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ずっと観たいと思っていたのに、上映時間が長いためになかなか都合が合わず、
週末で上映終了と聞いて慌てて観に行きましたが、期待通りの“力作”でした。
監督・若松節朗(ホワイトアウト)、脚本・西岡琢也(陽はまた昇る)。
山崎豊子の原作は数年前に通して借りて、一気に読み進むくらい、ひきつけられるものでした。
主人公・恩地元役は渡辺謙。ライバル・行天役は三浦友和。他にも会社の会長(石坂浩二)
首相(加藤剛)など、重厚な男優陣で、さすが映画だと感じました。
物語は1962(昭和37)年当時の、労働組合の折衝場面から始まりました。
男気のある恩地委員長は同僚の信頼も厚かったのに、会社からは睨まれ、外地へと飛ばされます。
これがパキスタン、イラン、ケニアなど、延々続く僻地勤務の始まり。
行天をはじめ、周りから「会社に詫びを入れて戻って来い」と
アドバイスされても「私の矜持が許さない、詫び状は書けない」と毅然と言い放つ恩地。
ジャンボ機墜落の大惨事の後でも会社改革はなかなかうまくいかず、会長は就任間もなく辞任に追い込まれ、
恩地はまたもケニア・ナイロビへ。そこで呟きます。
「サバンナに沈む大きな太陽は、明日の訪れを保障してくれる沈まぬ太陽に見えた…」と。
恩地が言う「矜持(きょうじ)」とは、最近あまり聞かない言葉です。
辞書を引いたら「みずからたのみとすることがあってほこること・ほこり・自負・プライド」
と書かれていました。
日本に帰りたいという家族の願いも痛いほどわかりながらも「矜持」を保つ夫のため、
妻(鈴木京香)と家族は協力してくれていました。それもとても感動的。
ここ数日、航空会社の再建のニュースをよく耳にします。
会社の利益もなくては困るけれど、とにかく「安全第一」それだけは忘れないでほしいと、
映画の中の墜落事故のシーンで号泣してしまったばかりの今、強く願っています。
余談ですが、この作品の主演の渡辺謙さんと、劇団四季の俳優・福井晶一さんは
面ざしがちょっと似ています。もちろん、お二人とも大好きです。
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