なお爺のひとり言

一期一会の出会いを大切に 満89歳の卒寿になった、なお爺 これからも よろしく

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   昭和20年8月のこと  その10   終戦

   私の終戦、 昭和20年8月15日

   「総員 閲兵場に 直ちに 集合」
   学徒勤労動員先の陸軍○○航空部隊。
   昭和20年8月15日、朝から敵・空母艦載戦闘機「グラマン」の猛攻は、
   数度にわたる波状攻撃に、木造の兵舎はバリバリと機銃掃射を受け、防空壕から出られない。
   10時半過ぎその攻撃はパタッと鳴りをひそめた。 
   それからしばらくしての総員集合。

   前夜、我等の担当下士官「おやじ殿」である「軍曹殿」から、
   「明正午、重大発表があるらしい!?」と言われていたが、
   その事での総員の集合である。(注)

   閲兵台に、白布で覆われた小机が置かれ、そこにラジオが載せられていた。
   「かしこくも、天皇陛下の玉音の放送にあらせられる。」 
   直立不動の姿勢で、謹んで拝聴する。 

   「・・・・・耐エ難キヲ耐エ、忍ビ難キヲ忍ビ、モッテ・・・・・」
   ピーー、ガガー、ザーザー、雑音でほとんど聞き取りにくい。

   「部隊長の訓示 頭中!」の号令。 
   登壇した部隊長は、一言「何も言うこと無し。終わり」と降壇した。

   どうも日本は降伏したらしい??  さっぱり分らん!?  日本は負けたのか!? 
   本当に負けたのか?? 残念! 無念! 涙がこぼれた。 
   整列する友の顔、整列・不動の姿勢の兵士の顔を、恐る恐る見れば、皆涙がこぼれている。

   兵舎に帰って論議百出。
   「鬼畜米英のことだ、男性全員去勢され、奴隷として一生働かされるぞ!?」
   「そこまでしないだろう」
   「いやいや解からん」
   「とにかく全員捕虜だ」
   「捕虜として恥をさらすか」
   「国民全員が捕虜だからな」
   「・・・・」「・・・・」 
   夕方になれば、そこは15歳の少年達「成るように成るさ」とモー屈託がない。 
   いつもの敵の空襲も無い。 電灯も点けっぱなしだ。

   夜、軍曹殿より
   「降伏受諾派と徹底抗戦派とに分かれて、殺気だって激しく対立している。
    その中に貴様達を巻き込むわけにいかないので、
    明朝、朝食後、部隊より貴様たち全員の退去を命ずる」 
   引率教師より
   「情勢が判断出来ないので、とりあえず9月1日学校に集合、それまで自宅待機。」

   3月の空襲で家を焼かれ、帰る家がないのが、とりあえず叔父の家に帰るか。
   翌日、駅では電車が混乱していて運転本数が少ない。 
   やっと夕方、叔父の家に帰ると、父の会社が罹災社員を収容する社宅を、
   東京小石川に購入したので、父は10日前から其処に移り住んでいるとのことで、
   小石川に行く。 8畳一間が与えられていた。 
    (そこはその後、父と2人で2年暮らし、母と弟妹とが疎開先から帰って、
     更に2年近く親子7人がひしめき合って生活した所である。)

   父の話では、15日夜、我々の社宅があった同じ町内の、
   鈴木貫太郎首相の私邸が焼き討ちされ、全焼する騒ぎがあったとのこと。 
     (鈴木貫太郎内閣は15日に総辞職、 17日皇族・東久邇宮内閣誕生)

   それにしても何故、陸軍の航空部隊に学徒勤労動員で派遣されたのだろうか??
   昭和19年3月、中学2年の終わりに、官庁の某試験所(当時最先端の官庁の技術研究所)に、
   学業を放棄して学徒勤労動員された。 
   研究室の技師及び技手・主要助手は兵役が免除されていたが、その他補助メンバーは兵役出征。
   国家の重要研究所も、人員不足で機能が充分発揮出来ず、停滞していた。 
   更に昭和20年5月27日の大空襲で試験所は焼失し、
   やむなく学校に戻り次の動員命令を待っていた。 
   
   6月23日沖縄が玉砕陥落、次は本土決戦あるのみ。 
   7月中旬頃、「本土決戦に備え、食糧生産に直ちに従事せよ」と言う名目で、
   飛行場の空地に「さつま芋作り」するための動員と言われたのである。 
   しかし日本本土の制空権は米軍に完全に奪われ、マリアナ基地から爆撃機B29、 
   硫黄島基地からP51戦闘機「ムスタング」、 
   空母艦載戦闘機「グラマン」の連日の空襲である。 
   当時の飛行場には、攻撃機、迎撃機の味方の飛行機は1機もなく、
   毎日の空襲で農耕作業をやっていられる状況ではなかった。 
   しかも飛行場、敵から見ればそこに居る者は皆兵士。 
   特に艦載戦闘機の攻撃は毎日過酷であった。 

   我々は中学1・2年で軍事教練を受けていた。
   いよいよ本土決戦ともなれば、祖国の御盾となる決心はすでに出来ていた。 
   教育勅語に「一旦緩急アレハ義勇公ニ報シ」 もとより我々は望むところであった。 
   気力と使命感に燃えるよう教育された少年達であったのだ。 
   沖縄戦の学徒隊、健児隊、ひめゆり隊になぞらえての、
   本土決戦の戦力増強に組み込まれて行ったのであろう。

  写真  皇族・東久邇宮内閣誕生  8月17日  (共同通信社)
  無条件降伏に反対する軍部の抵抗をおさえ、連合国との終戦交渉を円滑に運ぶため、
  皇族の東久邇宮内閣を誕生させた。 「聖戦」の勝利を信じて疑わなかった多くの国民は、
  玉音放送によって打ちのめされ、発足した皇族内閣は、「国民総懺悔」を唱えて、
  敗戦の責任を国民に問うて、不評を買った。
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   注の解説
   軍曹は上級兵士の階級呼称。 
   徴兵召集され、軍人を職業にしていない兵士、20歳徴兵時で二等兵。 
   ここまで昇進するには、大変な年月を要する古参の兵士。 農民が多かった。 
   おやじ殿は我々の親父の年齢位の兵士だったので、その様に我々仲間内で認識していたアダナ。
   職業軍人は陸・海軍の軍人育成教育を施す学校
    (陸軍幼年学校・陸軍士官学校・海軍兵学校・海軍機関学校・海軍経理学校などの卒業生は
     将校幹部候補生・任官は少尉、 更に士官経験中に推薦入学する陸・海軍大学校の卒業者は
     職業軍人のエリート中のエリートで、将来の将官級軍人。
     特攻隊の養成所で知られる、予科練習生などは下士官教育だが、
     終戦間際は軍学校以外混迷)

   陸軍階級呼称                    海軍階級呼称
    大元帥=天皇                    大元帥=天皇
     元帥   元帥陸軍大将               元帥海軍大将
     将官   陸軍大将 陸軍中将 陸軍少将       海軍大将 海軍中将 海軍少将
     佐官   陸軍大佐 陸軍中佐 陸軍少佐       海軍大佐 海軍中佐 海軍少佐
     尉官   陸軍大尉 陸軍中尉 陸軍少尉       海軍大尉 海軍中尉 海軍少尉
     准士官  陸軍准尉                 海軍特務曹長
     下士官  陸軍曹長 陸軍軍曹 陸軍伍長
                          海軍上等兵曹 海軍一等兵曹 海軍二等兵曹
      兵   陸軍兵長 陸軍上等兵 陸軍一等兵 陸軍二等兵
                    海軍水兵長 海軍上等水兵 海軍一等水兵 海軍二等水兵
     
     昭和18年10月学徒出陣した学生は、陸海軍の士官候補生として、
     各部門に配属、訓練を受け、そして特攻隊として散っていったのである。
     一方で、軍関係の学校の卒業間近の者、あるいは昇級間近のものが、
     終戦を迎えて除隊されるとき、昇級除隊されたものも居た。
     人よんで、ポツダム中尉、ポツダム少尉という。

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