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いつか読んでみたいと思っていた戯曲「なよたけ」。
短編を集めた本を借りたら、偶然、巻末に収録されていました。
「竹取物語=かぐや姫」のお話が元になっています。
“なよたけ”という美しい娘に恋をした、左遷された官吏の息子文麻呂。
彼は竹藪に住む娘を訪ねますが、娘は竹薮の精=童たちと楽しそうに遊んでいる…
彼女はとっても純真無垢で、台詞を読んでいると、
それを語る女優さんの声が聞こえてくるよう。
台詞とト書きを読み進めていくうち、どんどん脳内は「なよたけ」上演中に。
風の音、小鳥の囀り、光の変化…すっかり入り込んでしまいました。
なよたけは○さん、文麻呂は○さん…と勝手にキャスティングしてしまい、
その声で台詞が語られる感じでした。
作者はこれを昭和18(1943)年の“出征前”に書きあげたと説明があり、
当時弱冠25歳の青年で、これだけのものを書いた才能が、
そのたった10年後に失われてしまったことが、改めて惜しまれます。
同じ加藤道夫作「思い出を売る男」は、以前劇団四季の舞台で見ましたが、
ぜひ、こちらも原作を読んでみたくなりました。
※このお話が入っていた「美しい恋の物語・ちくま文学の森1」。
図書館購入88年、私の前に借りた人は94年(17年前)でした…。
ずっと読まれるのを待っていたのかもしれません。
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