イタリア Lezione

主にイタリアに関する読み物です。

雑感

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イタリアに限らず、旅先で感じた事を書いています。
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Dante : a poet

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The Barque of Dante : E. Delacroix : 1822






 As you walk across the Ponte Vecchio in Florence today, you come upon a plaque bearing a

passage from Dante's Divine Comedy.


Dante, a life : R. W. B. Lewis : 2002

Venezia 〜 雨 : 印象

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How sweet the moonlight sleeps upon this bank.

Here will we sit, and let the sounds of music

Creep in our ears.

Soft stillness and the night

Become the touches of sweet harmony.



The Merchant of Venice 5 . 1 . : William Shakespeare

Ray Bradbury

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June dawns, July noons, August evening over, finished, done, and gone forever with only the

sense of it all left here in his head. Now, a whole autumn, a white winter, a cool and

greeting spring to figure sums and totals of summer past.



Dandelion Wine, 1957 : Ray Bradbury

遺構

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 原形を留めず崩れた廃墟を観て、其処に積もった心の幾星霜を思う。



 ローマに来ると、いつもそう考えます。
 この街に残る遺構の群を、観光地を巡る旧所名跡と同様の 「 記号 」 として捉えても、心の奥底に感慨は深く浸透しない事でしょう。それは、教科書の字面を追って史実を覚えようとする歴史学習と大差なく、実に味気ないと思います。史実を知るという事は、字面を覚えることではなく、その行間にある 「 空気感 」 を頭に浮かべることでありましょう。歴史の 「 空気感 」 とは、時代を生み出し、事物を興した人間の心内です。その時代に至った人の 「 心 」 の振幅が、創造、破壊、征服、略奪、建造という史実を興した大きな要因である事は間違いありません。味気ない字面の間から、史実を辿った人の心が見えてくると、過ぎ去った歴史も随分と彩を持って迫ってくる筈です。


 遺構という 「 記号 」 を幾ら眺めても、それは味気ない歴史的遺物です。
 物言わぬ遺構に刻み込まれた幾星霜もの時の重なり。それが何故に創造されたのか、或いは何故に廃墟となり現代に残るのかという史実の表面だけでなく、其処に重ねられた膨大な心の振幅に思いを馳せる時、遺構は必ず鮮やかに蘇る筈です。ローマにある断片的な遺構の群は、歴史そのものであると同時に、その歴史を育んできた人間の心の振幅でもあります。


 「 永遠の都 」 に漂う幾重にも重なった時間と、其処に生きた人の思い。
 時の長さと比例するようにして積もった人の思いが膨大であればある程、「 永遠の 」 という冠がローマに被せられる理由が分ります。この街に断片的に残された遺構の群が頭の中で鮮やかに蘇り、それらを創り、傍らを通り過ぎ、破壊し、そして今に残した人の声が聞こえてくる ・・・ 遺構という事物然とした 「 記号 」 の背景に潜む人の心もまたローマの魅力です。


 「 永遠の都 」 には、他の街とは異なる独特の 「 空気 」 が流れます。
 その 「 空気 」 とは、やはり、この街に積み重なった人の思いが創り出しているのだと思います。


 「 空気感 」 を思い浮かべる ・・・ ローマに来た時は、いつも頭の片隅に置いています。

Holden へ

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 大学生の時に、初めて D. J. Salinger の名を知りました。



 友人の 1 人が、居酒屋談義で 『 ライ麦畑でつかまえて 』 という邦題について熱弁を振るっていた事を思い出します。余りにも熱い語り口に触発されて、急いで 『 The Catcher in the Rye 』 を読みました。


 『 The Catcher in the Rye 』 は、青春の懐古趣味と紹介される事も、間々あります。
 他者と自分の相違点が、時として残酷なまでに明確になる ・・・ いわば自我の萌芽に伴う若者特有の孤独感は、多かれ少なかれ、主人公 Holden の挫折と無軌道に重なるのでしょう。無限に広がっていた可能性を露とも疑わない時期を過ぎ、大人へと成長するに従って、人は自らの能力、限界を否が応でも知る事になります。その時に背負い込む 「 痛み 」 や 「 苦しみ 」 は、後で降りかえってみても 「 青春の 1 ページ 」 とするには、重たいものであるのかも知れません。その意味で、私は 『 The Catcher in the Rye 』 を 「 懐古趣味 」 とする評に抵抗を覚えます。


 J. D. Salinger は、唯一 『 The Catcher in the Rye 』 によって世に名を残す作家です。
 それは、W. S. Maugham 風に言うならば、「 凡才 」 の部類に入るのかも知れません。しかし、ただ 1 つの作品を世に知らしめたという文学史上の点的業績と、人がある時期にだけ経験する、あの若者特有の苦しみは、「 只唯 」 という符号で奇妙に一致します。その奇妙な一致もまた、この作品に言い知れぬ魅力を与えているのかも知れません。





 『 The Cathcer in the Rye 』 が、「 青春の ・・・ 」 という冠を被せられる作品であるのならば、それもまた良いでしょう。しかし、もしそうならば、青春の一点という時期にあり、何かしらの苦しみなり痛みなりを背負っている若者だけが感じる事の出来る観点が、この作品にはある筈です。


 講義の際、時折、この作品を学生に薦めます。







Just so people didn't know me and I didn't know anybody. I thought what I'd do was, I'd
pretend I was one of those deaf mutes. That way I wouldn't have to have any goddam stupid
useless conversations with anybody.

「 誰も僕の事を知らず、僕の方でも誰も知らないというようにすれば良かった。僕がやろうと思ったのは、耳が聞こえなくて、言葉を話す事も出来ないふりをすることだったんだ。そうすれば、誰とも役に立たない、下らない話をしなくてすむんだ。」


The Catcher in the Rye, 1951. J. D. Salinger


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