで待っていた。 話したいことばかり、褒めて頂こうと待っていたのです。 それが、何で? 戦死されても日本は負けた。敗れたのです。 残念です。可愛そうです。 十二月、面会に行き旅館で三泊して早朝、砂糖を沢山土産に、 呉駅まで荷物背に送って下さり、新聞を二部買って、私に一部、一部は自分に持って 別れたが、長の別れ、永久の別れになろうとは、夢にも思はなかった。 また主人は南の方へ行ったら土産を買ってくるから、お金をくれないかと云われ、 百円差し上げましたら満足そうな様子でした。 七月九日の焼夷爆撃で全焼して細かな書類も家計簿も、箪笥一棹、布団二組、蚊帳、 本箱、鏡台、針箱、下駄箱、米ニ斗、大豆五表余り、其の他諸道具、嗚呼・・・・ どうしましょう。 岐阜のお母様のお話では、駆逐艦「浜風」は、日本で最優秀なる戦艦大和、護衛して 四月九日、沖縄海上で爆弾と魚雷二発命中して、大和と運命を共にしたそうです。 主人は機関銃の役目ですから、海の入って泳ぐことなく、 パンと飛んで散って行かれた様子です。 決して女々しいような、見苦しい様な、死に方ではないとの事。 まず大体の様子がわかって安心しました。 女の運命は翻弄される。 その後、親の勧めで再婚、その日から三児の母になったという。 防空演習 「空襲警報発令!!」 「敵機来襲!!」 「火災発生。消火!!」 焼夷弾爆撃による火災の消火は 主婦の活動にかかっていた。 本土決戦に備えての、 米軍迎撃体制の構築。 上陸地点とみなされた鹿児島志布志町 の婦人部隊。 竹槍による戦闘訓練 本土決戦、米軍迎撃体制も 主婦・婦人の肩にかかっていた。 |

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こんにちは。
戦前、大政翼賛会の歌までつくられたようです。
写真、貴重です。
2008/8/26(火) 午後 8:16 [ kemukemu ]