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 古い写真が大好きな私としては、この展覧会は興味をそそられるものでしたが、
終了前日、ようやく観に行くことができました。

 横山松三郎は1838(天保9)年、択捉島で生まれ、幼少期に箱館(函館)に移り住み、
絵画や写真に興味を持ち、横浜の下岡蓮杖に弟子入りして腕を磨き、写真館を開業したのが、
1868(慶応4)年。
 当時はコロディオン湿技法(ガラスに乳化剤を塗布し、乾かないうちに撮影、現像を行う)
という、大がかりな設備を必要とする技法だったため、江戸城の撮影や
日光への撮影遠征も、とても大変だったと推察されます。

 太政官・蜷川式胤の命により、江戸城の撮影を1871(明治4)年に行い、
今も残る当時のネガは重要文化財となっています。同じころ、正倉院宝物の
写真を撮りに赴いていますが、ライトがない当時、照度が足りないと、
宝物は明るい屋外で撮影されていました。

 横山松三郎は青写真と呼ばれるサイアノタイプ、ゴム印画、カーボン印画など技法を探求、
写真に油彩で色を付けた「写真油絵」も試み、油絵やスケッチにも高い技量を見せていました。
 写真家という枠を飛び越えた“マルチ・メディア・アーティスト”と言えると思います。
多彩な展示物は一回見終えても見足りなくて、もう一周してしまった程でした。

 「江戸東京博物館」の最寄りは両国駅、下車したら目の前に三重塔の上部が見えました。
ここは「東京都慰霊堂」。3月10は東京大空襲があった日でもあり(昨年の記事)
思わず瞑目してしまいました(訪れたのは3/5)。
 関東大震災と戦災で犠牲になった御霊が、安らかに眠られますように。

※図録の表紙の横山松三郎。娘は「ムーチョに似ている!」と…。
 劇団四季の武藤寛さん、確かに他の写真でも、結構にています。
 「キャッツ」で3つの役を演じ、器械体操選手で音大ピアノ科出身って、
 確かに武藤さんもマルチな才能…と納得したのでした。

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