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ひとつ所に脚を留め置く安穏が、心の中で余りにも大きく面積を広げ過ぎ、非日常の新味が何故か恋しくなる ・・・
新しい旅を始める動機としては、決して悪くない筈です。
大きな駅の片隅から発車する、誰も気に留めない忘れられたような 「 各駅停車 」 の座席を占め、発車間際特有の昂揚感を静かに覚える瞬間 ・・・ 新しい旅がまた始まるという感を強く持ちます。
行き先が決まっていても、また決まっていなくとも、慣れ親しんだ大きな街から離れ行くローカル列車は、否応なく非日常という旅の奥中へ進みます。これから始まる旅へ抱く、大きな期待にほんの少しの不安が混ざった独特の心の振幅は、発車間際に掛かるディーゼルエンジンの細かい振動と相まって旅情の色を濃くします。
此処ではない何処か ・・・ 未だ見ぬその土地へ思いを巡らすうちに、僅かに残っていた不安を霧散させるように音もなく列車が動き出します。この刹那、私にとっての 「 新しい旅 」 が始まります。
安穏に沈殿した日常から歩を進め、新しい旅を始める季節がやってきました。
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