イタリア Lezione

主にイタリアに関する読み物です。

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「食」はイタリアを語る上で、重要なキーワードです。
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ジェラートのこだわり

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 イタリアのジェラート(gelato)は、やはり美味しい。

 日本ではアイスクリームの類を殆ど食べないくせに、イタリアに行くと何故かせっせとジェラートを食べる。いわゆる「アイスクリーム」とは製法が異なるから、イタリアンジェラートと比較すること自体に無理があるのだが、独特の食感と色とりどりの材料に心惹かれ、1日に1回は必ず食べてしまう。

 リストランテでドルチェの1品として供されるのも魅力的だが、やはり醍醐味は街中の店で買って食べるジェラートにある。どの街に行っても、一目でそれと分かるジェラート屋(gelateria)があるから、見つけ次第やおら店内に入っていく。巨大な冷蔵ケースの中に、多い店で30〜40種類ぐらいのジェラートが並べられている。土台となるコーンかカップの大きさにもよるが、一番小さいサイズを選んだとしても、2〜3種類ミックスしてくれるので、どれを選ぶか迷ってしまう。いつものお気に入りの組み合わせでいくか、それとも今日は新たな組み合わせの妙を試してみようか・・・楽しさは尽きない。

 ジェラートの種類(ネタ)は、大別してティラミス、カッサータ、チョコレート、カフェに代表される「加工菓子系」と、レモン、メロン、バナナ等の「フルーツ系」がある。前者はどちらかと言うと、「こってり大甘系」で、後者は「さっぱり甘さ控えめ系」になる。従って、2種類のミックスをする場合、どちらかの系統に偏るのではなく、それぞれから1種類ずつ選択して食す方が賢明だ。

 この組み合わせには、人それぞれの個性というか「こだわり」があるらしく、「ティラミスとレモンの組み合わせ以外には考えられない」という保守派から、わざとフルーツ系を複数選び、健康志向を気取る人までいて、それぞれの好みを聞いているとなかなか楽しい。

 ただ、ジェラートの「こだわり」に止めを刺すのは、やはり「コーン派」「カップ派」どちらの派閥に属すかという点に尽きるであろう。見ている限り、イタリアでは6:4もしくは7:3でコーン派が優勢のようである。個人的には昔から「カップ派」である。ジェラート好きの割には食べ方が下手で、コーンの先端に盛られたジェラートを「ボトッ」と落としてしまいそうな恐怖にいつもかられてしまう。従って、多少の「振動」があっても、安心して食べられるカップをいつも選んでいるのだが・・・。

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「マツタケ」の味

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 ナポリでババ(baba)を食べた。

 ババとはナポリでよく見かけるドルチェだ。強力粉と卵、バター、砂糖、イーストを材料とし、それらをこねて生地を作り、焼き上げただけのシンプルな菓子だ。小さなカップ状の焼き器に生地を入れて焼くので、焼きあがるとカップの先端で生地が膨らみ、「マツタケ」然とした独特の形になる。早い話がスポンジケーキであり、リストランテでドルチェメニューに載るようなものではなく、菓子屋の店頭やバールで買って、立ち食いするような類の庶民的な菓子である。

 バールで初めてババを食べた。ショーケースに並んでいる色とりどりのドルチェを眺めていると、店員に「ババか?ババか?」と聞かれたので、何のことか分からず適当に相槌を打ってみる。すると、この「マツタケスポンジケーキ」が出てきた。値段は1ユーロ少しだ。始めは食べ方が分からず、「マツタケ」の頭部からモサモサと食べてみたが、正直、あまり美味しいとは思えなかった。

 しかし、これは正統的なババの食べ方ではない。
ババにはラム酒シロップをかけて食べなければならない。ラム酒シロップとは、文字通り、ラム酒とガムシロップを混合した「ババ用ソース」で、ラム酒の爽やかな刺激と、ガムシロの強烈な甘さが何とも言えない味を醸し出す。

 このガムシロをババにかけるのだが、そのかけ方に逡巡があってはならない。最もババの美味しさを引き出すには、盛大にかけるのが良いらしい。「盛大に」とは、ババのスポンジがシロップをそれ以上に吸えなくなるほどの飽和状態までかけ続けることを意味する。あまつさえ、イタリア人の中には、「マツタケ」の先端からガムシロが滴り落ちるくらいでないと、ババを食べた気がしないという人もいる。こうなると、シロップをかけるというよりも、シロップの海に「マツタケ」をどっぷり浸すという表現の方が適切かも知れない。

 何だか気色悪い印象が拭えないが、実際にやってみると意外に美味しい。ラム酒の刺激がシロップの甘さを中和するので、むしろ爽やかさが口に残る。湿り気を帯びたスポンジも、慣れるとむしろクセになる。

 歩きつかれた時に、シロップ滴るババを食べて、濃く入れてもらったカフェ(エスプレッソ)をグイと飲み干す。ナポリの典型的な「おやつ風景」だ。

 

(babaは、後ろアクセントなので、正確に発音すると「ババ〜」となり、年配の女性の前では少し気が引けるような響きがある。)

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悪魔祓い

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 2年前まで花粉症が酷かった。

 毎年2月に入ると鼻づまりと目の痒みに悩まされていた。唯一の幸いは、毎年2月から3月にかけて2〜3週間は仕事でイタリアに渡るので、一時的に花粉症という悪魔から逃れることが出来る。日本の恐ろしい杉花粉もイタリアまでは付いて来る事が出来ないらしく、現地について半日もすれば不思議なくらいに症状はおさまる。

 2年前の滞在中、ちょうど赤ワイン、特にキャンティクラシコに凝っていた。元来が酒飲み体質であるから食事の度にありとあらゆるキャンティクラシコを頼んでは、せっせと飲んで悦に入っていた。後から勘定してみると、結局18日間の滞在で、ボトルにして30本近く飲んでいたことが分かった。
 帰国後、身体に異変が起こった。

 例年だと、成田から帰りの電車に乗るぐらいで早くも悪魔の花粉が身体に取り付き、目と鼻がてき面に壊滅する。ところが、その年は不思議なことに電車に乗っても、自宅に着いても、次の朝になっても、1週間経っても悪魔は再来しなかった。そして今現在に至っても全く花粉症の症状は出ない。赤ワインにポリフェノールだか何だかが含まれていることぐらい知っているが、短期間における「大量摂取」が体質に劇的な変化を及ぼしたのであろうか。今もって原因は赤ワインの効能としか思えないが、不思議なこともあるものだ。

 密かに『赤ワインで花粉症撃退!』なる本を出して、一儲けしたいと思っている。

脂の味

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 パレルモで「牛脂サンド」を食べた。

 Quattro Canti から歩いて5,6分の所に有名な Vucciria 市場がある。鮮魚、肉、野菜、香辛料、土産物等を売る店(露天も)が並び、活気があるので冷やかして歩くだけでも楽しい所だ。市場の真ん中に小さなカンポ(広場)があり、その一角で屋台を引く若者に声を掛けられた。シャツを捲り上げた腕に派手な刺青を入れている大柄な男だ。屋台を覗くと、大きな丸なべに得体の知れない煮込み料理がグツグツと音を立てている。「これは何?」と聞くと、牛肉の端切れを煮込んだもの・・・と言うのでよく見ると、確かに肉らしきものを細かく刻んで煮込んでいるようだ。

 面白いので「1つおくれ。」と言う。するとやおら若者は、先端に目がこまかい金網がついたコテを2つ手に持って構えた。そしてその2つのコテで煮込みをすくって力一杯絞り上げた。煮込み汁が搾り出され滴り落ちるが、その汁には明らかに「脂」分が大量に含まれていた。牛肉の端切れとは、ばら肉の脂が多い部分、否、脂そのもののようだ。その「脂を絞った脂肉」を、両こぶしを併せた位の大きさのバゲットに挟み、器用に新聞紙で撒いて手渡してくれた。1つ1.5ユーロ。

 恐る恐る食べてみると、どういう調味料で味付けしているのか分からないが、不思議と日本の牛丼のような「醤油甘辛風」である。正直美味しい。さすがに脂っこさは残るが、一緒に買ったビールを飲みながら食べると程よく中和される。挟んである牛脂煮込みの具からは、まだまだ脂が浮き出てきて、見た目はグロテスクだが案外と重くなくあっという間に食べきってしまった。
 若者は「意外と美味しいでしょ。」という風に、にこりと笑った。


 後で人から聞いたが、この手の「牛脂サンド」の屋台は、名物とまではいかないがパレルモでよくあるそうだ。冷静に考えてみると、空恐ろしいほど高カロリーのサンドで随分と健康に良くない食べ物だ。しかし、いつの日かパレルモを再訪し件の屋台を見かけたら、迷わずもう一度食べると思う。

臓物の味

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 トリッパ(Trippa)に目がない。

 トリッパとは、牛の胃袋を小指大に切り分けトマトソースで煮込んだトスカーナ地方の料理である。胃袋は日本の焼肉屋で目にする第2胃袋、いわゆるハチノスである。元々は安価に作られる庶民的な家庭料理だ。安く手に入る(肉を買ったおまけで、ただで手に入る事も多い)牛の臓物を使った煮込みで、日本でいうところの「牛スジ煮込み」のポジションに相当するものであろうか。

 トスカーナ地方のリストランテでは、立派なセコンドの1品として供されることも多く、メニューに載っていると名物のビーフステーキ(Bistecca alla Fiorentina)に未練を残しつつも、ついつい頼んでしまう。「臓物」というと好き嫌いがはっきり分かれそうであるが、トマトソースで柔らかく煮込んだトリッパは独特の歯ごたえと共に、1度その味を覚えるとクセになる。

 リストランテの1品として上品に供されるトリッパも捨てがたいが、個人的にはもっと気軽に口にしたいと思う。今では殆ど無くなってしまったが、以前はトリッパをバンズパンに挟んだ「トリッパバーガー」を売る屋台がフィレンツェの街角で多く見かけられた。1つ1〜3ユーロ位である。熱々のトマトソースで煮込まれたトリッパとバンズパンの相性は良く、1口食べるとトマトソース、肉汁そしてトリッパの歯ごたえとパンの柔らかさが渾然一体となって実に美味しかった。

 ビールと一緒に買って歩きながら食べる屋台のトリッパバーガー。どこか懐かしい味がする。「庶民の味」とはこういうものなのだろう。

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