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 学生時代に好きだったのは入江泰吉の大和路の写真でしたが、
ここ数年は土門拳(筑豊のこどもたち)、木村伊兵衛らの
昭和の風景や人物写真に見入っています。

 なので、図書館で迷わず借りてきたこの本。
頁を繰っていた時、114ページに“釘付け”になりました。
多分、中学校の頃によく遊びに行った、あのあたりです。
宅地分譲前はこんな風景だったのかと驚きました。

 扉写真は「女性の柔和な笑顔」。しかし撮影が
原爆投下後24時間も経っていない“長崎”だったとは。
また、17ページの復員兵の笑顔には涙がこぼれました。

 私はもちろん「戦争」は写真でしか知りませんが、
浅草で傷痍軍人を一度だけ見かけたことがあるとか、
親は疎開児童だったとか、戦争の影響を
微かではありますが感じた、最後の世代なのでしょうか。

 もちろんこの本は“昭和”を写しているので、
華やかな女優さんのポートレート、政治家たち、来日アーティスト、
高度成長〜平成に移る頃の産業遺産のようなもの(軍艦島)まで、
とても見ごたえある本でした。

※表紙写真=田沼武能「落書き遊びも危険になった 東京、台東」(1959)


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